おかっぱりの釣りでは機動力を重視するあまり、ランディングネット(たも網・たま網)をもっていかないで釣りをしている人も多いのではないでしょうか。もしくは、単に出費を惜しんでいったり。
淡水・海に関わらずどんな釣りでも、条件によっては大型の魚も釣れますがが、とくに高さがある場所でのランディング時にさまざまな理由で魚を逃してしまっている人は多いのではないでしょうか。
釣りあるあるとして、ランディングネットをもっていかなかったときにこそ大きな魚が釣れたり。
今回は、ランディングネットについて解説していきます。
なぜランディングネットが必要か?
まず、ランディングネットがなぜ必要か復習してみましょう。
大きくわけて2つに理由があります。
①抜き上げ時に魚が落ちるのを避ける
足場が高い釣り場で以下の状況のとき魚はバレやすいといえます。
- 釣り鈎のかかりが浅いとき(いわゆる皮1枚)
- 口が弱く、重量がある魚がかかったとき(良型のアジ・カレイなど)
- ランディング時にかなりあばれる魚(「エラ洗い」で有名なシーバス)
- 道糸やハリスが弱い状態(ラインが切れる)
- 竿が魚の重量に対して弱い(竿が折れる)
釣りあげる際に、水面にでた魚は浮力がなくなるため重力が増したように感じられます。
この際、無理に抜き上げることで魚の口切れを起こしたり、ラインの高切れや釣り竿の破断を起こすことによって、魚をばらすという状況がうまれます。
②魚をできるだけ痛めないで釣りあげる
魚を取り込むときに足場が低い場合や、スロープ状の釣り座の場合、強引に魚を陸地にすりあげてしまえばキャッチが成功します。
一方、魚を抜き上げたり陸地にすりあげる場合は、鱗や粘膜がコンクリートや土などですれたり、地面にたたきつけられることで魚体にダメージが生じやすくなります。
キャッチ&リリースの釣りに対して、「じゃあ魚を釣るな」という意見もありますが、食べない魚であれば、できるだけ傷をすくなくリリースしてあげる、いずれまた釣りたいというのも1つの考え方ですね。
その際にランディングネットを使えば、足場の高低に関わらず、魚をしっかりキープして釣りあげることができます。
網の素材(ナイロン・クレモナ・ラバー)
ランディングネットの網にも複数の素材があります。
太目のナイロンでつくられたネットは、水切れがよいですが魚の肌にはあまりよくありません。
クレモナ、ラバーネットなどは比較的魚の肌に影響を及ぼしにくいといわれています。
リリース主体の釣りはラバーネットなどが安価で手に入れやすいですし、海の釣りなどで水切れが求められ、確実にキープする釣りはナイロンネットがオススメです。
リリース主体のランディングネット(足場低め・ウェーディング)
選び方のポイント
場所にもよりますが、淡水のトラウト・ブラックバス・ナマズや海水のウェーディングシーバスでは、リリースが主体の釣りが多いかと思います。そういったケースでは柄が短いラバー素材のランディングネットがオススメです。
ウェーディングをする場合は、カラビナ&ケーブルをつかって体に固定できるものがよいでしょう。
どのネットでもそうですが、釣る魚の全長を考慮して選ぶ必要があります。たとえば網の深さが浅いものをシーバスのランディングに使うと、折角タモ入れしたのに、魚が逃げてしまったりという悔しい経験をすることもあります。
価格ですが、プロックスのラバーランディングネットがAmazonですと、1,600円前後。意外と安いですね。
この商品は釣り具屋では2,000円から2,500円で販売されていて入門にはうってつけです。経験談として、1、2年利用すると、ハンドル部分の接着が剥離してぐるぐるしますので、接着剤による補修が必要です。
足場が高めの釣り場にランディングネット
仕組と選び方のポイント
テトラの上や堤防での釣りは足場から海面までの高さがあるため、その高さに応じたランディングネットが必要です。よくいく釣り場の足場から海面の高さを想定して購入しましょう。海釣りの場合、干潮時の高さを考慮しておく必要があります。
また当然ながら長いものほど重くなります。ほかに、アジングやメバリングとシーバスなどの釣りの違い、ランガンの釣りなのか釣り座が固定されている釣りなのかによって、網自体の大きさや付属品にもとめられる仕様が異なります。
主に狙う釣り物やシーンを想定しながら選ぶようにしましょう。
長めのランディングネット(たも網・たま網は)は、一般的に、柄+アルミフレーム+ナイロンネットで構成されていて、別々に買うかセットのものを買うという方法があります。
また、フレームをつける部分はボルト(ネジ)なのですが、この部分に角度をつけてランディングしやすくするパーツ(ジョイント)も販売されています。
最初に購入する場合は、各メーカーから販売されているセット品を購入しておくとよいでしょう。
ランディングネットの故障しやすい箇所について
以下の部分から壊れること多いので、購入前に強度を確認しておくとよいでしょう。また利用時はメンテナンスに気を付けましょう
- 柄の伸縮がしにくくなる
- 柄とアルミフレームを固定するボルトがへたってしまう
- アルミフレームがへたってしまう
- ナイロンネットが切れる
柄の伸縮がしにくくなる
これは塩がみしているだけのことが多く、お湯につけこんでからしっかり乾燥させると直ることも。海水で利用したあとはシャワーなどでよく流しておくとよいでしょう。
柄とアルミフレームを固定するボルトがへたってしまう
ボルトがまっすぐでない状態で無理にねじ込むとネジ穴がへたります。必ずまっすぐに固定できているか確認しましょう。ボルト部分がだめになってしまった場合、多くのケースで柄自体の再購入が必要です。
アルミフレームがへたってしまう
アルミフレームはアルミのビス止め加工でとめてあることが多いのですが、この部分がへたると、網が海面でずれてしまったりします。かなり使いづらくなるので、フレーム自体を交換しましょう。
ナイロンネットが切れる
魚をあげるときにはほぼないのですが、磯や岸壁に障害物があるところでランディングするときに、知らず知らずのうちにひっかかけ、網目が弱ったりきれてしまうこともあります。
多少の網目の切れ方であれば10号程度のナイロンラインで補強も可能です。全体的な傷が目立ってきた場合は、ネットのパーツを購入しなおしましょう。
メジャークラフトのファストキャストランディングネットは長さによっても異なりますが、実勢で6,000円前後なので、初心者にもお求めやすいかもしれません。
大物を逃さないためにランディングネットは常備しよう!
釣りにもいろいろありますが、滅多にアタリがない釣りもあると思います。そんな釣りの場合は油断してランディングネットを持参しなかったり、持参したものの準備せず釣りを開始して釣りをしてしまったり。
いざ、取り込みというときに慌てないためにもランディングネットは常備しておきましょう。