魚と水温は密接。特に潮流によって急な水温の変化があると、いきなり食いがよくなったり、悪くなったりします。
冬場の低水温期に、沖目から温かい潮がながれてくると、ジッとしていた魚もやる気になるのでしょう。反対に、いきなり水温が1、2℃下がったりすると、まったく口をつかわないなんてこともあったり。
釣り船の船長は毎日のように海で仕事をしているわけですが、よく聞くのが、「魚は温度変化があってから、その温度に順応すれば餌を食べるようになる」という話です。魚にも慣れというものがあるんでしょうね。
これって魚だけでなく人間も一緒ですね。
ある程度釣りをかじって、さらに深みにハマってくると、チェックしはじめるのが、水温と潮流についてです。
東京湾や相模湾の場合、黒潮の蛇行も釣果や釣れる魚種に大きく関係してきます。「東京湾口海況図」や「 関東・東海海況速報/広域」が日々更新されています。以下、神奈川県水産技術センター 海況図データベース 東京湾口海況図から参照してます。
こちらが2019年末の水温。
これだけではわからないと思うんですが、実は例年と比べて、水温が高めなんです。2019年は11月、12月と浦賀航路の深場でテンヤでスミイカを釣っていたんですが、ゲストでシロサバフグがよく釣れます。竹岡沖などの浅場にいってもフグだらけということも。
船長曰く、「いつもだったらこんな浅いところにフグいなんだけどなー」とのことなんですが、この時期、スミイカで狙う久里浜沖のポイントは海況図で見る限り水温が20℃弱あります。
この水温は2018年でいうと、11月末頃の水温。
どうやら海の中は、季節の移り変わりが、1か月程度遅れているのかもしれません。
以下は、2016~2018年の年末の海況図です。
見ての通り、2019年末は例年より水温が高めだなーってことがわかりますね。
さらに広域の関東・東海海況速報でみてみましょう。2019年と2018年の比較は以下の通り。濃いオレンジほど水温が高いのでわかりやすいはずです。
2020年に入りましたが、約1か月ぐらいは海の季節が遅れてるなーというあたりを考えて釣行計画を立ててみるとよいかもしれません。
気になるのは産卵のために浅場にヤリイカが接岸するのがどうなるかという点です。
主漁期間を通しては,10~15℃の範囲にある.以上の 2 魚種の漁場水温から,ヤリイカの生息水温は 5~15℃の範囲にあると考えられる.特に,8~13℃の範囲で分布が濃いと思われるため,この水温帯が適水温と推察される.
これは日本海のヤリイカについての研究からの引用なのですが、適水温が低めなので、2019年末の三浦半島南部(三崎・城ヶ島)の水温19.2度あたりを考えるに、沿岸部にヤリイカが乗っこんでくるのはまだまだ先なのかもしれません。
それと、釣れ盛っているイナダなどの青物。これも、なんだかんだで1月中ぐらいは湾内のどこかで釣れ続くのかもしれません。ところにより、スミイカやモンゴウイカも水深20m程度の浅場でも釣れているようなので、釣りシーズンが少し後ろ倒しになるのかもしれません。
参考:神奈川県水産技術センター 海況図データベース 関東・東海海況速報/広域,東京湾口海況図
▼おかっぱりヤリイカは、触腕の短いヤリイカがしっかり抱くサイズのエギがオススメです。水温をみながら、ヤマシタのナオリーを複数個用意して待ちましょう。