東京湾のタチウオ釣りは周年の人気釣り物ですね。
夏から秋は浅場で、冬から春は深場がメインで。
釣り方としては、メタルジグをつかったジギングも人気がでてきましたが、いまだ天秤をつかったエサ釣りが主要ではあります。テンヤの釣りについては、メーカー主体で浸透させようと奮闘している印象です。
今回は船タチウオの天秤についての個人的な考察とダイワの快適天秤シリーズがオススメだよという話です。
船タチウオの天秤はストレートが推奨
船用の天秤は大きく分けて2つにわかれると思います。
天秤のアームが曲がっているものと、ストレートのもの。
さらに細かく考えると、アームのワイヤーが可動式だったり形状記憶合金だったり。これは食い込みの良さだったりをよくするための工夫です。
こちらは一番下がヤマシタの天秤。
弓状ですね。やや大き目の型ですが、コマセ系の釣りではもっともポピュラーで船宿レンタルの天秤もだいたいこちらのモデル。
上2つがダイワの「快適天秤ストレート」と「快適天秤マルチ」です。
弓型の天秤は魚が針に食いついたときに湾曲部分のタメがあるため違和感を持たれにくいといわれています。対して、アームがストレートタイプの天秤は、エサをしっかり動かすような釣りで有効といわれています。
たとえば、身餌をつかった船釣りでのタチウオは、サバやコノシロの短冊をルアーのようにしゃくって動かし、生きているイワシのようにみせて食わせる釣りです。
このとき、弓状の天秤よりもストレートのほうがダイレクトに餌をうごかせるというわけです。
ダイワの快適天秤ストレート(下)と快適天秤マルチ
ヤマシタ船天秤Y型。アタリの伝達度はメーカー調べで1.5倍とのこと
メーカー不明(海の駅??)のストレート天秤。誰かが高切れしたものが釣れてきた
天秤のスナップサルカン(オモリを固定する器具)の強度は重要
ストレートタイプの天秤。
このタイプは市販では「ダイワの快適天秤シリーズ」と「ヤマシタの船天秤Y型」が主要です。価格的には、ややヤマシタが割高で、オモリを接続するスナップサルカンの剛性がダイワのほうが高いといえます。
このスナップサルカンの剛性は意外と重要です。
タチウオが針がかりしたときには、関係ない強度ではあるのですが、重めのオモリの動きや潮、オマツリによって錘が外れてしまうのです。これはタチウオのエサ釣りを長くやっているひとであれば経験があるのではないでしょうか。
餌タチウオでは、一日中天秤をしゃくるわけです。60号・80号などの重めのオモリだといつのまにかスナップサルカンがへたったり開いてしまうんですよね。
ほかに、PEラインがこのサルカンのひっかけ部分に絡むと、これまたサルカンが開いてオモリが落ちてしまったり。その点で、サルカンの剛性は意外と重要です。
その点、ダイワはしっかりした号数のスナップサルカンをつけてるなーと感じます。
ヤマシタの天秤は弓型タイプでもハリス側のサルカンの剛性が弱かったりするので、そのあたりを改善してコストが同等になればよさげな気もしています。
▼「ダイワの快適天秤シリーズ」と「ヤマシタの船天秤Y型」の比較ツイート
【他で読めない餌タチウオの天秤比較】
東京湾のタチウオ釣りは天秤餌釣りがまだまだ主要です。テンヤタチウオ比率は今後も上がるとは思います。天秤餌タチウオでは弓型天秤よりストレートの方がしっかりえさを動かせ、細かいあたりを拾えます。… pic.twitter.com/0aCwcYuVyd
— ひらっさん (@tsuyoshi_hirata) August 10, 2023
上が快適天秤マルチ。下が快適天秤スピード
ダイワの快適天秤マルチとスピードは、比較的東京湾のタチウオ釣りでよく使われている印象です。黄色い熱収縮チューブが特徴なので、ほかの釣り人がつかっているのもわかりやすいんですよね。
快適天秤スピード(写真下)については、仕掛けを回収するときにアーム部分が可変して道糸からハリスまでが直線になるため、巻き上げ抵抗が減るので手返しがよくなります。
じゃあ、快適天秤マルチ(写真上)とは仕掛けの回収スピードだけが違うんだっけというと、どうやらそれだけではなさそうです。
個人的に感じるのは、固定式のマルチのほうがしっかりフッキングしやすいという点です。
アームが固定式でクッションが効くということなんでしょう。これはタチウオが噛みつき方にもよるとは思うんですけどね。
スピードタイプは後述の形状記憶合金のモデルと同様、タチウオのバイト後の動きが大きいので、しっかりフッキングできないこともあるなーと。
これは使用する竿が8:2か7:3かの相性もあるとは思います。
形状記憶合金天秤はタチウオ釣りにむいてなさそう
こちらはダイワのリーディングアームⅡ。
アーム部分が形状記憶合金でしなやかに曲がるので食い込みがよいタイプ。
原材料費からやや割高で通常のステンレス天秤の2倍ぐらいの価格です。以前このモデルを購入したときに、使用前に形状記憶合金が付け根から2回破断したんですが、このアーム装着部分が改善されたのか最近はそこから折れるという印象はありません。
しなやかにまがるので、繊細な魚には良いと思ってます。
アジなど、エサを吸い込む釣り物狙いのコマセの釣りで、アタリをはじいてしまうときにつかうと、自然と食い込みやすいアイテム。
ハリスをナイロンにするか、クッションゴムをいれるか、竿を6:4の胴調子にするかによっても違うとおもうのですが、シーンによっては有効です。
リーディングアームはダイワのコンセプトだと思うのですが、小型のものでもサルカンやスナップ部分が堅牢。このあたりは、値段相応なのかもしれないのですがダイワがすぐれているところかなーと感じます。
サルカンの番手も強め。
上のリーディングアームⅡが以前のモデルだと思われる。
スナップサルカンはモデルチェンジした模様ながらも、新旧ともに堅牢。
このリーディングアームⅡなのですが、タチウオ釣りをしたときの印象としては、あんまりタチウオの釣りには向いてないんじゃないかなーという印象です。
やや食い込みを意識した7:3の竿でこのリーディングアームⅡを使うと、タチウオはあんまり違和感を感じないようで、かなりバイトがでてきます。
が、乗らないんだなー。
これは竿との相性もあるとは思うのですが、個人的には、餌タチウオはしなやか&ハリのあるアームで積極的に合わせていくほうが数を伸ばせるんじゃないかなと。あくまでも深場メインでない場合の話です。
餌を吸い込まないで、齧って食べるような魚は、細めの線型のステンレスアームの固定式がよいなーと今のところは思ってます。
形状記憶合金のアームでいうとサニー商事の「ハイブリット天秤」は、アームの根元がステンレスでその先が形状記憶合金なので、繊細に食わせてしっかりかけるというあたりはリーディングアームⅡより優れているなという思います。
それにしても、タチウオの釣りは東京湾でも人気の釣り物であってだいたい船も満席になることが多くお祭りが多くなるんですよね。
またポイントも走水などが入ってくるので、潮の状況によってはかなり頻繁にお祭りしたり、ほかの釣り人のタチウオによって道糸がカットされて高切れしてしまったり。
そういうことを考えると、天秤にかけるコストは最小限にしたほうがいいなーという結論にいたり、今は市販品ではコスパに優れるダイワの快適天秤シリーズが最強かなと思ってます。
快適天秤マルチがファイナルアンサー
根がかりでもないのに、リーディングアームⅡ+60号オモリ+仕掛け(合計1,400円ぐらいかな)が、サクッと切れるとテンションがだだ下がりです。。。
他にも市販品ではタチウオに適したストレート系の天秤があるのですが、①手に入りやすさ②価格③堅牢さという3点で考えると快適天秤ストレートやマルチ、スピードがいいんですよね。
この天秤分野にはシマノは手をだしてないんですが、手を出してほしいところ。
ということで、タチウオの天秤に迷っている人は快適天秤シリーズがいいよという話でした。あれこれ考えない人は「快適天秤マルチ」を2、3個もっていけば間違いないです。1個だと高切れしたら、船の在庫を頼ることになるのでね。
ではでは。
平田(@tsuyoshi_hirata)
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▼東京湾のタチウオ釣りでは、冬場以外は40号、60号、80号のオモリを多めにもっていけば大体平気です。かなり浅いところは30号などでもよいんですが、シャクリのテンポがとりにくい気もします。