釣りを楽しむ目的の一つに料理と食をおいている場合、釣れなくて悔しいというのもありながらも、○○食べたかったのになーというつらさがありますね。
そこにきて、おすそわけをいただけると人情を感じてうれしかったり。
前回、一之瀬丸の渡辺直人船長のご厚意でスミイカボウズのわたしはスミイカを2杯いただいたんですが、これを料理します。
墨抜きされたスミイカ(コウイカ)。美しいなー。
スミイカの下処理
持ち帰ったスミイカとマルイカはジップロックにいれたままチルドルームにぶっこんで5日たっていたという状態。
本当は、下処理してサク状態にして寝かしたほうがよいです。
スミイカもマルイカも下処理はほぼ変わらないのですが、具体的な工程は前回のスミイカ料理記事で確認ください。
今回、いただいたスミイカは両個体ともにオスだったのですが、胃袋に不思議なものがはいっていたんです。
・・・
こちら。
これはたぶん、仲間のスミイカの腕の先端かなと。
この個体の腕は欠損していなかったので、
- 縄張り争いの結果、他のスミイカの腕だけかじった
- 生きている仲間を襲って食べた
- 仲間が死んだのを食べた
- メスに抱き着くついでに腕をかじる
というような仮説を考えてみたんですが、どうなんでしょう。これからスミイカは東京湾の浅場に展開して産卵してみんな死んで他の海洋生物の糧となるわけなんですが、気になるところです。
釣って料理をして、胃の中を調べてみると、いろいろと物語が広がりますね。
ちなみにこの細い筋みたいなものが並んでいる部位が精鞘(せいきょう)といってイカ類では共通してる器官なんですが、精子を入れたカプセル上のサヤをメスに受け渡す器官なんですね。
釣った烏賊を刺身にして、この精鞘を口の中に入れると、舌にささるので注意です。ちくちくします。
スミイカの刺身
子供を寝かしつけていたので手元の灯りだけの暗闇で料理をしていたんですが、写真がぶれました。
5日目の夜でもくさみもなく、ねっとりした食感に甘み。
いやーイカはいいですね。持ちがよくて。
釣りたての透明なやつをコリコリ食べるのもうまいながらも、寝かせた身の甘みをねちゃねちゃ食べるのもまた旨い。
黒胡椒スミイカ納豆
次はイカ納豆です。
市販の安納豆に添付のタレ+黒コショウを多めにすりつぶして混ぜる。
イカソーメン状にしたスミイカにこの黒胡椒納豆を混ぜる。
盛り付ける。
ユッケ風に平皿に盛り付けてもよいと思いますし、小鉢系でもいいですね。
これをですね、
白飯にもりつけ、一気にかきこむ!
バホバホ。
なんじゃこりゃ
う、うめー!
馬路うめー!
というようになることうけあいです。
わたしのなかで、食事のおいしいランクは以下の通りです。
- 馬路うめー!(おもわずさけぶ・行儀が悪いながらも空気ごとかきこむ)
- うめー!
- うまい!
- うまい・うまいね
- おいしい
- 何も言わない・真顔
本当に美味しいものに出会ったときは、おいしいーとか言う前に、心の底から
馬路うめー
がでちゃうんですね。
行儀がわるいんですがね。体全体が喜ぶ味、胃袋が躍るような味、水木しげるの登場人物みたいに鼻息がふぅーって出てしまう味というのが世の中にはあって、それに出会うと本当にしあわせです。
スミイカもやしナムル
スミイカのゲソ部分は、ほかのイカよりもボリューミーで活用のしがいもあるところです。
こちら。長い触腕は、テンヤ釣りであれば、最初にシャコに触れるところなんでしょう。
塩をいれた熱湯で45秒ほど茹でます。
なぜ、45秒なのか?
・・・
気になりますよね。
正解はそれっぽいからです。
なので、30秒とかでもよいと思います。
ただし、あんまり茹ですぎると身が硬くなるので注意です。
加熱によりスミイカの体表のぬめりがとれ、身の半分ぐらいに火が通りコア部分はレア目にしあげるのはだいたいこのぐらいです。
ちなみに、わたしの実家の栃木の佐野にはつるりラーメンという生麺があるんですが、これのキャッチフレーズが「コルト45秒」なんですね。
45秒茹でればOKというカップラーメンを超えた時短麺なんですが、コルト45と、凝ると45秒(こだわると)の掛詞らしいです。
▼食にめちゃくちゃ厳しいという噂のわたしがオススメするお土産ラーメンです。ぜひ45秒きっかりで茹で上げ食べてほしい。具は葱だけでよいです。どんぶりは熱湯で温めて、スープはゆで湯と別の湯で作る。麺の出来も至高ながらも、鶏油が効いてるっぽいスープも全部すすれるうまさ。
あれ、ラーメンの説明になってきたぞ、ってことで次の工程にいきましょう。
ゆであげたゲソはざるにいれて水道水ですすぎましょう。クラーケンっぽいですね。
氷水にすればよいとは思うですが、めんどくさいので大丈夫。刺身の場合は熱の進行をとめるため氷水で締めたほうがいいです。
ゲソにあいた●はテンヤのフックが刺さったところに墨がしみこんだもの
ざっくり目にゲソを刻みましょう。
ここで秘伝のたれですよ。
メモの用意はよろしいか。
- ごま油(風味が深いかどや銀印業務用を大量に買っておきましょう)
- 葱油(なくても可)
- にんにくペースト(あえてすりおろさなくても瓶のやつでおけまる君です)
- 酢orレモン汁
- 塩(ノーマル安塩で十分です。塩が云々というのは大体思い込みです)
- 黒胡椒
- 味の素
・・・
味の素!?
富井副部長「ひゃ、ひゃまおか-!だいじょうぶなのか!味の素って、化学調味料じゃないのか、そんなのをいれて海原雄山に勝てるのかぁ?」
山岡「ま、見ててくださいよ」
富井副部長「と、東西新聞は終わりだー」
部長「富井君、すこし落ち着きたまえ」
栗田「(山岡さん、化学調味料だなんてだいじょうぶなのかしら)」
周大人「(近現代の中華料理は味の素でつくられてきた・・・)」
海原雄山「ははははは。士郎、貴様、もののうまみを出すのに小賢しい化学調味料に頼るなど、料理をしらぬ山猿がやりそうなことよ!安易千万!!こんな奴に究極のメニュー作りなどできるはずがない!帰るぞ中川」
中川「は。」
みたいないつもの展開が想定される感じですね。
味の素も化学調味料、化調うんぬん言われて本格的な料理では忌避される傾向にありますが、適度ならば旨味の隙間をうめていいんです。
ふはははは。
ガルマ、むしろ化学調味料は手段だよ。
家庭というかぎられた状況でもらったスミイカを最大限に活かす。
そのために最も合理的に優れた手段をとるのが料理という戦場で生き残るコツさ。戦いで死んだら昇進なども望めないぞ。
君の御父上はきっと悲しむはずさ。だから味の素なんだよ。
・・・
さ、次行きましょ。
1キロ大量に購入したもやしを、わしづかみで取り出して、さっと、流水ですすいで碗にいれて2分ほどレンチンします。
その後、さらに水で流して水気をきる。
長ネギをくわえて、素材を和える。
和える。
見た目を考えて、スミイカを上にもってきてレモンを飾る。
揚げ葱をトッピングすれば出来上がりです。
あとは、おつまみとして楽しむだけ、
・・・
う、
うますぎる!
馬路うまい!
と、ひたすら白飯とかきこんで完食しました。それぐらいオススメ。
マルイカは冷凍事業本部へ
マルイカは関東でケンサキイカを指して呼ぶ通称です。スミイカの釣りではスッテやエギをつけていると釣れるターゲット。
先日スシローにいってきたら、スミイカよりケンサキイカの方が高価でした。店内でさばいているからかもしれないんですがね。
イカ類のよいところはタコ同様、冷凍しても味があまり劣化しないというところ。
脂肪分もないので、酸化しづらいので、比較的長期冷凍も可能。
一旦冷凍して、またどこかで料理します。
それにしても次こそは必ずスミイカをゲットする!
ではでは。
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