船両軸リール「バルケッタ プレミアム」のインプレ

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バルケッタプレミアム
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2019年、シマノのオフショア用両軸リールでも人気の「バルケッタ」に、上位機種「バルケッタプレミアム」が登場しました。今回は実際に購入してつかってみて感じたことを紹介します。はじめに基本スペックや特徴を紹介し、その後に、実際の使用感をお話します。

目次

バルケッタプレミアムとは

「バルケッタ」とはシマノのオフショア用カウンター付き両軸リールです。これまでシマノからは「バルケッタ」と廉価版の「バルケッタBB」という人気シリーズがありました。これらはダイワのカウンター付きリールに対して、軽量かつ電池交換が自分でできるという点などで優位性があります。

今回、上位機種として登場したバルケッタプレミアムは「フォールレバー」や「マイクロモジュールギア」や「巻き上げ」「フォールスピード表示」を搭載した、良いとこどりのプレミアム版です。

各モデルとスペック

バルケッタプレミアムは大きく分けて以下の要素でモデル分けされています。

  • 右巻きか左巻きか(これは好みで。筆者は中道右巻き派です)
  • ノーマルギアかエクストラハイギアか
  • シングルハンドルかダブルハンドルか(ジギングや大物狙いはシングルがオススメ)

出典:シマノ

基本スペックはPEライン1.5mの200m巻きに対応したライトゲームを意識したもので、ギア比6.9と8.1のエクストラハイギア(XG)のモデルがあります。ハンドルは60mmロングクランクハンドルと55mmダブルクランクハンドル。

「フォールレバー」搭載

フォールレバーはタイラバ用の両軸リール「炎月プレミアム」にも搭載されているのですが、これまで釣り人がサミングで調整していたフォールスピードをより安定的にコントロールできるような機能です。

フォールの釣りはシマノがレバーブレーキとともに提唱している釣りです。フォールスピードを調整することでアタリを誘発できるタイラバ、マルイカ、タチウオ、メバルなどのエサ釣りにくわえて、ジギングにも有効です。

「マイクロモジュールギア」搭載でなめらか

マイクロモジュールギアとは、より小型にギアがかみ合い、滑らかで力強い巻き上げを実現する機構です。実際に巻いてみるとわかりますが、巻が極限までなめらかです。ブレがなく剛性も高い印象。

実際にバルケッタプレミアムを使ってみた感想

バルケッタプレミアム。やや高級感がある大人のカラーリング。

次に実際にバルケッタプレミアムを購入してみたので使用感をレビューします。このリール、手巻の両軸リールにしてはなかなかプレミアムな価格なんですよね。

販売がスタートしてからAmazon上では2000円程度値段が上下しているので、できるだけ底値や中間価格で買いたいところですね。わたしは9月に買ったのですが29,504円で買いました。

いまのところ底値っぽい値段ということで。このツールはクロームに拡張機能をインストールしたものです。

Amazonプライムに加入しておけば翌日配達してもらえるので釣具店にいけないときも便利ですね。リールとか竿は大体Amazonが安いので頼ってしまいがちです。

カラーは一色でバルケッタの色合いが濃くなったようなグレー。シックです。

バルケッタシリーズがよいところは、ダイワのカウンター付きリールと異なり、メーカーへの依頼なしに、自分で電池交換が可能なところ。

店舗に依頼するとなると、店舗に訪問して預けて、電池交換を受けて、店舗にいってと、まー手間です。それに引き換え、豆電池は100均でも売っているので手軽で安価。蓋はバルケッタプレミアムとややデザインが変わっていますね。

フロント側のビジュアル。

ハンドル側からみた側面。

「150DHXG」というのは、150サイズでダブルハンドルでエクストラハイギアという意味合い。

こちらがレバーブレーキ。

手前に倒すとブレーキが弱まり、立てるとブレーキが強まります。

タイラバなどでフォールスピードを下げる場合、このレバーブレーキをじわーっと締めて、沈下速度を調整します。カウンターにスピード表示がされるので、等速巻だけでなく等速フォールも可能なのです。便利。

こちらがレバーブレーキを下げた状態。

このブレーキは片手で操作できる位置にあるのですが、あまりにも持ち手の親指と干渉するので、知らないうちに、レバーが上に移動していたりします。これは使うとわかるちょっと気になるポイント。

ちなみにレバーブレーキの締め込みの強さや閾値みたいなものは自分で調整可能です。が、マニュアルを見ておかないとこの機能がわからないため、実釣時に焦ります。

何に焦るのかというと、メカニカルブレーキとレバーブレーキが一対なので、メカニカルブレーキを微調整したりレバーブレーキをいじっていると、前述のレバーブレーキの締め込みの強さがいつのまにか緩んでしまって、機能が効かなくなるのです。

もちろん、釣り場でも調整可能なので、マニュアルをちゃんと読んで調整方法を体に染みつけておきましょう。ちなみに、船べりでメカニカルブレーキの蓋を調整しすぎると蓋が滑落して泣くので注意です。意外と高いんですよね。蓋。

こちらはカウンター。巻き取り&フォールスピード表示が左で、右側が実際PEラインがでている長さのカウンターです。

実は購入してからPEライン「タナトル4」の1.5号200mを巻き込もうとしたら、ライトが消えるなどの原因不明のトラブルがあり、このカウンターユニットだけシマノに無償交換していただきました。

デジタル系の部品が入ると、釣具店でも見極めが難しいところかと思うのですが、初期不良はどんなアイテムにもあるので、購入して違和感を覚えたら速やかに行きつけの釣具店に相談しましょう。

相談したり、修理受付などをしてもらったときは、もちろんその釣具店で他のアイテムも購入するようにしています。

こちらは「バルケッタ300HG」と比較した写真。

みると、ややバルケッタが大きいですね。実際持っても重量差があります。バルケッタ300HGが190gに対して、バルケッタプレミアム150DHXGは255g。65g重いです。

ライトゲーム系の釣りで手持ち主体で、軽さが重要な釣りであればバルケッタ300HGかバルケッタBB(バルケッタより+30g)の方がおすすめです。

カワハギやマゴチなどはバルケッタのほうがよいと思います。カワハギはさらに軽量な「ステファーノシリーズ」がありますけどね。

こちらはシマノ提唱のエクストリームガングリップに装着した状態。使えばわかる良さ。バルケッタよりはやや重いながらも、パーミングしやすく、実際は持ち重りは感じません。

こちらは中ノ瀬のイナダ釣りでの実釣シーン。

レバーブレーキが効果を発揮する釣りではないのですが、しっかりタナをとり、イナダがヒットした後に滑らかにドラグが滑り出し、力強く巻き上げることができます。

ドラグの滑り出しがなめらか。ドラグ音も胸が高鳴る!

色合い的に落ち着いた大人カラーなのでシマノのライトゲーム系ロッドにフィット

ライトアマダイでは、エクストラハイギアにより1回転で81cm巻き上げることが可能。

仕掛けの回収時は、当然、ノーマルギアに比べて巻き上げ抵抗はあるものの、明らかに手返しはよくなります。電動リールに手を出すのはまだ先かなー、手巻きがいいなーという人にはいいんじゃないでしょうか。タチウオにもよいと思いますよ。

もともと想定されてないとは思うのですが、アマダイやスミイカなど底上50以内程度を釣る場合でフォールレバーをつかってみましたが、これらの釣りではあまりメリットはありません。

底上5mぐらいからゆっくりモエビ餌をみせて誘う「エビメバル」や、かなり中層まで意識している「ライトヒラメ」には効果がありそうな気がします。

キャスト主体の釣りはバルケッタプレミアムに向いてないかも

先日、予定外の深場移動により道糸が足らず、急遽バルケッタプレミアムでテンヤスミイカをやるシーンがありました。このとき、下手投げで25号のテンヤをキャストしていたのですが、軽度のバックラッシュが頻発しました。

バルケッタプレミアムをつかう前はバルケッタで問題なくロングキャストできていたのですが、なぜトラブルが増えたのか?

これは、メカニカルブレーキの微調整がやや難しい点にあります。レバーブレーキとメカニカルブレーキが一体化していので調整があまりできないんですよね。

それと、現地で塩がみしたのか、うまくブレーキノブも回らず固着したり。また前述の通り、レバーブレーキの閾値調整の機能をしらず、ゆるんでしまったり。

バルケッタプレミアムはタイラバの釣りも想定したものだと思うのですが、アンダーキャストをトラブルレスにするためにはすこしブレーキ調整が難しいような気がします。

よくみると炎月プレミアムも「SVS ∞(インフィニティ)」というブレーキ機構がありません。それもそのはず、物理的にブレーキ調整部分(ハンドルの逆側)にカウンターの電池ユニットがあるから仕方ないのかもしれません。

このあたりは意外と知らない人も多いと思うので、バルケッタプレミアや炎月プレミアムを検討している人は、よく理解してから買った方がよいと思います。

まとめ

シマノが誇る最新鋭の機能をあれこれ盛り込んだバルケッタプレミアム。

個人的には、キャストの釣りには向いてないけれども、それ以外は万能にできそうだなという印象です。

わたしの場合、タイラバなどで、キャストが必要な釣りではバルケッタ300HG(メカニカルブレーキのみだが微調整がしやすい印象)を使い、フォールスピードや巻スピードが重要そうなシーンではバルケッタプレミアムをつかっていこうと思いました。

つまり2本タックルをもっていけばあれこれ悩まなくて済むなという結論です。もともと、どの釣行でも2本タックルは用意しているので、とくに苦になりません。

ではでは。

平田(@tsuyoshi_hirata

関連アイテム

▼大物狙いやジギングはシングルハンドルで、巻き上げ量を重視する場合はエクストラハイギア。右巻き左巻きは好みでどうぞ。ラインはタナトル4の1.5号200mがちょうど巻ききれます。

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