アカメへの憧れ
Team.SAMEHADAは今季の夏季休暇を利用して各メンバーごとにターゲットを定め遠征を行った。
私(@madara716)は、毎年の恒例行事となりつつある高知遠征を8月10日から15日にかけて行った。
メインターゲットはもちろんアカメ。
かれこれ狙い始めて3年目になる。
アカメという存在をいつどこで知ったかは覚えていない。いつの間にか憧れをもち、いつの日か自分もその巨大な魚体を抱えたいと思っていた。
ただ巨大だから釣ってみたいのではなく、あの最高にカッコいいアカメだから釣りたいという気持ちだけは今も変わらず持ち続けている。
アカメ遠征1年目
遠征1年目は今でも鮮明に覚えている。
車の免許を取り立ての頃で、初心者マークとともに18時間かけて高知まで向かった。
車中泊をしながら、ぽかぽか温泉(高知遠征行った人なら分かるはずw)で風呂に入り、夜の下げ潮になると川へ出向いてルアーを投げることを毎日を繰り返していた。
右も左も分からないまま、アカメからの反応の無さに心が折れそうになっていた。
遠征6日目いつものように、川へ入り、その日何気なく買ったルアーを水面直下で躍らせていた。
ルアーが手前に近づいたとき、ルアーの下に何かあることに気づく…杭だ。
目を凝らして杭の位置を確認することに気をとられ、リトリーブを止めてしまった。沈んでいくルアー…そして突如として水面に輪が広がったかと思うと、一気にその輪が水中に引きずり込まれた。
パァーン!
銃声かと思うほどの爆発音があたりに響く。
何が起こったか分からなかった。頭が徐々に冷静になってくる…やってしまった…痛恨のミスバイト。
落ち着きも取り戻せないまま、震えた手でルアーを同じコースに投げなおす…
きっとまた喰ってくるはず。
1投目、2投目…喰ってこない…
3投目…ルアーを杭に沿ってフォールさせていくと…
パァーン!
ジィジィジィー、スプールからもの凄い速さで糸が出されていく。
そのとき意外にも冷静になり、口が硬いアカメに追いアワセを入れることを思い出す…
イメージ通り。
が、いざ、追いアワセをいれた瞬間…
ふっ…と軽くなった。
この瞬間、私の高知遠征1年目が終わった。
無残なST46…STX58に変えていればもっと戦えたはず。
原因はフックの伸び。
ルアーに元から付属していたフックより頑丈なフックに交換した方がいいと思っていたが、疲労した私はそれを怠ったのだ。
アカメ遠征2年目
高知遠征2年目。
この時は1年目で知り合った方に泳がせでのアカメ釣りを教えていただいた。
初日の夕マズメ。
キビレをつけて足元に落とすと、糸が出ていく勢いが増していく。違和感を感じ竿をたててみると水面からアカメが顔を覗かせた。
ヤバいと思った瞬間、アカメはキビレを吐き出し去っていった・・・
幸先が良かったようで、2年目は行く先々でアカメの姿を見ることができた。
遠征も大詰めとなったころ、1年目に目をつけていたチヌポイントへ餌を釣りにいった時のこと。
フカセでチヌを釣って寄せてくると、急にチヌが暴れ始め、そして突如魚の引きが変わる。
噂には聞いていたけど、ヤツか。
なすすべなく、根に潜られて切られてしまった。
そんなことを繰り返していると、アカメタックルのクリックが鳴る。勢いよく糸が出るタックルを手に持ち、クラッチを戻す。
魚の重みが乗りフッキングを決める。
アカメが勢いよく根に突っ込み、海に落とされそうになるがそこを耐え、寄せにかかろうとした矢先、魚の重さが抜けてしまった。
帰ってきた針をみると針先が曲がっていた。餌を泳がせている時に何かにあたってか、アカメの口で曲がったのかは定かではないが、フッキングが決まっていなかったようだ。
遠征2年目からアカメのフッキングの難しさ、アカメはどこにでもいて、場所を問わず泳がせ釣りが有効なことを学ぶことができた。
いよいよ今年のアカメ遠征、まずはフカセ釣りから
前置きの思い出話が長くなってしまったが、ここからは今年の高知遠征について書く。
8月9日の夜に出発し、休みながら16時間のドライブの末、高知に着いたのは10日の夕方。
まず、釣具店に立ち寄りエサや釣り具を揃えた。
高知の釣具店は小物から大物まで品揃え豊富で見てるだけでも楽しい。こんなものまで!?って発見もあって面白い。磯ハンター100号はさすがに笑う。
ポイントへ直行しフカセ釣りの準備をする。
コマセができて、撒く頃にはあたりはもう暗くなっていた。
電気ウキをつけ、ウキ下は針が底を這うように設定した。
しばらくするとネンブツダイが釣れた。
まだまだコマセにチヌが付いていないようだ。ポツポツとネンブツが釣れ続き、珍しくカサゴの小さいのが来たなと思ってバス持ちしようと照らすと…
危ねぇ…ハオコゼだ。
前に親指刺されてパンパンになったんだった。ペンチで針を外して早々にお帰りいただきました。
夜も深まってきた頃、水面に浮いていたウキが沈み、水中が赤くボウッと明るくなる。
アワセを入れると今までとは違い魚が一気に走る。
本命か!
鯛独特の引きをいなし、浮いてきたところをタモ入れ。
やっと本命のチヌを釣ることができた。
サイズは小さいがフカセで釣るチヌは嬉しい。
遠征1本目のチヌには申し訳ないが泳がせてみることに。
それからは、コマセにチヌが付いたようでアタリが連発する。
フカセはウキが水面から消し込む瞬間が何とも言えない。
そして、魚が掛かってから磯竿でのファイトも繊細で楽しすぎる。
ズボッ…
今までのスーッと消し込むアタリとは違った。アワセを入れると重々しく左右に走り、それをいなされると今度は根に突っ込んでいく。
今までのサイズではそろそろ浮いてきていたのに、この魚はまだ粘る。倍の時間をかけてようやく浮いてきた。
40に迫る黒々した立派な魚体だった。まだまだ朝まで時間があるのでサイズアップを狙う。
35クラスはコンスタントに釣れ、その中に40に迫る個体やヘダイが混じった。
ヘダイ。
釣れたチャリコにヤツが・・・
そろそろ、空が明るくなってきそうな頃、ズボッ…大型特有のアタリが出た。
アワセを入れると沖へ沖へテンションをものともせず重々しく走っていく。
ラインが細いため、張れる力にも限界がある。
そうこうしてるうちにテンションが抜ける…
バレた。
原因は根ズレであった。フカセ用ハリスの持ち合わせがなく、普段渓流で使っている0.6号ハリスを使っていたため無理ができなかった。
細ハリスでの釣りは面白いのだが…
それから、時々来る大物にいい勝負をできたこともあったが、結果的に獲ることはできなかった。
夜が明け、薄明るくなってきた。
フカセ釣りが楽しすぎて、本来の目的を完全に忘れていたその時だった。
・・・
掛かったチャリコの下から巨大な影が浮上してくる。
そして、その巨大な影はチャリコを猛スピードで追い回しはじめた。
ブロンズ色の魚体が鈍く光る…
アカメだ。
どうにかかわし、チャリコを無事救出。
チャリコは小さすぎたのでアカメがいない方へ逃がしてあげましたw
生きながらえたチャリコ。
アカメはこんなサイズの魚をも追ってくる。
チヌを泳がせる
早速、スカリで生かしておいた元気なチヌを泳がせてみる。
すぐには反応しなかったのでしばらく置いてみることにした。
夜とはうって変わって、フカセに掛かった魚をアカメが襲う。
やり取りに時間がかかるとすぐにアカメに持っていかれる。
喰われた魚を取り返そうとアカメにハリス0.6号で喧嘩売っていた時、チヌを泳がせていたアカメタックルから勢いよく糸が出ていき、やがてその速さが増し、タックルが海に落ちかける。
すぐにフカセに掛かったアカメを切り、海にほぼ落ちかけたアカメタックルをギリギリで拾い、針を飲ませようと糸を送り込む。
頃合いを見測り、フッキングを決めた後、追いアワセをしっかり決める。
魚の重みが乗り、鋭い突っ込みに耐えていた時、またもや、あの最悪な感触が伝わってきた…
…。
クソォォォー!!!! そう叫ばずにはいられなかった。
このポイントでは根ズレ対策でフロロ50号をハリスで使ってきたが、今回はさらなる根ズレ対策と50号より魚への違和感が少なくなることを見越してワイヤーハリスを使っていた。
まさか、スリーブから吹っ飛ぶとは…
以前、75kg超えのマダラエイを固定で仕留めた信頼していた仕掛けだけにショックは大きかった。
再度チヌを泳がせる
複数のアカメを確認できていたので、また喰ってくることを願って、ハリスをフロロカーボン50号に変え、再度チヌを泳がせた。
フカセも続行していると、たまたま遠征2年目に知り合った方(以下Hさん)と再会を果たした。
遠征に行くことができるか直前まで分からなかったので、事前に連絡をとっていなかったのだ。
アカメが掛かったことを伝え、二人でアカメを狙い始める。
アカメタックルにはアタらないが、フカセに掛かった魚をアカメが喰うというのがしばらく続いた。
フカセへのアタリもなくなってきてので、Hさんのご厚意に甘え、Hさん宅で休ませていただくことに。
その夜の花火大会にも誘っていただきHさんの家族ぐるみでお世話になってしまった。高知に遠征にきて今年で3年目だが、これといって観光をしたことがなかったので、とても楽しいひと時を過ごさせていただいた。
まさか、今年初めの花火を高知で見ることになるとは!
その夜はHさん宅でぐっすり休ませていただいた。
遠征3日目の朝まずめ
遠征3日目の朝まずめ。
豪雨と雷で良い時間帯で釣りすることができなかったが、雷が収まってから、フカセ釣りを開始した。
相変わらず、フカセに掛かった魚をアカメに横取りされる。
そんなことを繰り返していると、また浮きが沈み鋭くラインが走る…またか。
今回も柱に巻かれたが、どうにか外すことができたので、喧嘩してみることに。
何もないオープンなところまで走らせて、勝負開始。始めは防戦一方で糸を送ることしかできなかったが、魚が弱ってきたのか出された糸を徐々に回収できるようになってきた…いけるかも。
時間をかけて段々と寄ってくる魚、その正体はなんとボラだった。
ハリスは0.6から1号に変えていたが、それでもやっぱりなかなかキツイ相手だった。手前に来ても、かなりの抵抗をみせるので、釣って楽しい相手だった。
早速、アカメタックルにつけて泳いでもらったが、その姿はいつの間にか消えていた。
その後、どうにかアカメをかわし釣りあげたチヌをアカメタックルで泳がせていると、またしても糸が勢いよく出されていくが、タックルを手にとったときには既にアカメがチヌを放していた。
アカメに喰われたチヌ。鱗は剥げ、背ビレが欠けている。アカメの破壊力が分かる。
しばらくして、フカセへのアタリもなくなったため、釣り具の買い出しに行き、夕マズメに備えた。
夕マズメ、フカセ釣りから始めると早速チヌが掛かり、寄せてくると…なんと2匹のアカメがすごい勢いで追ってきた。
細ハリスへの反応がいいようなので、試しにフロロ8号で釣ったばかりのチヌを泳がせると目の前で何のためらいもなくチヌを丸飲みにした。しかし、すぐに根に走ったためなすすべなく切られてしまった。
夜になって・・・
夜になり、フカセ釣りで35くらいのチヌをパタパタ釣っていると、大型特有のアタリの後、竿が絞り込まれた。
少なくともチヌであれば40確定の引きをし、なかなかスタミナが切れず浮いてこなかったが、やっと観念したのか浮いてきた魚体はチヌではなかった。
初めてみたその魚は、コロダイであった。
同サイズであれば、今回の遠征で一番引いた。
もしかしたら、沖に走って止まらない魚は、このコロダイの大型魚かもしれない。
その後もちょうどいいサイズのチヌを釣り、朝マズメを待った。
遠征4日目の朝まずめ、タモに入ったチヌをヤツが・・・
遠征4日目の朝まずめ。
アカメタックルでチヌを泳がせる。
毎日のことではあるが、細ハリスへの反応はいい。
どんどん魚を横取りされる。ハリス12号で根に巻かれながらも、それをかわし、いい感じにファイトすることはできたが、最後は確認できていなかった根に巻かれ、バラしてしまったこともあった。
朝マズメは、アカメタックルへのアタリは無かった。
夕マズメ、Hさんと二人でアカメを狙う。Hさんが道具を取りに車に戻ると、見計らったようにHさんのフカセ竿にチヌが掛かる。
落ちそうなる竿を手に取り、アカメに喰われないように急いでチヌを寄せて、タモに入れた。
帰ってきたHさんに危なかったですよwみたいな話をしていると、
突如、
パァーン!
爆発音が響いた。アカメがタモに入ったチヌに襲い掛かったのだ。まさか、タモの上からチヌを喰ってくるとは。
Hさんが直ぐにそのチヌを針につけ、放る…
ザッパァーン!
待ち伏せていたかのように水面でチヌが襲われる。
しかし、静寂に包まれる…
ミスバイト。その後、アカメからの反応はなかった。
これから最終日に向けて熱くなっていきそうな展開になってきた…ハズだった。
が、ヤラカシテしまった。Hさん家族と夜楽しく飲みすぎて、遠征5日目、6日目(最終日)の朝マズメの一番熱い時間帯をHさんと一緒に寝坊してしまったのだ。久々に楽しく飲んだな~
ラスト2日間の私の目立った釣果は、フカセで初めてのキビレのみだった。
狙ったタイミングでウキが消し込んだのが、嬉しかったなぁ~
今回の高知遠征は、Hさん家族には最初から最後まで本当にお世話になってしまった。感謝してもしきれないです。
今までの遠征とは違い、釣り以外のことでも高知を満喫させていただきました。
初めて高知に来たときから、高知の方の温かさにお世話になりっぱなしである。気さくで、楽しく話したことはいい思い出です。
最近の高知遠征は、アカメ狙いだけでなく、高知の方に会いに来るようになってきている。
今回の遠征でアカメは本当にどこでもいることを再確認でき、新たなポイントも見つけることができた。
バラした経験、掛けた経験、喰わせた経験を次回の高知遠征に生かして、必ず次回はアカメを釣りあげようと思う。
<釣師>
のっち(@madara716)
ターゲットは淡水域から海水域まで。気づいた時には水辺にいます。