従来の釣りの『外道』に対して、親しみをこめて『貴殿』と呼んでいる人も増えてきたようですね。
『外道』と呼んで蔑むのも一つですが、『貴殿』と呼んで親しむのもまたよろしいかもしれません。
SNSで#貴殿でしたかとつけて投稿すると全国の『貴殿』愛好家とつながることができますしね。
さて、
去年12月に船釣りでは珍しいウミタナゴを釣ったんですね。
場所は本牧ふ頭界隈で、底石付近のカサゴを狙ってアオイソメをだらーんとつけて誘ったら、
あらウミタナゴ氏。
このウミタナゴ氏、良型ですね。
今回はこのウミタナゴを燻製ハーブ干物にしてみた話です。
ウミタナゴの下処理
こちらが持ち帰ったウミタナゴ2尾。
血抜きはしておらず、氷締めです。こだわるのであれば血抜きはしたほうがよいんでしょうね。
デカイ。
ウミタナゴは唇があってキュートです。
こちらを干物用にひらきます。背開きでも腹開きでもよいですが、アジなどと調理するときは、腹開きでまとめて内臓と血合い処理をしてから開いていくほうがクイック調理ができる気がします。
干物の開き方は宗教論争や、マックかWindowsかみたいな戦いなので、自分がよいと思った方法でやりましょう。
ウミタナゴの燻製ハーブ干物の作り方
バットに以下の材料を混ぜ合わせます。
- 白ワイン
- 乾燥タイム
- ローリエ
- 赤トウガラシ
- コリアンダーパウダー
- 有難い水(水道水)
- ノーマル安塩
- ナンプラー
- 燻味塩or燻液
濃度はいつも通り海水ぐらいの塩辛さにしておきましょう。
ウミタナゴや中アジのほかに、大アジもいます。
アジも黄アジながらデカイ。
こちらに開いたウミタナゴと黄アジを並べる。
バットの溶液を少なく作ったので、適宜裏返しにするとよいでしょう。
ウミタナゴもしっかりいます。
干物の目玉はくりぬいておいたほうが保存性は高まるんですが、ややドラゴンゾンビっぽいのがいやな人は目をつけたままでもよいと思います。これも好みで。
30分~40分程度つけこんだら水道水で表面を流して、水気をぬぐってフィニッシュ。
いい感じに仕上がってますね。
一夜干しと見せかけて放置気味に干す
干物はジューシーにするのであれば一夜干しぐらいがベストです。
あんまりカラカラ干すと水分量が減るわけで、味わいは深くなるものの乾物感が増します。
ということで、今回は一夜干しに。
・・・
・・・
さて出かけるか。
・・・
・・・
・・・
あ、そういえば干物ほしてたの忘れてた。
という、いつものパターンです。
わ。
ちょっとほしすぎたか…
ま、いっか。
こちら大アジの燻製ハーブ干物長期保存バージョンです。
ま、なんというかガンダムマークⅡみたいなもんですよ。
・・・
でもって、こちらが大ウミタナゴの燻製ハーブ干物です。
フォルムとしてはメバルの干物にも見えますね。
いい感じに表面ににじみ出る脂。
腹骨が多いのがウミタナゴの特徴です。
こちらは大アジ。釣ってすぐに血抜きしていたので、身は白い状態。
ウミタナゴの燻製ハーブ干物を炙ろう
それではこのウミタナゴの燻製ハーブ干物を炙ってみましょう。
・・・
これを冷凍しておいたのですが、冷凍干物を炙るときは凍ったまま炙ったほうがジューシーに仕上がります。
が、やや時間がかかるので、1分ほどレンチンして解凍してから炙るとよいです。
できあがり。
香ばしい。
ハーブと燻製のスモーキーなハーモニー。
ウミタナゴは磯臭いともいわれ敬遠されますが、まったくそんなことは感じません。
身はこの通り。
うまい。
ややドライ気味にしあげているので旨み自体は通常のものよりあります。
ナンプラーや白ワインなどで、臭みもふせげ保存性もたかまりつつ、うまみも倍増。
身質は、アジよりは筋肉繊維が細かいという印象です。
繊細な味。
大戸屋などで、干物定食750円とかで登場したら、満足度もさぞ高ろうという、商用としてもいける品質。
春先の日中はウミタナゴを本命にしても面白い
とはいえ、ウミタナゴ自体は沿岸に生息していて、沖合ではあまりとれず、刺し網などにかかっては地元で消費されるか捨てられる対象なんだと思います。
釣りでも、塩焼きなどで食べるひともいますが、メバルやカサゴなどがメインの釣り人からすると、リリース対象でもあるかもしれません。
が、ちゃんと調理すればとても美味しい魚です。
今回のように燻製ハーブうんぬんなどしなくても、ちゃんと氷締めしてもちかえり、塩をふって水分をぬきつつ塩焼きなどで十分。
メバル同様、「春告げ魚」ともいわれ、早春から堤防まわりの浅場でも釣ることができます。オキアミ、アオイソメ、なんでもよいですがたまには本命として狙ってみても面白いかもしれません。身高があるから引きも強いし。
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▼手軽に燻製風味を味わうことができる調味料。カルパッチョや塩焼きにも最適。
▼ひものづくりにナンプラーをいれると旨みが増してなかなかよいです。