日本全国で魚介系の食中毒というのは頻繁に起きているわけですが、そういったデータで厚労省が把握したものをデータで確認することが可能です。
海で釣った魚を調理して食べている釣り人は、どんな魚で食中毒が発生しているのかチェックしてみるとさらなる用心につながりそうです。
寄生虫について言えば、どんな魚にも多少なりとも存在しているので無駄に恐れず、対応していくことが求められています。
平成30年寄生虫由来の食中毒発生事例(速報。~8月1日まで)
寄生虫アニサキスによる被害:151件、156名。死者0名
→データをみていると、サバ・カツオ等のよくアニサキスが見られる原因食材以外にも、コノシロ、タイ、鱈の白子、ブリ、キンメダイ、イワシ、アナゴなどというように幅広く存在しているようです。サバがかかわっているアニサキス症は全体の26件。
発生例の中で興味深いのは、
愛知県 1月9日 愛知県 1月9日の食事(焼成したサバ)
というように、加熱したものでも加熱不足によりアニサキスが生き残っていて被害にあった事例もあります。
しめ鯖や炙りしめ鯖のように、やや加工しているものでも、冷凍処理されていないものや、筋肉内で生存しているアニサキスによる被害は起きているようです。
寄生虫クドアによる被害:3件、15名。死者0名
出典:厚生労働省
東京都区部 3月11日 東京都 ヒラメの刺身
福井県 4月22日 福井県 ヒラメの刺身
広島市 1月21日 広島県 不明(1月20日(土)夜に提供された食事)
クドアは生食ヒラメの筋肉につくもので、食後数時間で嘔吐や下痢といった症状がでます。発生件数が多くないのは、ヒラメ自体がサバ等と比べて高価で生食で食べる件数が少ないからかもしれません。
また症状が軽度で終わることもあるため、アニサキス症(胃or腸)のように保健所等に報告されて厚労省に上がらない事例もあることが想像されます。
出典:厚生労働省
ここ数年の発生事例(確認事例)も件数としては多くはないですが、毎年数百人が被害にあっているようです。
その他の寄生虫(旋尾線虫?):2件、2名。死者0名
その他に寄生虫による症例としてホタルイカによる被害が報告されています。
愛知県 4月6日 愛知県 平成30年4月5日(夕食)ホタルイカ
名古屋市 4月20日 愛知県 生ホタルイカ
具体的な寄生虫名は公開されていませんが、ホタルイカということで、おそらく生食もしくは準ずる形で、旋尾線虫による症状が出たものと思われます。
生のホタルイカはかなり美味しいのですが、しっかりボイルするというのが妥当なんでしょうね。
まとめ
2018年8月1日時点で、厚生労働省が把握しているデータでは173人が何らかの寄生虫による被害にあっていることがわかりました。
死者は0名。アニサキスの場合、アレルギー反応による死亡という可能性がありますが、そういった事例はないようですね。
釣った魚にはどんなものでも寄生虫がいるという前提で、適切な処置をして食べるということを心掛けたいですね。
データ参照:厚生労働省「4.食中毒統計資料」