船釣り用に両軸リールの購入を検討すると、同じモデルでも様々なハンドル形状があることに気づきます。
ハンドルが長いもの、短いもの、グリップが大きいものと小さいもの。
一体、それぞれにどのような特徴があるのでしょうか。
今回は、船釣り用「両軸リール」のハンドル形状についての基礎知識を解説します。
ダブルハンドルとシングルハンドルの違い
両軸リールのハンドルにはダブルとシングルがあります。
ダブルハンドル
シングルハンドル（パワーハンドル）
それぞれの主な特徴は以下の通りです。
- ダブルハンドル（支点：手首）：ぶれなく安定して等速巻がしやすい。素早く回転させやすい。細かい操作が多い、比較的テクニカルな釣りで有利（例：カワハギ釣り）
- シングルハンドル（支点：肘）：比較的巻く力が必要な釣りで快適に巻き上げられる
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シングルハンドルについては、大型のハンドルノブがついたものがあり「パワーハンドル」と呼ばれています。
本記事では、便宜上、シングルハンドルについては、パワーハンドルとして言及しています。
一方、実際にはパワーハンドルではない、シングルハンドルモデルも存在します。
ハンドルノブが小さく、ハンドル自体が短いシングルハンドルは、より軽快な巻き上げを意図して販売されています。
＜ダブルハンドルのメリット・デメリット＞
ダブルハンドルは、基本的にハンドルノブがそれほど大きくなく、指でハンドルをつかめる程度です。
指でハンドルノブをつかみ、手首で細かく回転させることができるため、巻き上げ速度を速めることができます。
また、リールを小刻みに巻くときにノブが2つあることにより、ハンドルを巻きたいときにもすぐにハンドルノブに行き当たります。
結果、ノブを探すタイムラグが少なくなるためテクニカルな釣りに向いています。
ただし、重かったり潮受けしやすい仕掛けやルアーをつけている場合や、大型の魚がヒットした際は、巻き上げる力が入れにくいというデメリットがあります。
＜シングルハンドル(パワーハンドル)のメリット・デメリット＞
パワーハンドルは、大型の青物狙いの泳がせ釣り・ジギング・深場のタイラバなど、比較的巻き上げ負荷が高い釣りで、より快適に巻き上げることができます。
手の平全体で大き目のハンドルノブ（指ではつかみにくい）を包み込むようにつかみます。
巻き上げの際は手首を固定した状態で、腕全体（肘＋肩）でハンドルを回すため、より大きな筋肉で力を入れやすく、疲労しにくいのが特徴です。
ハンドルの長さについて
97スコーピオン。バス用リールを船釣りで使うとショートハンドル気味のため巻上がツライ
次に両軸リールのハンドルの長さについて解説していきます。
ハンドルの長さは、ショートハンドルの方が速く回せます。ロングハンドルの場合、てこの原理がさらに効くため、潮受けしやすい仕掛けやルアーでも比較的巻きやすくなります。
＜短いハンドルのメリット・デメリット＞
短いハンドルは、小回りがききます。そのため、細かいシャクリに伴う操作や速巻きがやりやすいといえます。ただし、重めの仕掛けや潮受けが強いと巻抵抗を強く感じやすいのが特徴です。
＜長いハンドル（パワーハンドル）のメリット・デメリット＞
例えば、どでら流しでのディープタイラバについては潮受けをしやすく、長めのハンドルのほうが巻きやすいといえます。
一方、あまりに長いハンドルはキャストする際にクラッチが戻りやすくなったり、ロッドアクションがしにくいことも確かです。
ライトゲームでキャスト主体、かつテクニカルにロッドを動かす釣りではあまり長いハンドルを使わないほうが快適です。
どのハンドル形状・長さが最適なのか？
では、どのハンドル形状・長さが最適なのでしょうか。
これは、自分にとってつかいやすいハンドル形状や長さが、他人にとって同じとは限らないので一概には言えません。
釣り物・釣り方・水深・潮の速さ以外にも、手の大きさ、肘の長さ、全体的な腕力などによって、最適なハンドルの長さや形状は変わってきます。
＜ハンドル形状や長さの使用例＞
- ドテラ流しのディープタイラバ：巻くための負荷が高いので、スムーズに巻き上げられる長めのパワーハンドルが快適
- 浅場のタイラバ：等速巻がやりやすく、手返しよく巻き上げる短めのダブルハンドルが有利
- 大型青物の泳がせ釣り：巻き上げ力を上げるため長めのパワーハンドル
- 比較的重めのジギング：巻き上げ力を上げるため長めのパワーハンドル
- カワハギ釣り：キャストやロッド操作なども多くなるため短めのダブルハンドル
まとめ
今回は、船釣りで使われる両軸リールのハンドル形状と長さについての特徴を解説してきました。
同じリール（同じギア比）でも、ハンドル形状や長さが変わることで巻き上げやすくなったり、巻きにくくなったりします。
両軸リールを購入する際やハンドルをカスタマイズする際は、ビジュアル面での検討だけでなく、ダブルハンドルとシングルパワーハンドル、ハンドルの長短についての特徴をよく吟味して購入するとよいでしょう。
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