社会人たるもの、月に1度はトムヤムクンを食べたくなるもの。
他の誰が否定しようとも、わたしの場合はそうだ。
このトムヤムクンはタイ料理であることは誰もが知っていると思うが、単語を分解すると、
トム=煮る
ヤム=混ぜる
クン=海老
という意味である。釣り人諸氏はご存知であっただろうか?
ということで、この日もトムヤムクンを作ろうとおもって冷蔵庫をみたところ、エビがなかったので今回は冷凍しておいたイシガニを利用してトムヤムにしてみたい。
ちなみに、カニはタイ語でプー(ปู)といういうので、イシガニを使ったトムヤムはトムヤムプーという名前なんだと思う。
トムヤムプー。
なんだかかわいい。
タイのかわいい女子のすかしっ屁みたいな、いや、ドラゴンボールのプーアルみたいなイメージが想起される。
では、ここからはトムヤムプー作りをお送りするプー。
トムヤムプーのベースを作るぞ
まず、ベースのスープを作ってみよう。
わたしにとってスープとは冷蔵・冷凍庫にストックしている大量のアラを消費する機会でもある。
今回もタチウオ釣行&料理記事で大量にでたタチウオのアラを消費してみたい。
鍋に以下の材料を投下しよう。
- タチウオのアラ
- 長ネギの先っぽ
- ショウガスライス
- ニンニク
- 日本酒
- みりん
容赦なく煮だす。
スープの濁りはあまり重要ではないので、強火でどんどん炊こう。
魚介スープ作りの際に、もし澄んだスープをつくりたい場合は弱火でじっくり炊くときれいなスープが取れる。
もし濁りがはいってしまったら卵白をいれるかひき肉を入れると、あら不思議スープのアクが吸着されて濁りも緩和されることもある。ぜひメモっておこう。
短時間で炊きだしたタチウオスープはザルをつかって濾しとろう。
これが、タチウオ白湯スープである。
昆布だしと塩コショウ等で調整しつつ、動物系のスープを合わせるとそれはそれでラーメンなどにしても旨い。
イシガニの下ごしらえ
次に、プーことイシガニの下ごしらえである。
ORETSURIを長くご覧いただいている方にはおなじみであるが、これがイシガニである。
このイシガニを2杯ずつジップロックで冷凍してあるのだが、これを流水解凍しておく。
旨味成分の流出を減らすためには、時間があるときは室温の自然解凍のほうがよいと思う。
尻蓋をとり、汚れを洗い出す。
その後、尻蓋をつまんで外して甲羅を外そう。
甲羅が外れると、このようにガニと呼ばれるエラ部分が甲羅についてくる(冷凍しておいた場合)
これをきれいに取り除く。
胴体部分にもエラはのこるので、これも取り除こう。
このエラ部分に砂をはらんでいる個体もあるので、水道水で流しておくとよい。
次に胴体を2つに割って、爪や脚を調理ばさみか包丁の背中で殴打し割っておこう。
こうすることでイシガニが持つエキスがスープによく溶け込むようになる。
イシガニやワタリガニのサイズが大きい場合は、胴体は4つに切り分けるとよいかもしれない。
トムヤムプーに使う生ハーブ類を披露する!
タイ料理といえば、生ハーブ類をたくさん使うことで有名だ。
トムヤムクンを使うとき市販のトムヤムペーストをつかえばそれでいいのだが、生ハーブ類を用意できればさらに味が本格的になり、専門店で矢鱈に高いトムヤムクンを食べるのが馬鹿らしくなってくる。
<生ハーブ類>
- レモングラス
- ニンニク
- カー(ガランガー=タイショウガ)
- クラチャイ
- パクチーの根
- 青唐辛子(今回は韓国唐辛子)
※クラチャイは癖が強いので、少量もしくは使わなくてもよい。またこれらのハーブは乾燥したものも販売されているが、生ハーブには香りが劣る。
トムヤムにおけるココナッツミルクの意義
ここで忘れてならないのがココナッツミルクである。
トムヤムクンはココナッツミルクを入れるタイプと入れないタイプがあるが、日清のカップヌードルズのトムヤムヌードルしかり、トムヤムはココナッツミルクによって全体が調和するような気がする。
今回は、ココナッツミルクは粉末状のものを利用する。
なぜ粉末かというと、販売価格が比較的安価なのと保存するのに場所をとらないからだ。
鍋や器に、ココナッツパウダーを出す。
これをジップロックにいれて、警察署の前をいったりきたりすると見事職質されることに成功するかもしれない。
ここに、水を少量いれて溶いておこう。
缶詰や紙パックのココナッツミルクの場合は不要だが、粉タイプの場合スープにレモンなどで酸味をくわえてから粉を入れると溶けにくくなるので、この行程は事前に済ませておくとよい。
いよいよ本題のトムヤムプーを作る
鍋にタチウオスープを入れる。
鶏むね肉(今回はカニメインなので少量)と生ハーブ類、玉ねぎ、にんじん、キノコ類(フクロダケがベストだが、シメジなどでもよい)を入れて加熱する。
ベースの味付けはナンプラーを用いるのが一般的だが、ナンプラーを切らしている&魚の塩漬けがあるので、これを刻んで入れることでスープのベースが出来上がる。
次に、溶かしておいたココナッツミルクを投入。
市販のトムヤムペーストを投入。
昨今のトムヤムブームもあり、スリーシェフ トムヤムペーストはどこにでも売っているはずだ。
酸味は、タマリンドペーストやレモンやライム汁で調整しよう。
全体の辛さ・酸味・旨み・コクあたりのバランスを整えていき、納得いくところで火を止め盛り付け。
器に盛る際はイシガニをどんぶり表面に鎮座させることでリア充インスタ映えもばっちりだ。
ライム・シークワサー・レモンなどを絞りつつ、食べればアロイである。
アローイとはタイ語でおいしいという意味だ。
まとめ
イシガニは、冷凍しておくと保存もきき、汁ものとの相性もいいのでなにかと有効活用できる。
今回のトムヤムプーの味だが、実に奥ゆきのある滋味深い旨さ。
ベースのタチウオスープに塩漬け魚が旨みを足しつつ、ココナッツミルクがコクをマシマシ、ハーブの香りが引き立ち、辛さと酸味が食欲を増す。
まーとにかく、トムヤムプーはアロイである。