船釣りをはじめると、すぐに船長の重要さについて気づきます。
「ポイントの選択、流し、アナウンス、アドバイス」など船釣りにおいて船長は極めて大切な存在。
よく船釣りをしない人からすると、「船釣りならば魚探もついているし、だれでも釣れるでしょ」と言われたりするのですが、ところがどっこい、そうでもありません。
船釣りにも「釣れない」という要素が常につきまとってきます。
その「釣れる釣れない」のカギを握るのが船長。
今回はこれまでの船釣り経験から、「信頼できる釣り船の船長」の要素を5つ考えてみました。
なにはともあれ「釣らせてくれる」船長
なにはともあれ、船釣りであれば一定の釣果をあげたいと思う人がほとんどだと思います。
岸釣りと比べてまとまったコストを投資しての釣行。近場の1日船であれば、交通費や食事代をいれて、12,000円程度の出費になるはずです。
お金をかけているんだから、やっぱり狙った魚を釣りたい。そう思うのは自然なことです。
釣り物によってはどうしてもボウズという要素が高くなるものもありますが、やっぱり同じ釣り物でも船長によって平均釣果は変わってくるものです。
状況の変化に対応する腕はもちろん必要ですが、なにはともあれ総合的に「釣らせてくれる」船長は頼ってしまうもんですね。
ホスピタリティあふれる船長
休日に釣りを楽しむために船釣りをする人がほとんどだと思いますが、「ホスピタリティ≒おもてなしの心」をもった船長が操船する船では、やはり良い時間を過ごせます。
いくら「釣らせる技術」が高い船長だといっても、高飛車で説教が過ぎていたり、釣り客とのコミュニケーションがうまく取れないようでは、足が遠のいてしまう人も多いのではないでしょうか。
「船長が偉い、客が偉い」というわけではなく、どちらも「今日はお願いします」「ありがとうございました」などが言い合える関係性が健全ではないでしょうか。
アナウンスが丁寧・的確な船長
釣り船では「船長のアナウンス」がきわめて重要な要素です。
「天候、潮の様子、水深、タナ、効果的な釣り方、魚の活性」についてのアナウンスが丁寧で的確な船長は有難い存在ですね。
中には、「終日ブザーだけで案内して、あとはスマフォをいじったり、釣り客そっちのけで電話し続けている」船長もいるのですが、やはり細かく変化や、狙いについてアナウンスをしてくれる船長のほうが安心ですし、熱意も感じます
例えば、アマダイやマゴチなど底釣りの場合は、ただ底をとって釣りをすればいいと思いがちですが、水深の変化、底質などのアナウンスがあるだけで釣り客のイメージも変わってきます。
「かけ上がりです」「ゆっくりかけ下がりです」「底に凸凹があるから根がかりに注意してください」「ここは漁礁の上なので、底から2mは浮かせておいてください」などのアナウンスを聞けば、無用な根がかりトラブルの回避やタナボケの防止にもつながります。
また、特定のポイントで粘り続けるとき、船長が黙っていると、釣り客としては「なぜ今この場所で粘っているのか?」「早く移動してくれないかな。アタリもないし、どうせ釣れないでしょ」などの不安が増すわけです。
一方、船長のアナウンスがしっかりしていれば、釣り客としても粘る理由がわかるわけです。
「昨日このポイントで反応がよかったので、あと15分ここで粘ってみます!辛抱して誘い続けてみてください」など。
こういったアナウンスがあれば、釣り客も惰性の釣りではなく、頑張って釣りができるはず。
ポイント選択が的確な船長
釣りは「場所8割」ともいわれます。
釣り場やタナの要素がとても重要なわけです。その日、そのときに反応がよさそうなポイントをより多く知っている船長はやはり有難い存在。
潮や風によって最適なポイントを選択して、ダメであれば無駄に粘らず、次の流しに動いたり。また、粘るべきところでは粘るという判断をしたり。
ポイント選択が的確な船長はやはり信頼できる存在です。
釣り客に「なんとか釣らせたい」という想いが伝わってくる船長
ある程度船釣りをしていると、丁寧な船長、武骨な船長と、いろんな船長がいることに気づきます。人の性格はそれぞれなので、釣り客としては、自分にあった船長の船に通えばいいとは思います。
重要なのは、船長に「釣らせたいという想い」があるかどうか、です。
「なんとか釣らせたい!!」という想いは、ポイントの選択・アナウンス・アドバイスによって否が応でも伝わってくるはずです。
「とりあえず1日終わらせたい船長」よりは「なんとか本命のボウズ(オデコ=釣果ゼロ)をゼロにして、よい釣果を残したい船長」の方がよいに決まってますね。
まとめ
釣りにおいて重要な要素である「場所(ポイント)」の選択が船長にゆだねられる釣り船。
船釣りをしない人からすると「誰でも簡単に釣れる」というイメージを持たれることもありますが、そんなことはありません。
やはり、確かな腕をもった船長の船にのって、しっかり釣況に応じた釣り方をしないとまったく釣れないということもあるわけです。
今回は、「信頼できる釣り船の船長」を5つの要素で考えてみました。
きっと、みなさんが通っている釣り船も、船宿がよいという要素の大部分は「船長がよい」からなのではないでしょうか。
まだ相性がいい船長に出会っていない人も、どこかに自分と相性がいい船長はいるはずです。あれこれ通ってみるとよいでしょう。