こんにちは!ニッシーです!
今回は僕が最も得意とする釣り「源流釣り」で、幻のイワナ「ゴギ」を狙うお話です。
「源流釣り」の魅力
「雨」として地上に落ちた水は、「川」となって「海」に流れ込みます。
そんな長い「水の旅」のスタート地点となるのが、「源流」です。
川の最上流部にあたるのが「源流域」
川の出発点である「源流域」を目指し、人里離れた渓流を登り進みます。
巨大な岩場を乗り越えたり、急流を渡ったり、背の高さほどもある笹藪を抜けたり、野生のクマに出くわしたり…。
源流釣りは「危険と隣合わせの釣り」です。
北海道釣行での「源流テンカラ釣り」の様子
それでも、「人の世の理」が通用しない「鬱蒼とした源流域」で竿を振っている感覚は、何事にも変えがたい感動体験です。
北海道の源流域で採取した「行者ニンニク」
魚を探して川を奥へ奥へと遡っていくと、「籠いっぱいに採れる山菜やキノコ」「山鳥や鹿などの野生動物との遭遇」「見上げるほどの轟々と落ちる魚止めの滝」「龍神や落ち人伝説の怪奇譚が残る深い淵や渓谷」といった非日常が待ち構えていて、次第に釣りを忘れて没頭してしまいます。
北海道の源流で釣れた「オショロコマ」
源流釣りをしていると、「自然の中での人間の無力さ」を身に染みて体感します。
古来より日本人が大切にしてきた、「自然への畏怖、自然の中で生かされている感謝の心」を思い出させてくれるのです。
「源流釣り」の装備
源流釣りでは、「少しのミスが命とり」になるので、装備をきちんと固めて向かいます。
足下は、「フェルトシューズ」を着用。
時には泳いで川を渡るので、「全身濡れても動きやすい格好」にしています。
「場所と状況」に合わせた装備を用意する
バックパックには、「ナタ、食料、救急箱、ヘッドライト、食料、雨具、ビニール浮き輪(川を渡る時に使用)」などが入っています。
「フィッシングベスト」の中身
釣り具や小物は、「フィッシングベスト」のポケットに収納。
「クマ避けの鈴」は、ベストやバックパックに3つ装着しています。
山歩きには「大きな音のする鈴」が必須
川の近くでは鈴の音が聞こえづらいので、僕はよく大声で歌っています(笑)
釣り竿は、長さの異なるものを3本用意。
愛用している渓流竿
写真上が「長さ6.2メートル、柔らかめの竿」。
写真中央が「長さ5.4メートル、硬めの竿」。
写真下が「長さ3.5メートル、柔らかめの竿」です。
「川幅の狭さや周囲の環境」に合わせて、3本の竿を使い分けています。
「源流釣り」の仕掛け
今回は、「脈釣り」と言う釣り方で渓流魚を狙います。
脈釣りとは、「ウキを使わず、ラインの僅かな変化でアタリを読む釣り」です。
具体的な「仕掛けの図」は、こちら。
「脈釣り」の仕掛け
この仕掛けを基本に、状況に合わせて「道糸やガン玉、針」のサイズを変えていきます。
「脈釣り」は、慣れないうちはアタリが取りづらく、やや難易度が高めの釣り方です。
「目印」の動きの変化でアタリをとる
ライン上の「目印」を水面近くに調整し、狙ったポイントに仕掛けを流します。
アタリのパターンは様々ですが、「目印が水中に消し込む、回転する、止まる」など、変化があれば小さく、鋭く合わせます。
「小さな変化」に、俊敏に反応することが大事!
「渓流魚」は警戒心が非常に高く、違和感を感じると餌をすぐに吐き出すので、一瞬の勝負です。
餌は「家の畑で採ったミミズ」と、「現地の川で採取したカワムシ」を使います。
「川底の石」をめくると…
川底の石を裏返すと、小石がくっついた「カワムシの巣」があります。
この巣の中に「カワムシ」が入っているので、採取します。
クロカワムシ
現地採取した「餌」は特餌!
「カワムシ」の他、たまに現地で捕まえた「バッタ」などの虫も、餌に使用しています。
「渓流の宝石」を求めて源流へ
それでは、装備を持って「源流釣り」に出かけます!
車で、「入山口」まで移動
まずは、車で行ける場所まで川沿いを遡上。
もともとが田舎な地域なので、この時点でも、ほぼ片道一車線の秘境です(笑)。
車を停めたら、川沿いに源流を目指して歩きます。
「魚」がついていそうな場所を発見!
歩きながらも、「魚」がいそうなポイントがあれば竿を出します。
「ヤマメ」が釣れた!
大きな岩の陰で、25センチの「ヤマメ」が釣れました!
源流に生息する「天然ヤマメ」は警戒心が高く、釣れた喜びも大きいです!
背中の「パーマーク」が特徴
「ヤマメ」の体には、「パーマーク」と呼ばれる特徴的な模様があります。
美しい魚体を持つ渓流魚は、「渓流の宝石」と称されます。
良型の「ヤマメ」が釣れ続く
その後も、「ヤマメ」に遊んでもらいながら2時間程歩くと、雰囲気の良い場所に出ました。
川幅が狭くなる「源流エリア」へ
この辺りから、幻のイワナ「ゴギ」が出るエリアです。
幻のイワナ「ゴギ」を狙う
「ゴギ」とは、中国地方の一部の河川の最上流域にしか生息しない「幻のイワナ」です。
水族館で展示されている「ゴギ」
イワナ属の魚で、川の最上流に生息する「幻の魚」と言われています。中国地方のみに生息する魚で、山陰側では斐伊川から高津川まで、山陽側では吉井川(岡山県)から太田川(広島県)を経て、佐波川(山口県)まで生息が確認されています。
出典:島根県
イワナ」は警戒心が非常に高く、人の気配を察知すると岩陰から出て来なくなるため、難易度が高いターゲットです。
源流を上りながら、良さげなポイントに仕掛けを流してみると…。
幻のイワナ「ゴギ」が釣れた!
狙い通り、20センチ級の「ゴギ」が釣れました!
「頭部まである白い斑点」がゴギの特徴
他のイワナと見た目がほとんど同じですが、「背中の白点が頭部まである」のが、「ゴギ」の特徴です。
その後も、源流を遡ると「ゴギ」が連発!
源流域を遡上しながら、20匹近く「ゴギ」を釣りました!
資源保護のため、「ゴギ1匹とヤマメ2匹」をキープし、後の魚はリリースしています。
「ゴギ、ヤマメ、アユ」を食べ比べる
持ち帰った「ゴギ」と「ヤマメ」を「アユ」と一緒に食べ比べてみることにしました。
「写真上:アユ」、「写真中央:ゴギ」、「写真下:ヤマメ」
「ヤマメ、ゴギ、アユ」のウロコは薄く細かいので、ウロコトリで取る必要はありません。
下処理として「塩」を使って、体表のヌメリをしっかり落とします。
「ゴギ」の胃袋から出てきたコガネムシ
「ゴギ」のお腹を開くと、胃から大量のコガネムシが出てきました(笑)
渓流魚は「悪食」といわれ、「カエルやトカゲ」が出てきたことがあります。
オーブンでじっくり焼き上げる
表面に「塩」をまぶして下味をつけたら、オーブンの中火で10分焼きます。
焼き上がると、こんな感じ。
「写真上:アユ」、「写真中央:ゴギ」、「写真下:ヤマメ」
「3種類の川魚」を僕の「独断と偏見」で食べ比べした感想は以下の通りです。
個人的には、「ヤマメ=ゴギ≧アユ」の順に美味しいと思いました!
「ゴギ」の塩焼き
こちらは、「ゴギの塩焼き」。
「アユ」は「特有のクセ」があり、「ヤマメ」と「ゴギ」は「クセがなくアユより淡白な味」に感じました。
もちろん、「味付け」や「食の好み」によって個人差が分かれると思います。
かつて「ゴギ」の生息地だった場所
上の写真の場所は、僕が子供の頃に「ゴギ」をたくさん釣っていたポイントです。
「40センチ級のゴギ」を釣り上げたこともある「秘密の釣り場」でしたが、護岸工事の影響で魚がいなくなってしまいました。
田舎の地域であっても、近年は「環境の変化」の影響で、ごく限られた場所でしか「ゴギ」を狙えなくなっています。
安全対策を万全に、ルールやマナーを守って楽しみましょう!
「源流釣り・渓流釣り」では、「監察の購入」と「禁漁、解禁時期の確認」をしっかりチェックすることが大切です。
「源流釣り」はやや難易度が高い釣りではありますが、数ある釣りの中でも最も「非日常を体験できる釣り」だと、僕は思います。
それでは、また!
寄稿者
ニッシー
- ブログ【沖縄冒険記】しままや~
- 「沖縄県うるま市の島々」で海のツアーをやっています。(シーカヤック、SUP体験等)
本記事は「【沖縄冒険記】しままや~」を再構成したものです。