夏場のマゴチは『夏フグ』とも呼ばれて身も旨いのですが、皮もフグ皮のようにポン酢で食べると絶品です。
今回はこのマゴチの皮ポン酢のレシピを解説します。
できれば釣り上げたマゴチは神経締めなどの鮮度処理をしたものを使いたい。
マゴチの皮の特徴
一見蛇皮のようにも見えるマゴチの皮。
マゴチの皮には細かい鱗がついています。
厚さもフグほどではないですが、ヒラメと同じ程度の厚さがあり、火を通すとゼラチン質が溶けだします。
これを湯引いて食べるのが一般的なのでうが、フグよりも薄いため、あまり火を通すとべちゃべちゃになってしまい跡形がなくなってしまうので火を通す際は、さっと、済ますようにしましょう。
マゴチの調理について
マゴチは釣りあげてから旨みがでるまで数日かかるので、内臓を出さず濡れ新聞紙やキッチンペーパーとラップで覆うの方法が知られています。
神経締めしたものを、エラや内臓もださずミイラ状態にして冷蔵庫のチルドルームで3日~7日程度熟成させます。
初日に食べる場合は歯ごたえを楽しめますが、旨みをかじるためには寝かせる工程が必須です。
マゴチの皮をすく
皮はすきとる場合、まずマゴチを3枚におろしたあとにサク(身の塊)からすきとります。
写真はカンパチ。
マゴチの皮を上手くすくコツとしては4点あります。
- ブレードが薄く湾曲するタイプの刺身包丁やフィレナイフを使う
- 刃をよく研いでおく
- サクは直前まで冷蔵庫にいれよく冷えた状態にしておく(身があたたまると崩れやすくなります)
- まな板の手前にサクをおいて尾側から手前に刃を引くようにすいていく
特にマゴチの場合は身がサクが半円状(カマボコのように)のため、包丁の刃が身に沿ってわんきょくしないと、皮に多くの身がのこってしまうので注意しましょう。
<マゴチの皮をすくために適した刃物の例>
- 刺身包丁(柳刃包丁)
- フィレナイフ(オピネルのアイテムがオススメです)
素人であればこの写真のようにすけていれば上出来です。
このとき使用した包丁は1,000円前後で販売されている刺身包丁ですが、よく研いでおけば問題ないです。
すきとった皮を湯引く
マゴチの皮をすきとったら、以下の5つステップで湯引きましょう。
<マゴチの湯引きSTEP>
- 鍋に湯をわかし、好みによって日本酒を少々混ぜます
- そこにすきとった皮を数秒いれ、その後氷水につけます
- 余分な鱗や身をとる(身がついているのが好きな人はそのままで。身をとったほうが食感の統一感がでます)
- 皮が冷えたら水気を切る
- 日本酒で濡らしたキッチンペーパーとラップで包み冷蔵庫で冷やす(数日は持ちます)
※ティファールなどで湯を沸かしてボールにいれた皮を湯通しするのでも問題ありません。
こちらが皮を湯引いた状態。
多くの鱗の取り残しがあるはずなので、氷水で冷やしつつ取り除きましょう。
氷水からあげたマゴチの皮は重ねて手でしぼって水分を切ります。
今回は、皮を二つ折りにしてまとめることに。
皮をキッチンペーパーで覆った状態。
乾燥していると皮にこびりつくので、軽く日本酒で湿らせておくと保存性もよくなります。
その後ラップで覆い、
輪ゴムで縛る。
これを冷蔵庫にいれて冷やしましょう。
マゴチの皮ポン酢を仕上げる
こちらが冷蔵庫から取り出したマゴチの皮。
なんとなく蛇の皮にも見えなくもないですね。
ゼラチン質が固まっているので、温まらないうちに切り分けます。
今回はざく切りに。
フグ皮の場合、マゴチより歯ごたえがあり噛み切れないためより細く切っていきますが、マゴチの皮は適度な弾力なので、歯ごたえを楽しむ場合は、このようにざく切りにしてもよいと思います。
このあたりの切り方はお好みで。
皮を盛り付けるときは中央を山のようにするのが基本です。
もみじおろしをたっぷりかけて、万能ねぎをちらし、ポン酢で食べましょう。
季節によってはスダチなどをしぼるとさらに風味が増します。
おまけ:皮の鮮度について
釣り上げた魚の皮にはうろことぬめりがついているものですが、皮を食べるのであれば、できるだけ早くうろことぬめりを落としておいたほうが臭みもない新鮮な皮を食べることができます。
前述の『ミイラ熟成』をしたマゴチでももちろん皮ポン酢にはできますが、皮や内臓(肝臓・胃袋)あたりを食べるのであれば、鮮度を考え最初に下処理したサクを寝かしてもよいかもしれません。
釣りにいった後はなにかと疲れているので、冷蔵庫に放り込んでおいて、下処理を後回しにできる熟成はそれはそれで便利ですが、そのあたりはお好みですね。
関連アイテム
魚の皮を引く際はブレードが薄い刃物を選ぶのがよいですが、まな板のスペースが広いと作業をしやすいです。
B5ぐらいのまな板ですと、魚の身もはみでてしまい、台所についてしまったり衛生面でも課題があるので、なるべく大きなものを用意しましょう。