リールのハンドルには大きく分けて、シングルハンドル、ダブルハンドルがあります。
シングルハンドルの中には、「パワーハンドル」と呼ばれるカテゴリーがありますが、どういったメリット・デメリットがあるのでしょうか?
スピニング、両軸(ベイト)リール問わず、快適な釣りに欠かせないパワーハンドルについて解説します。
パワーハンドルとは
パワーハンドルタイプのリールは「ドラグノブ大き目」「ハンドルが長め」という特徴がある
パワーハンドルはその名の通り、リールを巻くときにハンドルに力を入れやすい形状をしているモデルです。
<パワーハンドルの特徴3つ>
- ハンドルノブが手のひらで包める程度大きい
- ハンドルがノーマルハンドルと比較して長め
- ハンドル全体の剛性が高め
ノーマルハンドルは、ハンドルノブを指でつまむようにし、手首でリールを回転させることを想定されています。
一方、パワーハンドルは手のひら全体でハンドルノブを包み込み、肱や肩などを含めた腕全体でリールを回転させるように設計されています。
パワーハンドルのメリット
パワーハンドルのリール(写真下)は、大型魚狙い、深場狙い、巻抵抗が強い仕掛け・ルアーに最適
では、指でハンドルノブをつかみ手首でリールを回すこと。手のひら全体でハンドルノブをつかみ、腕全体でリールを回すことの違いはどこにあるんでしょうか?
パワーハンドルのメリットからみていきましょう。
大きく分けて3つのメリットがあります。
<パワーハンドルのメリット3つ>
- 大型の魚がヒットした際、より巻き上げに力をいれることができる
- 深場の釣りでの巻き上げが楽になる
- 巻抵抗が強いルアーや仕掛けでもスイスイ巻き上げられる
巻き上げに、より高負荷がかかる釣りにパワーハンドルが適しているということですね!
ノーマルハンドルは指でハンドルノブをつかんで手首で回しやすい仕様
パワーハンドルのデメリット
次に、パワーハンドルにはデメリットがあるんでしょうか?
なんなら、全部パワーハンドルモデルを買っちゃえばいいんじゃないかと。
ちょっと待ってください。
実はパワーハンドルには大きく分けて3つのデメリットがあるんです。
<パワーハンドルのデメリット2つ>
- ハンドル自重が増し、バランスがシングルより劣るのでキャストしづらくなる
- バランス面の不安定さに加えて、腕巻になるので等速巻きしにくい
- ダブルハンドルと違って、リーリングをはじめるときにハンドルノブを探しがち
特にキャストをする際は、投げ方によってクラッチが戻りやすくなり危険なことも。投げる釣りで投げるのが苦手な人は十分理解しておきましょう。
※バランサーの有無によっても変動します。
パワーハンドルの選び方、6つの観点から
①ネジ・ナット部分の適合性確認
純正品以外のパワーハンドルは比較的安価なのですが、実際にリールに装着できるか確認してから購入する必要があります。
各メーカーに適合表があるので、必ずチェックしてから確認しましょう。
②ハンドル全長の確認
ハンドルの全長が長いほど、てこの原理で力を入れやすくなります。
一方、キャスト時のバランスなどが崩れる原因にもつながります。
③ハンドル素材の確認
ハンドルの素材はアルミ合金の他、カーボン製もあります。
素材により重量、強度、見た目が異なるのでチェックしておきましょう。
④ハンドルノブの形状確認
ハンドルのつまみ部分の形状は使用感に大きくかかわります。
T字、丸型(丸に近いが形状は色々)がありますが特徴は以下の通り。
- T字:T部分をしっかり握りやすいのでより力をいれやすい。ジギングの操作性向上に
- 丸型:丸部分を包み込むように握る。握る方向を選ばない
⑤ハンドルノブ部分のボールベアリング有無と品質
防錆ベアリング搭載のシマノ製ハンドルノブ
ボールベアリングの有無や、ボールベアリングが防錆仕様であるかの違いがあります。
特に海で使用する場合、ハンドルノブ部分には海水が入りやすく、錆びやすいと覚えておきましょう。
ハンドルノブ部分のベアリングが錆びると、リールを巻くときに違和感がでやすく、集中力を大きく阻害します。
⑥バランサーの有無
パワーハンドルはその特徴からダブルハンドルと比べてバランスが悪くなりがちです。
一方、バランサー付きのモデルもあります。
パワーハンドルでも巻きの安定を求める人はチェックしましょう。
パワーハンドル換装時の注意点3つ
ネジ山をつぶさない
ナットをカバーするパーツをプラスネジでとめるような仕様である場合、ネジ山をつぶさないように適切なドライバーを使用しましょう。
ネジ山がつぶれると、ねじが緩んだ際に締め込みが困難になります。
六角ナットは専用道具で締める
六角ナットをつかって固定するモデルもあります。
専用の締め具を使わないと、締め込みが甘くなりがちで、釣行時にゆるんでしまうこともあります。
釣行時にゆるむ可能性があるので、事前点検し、簡易工具も持参
リールのハンドルをカスタマイズした際、釣行前には締め込みを確認しておきましょう。
釣りをしているとボルトが緩んでしまい、最悪の場合、パーツごと脱落してしまうことがあります。
簡易工具を持参しておくと応急処置できます。
まとめ
今回はベイトリールやスピニングリールに装着するパワーハンドルのメリット・デメリットについて解説しました。
パワーハンドルのリールを使用すると、タフな環境でもより快適な釣りができます。
- 深場
- 潮が速い
- 大物狙い
- 仕掛けやルアーの巻抵抗が大きい
こういった状況では、パワーハンドルを積極的に取り入れていくとよいでしょう。
オフショアの場合、電動リールが必要なシーンにおいても、剛性が高めのリール×パワーハンドルであれば、意外とクリアできたりします。
関連アイテム
▼シマノ製は夢屋のパワーハンドルがやや高めながらも人気。
▼ゴメクサスのパワーハンドルは圧倒的に安価で多くのユーザーに選ばれています。適合確認はしっかり。