どうも平田です。
突然ですが、この国で最も釣りに関する料理がストーリーとともに語られているサイトは我らがORETSURIなんじゃないかな、と思いはじめました。
GoogleやYahoo!で、料理や魚の種類を検索すれば、クックパッドとかの素敵な料理サイトが出てきていろんな人のレシピが詳しく語られているんですよね。
が、そこにはストーリー性がない。まーそれは狙いが違うわけで、サイトを利用するユーザーのライティング能力が求められるところもあり、ちょいむずかしいわけです。
一方、どんな料理にもストーリーがあるとわたしは思っています。
あの失敗した料理。
あの絶品だった料理。
あの誰かが喜んでくれた料理。
料理の腕によらず、人のストーリーっておもしろいですよね。
ORETSURIも過去記事を読んでいると、けっこう下手クソなんですよね。最近でも、分野によってはまだまだなんですけどね。
よく、料理につかっている調味料などの詳しい分量をおしえてほしいということをいわれるんですが、いつも「自分がいいと思う分量でいいと思いますよ」と、答えています。
自分が、これでいいかなー、俺はこのぐらいの濃い目が好きだし、と思ったり。
あの人は、減塩中だから、ちょっと薄めに味付けてやろうかなーと思って薄めにしたり。
そういう、
クックパッド味ではなく、俺味。
俺味の集合体が、俺たちの味。
これを略しても俺味。
OREAJI
みたいなのがあればいいと思います。
(とはいえ、そのうち、基準の分量あたりは追記しておこうかなとは思います)
マゴチをさばくぞ、熟成させんぞ
先日、船でとれた小型のマゴチが逗子の魚屋で売られていました。
ミニサイズで、野締めだと意外とお安いですね。
とはいえ、歩留まりが悪いとも呼ばれますが、マゴチは食べるところが少ないので50㎝クラスぐらいはほしいなーと思います。
で、激渋キャラメルマキアート赤潮釣行でなんとか釣ったマゴチくんが2尾。
それぞれのお顔は、
こちらは大型(メスです。マゴチの大き目のは性転換してだいたいメスらしいという)
こちらはオス。
どうでしょう。顔つきに差は、
まーよくわかりませんね。
よくわからないんですが、マゴチって、グロテスクみたいに言われますが、個人的には瞳が💛ですし、笑っているような表情なのでソーキュートだなと思います。マゴチラブ。
釣ったマゴチを船宿では、濡れた新聞紙で巻いてラップして冷蔵庫で4日寝かせるというのを推奨されるのですが、うちは新聞はとらない主義でないのと、新聞のインクがつくのがちょっとやだなーというのがあり、だいたい濡れキッチンペーパーかリードで覆ってミイラにしています。
ペタ。
マゴチパックデス。
こんにちは。マミー2体です。
火属性の呪文には弱いです。ドラクエならメラ、FFならファイア系の呪文が効果的。
人間、社会に出て仕事をしていると、いろいろとアングリーといいますか、イライラすることもあり、オフィス全体や客先で「メラゾーマ」とか「ファイガ」とかを唱えたくなる気持ちになりますよね。
そうですか。
その気持ちわかりますよ。
ウィザードリィ派の人は、「マハリト」とか「ラハリト」かもしれないですね。
あれ、なんの話だったか。
あーマゴチの熟成の話ですね。
先にすすめましょう。
これをチルドルームで寝かせる。
チルドルームって氷温なわけで、凍らぬ寸前を維持するんですよね。こうすると、1週間とか10日とかたべられます。
4日ぐらいで食べるときは、やや温度高めの野菜室で保存したほうが良いのかもしれません。
速戦チルド。
じゃなくて、速鮮チルド。
ですね。
船釣りの仕掛にだったら、速船○○とかありそうですよね。
マゴチミイラを寝かせて数日・・・
セオリー通りだと4日寝かせるんですが、まーわたしのことですので、もう何日寝かせたかわからんときに封印を解くわけです。
たぶん、1週間ぐらいたったのではないかなと。
旨みのピークが4日とかなのかもしれません。
こんど比べてみようかなと。
ヌメリを水道水でウォッシュして、まな板の上にのせて再度記念撮影です。
どうでしたマミーになった御気分は?
(ニコニコ)
マゴチちゃんは口の形状から嗤っているようにみえて可愛いですな。
まー食べるんだけどね。
マゴチの棘と背びれはマジ注意
マゴチの棘類はほんと注意ですからね。
グフの肩の棘って、体当たりするときに効果的なんですかね。
体当たりの攻撃力UPだったら牛の角っぽくなってないほうが 剛性が強いはずなので、まー威圧目的でしょうね。
あと、この背びれがヤバイ。
釣り上げたマゴチは、激おこぷんぷん丸なわけで、この背びれをたてて、あごのグフ棘をタテて威圧してくるんですよね。ちなみによく似た魚でローション魚ともよばれるメゴチくんも同じように、釣れるとエラ脇の棘をたててきます。かわいいですね。食べるけど。
この頬あたりの棘と背びれは、調理ばさみで切り取っておくとよいと思います。
グフ棘は、調理ばさみの歯が欠けるので、ペンチで折るか、100均の剪定ばさみだと一発です。
こういう大き目の魚は、ペットボトルのキャップとか包丁の背中でうろこをとるよりも、専用の鱗おとしがあると便利です。こちらは、我が祖父平田正臣から引き継いだ鱗落としです。重量があるので、力をいれなくても鱗が落とせるべんりなアイテム。一生使えるアイテムだなと思います。
専用の鱗おとしをつかえばあっと言う間に、きれいきれいですよ。
あと、家庭での下処理はすこしの流水か水につけながら落とすと鱗が飛び散りにくいです。
先日、船宿の特にコミュ力が低いスタッフ氏から、「水道水に魚をつけると白くなっちゃうよ(てか、お前そんなんも知らんの)」的なアドバイスをうけたんですが、まーイカと違ってそこから旨みが抜けるわけでもなかろうし、皮を愛でる趣味もないので、どんどん水道水でながしちゃえばよいんじゃないのと個人的には思います。
水が温かい時期は、身があたたまるとさばきにくくなり、鮮度も落ちやすいので、氷水でやればよいと思いますよ。
好塩菌の腸炎ビブリオの呪いをさけるためにも魚の体表や内蔵をとった腹あたりはよく真水で洗い流すとよいと思います。
予防のポイントを教えて下さい
- 魚介類は、調理前に流水(水道水)で良く洗って菌を洗い流すこと。
- 魚介類に使った調理器具類は良く洗浄・消毒して二次汚染を防ぐこと。
- 魚介類を調理したままのまな板で、野菜などを切らない(まな板を使い分ける)こと。
- 夏季の魚介類の生食は十分注意し、わずかな時間でも冷蔵庫でできれば4℃以下に保存すること。
(腸炎ビブリオは低温では増殖できない。また、低温で腸炎ビブリオの増殖は抑えられるものの、凍結しても短期間では死滅しない。)- 冷凍食品を解凍する際は専用の解凍庫や冷蔵庫内で行なうこと。
- 加熱調理する場合は中心部まで充分に加熱すること(60℃、10分以上)。
出典:http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/micro/tyouen.html
こまかいマゴチ調理は過去記事(1、2)あたりをご覧いただきたいのですが、鱗をとった後の行程をざっくり説明すると、以下の通りです。
- アタマを落とす
- 内蔵を出す
- 血合いを洗い流す(水分はキッチンペーパーでしっかり拭う!)
- エラをとる
- アタマを割っておく(なれてない人は無理せず調理ばさみで)
※マゴチのように骨格が堅牢な魚はだいたいアラからいい出汁がでるので、骨も捨てないようにしたほうがいいですよ。
内蔵を傷つけないように出刃を入れ、ブレーンバスターで、この通り。
あら、きれいな卵ですね。
※マゴチにブレーンバスターを食らわせると身割れするので、骨以外の身はしっかりい切り込みをいれてからやったほうがよいと思います。
タラコみたいだね。
この中に、幾万の命があったのだろうかと思うと、ありがたく食べないという気持ちが高まります。
ちなみに本文中にはありませんが、もう1体の白子とあわせて煮つけにして食べました。
胃袋の中身は、イワシぐらいの魚が複数匹。
胃袋は古来より・・・
裏返して、胃粘液をよく洗い流しておきましょう。調理ばさみで切れ込みをいれると洗い流しやすくはなります。
カマと頭部はエラをきれいにとってから血合いを流しておきます。カマは煮付けや塩焼きあたりがオススメ。
小型のマゴチはオスで、精巣が。これも煮つけておけばよいと思います。
こちらがサクにしたマゴチ。中国の玉(ぎょく)のなかでも羊脂玉というのは最高のものらしいですが、羊の油を連想するような白濁ぶりではあります。実際の羊脂玉はもっと真っ白なんですけどね。
マゴチのアラセット。
頭部を割って脳みそあたりの血合いも流しておけばよいと思います。
このアラはリストランテORETSURI4の最強ブイヤベースの材料に寄付しました。
卵と白子と皮は一旦日本酒に入浴させて臭みを抜いておきます。
あとは、甘じょっぱく煮付ければよいと思います(卵や内臓の煮つけ参考記事)
定番のマゴチしゃぶしゃぶ
マゴチは刺身でももちろんうまいのですが、しゃぶしゃぶもよいですね。
きれいだな。
艶感半端ない。
刺身もかねているので、今回は薄造りに。
しゃぶしゃぶ単体であれば、やや分厚く切ったほうが旨い気がします。
盛り付ける。
IKEA皿で白身が映えますね。
拡大しても旨そう。
もみじおろし+万能ねぎ+自家製ポン酢。
ポン酢は市販のでまーったく問題ないのですが、ちょうど切れていて秘蔵品を使うことに。最近はおろしポン酢も売られているので、あれは便利ですよ。
土鍋を用意するのがめんどくさかったので、手鍋で簡易的に。
昆布を水から沸騰させて取り出す。
というのが基本ですが、今回はそのままで。
しゃぶ。
あー、しゃぶしゃぶ。
このぐらいで食べても旨い。
ある程度、しゃぶっても旨い。
この小鍋は沸騰させて、あとは火にかけず食卓において利用していたのですが、薄造りだとこれで十分な気がします。
しゃぶった汁は再沸騰させ、食塩で塩っ気をまして、マゴチの薄造りをならべた白飯にかけると、マゴチ茶漬けができあがり、シンプルでまたうまいという。
マゴチのセビーチェ
お次は、マゴチをセビーチェにします。
マゴチのサクの端っこあたりを用意し、
ざっくりときりわける。
そんでソースを作る
<材料>
- パクチーみじん切り
- 紫タマネギみじん切り
- ライム果汁
- スイートチリソース(もしくはすりおろしにんにくと、チリペッパー)
- コリアンダー、クミンパウダー
- ハラペーニョ(とかいっていますが本当は入れていません)
- オリーブオイル
- 白コショウ
マゴチをいれて和える。
ご覧ください。
うまそう。いいぞいいぞ。もっとやれ。
紫タマネギあたりを水にさらしてライムと飾るとよいと思いますよ。
見た目も鮮やか。
見るからに中南米っぽい。
コロナビールが合いそうですね。
そんでもってですね、
タバスコをかけてみると、
なんとも、エキゾチック。
これは、好みがわかれそうだけどうまいかも。
すっぱからいのが好きな人にはオススメです。
特にマゴチである必要はないので、白身の魚でためしてみると、ちょいとこじゃれた料理ができそうですね。
葉物の野菜と一緒にサラダとしてだしてみるのもよいですね。
ではでは。
※冷蔵庫で4日以上熟成させたマゴチを食べてあたったからといって、責任はとりませんからね!処理方法や持ち帰り方法、冷蔵庫の温度などいろいろあると思うので自己責任で。筆者は最長13日保存ぐらいのマゴチ(5日目にサクにしてそこから延長)を食べましたが全く問題ないです。