ORETSURIでは地引網イベントを企画していて、ORETSURIの読者やその家族に案内しています。
今回はそのイベントレポートをお伝えします。
参加できなかったかたは来年もたぶんまた企画するので参考にどうぞ。
地引網について
地引網について最初に説明しておきますね。
かんたんに説明すると漁業の一つなんですが、沖合に船で設置した網の引き網と浜辺に引き揚げて魚を獲るものです。
むかしは、人力のみだったのですが、今は巻き揚げ用の機会なども併用されて用いられていることもあります。想像するに、牛などに引っ張らせたこともあったかもしれないですね。
漁業の一つではあるのですが、地域によっては『観光地引網』という名目で、参加費を払って網の引き揚げを経験できたり、獲れた魚の一部を持ち帰ることができたりします。
そんでもってこれが楽しい。
どれくらい楽しいかというと、
めちゃめちゃ楽しい!
もうこんぐらい楽しいです。
網を引く体力があれば、子供でも大人でも楽しめます。
地引網の楽しさを解説する!
地引網の楽しさを分解すると、以下のようにわけられるかなと。
- どんな魚がとれるかわからない、そもそもとれないかも、というミステリー感
- 子供も大人もみんなで同じことをやる楽しみ
- とれた魚をみて、さわって楽しむ
- とれた魚を食べて楽しむ
- とれた魚を持ち帰るたのしみ
という具合に、楽しみ要素が大きいですね。
季節ごとにとれる魚がことなりますし、日や時間によっても漁獲量が変わってくる運試し感がたまりません。
とれた魚のなかには、市場に流通しないようないわゆる未利用魚もいるんですが、これらもちゃんと食べられますし、そういった魚と触れ合える機会は子供にとっても、とてもたのしい経験のようです。
人間には本能的に獲物をとる喜びというのがあるようで、これらがかなり刺激されるなーと毎回感じています。
ということで2018年の地引網の様子をお送りします!
地引網の網揚げまで
今回は昨年に続き茅ヶ崎のカネサ網さんにお世話になったのですが、集合時間は7時50分完全集合。
朝の湘南。
遠くにみえるのは江ノ島あたりです。車で通る間にサーファーがたくさんいたのと、七里ヶ浜あたりはショアジギングをやっている人がちらほらいましたね。
こちら今回の地引網イベントの拠点。
去年は横長のテントだったのが、やや幅広になった感があります。
これが沖合から網をひっぱってくる船です。
平田水軍の将兵がいました。
みなさん、続々と集合。
時刻は7時35分。
このあたりで網元のおっさん氏から「もう網のブイがよってきちゃってるから早く引いて」と催促されつつ、あれ、8時からひきはじめるはずと伝えると、「8時は網を引き揚げる時間だから」という具合に見事に漁師あるあるが生じてしまいました。「いやそこは8時からスタートと伝えたんで」といいつつも、そこは臨機応変に対応することに。
それぞれ準備運動などをしつつ、軍手装備で網のそばにスタンバイ。
先端部分は網元の方々がスタンバイ。
平塚側と江ノ島側でだいたい50名ずつぐらいにわかれて引きます。
奥側に巻き上げ機もあるので楽ですが、むかしは人力だけだったんでしょうね。地域によっては人力だけで経験もできるようですよ。
いろんな属性の人が、一丸となって網を引くっていいですね。
THE・共同作業といいますか。
さらに引く。よくみると、ORETSURIフィールドレポーターのなかけん氏がビール缶をくわえながら綱をひいていますね。口が切れるのでみなさんは真似してはいけないですよ。
さらに引く。
ちょっと平塚側の力が弱いようで、わたしも咤激励をしたり。
こんな風にニコニコしながら引いていますが、よくみると、片手で引いているので、もし自分の部下だったら説教していると思います。
だんだん網がよってきますね。
このあたりでだいたい魚が入っていると、ぴょんぴょん跳ねたり、それを狙うカモメが現れるのですが、さほどそのあたりが見えず、不安が募ります。
主催者的には、やっぱり大漁にしたい。
ドキドキ。
さて、どうかな。
なにかしら網の先に入っているような・・・
ぐ。
昨年につづき、ウルメイワシ祭りか・・・
網はジッパーで開閉できる便利タイプ。
やっぱり、イワシか・・・
唐揚げだなーこれは。
あと煮干しつくるかな。
と、
おもったら・・・・
みんなの歓喜の声が。
「わーカマスがいる!」
「アジがすごいいる!」
おおお、馬路か。
イワシなどに混じってゴンズイなどの毒魚が混じっているので網元のスタッフがとりわけてくれます。
※とりわけてもらった樽にも、たまにゴンズイの幼魚が混じっているので、子供が樽に手を突っ込むのは控えたほうがいいです。
すんごい漁獲量。
イワシの鱗と魚があばれることで潮のしぶきが飛び散ります。
だいたい、アジ・カマスとイワシにわけてくれます。
シラスもゲット。
ところで、シラスって、シラスって魚がいるわけではなく、だいたいがイワシ類の幼魚なんですよ。ご存知でしたか。
イワシは大漁すぎるので1樽だけもらっておくことに。
たぶんケンサキイカ(マルイカ)と、シリヤケイカも。
アカヤガラとカマスが。
カマスはミズカマスことヤマトカマスと、アカカマスが混ざっていましたよ。
アジの樽にはコノシロが。
コノシロは、ORETSURIフィールドレポーターの『さいたまのくまさん』がどうしてもコノシロ寿司をつくりたいとのことでピックアップして持ち帰ってました。
イワシが大漁!
子供ちゃんも、みて、さわってたのしでそうですね。なにより。
今回はウルメイワシよりカタクチイワシが多かったなと。だいたい、95%がカタクチイワシでした。
アンチョビにはちょうどいいんですよね。
子供ちゃんは、魚にくわしくて、
「でかいコノシロだー!」とかいってました。
おっさんとしては、ある程度さわったら、「あんまり触るとあたたまって鮮度が落ちるからそのあたりで、ね?」
と、伝えるんですが、まーやっぱり、魚を触りたい欲ってすごい強いんですよね。とくにメンズ諸氏は延々と触ってましたね。相当手が生臭くなったはずです^^
珍魚、アカヤガラが人気。
これは小ぶりですが、高級魚で美味です。
アカヤガラはおっさんにも人気のようでした。
イワシのなかに、タチウオの幼魚もいたり。
タチウオの子供ってはじめてみました。
子供ちゃんらが、
「これキビレだ!」
「いやクロダイだよ」
とかいっていたので、そこは魚にくわしいORETSURIの人の威厳をしめそうと、
「それは『ヘダイ』だよ」とマウンティングしておきました。
イトヒキアジ界隈もよく混じります。
小型なので塩焼きですね。
塩焼きサイズのマアジ。
居つきの黄アジですね。相模湾は東京湾と比べるとマルアジ率が高いイメージなんですが、黄アジもしっかりいるんですね。
だいたい魚種ごとにピックアップ 。
やったぜ、本カマス(アカカマス)だよ。これ1本1,000円だなー。これは炙りでポン酢でいこう!といっていたら、いつのまにか、鉄板の上で塩焼きになってました。。。
いやーなんか楽しそうでなにより。
地引料理がスタート
アジは刺身(づけ)になってました。
カタクチイワシは衣をつけて・・・
フライに。
レモンをしぼって、めちゃうまい。
お肉と野菜もたくさん用意したので、BBQに。
イカは鉄板で焼かれてました。
一口もらったんですが、柔らかくてうまかったなー。
手前でなにやら作業している人たちが。
ひもの事業本部のみなさんです。
アジをひらいて、ひものにすることに。
目ん玉をくりぬいて、そこにビニールひもをとおして吊るす。
一応、わたしもひもの職人として技術指導をしながら手は動かなさいという仕様。
よくみると酒の飲み過ぎでダウンしているなかけん氏が。
このように干す。
1本のひもに干すと、ひものが集まって重なってしまうので、枝紐のようにしてつるすことに。その場で出会った人たちの知恵の集合体ですねこれは。
紫のORETSURIティーシャツをきている西上氏は、だいたいなにも手をうごかさない仕様です。
だんだん干物が乾いていきますね。
どうです。
これが本当のインスタ映えってやつですよ。
干物はまだ乾き途中でしたが、それぞれほしいだけ持ち帰ることに。
買うと1枚100円ぐらいなので、10枚で1,000円。冷凍すれば1か月もつので家計にもやさしいですねこれは。
ちょっと砂がついてましたが、つけ汁に焼酎をいれたので、臭みもおさえられたはず。
残ったアジとカマスやサワラなどもはやいもん勝ちで持ち帰りできました。
漁獲量が多いとこれができるんでいいですねー。
カモメとあそぶ
今回もイワシがたくさんとれたものの、食べきれない部分は海に返すことに。
といっても、カモメにおすそわけするだけです。
カモメが狂喜乱舞でヒャッハー!状態です。
- カモメがイワシを食べる
- 海にフンをする
- フンをプランクトンが栄養とする
- プランクトンをイワシたちが食べる
地球はめぐっているわけですね。
水遊びもまだできる水温。
一部、おむつをはいたまま全身ずぶぬれでハッスルしていた女の子もいました。なにより。
いい想い出になったかな。
大人になったときに想い出すかな・・・
このカモメの狂乱の声も耳に焼きつくかもね。
それではまた来年(たぶん)
平田 剛士(@tsuyoshi_hirata)
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地引網イベントでは調理テーブルと調理器具セットがあると便利です。それと大容量のクーラーボックスで飲み物を冷やすとよいですね。包丁をもっていかなくてもフォールディングナイフとカッティングボードがあるとだいたいなんとかなります。それと獲れたての魚は生で食べると旨みが少ないので、皮目を炙ったり、湯びいたりするとよいです。あとは塩焼きやフライ系も定番です。