釣り船でのマゴチ釣りをはじめてしばらくたって、慣れてきた感はある。釣りにいけばボウズということはない。ボート釣りのときはボウズもあるけども・・・
今回の釣行はリストランテORETSURI7がマゴチ釣り&料理なので釣況を調査しにいってみた。
メンバーは、まつとも氏(@BigGame_BigOne)、芦野水軍(@jyai1229)&痛風の鈴木氏、そしてわたし平田(@tsuyoshi_hirata)という構成。わたし以外、はじめてのマゴチ釣り。
今回、事前にTwitterで公正なアンケートをとってみた。
平田さんは明日マゴチを
— 平田 剛士@ORETSURI (@tsuyoshi_hirata) 2019年5月25日
結構みなさんプレッシャーかけてくるよね。
して、実際の釣果はどうなったのか。
じゃ、いってみましょう。
金沢八景湾入り口付近にもマゴチがいる
まずは金沢八景の湾入り口付近から。
このあたりは金沢漁港の相川ボートからも狙えるエリア。
「起伏があり、そのまわりを狙っていく」という渡辺直人船長からのアナウンス。どこにでもいるように思えるマゴチも駆け上がりやらにまとまって生息してるのだ。
こうしたポイントでは深度が変わるため頻繁なタナトリが必要。潮が速いときにボーっとしていると船が流れ、底数メートルに錘を置いてしまったり、反対に底べったりになってしまったりする。
タックルは2本竿。
シマノ6:4のライトゲームSSを置き竿にして波を吸収しつつアタリを出し、手持ち竿はダイワ・マゴチX。
餌のサイマキのつけ方をレクチャーして全員スタート。
この笑顔がいつまで続くのか・・・
最初は全員笑顔がこぼれている。
水温の上昇によってプランクトンが増えて赤潮気味に。これは富栄養化した東京湾では例年のことなので特に珍しいことではない。
底から1mの位置にバランスシンカーをおいているものの、小潮で潮もゆるいためハリス1.5mでは餌が底についてしまう。が、ここでハリスをつめると感覚が狂うため、1.5mのままでイトオモリを外して高めのタナトリで様子をみることに。
この日は、着底させるまでにクラゲに接触することが頻発した。対策として、着底までに、もぞっといったり、着底後になんとなく抵抗感があった場合は躊躇せず巻き上げることにしていた。
するとこのようにサイマキの身体にアカクラゲの触手が絡みついていたり。
サイマキとしても、このアカクラゲの触手は刺激を受けるようで嫌らしく、海面から上げてくると海老よけ動作を繰り返して暴れる様子がみてとれる。
このポイントでは左舷船尾側を中心に数本のマゴチが釣れていた。
八景赤灯沖・野島沖堤防界隈。待望の一尾・・・
我々にはアタリが一向にこない。なんてこった。
八景の赤灯沖へ。
個人的にこのあたりは以前アタリが頻発したのと、大き目のマゴチを釣ったことがあるので期待を持っている。
人間単純なのでいい思いをしたところは、「よし、ここでくるはず」みたいな感覚になっちゃうものだ。少なくともわたしはそうなっちゃう。
時刻は10時前。
出船してから2時間30分程度。そろそろいやな予感が漂ってくるが、潮もちょうどサゲに動きはじめた付近。
そろそろアタリが出てもおかしくない。
と、2本竿の置き竿の穂先を見ていると・・・
クンクン。
む。
今、少し動いた気が。
置き竿の場合は、アタリがあった瞬間竿受けから慎重に外しつつ手でやりとりしたほうがいい。
そーっと手に竿をもって、ほかの3人に「きたよー」と伝えつつ、竿先のテンションを保ちつつ聞き下げる。
(3人にはアタリからのアワセまでをレクチャーしたかった)
クンクン。
クンクン。
聞き下げる。
ふぅ。アタリが増幅しないな。マゴチの場合は潮が流れてないときはそれほど動かないらしく、アタリも増幅しない傾向がある。そのため竿の穂先をゆっくりあげてテンションを強め、自らアタリをだしてやるというアクションが必要になる。
「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」
ってのはリクルートの江副さんの言葉なんだけども、マゴチ釣りでもこれが当てはまる。
環境のせい、会社のせい、上司のせい、自分のまわりの駄目な人のせいにしないで、自らアクションし、自らの力によって自分のおかれている状況を変える。
つまりだ、
アタリがでないでも、自分がアタリを創り出すのだよ。
「まだ、ここにない、出会い。」
魚は、必ず水中でまっているんだ。わたしは他責ではなく自責な男でな。
ってことで、ここでゆっくり聞き上げる。
クンクン。
クンクーン。
じわー。(穂先から胴ぐらいまででマゴチの重さがのっているのを感じた)
ここで、リールを巻きながら竿先をさげていき、そこからゆっくり長いストロークでのアワセ。いわゆる巻き合わせってやつだ。これはバス釣りをやってたから自然にできる。
グワーン!
のった!
でも、あんまり大きくないな。50cmないかも。
真夏のように水深10m以内というわけでもないので、巻き上げるまでにはすこし時間がかかる。といっても20mぐらいだけど。
ようやく最初のマゴチが釣れた。
興奮して鼻息が荒くなっているものの、それがおさまり、潮風がやがて清々しく感じるあの感覚。先駆けとしての面目を施せた。皆の衆、マゴチはこう釣るのだよ。がはは。と。
数釣りではない釣り物の場合、こうして序盤から中盤までに1尾釣っておくと気が楽になる。逆に中盤までに釣れないとあれこれ無駄な釣り方をやってしまって結局釣れないということが多い気がする。
左:フグと思われるアタリ 右:エビの頭部がつぶれているマゴチのあたり
その後もアタリがあったが、フグだったり。ほかに本命マゴチのアタリではあるが、サイマキの頭部をかじってすぐに話してしまうアタリが2回。
これは合わせる合わせないの前に、竿先を引き込んでしばらくして離してしまう個体で、たぶん型が小さいのかやる気がない個体なのだと思う。
こういったときは、ルアー釣りが優位だ。
小型のマゴチやヒラメの場合もトリプルフックをアシストなどにしたジグヘッドやプラグ類ならば、顔の外側を含めていずれかの針がヒットする。が、サイマキのエサは一旦エビを丸呑みしてもらえないと、どうしても針がかりしない。
これはタチウオのエサ釣りとジギングの違いにも似ている。ショートバイトでも顔や体のどこかに引っかかって釣れるルアーと完全に食わせる餌。
マゴチも、ヒラメの餌釣りのようにイワシや小あじをトリプルフック付きで泳がせればいい。
が、マゴチのエサは夏まではサイマキが標準で、夏以降はハゼだったりするので、いずれも孫針に耐える体力を持っていない。
ただ、このアタリがでても本あたりまで一向にいかないという歯がゆさ、じれったさが最高に楽しいのだ。
場所にもよるが時折こういった泡状の潮が流れてくる5月・6月の東京湾。
だんだんと全員真剣に。
ここまでで、右隣のまつとも氏が数度アタリを出していたものの、合わせタイミングが早く乗らず。もしくは、本あたりまでいかず。魚を外すごとに、「くー、悔しい。おもしろい」といっていたので、本当に釣りが好きなんだろうな。その気持ちよくわかるよ。
まるで北アフリカ・エジプト近郊を上空10,000メートルから眺めたかのような濁りと泡。
横須賀付近へ。タナをさらに高く
野島沖堤防をすぎて横須賀港湾エリアへ。
左の置き竿が2.3m。手持ち竿は2.1mなのだけども、グリップ部分をではなくバット部分を手持ちして竿を短くして置き竿とは違うエリアを釣る魂胆。自分でオマツリするのを避ける意味合いもある。
ここで、なんとなくサイマキが底についてしまっている感覚があり、あげてみると案の定頭部に泥が。
潮もゆるいのでタナを1m20cm、30cmでとってもサイマキ自体が底を這ってしまうのかもしれない。よくみたら先ほど付け替えた船宿しかけでイトオモリがつきっぱなしだったので外すことに。
これが功を奏したのかは不明ながらもアタリ。
先ほど、2回ほどアタリが本あたりに変わらないという経験をしたのでかなり慎重にやりとり。
無事ヒット。
タモ入れをしてくれた渡辺船長が去り際に「あんまりいろいろ考えないほうがいいよー、さっきのは30秒前でも合わせられたよー」と。ふむふむ。慎重になりすぎた感はあるかもなー。
このマゴチは釣りあげてくるときにミヨシの釣り人とおまつりして、ミヨシの釣り人のフックが胴にスレがかりしていた。しかもわたしのフックは刺さっていない状態。
ん?たしかに、アタリがでて合わせたんだけど、わたしの針はどこにヒットしたのだろう。気になって口を開いてみたら口蓋の左側に一度フッキングした赤い跡があった。オマツリによってこの針が外れたんだろうなと。
こちらは別の釣行で釣ったマゴチ。針が口蓋に貫通していない
このことでもわかるのは、マゴチの口蓋部分はライトタックル×マゴチ針では貫通しないわけで、そこに半分刺さっても何らかの原因で針が外れるということ。
横須賀うみかぜ公園沖。サイレントなアタリはフグのしわざ
場所はさらに南に移動して横須賀うみかぜ公園沖へ。港際の航路やかけあがりがポイントになっている。普段ほかの船釣りをしていると、このあたりのポイントは潮もそれほど流れていないし岸壁から近いので疑心暗鬼を生じやすいエリアなのだけどもたしかにマゴチはいる。
岸際で一時期船尾側のみフィーバーに。特に右舷オオドモの常連おじさんは連発で何本も釣っている。が、胴の間から前はほぼアタリが出ない状態。このとき南西風で下げ潮だったものの、流されているのが船尾側だったからか。
一同「場所かー」と嘆いていると、渡辺船長の「場所なんかかんけーねーよー!マゴチなんてそのへんにいるよ!」と一喝が飛ぶ。たしかに場所のせいにしては埒があかない。
今、このあたえられている条件下で結果を出す。それがビジネスマンとしてのつとめ。
「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」
ってことなんだよなー。
さらに猿島側へ。そろそろ終わりが見えてきたが・・・
この辺りはフグの巣窟で、隣同士でほぼ同時にアタリが出て、さくっと引き込まないのであげてみるとこの通り。
ふと気づくとエナジードレインされたサイマキだけがいる状態。俺の100円と機会を返せ。他責にするとはこのことである。
そろそろ必死感が出てくる一行。
まつとも氏はアタリがでるが、それが本あたりにいたらない様子。
このとき、わたしの頭の中には、さらに2本のマゴチを釣って4人でシェアしようという大人なBプランが策定されていた。
タナを工夫して、底20~30cmにサイマキが漂うイメージをする。穂先によって錘を多少跳ね上げ、エビがはねる様子を演出しフォールさせる。
マゴチはヒラメと違ってそれほど食い上がることがないし、やる気がそれほどないときは顔の上に落ちてくるものしか反応しないはず。
そのため、船のマゴチ釣りでは10cmが重要な気がする。
気がする。
気がするんだ。
そうこうして、
「あたりが出ないんで終わりにします」との船長アナウンス。
「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」
マゴチボウズ三連星が誕生した瞬間だった。
船釣りあるあるだが、こうしたときに、釣っているほうもつらい。
自分としてはなんとか2本のマゴチを釣ってるけども、やったーおけまるー!とか喜びづらい。3人いるから2本のマゴチをわけるとしても割り切れないしな。むしろ今回の目標は5匹だったので、未達の気分だ。
帰りはまつとも氏と、金沢文庫の金八家で反省会をする。
中盛半ライスが胃袋をみたして、全身の血が腹にあつまったとたん、急に眠くなる。
結局マゴチの1尾は、まだマゴチを食べたことがないという、まつとも氏へプレゼントすることに。
わたしは1尾持ち帰ってきて、またミイラマゴチにして寝かすことに。
なぜ釣れている常連釣り師は連発して釣れていたのか
釣りでは一番釣っている人を真似たほうがいい。なので、途中からよく釣っている右舷のオオドモの常連さんを右舷2番から遠目に観察してみた。
するとわかったのはタナトリは頻繁にしておらず、基本置き竿2本で待っているというあたりに差がありそうだった。
その他、バランスシンカーが蛍光オレンジとホログラムステッカー付だったりするが、錘がマゴチを誘う可能性もそれほどなさそうな気も。
が、ルアーのコロラドブレードなどの波動やきらめきで誘うという点を考えると最初の錘の着底でマゴチがファイティングモードになるのだろうか。
左舷のオオドモの釣り人もたくさん釣っていたことを考えると潮的にうしろがよかったというのは確かに言えそうなものの、やっぱり釣れているから頻繁にサイマキを交換しているのでさらに釣れるというサイクルはありそう。
次回のアクションは以下の通り。
- さらに細かいタナトリをする(ハリスカットも検討で潮の速さに応じて底上20cm以内程度をキープ)
- 新鮮なサイマキを惜しまない(今回、一見元気だったサイマキを使い続けた時間帯があった)
- 起伏が少なく移動距離が少ないところは置き竿メイン
- 待ち時間を増やす(10秒未満でのタナトリは低活性のマゴチを遠ざけているような気も)
- キラキラステッカーをバランスシンカーに貼って実験する
ではでは。
平田(@tsuyoshi_hirata)
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