まるまつ海の研究所×ORETSURI
横須賀・大津港まるまつ丸主宰の「まるまつ海の研究所」と、あしたの釣りをもっとワクワクさせるメディア「ORETSURI」の連携企画です。
海苔づくりで繁忙期の大津
皆さん、こんにちは。まるまつ海の研究所です。
いやー忙しい。
何が忙しいって、そう「海苔」なんです。
海苔はロープで育てる
準備は9月ごろから粛々と進んでいるのですが、11月に入ってからは収穫、加工、機械や網の手入れが続いて、気付いたら1日が過ぎ去っちゃいます。
受付にスタッフがいない場合は、沖側駐車場の方へ向かった左手の巻き上げ場にいる場合がありますので、お手数ですがお声がけください
ちなみに筆者は海苔養殖が割と盛んな地域で育ちました。
小さいころから海苔を口にする機会が多く、焼き海苔、味付け海苔と、育ち盛りの幼少期には最高のご飯のお供だったのです。
とはいえ、まるまつ丸の海苔を初めて口にしたときの衝撃。
香りはその他有数の名産地のものと比べれば控えめながらも、海苔の味がどすんと濃い。
ただの焼き海苔なのに。
味覚には個人差がありますし、文章でお伝えするのは本当に難しいですが、味が濃くてうまいんです。
そう、お菓子風に例えるならば大人のビターって感じで。
もちろん、人間が食べてうまいということは、他の生物からみても一緒。
ニュースなどでご存知の方もいると思いますが、海苔はボラや黒鯛、メジナなどによる食害にあいます。
スクスク育ち、明朝に収穫予定だった海苔が、朝方には食べられて壊滅している。
なんてことも珍しくないんです。
そして、海からの食害があれば、次は空からの食害も。
沖で釣りをしていたら鳴きながら寄ってくる海鳥、ではなく、どこからともなく海へ出張してくるカモ。
海苔棚付近に人がいれば寄ってこないのですが、彼らは主に夜行性。
「一番の新芽がやらかくてうまい」
そう数世代にわたり遺伝子に刻まれているのか、見事に一番や二番の柔らかくてうまいのを摘んで食べていくんです。
大津での海苔養殖は、海苔網を入れるだけじゃなく、魚を避けるボラ網を棚の四方に張り、魚の進入をできるだけ防ぐ。
カモの襲来を避けるため、網に3キロほどの鉄筋棒をぶら下げることで海苔網を水面下に沈める。
そして、潜り船で収穫する前にこれらを撤去し、収穫が終われば海苔を鮮度良く美味しく保つために活性処理を行う。
関係者の私が言ってはいけないですが、本当に手が掛かる海苔。
だからうまいんです。
これだけ手がかかって丁寧に育てられているから。
お店にはその場で加工した海苔を販売してますので、ぜひお試してみてください。
ちなみに筆者のおすすめは、ずばり朝収穫したての生海苔!(加工してないですが汗)
海水を含んでいるので、水洗いして水気を絞ってから食べます。
三杯酢でお刺身風に、味噌汁に入れ海苔汁に、醤油、酒、味醂で炊いた自家製の無添加佃煮に。
初めて食べたその日から虜になってしまいました。
だって売ってるの見たことなかったですもん、生海苔。
さて、海苔トークが長くなってしまいましたが、本題へ。
今回は、ハイシーズンに突入した「泳がせ釣り」をした際のレポートです!
市販仕掛けを購入したが・・・
仕掛けはできる限り手作り派の筆者ですが、今回はいきなり沖へ行くことになったので、近くのポイントさんで購入しました。
しかも焦って購入したので、ひとつは「替針」って。
また、竿も持ってきていなかったので、アジ乗合船レンタル用の電動リールをまさかの手巻兵。
130号ビシをPE4号で操るこのタックルなら、大津名物「ワラサ」が来たとて恐るるに足りませぬ。
南風吹き荒ぶ中、大津沖へ
ようやく沖へ出ることができたのは、ボートが出れず、海苔の収穫もできなかった南風8mの午後。
予報では8mですが、やはりもっと吹いている。汗。
海苔棚に繋ごうとしていると、すんごい勢いで船外機船が沖へ流されちゃいます。
中心あたりに見えるのが大津港ですが、停船している状態で船が上下して波が飛んできます。。
今回のポイントはここ。
泳がせ釣りと言えば、一級ポイントである「武山」や「ガレ場」がメジャーポイントですが、今回は調査を兼ねて少しハズれたところに陣取ります。
ちなみに海苔棚を固定するために、30キロほどの錨が海中に沈んでいます。
棚と錨を固定するロープが、海苔棚の四隅あたりから数十メートル先に向かって斜めに走っているんです。
そう、間違ってブリクラスがかかって走り回られたら獲ることができない可能性がある。
かかればって話なんですが。
皆さんも海苔棚付近にアンカリングして、大物を狙う際にはご注意ください。
それではいってみよう。
こんな時化のときにアジ釣りをしてたら、仕掛けが絡んで仕方なかったでしょう。
豆アジは数日前に釣って、港の中で生かしたものを使います。隙を狙っていたタイミングが合って良かった。
釣り方は簡単。
オモリが着底したら、根がかりを回避するために1mほど底を切るだけ。
第一打投入。
・・・
3分経過。
うずうずして、海面まで巻き上げて、アジさんの生存確認を行います。
うん、元気。
第二打投入。
・・・
5分経過。
うずうずして、またまたアジさんの生存確認を行います。
うん、なんとか元気。
第三打投入。
・・・
・・・
着底して底を切った瞬間、むむ。
竿が猛烈に叩かれている。
擬音語にすると、あたたたたたたたた!って感じで。
釣り番組で、餌のアジの近くに青物などのフィッシュイーターが近寄ってくるとアジが逃げて竿に違和感が出ると見聞きしたことありますが、これは違う。
間違いなく、本アタリと確信するくらい130号ビシを操る硬い竿が猛烈に叩かれています。
「お前はもうアタたっている」
そう竿が教えてくれているという。
泳がせ釣りは、別名「ノマセ釣り」という表現もされますので、もうしっかり針付きのアジを飲み込んでいるでしょう。
軽めの巻き合わせを入れてしっかりと針掛りさせます。
小気味よい引きであがってきたのは、45cmほどのイナダでした!
イナダ
泳がせ釣りで釣ることができたので、もう帰ります!安全第一!
まとめ
今回は船外機船で移動、釣行しましたが、ポイントに到着してから釣り上げるまで、おおよそ10分程度のエクストリーム釣行。
運よく短時間、ピンポイントで釣り上げることができたのですが、最近は東京湾内でイナダやワラサがたくさん回遊しているらしく、チャンスのようです。
今回釣行してみて感じたポイントは二つ。
- まめにアジの生存確認をする
「上げ下げするのはアジを弱らせるからダメだ!」という方もいらっしゃると思いますが、その通り。
しかし、生存確認は本当の目的ではありません。
上げ下げの本当の狙いは、ターゲットにアジを見つけてもらうこと。
筆者はルアー釣りをメインにやってきたんですが、最も好きなジギングは鉛やタングステン製のジグと呼ばれる擬似餌を、着底→シャクりながら巻き上げ→着底と何度も繰り返します。
一番アタリが出る瞬間は、シャクりながら巻き上げているタイミング。
青物のメインターゲットである「イナダ、ワラサ」は意外にもフォール中(仕掛けを落としている最中)にもアタることが多いんです。
真鯛など、目が良いとされている魚も、イナダ、ワラサも落ちてくるものに興味を示してから、(海面方向などに)逃げていく獲物を捕食している気がします。
だから、まめに生存確認をすることで、自然な誘いを入れていることになります。
あまり放置が長いと、エイやサメが掛かることが多い気がしますしね。
しかし、豆アジも有限な海産資源なので、限りなく弱ってしまったり、亡くなってしまったら南蛮漬けにして美味しくいただきましょう!
- あえて弱ったアジを演出しなくて良い
泳がせ釣りの市販仕掛け全般に言えることですが、ハリスが短い。。。
webで「泳がせ釣りの仕掛けはなぜ短いのか?」調べてみたところ、弱った魚を演出するために、あえて短くして行動範囲を狭めているとのこと。
でも、青物って海中で体力全快の餌を何メートルも追いかけ回していますしね。
この短い仕掛けの利点は、アジやイワシなどの小型回遊魚が通過してしまうような海域で利点を発揮する仕掛けじゃないんでしょうか?
イメージとして、いつもはすぐに餌が通過して捕食しづらい→弱った餌がいる→食べてしまおう的な?
しかし、大津エリアには年中美味しいアジが居ついているので、むしろ自然に泳げる長めのハリスの方が効果を最大化できるのではないか?という気がします。
検証回数は少ないのですが、10月中頃に自作仕掛けのハリス2ヒロ(約3m)で「富士山だし」で挑戦してみたところ、5分に1回くらいのペースでアタリがありました。
太刀魚、マゴチ、アナゴ、バラシ多数、、、と青物は獲れませんでしたが、魚種豊富に釣れました!
ボート釣りは、他人とのオマツリもないわけで、ルールさえ守れば、どんな釣り方をしても自由!!
是非とも、ヒットパターンを掴んで、このハイシーズンに大物をゲットしてください!
港に帰ったらたんぱく質を摂取したくなり、美味しくイナダを頂きました!
そして、こんな食べ方も。
邪道と言われるかもしれませんが、マヨネーズで油分補給。美味しいです
書き手
横須賀・大津港まるまつ丸(まるまつ海の研究所)
釣り初心者からベテランまで楽しめる釣り船・ボート店。ウェブ予約も受付中!
関連アイテム
▼秋冬の大津沖ではワラサも混じるのでハリスは8号以上がオススメ。豆アジを確保して胴突き仕掛けで狙おう。オモリは手漕ぎボートなので40号程度で十分
▼東京・神奈川・千葉あたりの手漕ぎボート釣りノウハウはこちらの2つを読めばOK!