釣った魚を料理する人のなかでも「アラ」と呼ばれる骨などの部位を活用するか廃棄するかは大きく分かれるところです。
食材をどう使うかは人それぞれの自由。ですが、一つ言っておきたいことがあります。
アラこそ、宝。
今回はマゴチのアラをつかった、台湾風汁ソバの作り方を紹介します。
材料はマゴチ。
加熱調理するので、あえて旨味を出すという寝かすという工程は不要です。加熱すれば旨みがでるので。
が、今回は寝かしてあったものをつかいます。釣った初日にゴリゴリ料理するのって、けっこう大変なので、寝かすことで作業負荷を分散できるマゴチは寝かすに限ると思っているからです。
こちらアラ。中骨やエラ回りの血合いはしっかりとっておきたいところ。
釣ったその日で、水分を出し切ってないようであれば、全体に振り塩をして30分ぐらい冷蔵庫に置き、でてきた水分をぬぐってからつかうと臭みがぬけてよいです。
次に熱湯に浸す。
旨味がぬけるというのはあるのですが、この工程はしっかりやったほうがスープの臭みが出にくくなります。2分ほどつけて、あら、お湯をすて、流水をつかってアラにのこっていた血合いや鱗などを洗い流しましょう。必要なら手指でごしごし。
鍋に、下処理を完了したマゴチのアラをいれて水をそそぐ。今回は深底のフライパンをつかってます。フライパンも底が深くて幅広いものをつかうとなんでもつかえて便利。
今回はどんぶり2杯分のスープをつくる予定で、以下の通り。
- 鷹の爪1本
- にんにく1かけら
- 生姜スライス
- 長葱の青いところ(今回はいれてません)
- 日本酒
- みりん少々
- 真昆布
これを炊く。
沸騰させないように弱火で炊くと清湯系になりますし、強火でぐつぐつやると白湯系になります。旨味は後者のほうが強いながらも、臭みも出やすいのでほどほどに。
こちらは弱火で1時間ほど炊いたものを一晩寝かしたもの。すぐに食べるなら、特に寝かさなくてもよいと思います。夜遅くに炊き出したので、翌日食べようとおもったわけです。
あたため直すときに、好みで動物性スープをブレンドしましょう。マゴチだけでも淡麗なスープはとれますが、そこはハイブリッドスープにしたほうが旨い。
どんぶり2杯分ならウェイパーとか創味シャンタンをスプーン半杯くらいから試していき濃さを調整しましょう。チートで貝柱などのスープをブレンドすると、そこらへんのラーメン屋の3倍ぐらい奥深い味わいになります。
続いて、今回は肉味噌を作っておきました。
ひき肉については、息子がハンバーグ好きなので仕込んでおこうとおもったら、あっという間に賞味期限切れになったんです。念のため、大人用に使おうとおもって。
この肉味噌はルーローハンと呼ばれる台湾の肉味噌っぽく仕上げています。
- めんつゆ
- 水あめ
- 紹興酒
- 生姜スライス
- ニンニク
- 唐辛子
- 五香粉
サラダ油+ごま油で炒めたひき肉に調味料を加えて味をつければOK。甘じょっぱくなっていればよいので分量は適当どうぞ。五香粉(ウーシャンフェン)はいれるだけで台湾風になるので、台湾のフードが好きな人は用意しておきたいところ。
つづいて、麺なんですが、業務スーパーに売っていた1キロの乾麺を使用。
これ300円ちょっとなんですが、リーズナブル。大陸系の汁麺や坦々麺をつくるときによく合います。乾麺だから保存もきく。
ゆで時間6分なんですが、伸びやすいので硬めにゆでるのがポイントです。
ということで茹でる。これもフライパンでOK。
前もって湯で温めておいた碗にマゴチ汁を注ぐ。室温が低いと食器も冷えているので、温めないとすぐにスープがぬるくなってしまうんですよね。これはラーメン屋でも基本ですが、すごい重要。
こ、これは黄金マゴチ汁!!
盛り付ける。
薬味はシャンツァイことコリアンダーの葉と長ネギがよく合います。煮卵っぽいのは、ほうじ茶をベースにつくった茶卵です。台湾にいくと街のいたるところで売っているアレですね。
茶卵は、茶葉+醤油+砂糖+紹興酒+しょうが+にんにくをブレンドした汁で茹で卵を煮るだけ。色と味がつくまでやや時間はかかります。
さて、マゴチの台湾汁ソバの味は?
・・・
湯気から漂う、五香粉の香り。
たしかに存在しているマゴチのアラ由来のコクに、動物性スープの援軍。その鶴翼の陣にとりこまれたと思ったら、突如、舌触りがよくクセがない麺が勢いよく口の中に突撃してくるような。
お前は何を言っているのか。
まー、一気にすすれる台湾庶民の味ってことです。
ということで、アラをどうするかは人それぞれなんですが、ちょっとアレンジすれば最強のラーメンを自宅で作ることもできるんだと覚えておいてもらえればこれ幸いです。
ではでは。
平田(@tsuyoshi_hirata)
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