東京湾の海水温の低下が例年より遅れたりして、ベイトが湾内に居着いているのか、タチウオやワラサ(ときにはブリクラスも)が湾奥で釣れたりしていた年末年始。
今後、東京湾でキハダマグロが釣れる日も近いのかもしれません。金沢八景あたりから、マグロ船が出船する日。それはそれで魅力的なのですが、そうなるといなくなる魚もいるんでしょうね。これも世の習いなのか。
今回は手漕ぎボートでヒラメやワラサが釣れ続けている横須賀の大津港で手漕ぎボート釣りにいってきました。久しぶりの手漕ぎボート釣り。
漕ぐのが大変だったりしますが、小回りが効いたり、ファイトの際は海面からもろに近いので、遊漁船やプレジャーボートの釣りとはまた違った楽しさがあります。
東京湾ロマン。横須賀・大津港まるまつ丸へ
この日は、大津港の「まるまつ丸」さんを予約して訪れました。
まるまつ丸さんはGoogleフォームで予約ができて便利ですし、スタッフから丁寧な受付メールが来たり。乗合などの予約をするのに電話するのに気おくれする今時の人にも安心ですね。
この日は朝方やや風が強いものの、10時ぐらいからおさまる予報で、最悪、まるまつ丸さんでお茶でも飲みながら、10時ぐらいに出船できればいいかなーと思っていました。
釣友でもある大学生アングラー大井くんに誘われての釣行なんですが、待ち合わせは船宿で6時30分ぐらい。オフシーズンの平日なので、出船7時ギリギリでもぜんぜん間に合いますが、近場で黄アジが釣れる夏場は20ぐらいある船が出払ってしまうこともあるので、予約して早めに訪れたいところ。
東京湾にはロマンがある。大津にもロマンがある
最寄り駅は京急大津。
実は京急大津は横須賀の堀之内で乗り換えないといけない支線です。東京方面から三崎口行きなどにのって余裕綽々でいると、いつのまにかスルーしてしまうので、しっかり乗り換えタイミングでは起きておきましょう。
京急大津から徒歩5分でまるまつ丸に到着です。
駅前にローソンがあったのですが、閉店したので、途中にあるセブンイレブンで兵糧などは確保しておきましょう。手漕ぎボート釣り最盛期の夏場は水分を1.5リットル程度調達しておくと安心。
受付をして、道具を準備して出船。どこのボート屋でもそうですが、乗船前に竿にスナップサルカンを結ぶところまでしておくとスピーディ。
まるまつ丸ではアジ乗合も出しているので、タイミングにもよりますがイワシミンチがあります。二人分で500円程度の量を買いました。
手漕ぎボートでもアジを釣りたい人はアミエビよりはイワシミンチが有利。
これは海中で煙幕をつくりやすいからだと思います。アジがイワシミンチで狂喜乱舞しているところにアオイソを流せばだいたい釣れます。アジは。いるところであればね。
ということで、いざ勝負!と出船しようとしたら、海を偵察していたまるまつ丸のおやっさんが「今ね、ちょっと吹いてきて、白波たったからちょっと待った方がよいかもよ」とのこと。
慌てる乞食は貰いが少ない。
といいますので、焦らず。なんだったら、10時ぐらいまでベンチで釣りトークしていてもよいですしね。と、おもったら、少ししたら風が弱まり、その隙をついて電撃出船。
悲報。大井くんがぜんぜん手漕ぎボートを漕げない件について
ここで筋肉痛などを考慮して、大学生大井くんに漕ぎ方をまかせたところ、「わかりました」とのことで安心していたところ、なんと、スタート地点の港内の船溜まりエリアで大井くんがほぼ漕げないのが判明。
がはははは。よかろうて。
ここは平田水軍の異名をもつわたしの出番で候。
見るがいい。北風向かい風上等の我が漕ぎを。目をかっぽじって学ぶがよい。
お尻の肉がないから痛い。クッション持参必須
それ、1、2、3。
それ、1、2、3。
それ、1、2、3。
と、リズミカルに漕ぎすすみ港内をでると風がビュービュー。波のせいか、となりの石田ボートから出ている数ハイも見当たらず。
とりあえず、港をでて走水側(南側)にあたる中根方面へいくことに。
一見余裕綽々にみえますが、むしろ港内をでる前にけっこうしんどくなってしまいました。。。
いやさ、もうしばらく漕いでないし。日頃運動不足だからなー。運動っていえば、保育園の送り迎えに自転車を漕ぐぐらいだしな。はーしんど。キツメイシ。
基本的に背筋と脚の伸ばしという大きな筋肉からつかうのが手漕ぎボートのコツ
だが、大学生相手につらいところは見せてはいられない。
平田水軍云々と、盛大にドヤったからには圧倒的な水軍力を披露しなければしめしがつきません。
どわはっは。
どわはっは。
どわはっは。
ひぃ。
それにしてこいつけっこう重いなと大井くんに聞いたら75キロぐらいあるようで。
貴殿、何気にヘビーですね。が、これまでにわたしは100キロ級超人たちを乗せて小網代や金田湾で漕ぎ巡った経験があるんです。
それに比べれば70キロ台なんてまー朝飯前ですよ。屁のカッパっすよ。おほほ。
打ち寄せる波にボートの舳先をむけ、角度に注意しながら、どんどん、沖にでていく。
海苔棚をこえ。
さらにむこうへ。
よーし。
このぐらいにしておいてやろうか。と、根周りのポイントで、アンカーを落とす。
根はあらかたポイントマップで調査しておいたところと、大井くんによる海底調査(オモリを落として底質を判断)によって把握。
このあたりでアンカーを落とせばちょうどよく根上で、アジが入れ食いだな。で、それを泳がせれば、ヒラメやワラサがズドン!とくる。
っておもったら、アンカーロープが絡まり、海底まで大津名物「ヘビーコンクリートアンカー」が沈まず、100mぐらい流された次第です。
南無。
ま、やってみるか。この辺りはどこも根があるから、アジはやがてコマセによってくるさ。
やがてね。
アジビシはオモリをダブルスナップで装着できるものが便利。手漕ぎボートは乗合とちがってオマツリがないので、20~30号ぐらいの錘をつければよいと思います。
まるまつ丸さんのイワシミンチはやや粒が荒め。あんまり細かい網はむいてないかも。
で、仕掛けを落とす。
・・・
・・・
・・・
水深25m程度。
底質は・・・。
安定の砂泥で候。
うーむ。
砂と泥だよね。ここは。
大井くんが船酔いしていたおかげで大物がヒット!
と、釣りはじめて音沙汰がないなと思ったら、大井くんがこの表情。
さてはやらかしか。
からの、連続リバース。
嘔吐のコンボ。
アネロンは飲んだものの、前夜にハンバーグを食べたそうで、それが胃酸過多につながったんじゃないかと軽く詰めて、情けはかけず釣りづけることに。
が、このポイントではアジのアタリは全くなく、サビハゼなどのみ。
こりゃ駄目だな。
と、スパルタで大井くんを起こして漕ぎ練習がてら沖のポイントを目指すことに。この頃には風もおさまり、すこし漕ぎやすくなっている状態。
どうやら、ボートを漕ぐことに集中しているときは酔いが止まる模様。よしよし漕げや漕げ漕げ。
そこから数百メートル沖へ。
いわゆる中根付近で石田ボートから出船していた5ハイぐらいのボートが重なっていたので、邪魔にならない範囲でアンカーを落とし、挨拶して聞いてみると「ぜんぜんだめ」との返答。
「ぜんぜんだめ」
手漕ぎボートあるあるである。
この「だめ」をどう解釈するか。
しかし遠目でこのあたりのみなさんが、アジを釣ったのをわたしの鷹の眼はみていたのだよ。
とりあえず、仕掛けをおとして、セブンイレブンのコロッケパンが異様にうまいなとおもっていたら、竿先にアタリが。
大井くんは2、3投、ジグサビキで釣りをしたものの、速攻でダウン。
巻き上げてみるとアジ。
食べるには小さいが、餌によさげなサイズ。
このあと、連続でこのサイズがヒット。2匹目をみたら、胴にヒラメと思われる魚に噛まれたあとがあり、さっそく泳ががせ釣りをやることに。
底上2m以内にうすいアジの群れがあって、その下にヒラメがいるんだろうなと。
ミディアムクラスのシマノ・ライトゲームSSを置き竿にして、添え木を忘れ、竿受けがはめられなかったので足で押さえながら待つことに。
コロッケパン旨い。
筍おこわおにぎり旨い。
引き続き大井くんは死亡中。
と、その時、置き竿のアジが何かから逃げる動きをして竿先が暴れ、2、3度引き込む動き!
まさか。
まさかの将門!?
いやここは焦ってはいけない。たぶんヒラメだ。アシストフックはシングルだし、慎重に飲ませよう。
すると、海面に突き刺さる竿先。
これは乗ったな!
鼻息荒く竿を手に持ち、「大井くん来たよ来たよ!」と、強引に起こし、ファイトスタート。
ヒラメか?
にしては引きが強い。60cmは超えているな。2キロぐらいの重さがありそう。
アカエイ?
にしては、重さと引き方が違う。
おお、走る。
これは、青物では?
ブリ???
▼実際のファイトはこんな感じ。PE2号で、ハリスは6号か7号。
この時期に手漕ぎボートで「湾内ワラサ」という東京湾。#令和力 #ORETSURI pic.twitter.com/5FrbpZ55Yh
— 平田 剛士|釣りメディア「ORETSURI」運営者 (@tsuyoshi_hirata) February 19, 2020
ある程度、仕掛け的には強めだったものの、ブリが丸呑みすると歯でスレて切れてしまうこともあるので、あんまり遊ばせず、かつ引っ張りっこはしないようにドラグを調整。
・・・
・・・
・・・
上がってきたのは・・・。
湾内ワラサ!
2月になっても湾内でうろついて豊富な餌を食べて肥えている個体。みるからにうまそうです。
この時期、東京湾の手漕ぎボートで釣ったというのはかなり手ごたえがありましたね。うん。
クーラーに入らないパターン。
でも、まるまつ丸さんの撮影などもあるだろうし、尾っぽはそのままに。
あとで測ったら、70cm、3.145キロ。
機動戦士ガンダム、逆襲の大井
ワラサはまだ回ってくるかもというそそのかしによって、復活を遂げた大井くん。
ジグサビキを投げているが釣れるのか?
はたして。
しゃくっているが、はたして。
ここで、さよならホームランか?
わたしは、アジが釣れなくなったので、イソメをぶっこんでカレイやイシモチを狙ってみたが不発。
そうこうしている間に14時30分。もう戻らないといけないお時間に。
ご覧くださいこの表情を
帰りは、大井くんに漕いでもらったものの、オールの支柱が曲がって漕ぎずらくなってしまったので、平田水軍奥義ダブルドラゴンを発動。
説明しよう。
ダブルドラゴンとは二人で隣り合って、一つのオールを漕いで2馬力で進む技である。
このボートの席を移動するときは転覆の危険があるので、波があるときは注意して、ボートの中心以外に重心をかけないようにしましょう。
そんなこんなで帰港。
沖上がり。またチャレンジしたい手漕ぎボート泳がせ
沖上がりしたところ、石田ボートから出船していた人はフッコサイズのスズキを釣っていたようで。あとはアジですね。アジ。ヒラメはいなかったようです。
やっぱり、風が強くてボートを流せないときはヒラメは狙いづらく、回遊してくるスズキやワラサなどを狙うのが主体になりそうだなと思いました。
また凪の日にでも、ヒラメとマゴチ狙いで挑戦したいところ。
ヒラメなら、周年アジの群れについているはずなので狙えると思います。不意の大物に備えてフロロ6号以上のハリスを使いたいところ。
タチウオも出ているようですが、これもポイントがまばらの様子。
アジを丸呑みしているのもあって、ぶっとい
高校生っぽいイナダとは異なって大人な表情
後片付け。
まるまつ丸では、ワカメやノリを販売しているわけですが、やってきたおばさんから「ワカメを売ってほしいんだけど」と言われたり。
まるまつ丸の飛松さんから一番海苔をいただきつつ、おにぎりを頬張る大井くん。陸にあがればおなかペコペコ大学生です。このあと、吉牛にいって牛丼をかきこんでいましたね。
ボートバッグをあけたら、食べるのを忘れた高地栽培バナナが変色した姿で登場。船上の過酷さを物語っていますね。
沖上がり時間にはすっかり凪。
大井くんは、またチャレンジしたいと言っていました。
次はやってくれるでしょう。
たぶん、きっと、メイビー。
手漕ぎボート泳がせ釣りにオススメのアイテム「ダイワの友バッグ」
ここで宣伝なんですが、手漕ぎボートで泳がせ釣りをする人にオススメなのが「ダイワの友バッグ」です。
こちら。
もともと鮎の友釣り用なんですが、これをオールの支柱があたりにつけておき、釣れたアジやキスをいれるといつまでも生きています。
高水温期でも、氷やエアーポンプは必要ないというまさに手漕ぎボート釣りにうってつけ。
ちょっとしたお値段なんですが、氷やエアーポンプを買ったりもっていく手間を考えるとたためて本当に便利です。
この通り、最後までアジは生きていました。
ということで、すごくオススメな「ダイワの友バッグ」。手漕ぎボートフリークはぜひつかってみてください。
夏場のハゼ釣りなどにもよいですよ。
ではでは。
平田 剛士(@tsuyoshi_hirata)
使用タックル
▼泳がせ釣り
▼コマセ
※ライトゲームSSとBBは旧モデルを使用してます。