なにも考えずに船両軸リールを買うと後悔する!「ハイギア」「ノーマルギア」「パワーギア」の特徴解説

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バルケッタプレミアムとライトゲームSS
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船リールを選ぶときに、やがてたどりつくのが「ギア比」の悩みです。それぞれメリットデメリットがあります。

今日の船釣りシーンでは、釣り物や釣り方が多様になり、「ハイギア」のリールも増えてきています。

一方、ハイギアと聞くと、なんとなく「巻き上げスピードが速さそうだな」と思っていませんか?そういった認識だけで買うと後悔することもあります。

今回は、船用の両軸リールのギア比とハイギア・ノーマルギア・パワーギアの特性について解説します。

<本記事の結論>

両軸リールでハイギアやエクストラハイギアを検討する際は、以下の要素を考えて購入したほうがよい。

  • 腕力に自信があって疲労への理解もあるなら大丈夫(女性や子供は特に注意)
  • ハンドルの長さ、グリップ形状は、ロングハンドルで大型のグリップが巻きやすい
目次

船用両軸リールのギア比について

バルケッタプレミアムとライトゲームSS

エクストラハイギアのバルケッタプレミアム

まず、両軸リールのギア比について覚えておきましょう。

各リールのスペックシートにはギア比も公開されているのですが、「5.5」「6.3」というように記載されています。

これはハンドルを一回転させたときにスプール(糸巻き)が何回転するかを指しています。「5.5」であればハンドル1回転で、スプールは5.5回転。「6.3」であれば6.3回転します。

数値が低いほど、「ローギア(パワーギア)」であり、標準は6回転程度で、6より数字が増えれば「ハイギア」になります。メーカーによってはハイギアの上に、「エクストラハイギア」モデルをラインナップしていることもあります。

ちなみに統一規格はないので、何をもってハイギアなのかパワーギアなのかはメーカーによって異なります。

この記事内では、シマノの両軸リールを参考にギア比の違いと特徴について紹介していきます。

ノーマルギアの特徴(ギア比「6」程度)

シマノ (SHIMANO) ベイトリール 17 ゲンプウ 15 ハンドル

「17ゲンプウ」代表的なノーマルギアのリール。1回転67cmの巻き上げ

<メリット>

ノーマルギアのメリットは、良くも悪くも偏りがないという点です。クセがないため、初心者のうちはノーマルギアのリールで慣れるのがよいでしょう。ノーマルギアだから難しい釣りは、ほとんど存在しません。

<デメリット>

ノーマルギアには、デメリットも特にありません。ハイギアと比較すれば1回転あたりの巻き上げ量は少なくなりますが、極度に体に負担がかかることもありません。

ハイギアの特徴(ギア比「7」~)

ライトゲームSS+バルケッタ

バルケッタ300HG。ギア比「7」のハイギアリール。1回転70cmの巻き上げ

<メリット>

ノーマルギアより巻き上げ量が少し多いのが特徴です。同じペースでハンドルを巻くことができれば回収が速いと言えます。

<デメリット>

巻き上げ量がより多い反面、巻くための力はノーマルギアより必要です。

大きい仕掛けやルアー、深場の釣りでは、潮受けによる重さも加わるため、やや腕力が必要になってきます。

たとえば、LTアジの釣りのコマセが入ったアンドンビシは仕掛けの抵抗が大きく、腕力が高くない女性や子供の場合は、疲労しやすく手返しが悪くなります。

エクストラハイギアの特徴(ギア比「8」~)

バルケッタプレミアムとライトゲームSS

バルケッタプレミアム。エクストラハイギアモデルはギア比8.1。1回転81cmの巻き上げ

<メリット>

巻き上げ量がノーマルギアに比べて、かなり多いため特に深場の釣りで手返しをよくするのに有効です。

ノーマルギアの旧型ゲンプウと比較すると、エクストラハイギアモデルのバルケッタプレミアムは1回転ごとの巻き上げ量が14cm多いと言えます。

同時に100回ハンドルを巻くと、ゲンプウは67m、バルケッタプレミアム(XG)は81m巻き上げることができます。

<デメリット>

ノーマルギアと比較すると、エクストラハイギアのモデルは腕や手首にかなりの負荷がかかります。

タイラバ等の巻き続ける釣りの場合、最初はスムーズに等速巻ができても、後半巻き疲れをしやすいこともしばしばです。

男性や腕力・持久力がある人向けといっても過言ではないです。

バルケッタプレミアムの場合、ギア部分にマイクロモジュールギアが搭載されています。

この機構により、下位の機種と比べてかなりスムーズに巻き上げられるのですが、それでも疲労はしやすいというのが事実です。

パワーギアの特徴

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ゲンプウPG(NEW)はギア比5.5。ハンドル1回転の巻上長は59cm巻き

出典:シマノ

<メリット>

巻き上げがスムーズでそれほど力をかけなくても巻くことができる。大き目の仕掛けや大物が釣れても比較的に楽に巻き上げ出来る。

タイラバでは、マダイの魚影が濃いとされる底上のラインをゆっくり長くトレースできる。

<デメリット>

深場の場合、ハンドルを回転させる回数が増える。

結局「ハイギア」「ノーマルギア」「パワーギア」どれがよい?

バルケッタとゲンプウ

ここまで船用の小型両軸リールについてそれぞれのギアのメリット・デメリットについて解説してきました。

じゃあ、どのギアがいいの?という話になるかと思います。

これはケースバイケースとしか答えようがないです。

ただ、何も考えないで、「ハイギアだと巻き上げが速そうだからよさそう!」というように、購入してしまうと、実釣時に後悔することもあります。

特に、腕力に自信がない人、女性、子供の場合はノーマルギアで軽量なリールが無難です。

レッドマックス船3

アブのレッドマックス船3。ハイギアのリーズナブルなリール

これまでに、LTアジの釣りでハイギアのリール(レッドマックス船3)を女性や子供につかってもらったことがあります。どうやら、大人の男性が思う以上に巻き上げの負荷が強く疲労につながっていたようです。

これまでハイギアやエクストラハイギアのリールを使ってきましたが、やっぱり深場から巻き上げ続けるのは、腕に負荷が大きいなーという印象です。

それと、ハイギアやエクストラハイギアの両軸リールについては、短めのダブルハンドルよりは、シングルのロングハンドルでグリップも大き目のものが巻きやすいのは事実です

ダブルハンドルの場合、指先でハンドルを持って巻くことがほとんどのはずです。

一方、シングルのロングハンドルで大型のグリップは手全体でグリップを包み込むような力の入れ方がしやすいと言えます。指で巻くというよりも手全体で巻くことにより、巻き上げの負荷は軽減します。

まとめます。

両軸リールでハイギアやエクストラハイギアを検討する際は、以下の要素を考えて購入したほうがよいと思います。

  • 腕力に自信があって疲労への理解もあるなら大丈夫
  • ハンドルの長さ、グリップ形状は、ロングハンドルで大型のグリップが巻きやすい

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