「ローソクサバ」と呼ばれる痩せた小鯖や、大サバのなかでも産卵後に一気に肉や脂が落ちたサバは、身がパサつくこともあり味噌煮には向いていません。
今回は、痩せたサバを煮つけで美味しく食べられる方法を紹介します。
痩せたサバについて
これは大津沖で釣った大サバなのですが、同じぐらいのサイズでもかなり身の太さが違いますね。
上の個体は抱卵中のメスで、下の個体は産卵後のオスかメスです。多分メスだと思うんですが。
太目の個体は、一定の肉厚があり身に脂もあるので、味噌煮にしても美味しく食べられます。
一方、下の細めの個体はというと、味付けによってはパサついてしまい、それほど美味しくないわけです。だから油を補うためにフライなどにするのがベスト。
今回は、この細いサバの味付けを工夫して美味しい味噌煮にしていきます。
小鯖と呼ばれる、小型のサバを味噌煮にするときにも応用が効きます。
痩せたサバの下処理
サバの場合、遅くても釣行当日の夜に下処理をしたほうがよいと思います。
血も内臓も多いですし、なにより身が緩みやすいので。
下処理としては、棒身にし、塩振りによってやや水分と臭みをぬいてあります。
その後、80度程に冷ました湯をかけて、うろこの残り・ぬめり・血合いを落としていきます。
痩せたサバが極旨な味噌煮に変身する
あとはフライパンで炊くだけなのですが、ポイントは3つです。
- 加熱しすぎない
- 調味料
- 仕上げにタレを絡める
加熱しすぎると、さらに身がパサついてしまうので、加熱は中火で沸騰したら弱火で10分前後を目安にします。
調味料は以下の通り。やや濃いめに味付けすることで、白飯と合いやすくしたほうがよいでしょう。
- 味噌(麹の配合量が多いものがうまみが補強できてよい)
- みりん
- 日本酒
- 東肥赤酒
- 砂糖(白砂糖よりキビ砂糖のほうが風味がよい)
- 梅干し(ちょい高めのちゃんとした南高梅をつぶして入れる)
- しょうがスライス
- 水あめ
加熱時間が短いので、あらかじめ煮汁(たれ)はブレンドしておきます。このとき水あめだけとけないので、火をつけて煮汁があたたまってからスプーンでいれます。
あとはキッチンペーパーで落し蓋をし、フライパンの蓋をしてはじめ中火。
沸騰したら弱火で10分ほど。
小鯖の骨まで食べる場合は圧力鍋で調理しましょう。
10分ほどたつと、このようになっているはずです。
煮汁が多い場合は、一旦強火にして水分を蒸発させこのようにタレ状にします。
このときあまり加熱しすぎると、完全に焦げて一気に風味が落ちるので目を離さないようにしましょう。
あとは、煮汁をサバの身に絡めてできあがり。
薬味で一番合うのは「針ショウガ」です。
旨い食べ物は見た瞬間に、「あ、これは旨いだろうな」とわかるわけですが、これも明らかに旨そうです。細いサバなのに。
なぜなのかというと、たぶんそれは「照り」だと思うんです。
みりん・東肥赤酒・キビ砂糖・水あめなどに由来する照り。
それに梅の酸がサバの臭みを抑えている。
あとは、無駄に加熱時間を伸びしていないので、身がふっくら仕上がっています。
箸をつけるときなんですが、サバ=脂がのっていて旨いという概念で食べないというのも一つです。
して、味は?
まずは、身がパサつかず、ジューシー。
濃いめの甘酸っぱい味噌だれが、サバの身にほどよく絡んで白飯がススム君。と、でもいいましょうか。
骨は残す食べ方なので、小鯖を調理する際はやや手間かもしれませんが、タレの照りと旨味で、一気にご飯をお替りしたくなるはずです。
ではでは。
平田(@tsuyoshi_hirata)
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▼本みりん・東肥赤酒・水あめ・キビ砂糖あたりはもう煮つけ派には必携なんじゃないかと。