全国的に人気の釣りジャンル「メバリング」。専門的に狙っている人も多いジャンルですが、まだチャレンジしたことがない方も多いはず。今回はこれからメバリングをはじめる人にオススメのタックルと釣り方を紹介します。難しく考えず、最小限の装備でチャレンジしてみましょう。
メバリングとは
小型ばかり釣れるエリアは大型メバルはいないかも・・・
メバルをルアーで釣るジャンルです。
メバルを狙うルアーはワーム類からプラグ類、メタルジグなどが一般的ですが、比較的軽量なものが多く、~8g程度のものが一般的です。
岸釣りでのメバルのエサ釣りは、電気ウキを使いアオイソメやモエビなどの活餌で狙いますが、メバリングであれば機動性にすぐれ、メバルを求めてより広範囲に釣り歩くことも可能であり奥深い釣りです。
メバルが釣れる時期
水族館でのメバル。岩や海藻にそってやや海面側を見上げていることがほとんど
岸釣りでメバルを狙って釣れるのは地域にもよりますが、秋から初夏までです。
厳密にいうと産卵の時期や水温によって異なりますが、10月後半~5月ぐらいと覚えておきましょう。メバルは12月から2月にかけて産卵しますが、産卵真っ只中の個体と既に産卵を終えた個体が混じっているとも言えます。
メバルが釣れるポイントと時間帯
漁港の常夜灯があるエリアがメバリング初心者にはオススメ
メバルは根魚(ロックフィッシュ)の一種です。根と呼ばれる岩場・テトラ・海藻エリアに集団で生息しています。
日中は比較的障害物にタイトについていたり、岸壁であればスリットの間に隠れていたりすることがほとんどですが、日が沈み夜になると、主にプランクトンや小魚などを狙って表層まで浮いてくることがしばしばです。
日中のメバリングはデイメバリングとも呼ばれますが、夜にくらべて活性が高くないことがほとんどで初心者には適していません。はじめてチャレンジするのであれ夜間がよく、満潮の前後2時間ずつをメインに釣ると釣果につながりやすいでしょう。
夜間の場合、常夜灯があるエリアが釣りやすく浮上するプランクトンや小魚を捕食しているメバルであれば釣りやすいと言えます。大型のメバルの場合、常夜灯が煌々とついているエリアではなく、真っ暗闇の磯や岸壁等の方が実績が高いこともしばしばです。
まずは釣りやすい常夜灯回りから釣りはじめ、なれてきたら、常夜灯がない岸壁や磯などにもチャレンジしてみるとよいでしょう。
<メバリングのポイント>
- 漁港の堤防や岸壁
- テトラ帯
- 岩場(磯)
- 海藻が多いエリア
※メバルは広範囲に移動する魚ではありません。数度釣行しているべきところにいない場合は、あまり望めないポイントとして見切りをつけたほうがよいでしょう。
初心者におすすめのメバリングタックル
様々なタックルが販売されていて迷ってしまうメバリングの道具ですが、それほど初期コストをかけずチャレンジできるように筆者のオススメをご紹介します。
ロッド
7~8フィートでウルトラライトクラスのメバリングロッドを選びましょう。バスロッドでも対応可能ですが、軽量なルアーをキャストして繊細なアタリをとると考えると専用ロッドが最適です。
メバリングロッドには穂先がチューブラー(中空)とソリッド(芯)のモデルがあります。
ざっくりですが、アタリに気づいて自分から合わせるものがチューブラーロッド、比較的オートマチックに釣れるのがソリッドだと覚えておくとよいでしょう。
ソリッドティップでただ巻きで気づいたら釣れたというのもよいのですが、感度の高いチューブラーロッドを選び、まずはアタリや変化に気づけるとよいかと思います。
ルアーは、~10g程度までキャストできるものであれば問題ありません。ジグ単ことジグヘッド単体のリグであれば1~3g程度の重量がメインですが、メタルジグやプラグ類を使うこともあるので多少の重量は投げられるものを選びましょう。
<ピックアップアイテム>
リール
1500から2000番のスピニングリールを合わせます。500~1000番のさらに小さいリールを合わせてもよいですが、メバリングやアジング専用となりかねません。
コストを考えるとより汎用的な2000番サイズのスピニングリールを購入するとよいでしょう。
スプールはシャロースプールとよばれる糸巻き量が少なめのものを購入すると無駄が少なく、替えスプールも購入すれば、メバリングだけでなくちょい投げなどにも活用できます。
<ピックアップアイテム>
▼ダイワやシマノの5000円程度のアイテムで十分。アブ・ガルシアのカーディナルシリーズは替えスプールがついているので、オススメ。
ライン・リーダー
ラインはメバリング用のPEライン0.4号~0.6号100mにフロロカーボンリーダーを50cm~1mほど結んでおくか、フロロカーボンの2~4ポンドを100m程度巻いておくとよいでしょう。
ナイロンラインでも釣れますが、アタリが分かりにくいため、PEかフロロの2択です。
フロロカーボンラインはクセによってトラブルが多くなることもあり、できるだけしなやかなメバリング・アジング対応のアイテムをえらぶとよいでしょう。
リーダーを結ぶのが苦手な場合は、フロロカーボン3ポンド程度がオススメです。
<ラインの種類>
- ナイロンのみ:トラブルは少ないがアタリがわかりにくい・・・
- フロロカーボンのみ:リーダーの結節が不要だが、ラインの堅さや巻き量によってはスプールになじまずトラブルになることも。水へのなじみはいい。
- PEライン+フロロリーダー:飛距離もでてアタリも取りやすい。PEラインもコーティングにより比重が重くなっているものは沈下もしやすい。
<ピックアップアイテム>
▼PEの複合素材コーティング商品にフロロカーボンリーダー4~6ポンド程度を組み合わせるのがオススメです。磯場やゴロタ場などは根ずれするためリーダーを8ポンド程度にセッティングすることも。
メバリング初心者におすすめなルアー
メバルはプラグと呼ばれるハードルアーでも釣れますが、これからメバリングをはじめる方で初期費用を抑えたい場合は、まずジグヘッドにワームを合わせたもの(ジグ単と呼ばれる)がオススメです。よっぽどの場合でないかぎり、プラグでしか釣れないようなメバルには出会いません。
ジグヘッドについて
ジグヘッドは、1~3g程度を選びますが、最初はなれないため2gや2.5gがオススメです。
メバリングになれてきて、軽量リグをトラブルなく扱えるようになった場合1gや、さらに軽いジグヘッドを使ってみましょう。
重量が軽くなればなるほど飛距離は出ませんが、自然にフォールするため、メバルに違和感を持たれません。余裕があれば複数のサイズをもっていったほうがよいですが、最初は1g、2g、2.5g等があればよいと思います。
<ピックアップアイテム>
ワームについて
メバリング用のワームも多岐にわたるため、最初は何を買ってよいかわからないと思います。そんなあなたにオススメしたいのは以下の3つのワームです。
- シャッドテール:テール部分が波動を出しアピール度が高い
- ストレートワーム:ただ巻きにより全体的に微振動
- スクリューテール:テール部分が微振動
他にもワームの種類はありますが、この3つのワームの夜光カラーを用意しておけば大丈夫です。このなかでも迷った場合は、シャッドテールタイプの夜光カラーを選びましょう。夜光カラーはアピール力が高いため、メバルがいる場合はまず釣果につながりやすいと言えます。(夜光であると警戒して食わない個体もいます)
※ワームは餌同様、まっすぐに装着しないと動きがおかしくなり、メバルに見切られるため注意が必要です。
<オススメの組み合わせ>
メバル弾丸(2~2.5g)×グラスミノーSS(夜光オレンジorピンク系)
<ピックアップアイテム>
メバリングでのメバルの釣り方
夜間、満潮前後の常夜灯がある釣り場に到着したとします。
ひとまずポイントを確保できたら、いきなる釣りはじめる前にしばらく海面を観察してみましょう。
漁港などの堤防では、常夜灯が作る灯りやその明暗付近でメバルのライズ・ボイルがみられることもあります。
その後、メバルの気配がある場所があれば静かにキャスト。
このとき、自分の影が海面に落ちないように注意しましょう。小場所の場合は、離れてキャストしたりしゃがんでキャストすることも必要です。
キャストしたあとは、一定の層をゆっくりただ巻きするだけです。このとき派手なアクションをつけるとメバルに見切られがちなので、ごくゆっくり一定速度で巻くということを試してみましょう。表層巻きの場合はロッドをやや立てたほうがリトリーブする層を調整しやすいと言えます。
メバルが表層でアミエビやシラスなどの小魚を食べている場合は表層付近を狙います。もし表層に姿が見られない場合は、カウントしながら、中層、ボトム付近と探ってみましょう。
このとき一か所で粘らず、アタリがでない場合は、同じ漁港等でも場所を移動してチェックしていくのが大切です。
その日その時間、メバルはどこにいて、どのような行動をしているか。釣り場に到着前にも仮説を立てつつ、到着後に答え合わせをしていくのもメバリングの面白さです。
メバルが食べているものや活性によって、ルアーをチェンジしていきますが、ほとんどの場合、ジグヘッドリグ+小型のシャッドテールワームで釣ることができます。
メバルは引きの強いおいしい魚
今回はこれからメバリングをはじめる方むけにタックルや釣り方を解説しました。そのため難しいルアーや釣り方については触れていません。
かんたんにチャレンジできてサイズをとわなければ誰でも釣れるメバリングの釣り。
一方、次第に慣れてくると、ジグヘッド×ワームのただ巻きだけでは食わない個体がいることにも気づきます。
- 浮いて動かさないプラグ類にだけ反応が良いメバル
- 向かい風で軽量リグえは釣りにならないときにメタルジグのただ巻きで釣れるメバル
- ワインド系の速めのアクション以外は見切ってくるメバル
- ばち抜けシーズンのメバリングに有効なストレートワームやトップウォータープラグ
メバルもいろいろです。
メバリングで釣れるメバルは15cmぐらいから30cmぐらいまでと多彩ですが、東京や神奈川であれば25cm程度のメバルが釣れれば比較的大きいといってもよいでしょう。
尺メバルと呼ばれる30cm以上のメバルはおかっぱりからはめったに釣れません。20mを超えるメバルは引きも強く、ウルトラライトのロッドでは釣趣も抜群です。
食べても、煮魚をはじめとてもおいしいのがメバル。やや淡白ですが、煮るときはこってりした味付けよりはあっさり目にするのを好む人が多い魚です。
釣っても楽しく、食べてもおいしいメバルですが、特におかっぱりの釣りの場合は資源保護にもひとり一人の配慮が必要です。
船釣りと異なりポイントが限られてくるという点と、メバルのテリトリーが狭くそれほど移動しないことが理由ですが、一つの場所で釣り人が集中したくさんメバルを釣って持ち帰ると、次第に釣りづらくなってしまい小型の個体しか釣れなくなることもしばしばです。
来年も同じ場所でメバリングを楽しみたいと思ったら、釣った個体は水汲みバケツ等で活かして置き、写真撮影などを済ませて持ち帰るもの以外はリリースするという楽しみ方もスマートです。
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