釣りをテーマにした漫画という話題がでたときに、「釣りキチ三平」が出てくるか、「グランダー武蔵」が出てくるか、はたまたその他の漫画がでてくるかで、大体の年齢層がわかってしまいますね。
もともと釣り漫画といえば、主人公は男性がメインでしたが、最近では主人公を女性として描いている作品も増えてきました。
今回は、そんな女性が主人公の釣り漫画を紹介していきます。一部、釣りに関連する採集系マンガを含みます。
1.「今日のちょーか!」戎島 実里著
釣りが大好きな小学生・潮香(ちょうか)は毎日放課後釣りへ繰り出す。
普通の釣りはもちろん、釣り竿がなくても釣りをする!?
「今日のちょーか!」は、釣果とかけた名前の主人公の小学生潮香(ちょうか)11歳が釣りをする話。完全に女性というより女の子といったほうがいい年齢ですね。
2.「釣りチチ渚」佐藤まさき著
父の仕事の都合で、都心から湘南海岸に引っ越してきた高校生・魚芽芯太は、女子高生釣り師・深海渚と出会い、釣り部に入部することに…。江ノ島の美しい自然を舞台に繰り広げられる美少女釣りロマン!
「釣りチチ渚」は、その名の通りな主人公が登場するのですが、読者の募る期待とは異なり、たのしいギャグ漫画です。
特に神奈川で釣りをすることが多い人は、見知った釣り場が出てくるので、読んでいて親近感が持てるかもしれません。
3.「おひ釣りさま」 とうじたつや著
上条星羅、24歳、女子。OLとして働く彼女の趣味は、一人で“釣り”に出かけること。ルアーにエサ釣り、川に海…。彼女はいつも“おひ釣りさま”!!
「おひ釣りさま」は、女性が一人で行動することを指した「お一人様」にかけた漫画です。
OLの主人公上条星羅が、実はキレッキレで釣りがうまいという話。OLという設定自体が、もはや死語だったりするような気もするんですが、まだ大企業だったら「一般職」ってありますしね。
いずれにせよギャップ萌えというのを狙った構図なのでしょう。ハケンの品格というドラマが昔ありましたが、キャラ設定がやや似ています。
作者が多方面に釣り好きなんだなーというのがよくわかる漫画だと思います
4.「つれづれダイアリー」草野ほうき著
高校1年の森野アリスは、ある日クラスメイトの音々子を見かけた。その後ろ姿を追ってアリスが迷い込んだのは……、女子高生感がまったくない釣り場!? アリスは釣りのワンダーランドに引きこまれて行く、のか!?
「つれづれダイアリー」は、静岡の浜松が舞台の釣り漫画。
女子高生の主人公森野アリスが同級生の謎深い音々子と釣りの魅力に引きこまれていく話です。
言葉少なで謎少女である音々子のキャラ設定がたまらないと感じている読者も多そうです。たしかにクラスに一人は不思議少女っていましたよね。
5.「放課後ていぼう日誌」小坂泰之著
海野高校1年生の鶴木陽渚は生き物が苦手なインドア派。堤防を散歩中、先輩の黒岩と出会ったのをきっかけに謎の「ていぼう部」に入部させられ釣りをはじめることに! 個性的な部員たちに囲まれて、陽渚の高校生活どうなるの!?
こちらも女子高生が主人公の釣り漫画です。
主人公の鶴木陽渚はもともと生き物嫌いで、部活も手芸部に入る予定だったんですが、ひょんな出会いから「ていぼう部」という釣りをする部活に足を踏み入れることになります。
大学だとサークルや部活などで釣り部が出現してきますが、高校だとなかなか釣り部って少ないですね。思えばわたしは一人釣り部でした。
TVアニメ化もされ、今一番話題になっている釣り漫画と言っても過言でないと思います。
釣り業界内では「ゆるキャン△」と対比されていて語られています。
いろんなコラボもスタートしていて、釣りのマーケットに新しいユーザー層が増えることでしょう。
マナー面の言及もしっかりしているので、初心者にとっても教科書的存在になっています。
6.「浜咲さんなら引いている」 瀬戸内ワタリ・水谷ふみ著
大きな剣道用具を担いで、
都心にある女子高に通う浜咲さん。
授業後は道場で稽古をすると思いきや、
向かった先は・・・神田川!ウナギ、スズキ、ハゼ、クロダイ・・・釣ったら食べる。
お魚系女子高生・浜咲さんから目が離せない!!
こちらも女子高生が主人公の漫画。萌え系路線ですね。
設定は、つれづれダイアリーに似ているものの、主人公の浜咲さんがツンデレ系ではなく、萌え系で魚が釣れると一生懸命頑張るところが微笑ましい漫画だと思います。
7.「激ウマ!釣り船御前丸」 江口賢一著
おてんばだけど人情に厚い釣り船屋「御前屋」の看板娘・御前海奈と、海奈を男手ひとつで育てたコワモテの父・泳造。釣って楽しい!食べて美味しい!時々涙もホロリの釣りコミック!
激ウマ!釣り船御前丸の主人公は船宿の娘です。
この本をはじめて読んだのは、たしか東北あたりの健康センターの仮眠室だった気がします。こういう船宿っていいなーと思える釣り漫画です。釣り方というよりも釣魚料理についてノウハウが増えるかもしれません。
筆者はいわゆる萌え系の絵があまり好きじゃないので、釣り船御前丸の絵あたりは落ち着きますね。
船釣りを主要な舞台にした釣り漫画も少ないので、ほかにもどんどん出てほしいなと思うばかりです。
8.「おかずがなければ魚を釣ればいいじゃない」森越ハム著
今夜のごちそうゲットだぜ!
たくさん釣れちゃうイワシはどう食べればいい?
魚をさばくのって大変?
スーパーでは見かけないおいしい魚って?
————キスにサバにカワハギにイカにタコ! !
今日の夕ご飯はお刺身?それとも天ぷら?
“食”目線で描く魚釣りコミックエッセイ。自宅でできる簡単料理もご紹介!
この釣り漫画は主人公が架空の登場人物ではないんです。
作者の森越ハムさんが実際に東京・神奈川あたりの釣り場で釣りをしたり料理した体験をコミカルに描いた作品です。
男性と女性の釣りを大雑把にとらえると、女性の釣りは狩猟要素よりも安定して採集できる志向性が強めかなと思います。
作者もサビキからちょい投げなど手堅い釣りをしています。もっとも作者は途中からサビキに飽きたり、雨の中釣りをしていたりいるので、やや男性的な面もあるのかもしれませんね。
冒頭、森越さんが釣りを始めるエピソードとして、旦那さんが釣りをやるから一緒にやろーという話があります。要は流れではじめたわけですが、それでお互い楽しんでいていい夫婦だなーと感じました。
夫婦の共通目的が釣りで、釣りにいったら「おかずをとる!」が目的なので、或る意味世の中の釣り好きな男性にとっては理想的な家庭なのかもしれません。
9.「釣りとごはんと、恋は凪」小池田マヤ著
釣りビギナーのカバちゃん、彼氏はいるものの、ふたりの関係は、ちょっと凪状態。
気分転換にと、ひとりで海へ――。
こちらは主に女性に好まれそうな画風の釣り漫画。
釣りビギナーのカバちゃんが主に船釣りに行って「お姉さん」と魚を釣って料理をして食べるという流れ。主人公の内面が乙女チックに描かれています。
男性読者はやや入り込みずらいかも。女性陣はすんなり感情移入できるはずです。
10.「ガタガール」小原ヨシツグ著
棲んでいるのはよく知る生物。でもそれ以外のことはよく知らない。身近だけれど、なんか「地味」。そんな「干潟」を舞台に送る、生物部青春グラフィティ!教えたがりな女の子・七瀬さんと一緒に、干潟を学ぼう!
姉から誘われた「干潟観察会」。干潟では、身近な生物と、かわいい女の子との出会いが待っていた!?
人気のガタガール。この漫画は釣りがテーマではないんですが、水辺の生き物がでてくるのでラインナップに加えています。
干潟をテーマに水辺の生き物と触れ合う主人公を描いたもので、一度連載が打ち切りになりそうになったものの、作者やファンの活動によって連載が復活したというエピソードもあります。SNSを通じてファンの作品愛がよく伝わってくるなと。
11.「海も川もないので女子高で釣りしてみた」下神木るこ著
釣りがしたいけど、近くに海も川もない。でも、どうしても釣りがしたい……。「そうだ、女子高で女子校生を釣ろう!」。ターゲットが飛びつきそうなアイテムをルアーにして、ちょっと不思議なフィッシングイベントが開催されることに。
なんと、魚を釣らない釣り漫画が現れた件について。
この漫画は主人公が水場で釣りをするのではなく、女子高を中心に釣りをテーマとした話を繰り広げるというギャグマンガです。笑えます。
12.「ラッキーキャッツルアーフィッシングスクール」
沖縄の釣具店を中心に流通した「LUCKY CAT’S LURE FISHING SCHOOL」第1巻が電子書籍で登場!
亜熱帯の海川でフィッシングガイドや釣り雑誌ライター、ルアービルディングなどを経験した作者が描いています。
猫耳×メイド服の女の子たちが主人公。
一見、すごい設定ながら、釣りライター経験のある作者の考えが練り込まれた内容は必見。
釣りのマナーやルールや釣り方について自然に理解できる内容です。
特に沖縄で釣りをする人には参考になる情報も満載。
13.「いそあそび」佐藤宏海著
何も娯楽のない海辺の町に住む中学生・六郎が出会ったのは、訳あって自給自足&一人暮らし中の元お嬢様・セト。
主人公の少年が出会ったのは元お嬢様で事情あって自給自足の生活に奮闘しているセト。
こちらもすごい設定ながらも、ほのぼの物語は進みます。
磯遊びのノウハウなどは読んでためになりますし、肩肘はらず読めるところがよいですね。漁業権などについての言及もあり磯遊びのマナーやルールや釣り方について自然に理解できる内容です。
磯遊びは子供だけの遊びでなく、大人でも楽しめるので、家族がいるひとはぜひフィールドにでかけてみましょう。
14.「銛ガール」岩国ひろひと著
女子高生が魚突き!? 突いて獲って食べる、アウトドアコミック!
魚突きが趣味の女子高生・岩國夏子と、料理が得意なキャンプ女子・庄内秋子。
海で偶然出会ったJKふたりが、銛を片手に突いて獲って食べる、魚突き漫画・誕生です!
読めばあなたも獲りたての魚を食べたくなるかも♪
第25回電撃コミック大賞≪金賞≫受賞の注目作、待望のコミックス第1巻。
銛をつかった魚突きが好きな女子高生が主人公の漫画。
釣りとは近しいようで遠い銛突きの世界なのですが、釣り人が読んでも楽しめます。
ベラ・石鯛・黒鯛などの獲物を女の子が突くという行為は意外性がありながらも、なんとも爽やかな描写。突いた魚を主人公たちが美味しそうに料理して食べる姿も思わず食べたくなってしまう作品。
15.「スローループ」うちのまいこ著
「最近 なんか 釣りが楽しい」 海辺でひとり、亡き父に教えてもらったフライフィッシングを嗜む少女・ひより。 そんな時に出会ったのは、母親の再婚相手の娘・小春で…? ひょんな出会いから「姉妹」になった小春とひよりと一緒に、「釣り」をしながらスローに過ごしてみませんか?
海でフライフィッシングする女の子のストーリー。
フライだけでないものの、フライを題材としたマンガ自体が少ないので、新鮮かもしれません。画風は女性の方が好みそうな気がします。
アニメ化されました。
16.「カワセミさんの釣りごはん」匡乃下キヨマサ 著
田舎に転校してきた女子高生・カワセミは、人見知りのせいで一人ぼっちの日々を過ごしていた。そんなある日、田舎ヤンキー(?)のクラスメイト・ミサゴに声をかけられたと思うや否や、山奥へと連れていかれてしまう。何をされるか怖がるカワセミだが、ミサゴが始めたのは釣りで――。料理好きJKミーツ釣り好きJKのアウトドアライフ♪
こちらはどちらかというと男性向けに絵が描かれていると思われる釣り漫画。
釣り×料理×女子高生という人気要素を掛け合わせていったパワーがあるマンガです。
ゆるキャン△フィーバーもあり、読者層を広げるために、釣り×女性だけでなく、料理を入れていくというのは一つの成功法則なのかもしれませんね。
※本記事の引用文ならびに画像の出典元はAmazon.comです。
まとめ
今回は釣りや魚などが関わる漫画のうち、女性が主人公の作品を紹介しました。
昔は男性が主人公の釣り漫画が多かったのですが、今はすっかり女性が主人公。
これは読者の多くが男性で、可愛い女の子を求めているということなんでしょうね。
中には打ち切りになってしまった漫画もありますが、連載が続いているものもあります。
興味があった作品については該当出版社のサイトで無料公開されていることもあるので是非チェックしてみるとよいでしょう。