こんにちは、木田です。
横浜の仲木戸はDマリーナさんから、インストラクターさん操船での釣行にいってきました。狙いはアジ。
釣り方はバーチカルコンタクト、いわゆる「ボートバチコン」です。
昨年8月に釣友の下衆大将と一緒にボート免許を取って以来、何度かボートでの釣行に出かけていますが、下衆大将が船長をしたときも、自分が船長をしたときも、なかなか満足のいく釣果になりません。
- 狙った魚のいるポイントが分からない
- 操船(船の流し方)が分からない
- そもそもイマイチ釣り方が分からない(バチコンについては)
という三重苦。
釣れるわけがありません。
そんなときDマリーナの方から、「すごい教えるのが上手なプロの人がいる。一度でも操船して連れて行ってもらえば、ポイントも流し方も、釣り方も全部学べる」と教えていただきまして、この釣行となりました。
写真は操船するインストラクターさんです。
バチコンアジングとは
バチコンアジングは、仕掛けを垂直に(バーチカルに)落とし、ボートの真下のアジを釣る釣りです。感度が求められるため、ライトタックル(軽く、短めの竿)に細目の道糸(PEライン0.6号~0.8号)を使うのが一般的です。
仕掛けはジグヘッド(オモリと針が一体化した金具)にワーム(グミに触感の似ている、小魚を模した5cm程度の疑似餌)をつけたものを使います。
東京湾でのアジ釣りといえば、いわゆる「ビシアジ」釣りが一般的です。
金網で編んだコマセカゴに、イワシのミンチを詰め、海中で振ることによりアジを集め、イソメや赤タン(=赤く着色した3mm角の直方体状のイカの切り身)をつけて釣ります。
ビシアジ釣りでは、状況の良いときに釣ると数十匹~100以上も釣ってしまうような、大量釣果が期待できる釣り。標準的な腕前の釣り人でも平均して20匹くらいは釣れてもおかしくない釣りでもあります。
一方、バチコンではなかなかそんな釣果は期待できません。初めてのボートバチコンでは、私は1匹の釣果に終わっています。
で、釣れたの?
今回の釣行は、インストラクターさんの操船するボートに「お客さん」として乗せてもらうスタイルです。
釣り船の船長さんとお客さんの関係と似ていますが、船がボート(全長6mくらい)でお客さんが下衆大将と私の二人なので、インストラクターさんと会話できたり、インストラクターさんが見ている魚探を一緒に見ることができたりするプライベート感があります。
風がやや強かったため、マリーナから出たボートを運河方面へ。インストラクターの経験からの配慮なんだと思います。
運河といっても幅2、300mはある、大型船も航行する船の通路ではあるのですが、外海での釣行を想像していたので、最初は「え?こんなところで釣れるの?」と思いました。
結果は、マリーナを7時に出発、11時半帰着の実釣時間約3.5時間で9匹。自分としては非常に満足のいく釣果となりましたし、なにより学びが大きかったので、学んだことを中心に記事を進めていきます。
バチコン仕掛けの全体像
バチコンで狙うアジングの仕掛け3種
バチコンの仕掛け(リグともいう)には、キャロライナリグ、ダウンショットリグ、逆ダウンショットリグ(逆ダン)のおおよそ3種類あります。
前回の釣行で、キャロライナリグと逆ダンは試していて、良い思い出がなかったので、今回はダウンショットリグを選択。
リールにつながるPEライン(今回は0.8号)の先に3号のフロロカーボンのリーダーをFGノットで結束。その先に親子サルカンを結びます。
親子サルカンからは、下にでるオモリにつながる捨て糸(フロロ3号)と、横に出るハリス(フロロ2.5号)で構成しました。
こちらが親子サルカンの拡大図。
右に出ているラインがハリス、下に出ているのがオモリにつながる捨て糸です。
「バチコンはダウンショットリグがベスト」というのが自分なりの結論
自分なりの結論としては、親子サルカンを使ったこの仕掛けの組み方がベストかと思いました。メインラインとハリスが絡まるというトラブルが少なかったからです。
逆ダンで臨んだ下衆大将は、インストラクターから「逆ダンでやるならオモリの手前にスイベルを付けたほうがいいですよ」というアドバイスを受けていました。
なるほど。捨て糸とオモリを直結すると、海中でオモリが回転した場合、どんどん仕掛け自体にねじれが蓄積されてしまい、ラインが絡む要素になりますが、スイベルを付ければかなり軽減されるはずです。
2か所でオモリの回転を吸収することになりますので、もしかすると、親子サルカンを使ったうえで、さらにオモリの手前にスイベルを挟むのも良いかもしれません。
バチコンのダウンショット。捨て糸の長さ、ハリスの長さ
バチコンアジングは、「上から降りてくるエサを狙っているアジ」に、ジグヘッドにつけたワームを「フワリ」と漂わせ、食ってもらうものです。
「フワリ」を演出するためにハリスの長さが重要になってきます。
今回の釣行用に最初に作っていった仕掛けは、ハリス30cm程度で臨みました。が、インストラクターからは、「もっと長い方がいい」というアドバイスをもらいました。つまり30cmでは連結部分との距離が近いためワームがダイレクトに動くため、「フワリ」の程度が弱い。ということなのだと思います。
年をとっても素直なおじさんを目指す私は、すかさずハリスを取り換え、70cm程度にしました。
すると、捨て糸の長さも自動的に決まります。オモリが海底にある時、ジグヘッドが海底に付かない長さ、つまり80cm程度が理想。ということになります。ハリスの長さに比べて捨て糸が長すぎると、底を十分に探れないのでハリス長+10cmが捨て糸の理想的な長さだと思います。
ハリスの長さがちゃんと頭に入っていれば、オモリが海底に着底後、どの程度の秒数でジグヘッドが海中を落下していくのかイメージできますので、ハリスの長さに敏感になるのは重要です。多分。
バチコンのオモリは底立ちが確認できる範囲で軽いものがいい
オモリは底が取れる(=オモリが海底に着底したことを感じられる)範囲で、軽ければ軽いほど良いです。
当日持参したオモリは15号と20号。使ったオモリは15号ですが、インストラクターからは「少し重いですね、もう少し軽いのありませんか?」というアドバイスをいただきました。
ジグヘッドをフワリと漂わせたいから、オモリもフワリと着底してほしいのに、重すぎるオモリは沈下スピードが速く、海底に「ドシン」と着底しちゃうのを避けるためです。
ところが、その日は15号未満のオモリは持ってなかったんです。
これは釣り人としては恥ずかしいことです。釣りは準備で半分、釣り場で半分決まる遊び(と思っている)なのに、準備が不足していたわけです。
外海で釣ることを想定していたからなのですが、バチコンの場合、オモリは10号から5号刻みで25号程度まで持っていくと安心だと思います。
バチコンのジグヘッドは重さが一番重要だと思う
釣り具屋さんにいくと、ジグヘッドは何種類も売っています。
- ヘッドの重さ
- ヘッド形状
- 針の太さ
- 針の長さ
- 針の色(金かシルバーか)
- ワームがずれない工夫
の有無などでたくさんのバリエーションがあり、どれを選んでいいか分からなくなります。
今のところの私の結論は、6つの要素の中で、「ヘッドの重さ」が抜きんでて重要な要素であると思っています。あとはうんと重要度が下がるはず。
当日は、0.5g、1g、2g、3gのジグヘッドを用意していきました。外海を想定していたので、2gで開始しましたが、インストラクターから「2gはちょっと重いですね、1gに変えましょうか」とのアドバイスをいただき、すぐに1gに変更しました。フワリが大事、素直が大事。
バチコンのワームは
(私のレベルでは)重さだけ気にしていればいい(と思っている)ジグヘッドと比べると、ワームの重要度は非常に高いと思っています。
アジはジグヘッドを見て食いつくのではなく、ワームを見て食いつくと考えているからです。釣具店にいくとワームも多くの種類が売っていて、違いは以下の通り。
- 大きさ
- 色
- 形
- 匂いの有無
実際、私が緑系のワームで釣っていると、インストラクターから「今、群れが真下にいますよ。掛からないようならワームを変えてみてくださいね」とのアドバイスがありました。
素直なおじさんは、ワームをすぐに透明ピンクに変更。すると、次の投入で良い型のアジがかかりました。ワーム大事。色大事。この透明ピンクワーム君は終日活躍してくれました。
また、これはよく言われることですが、ワームの中心線に針を入れて出すのは非常に重要と思いました。
こちら写真では、上のワームは中心線から針が出ていますが、下のワームは微妙に中心線を外れています。
上はエースのジグヘッドで、9匹中6匹くらいを釣った旭日大綬章もの。下は1匹しか釣れなかった残念君です。揺れるボートでワームをまっすぐに差しぬくのは言うほど簡単ではないときがありますが、ここは神経を使いたいところです。
フロロカーボンのリーダーはしなやかなものをチョイス
釣りの種類によって、肝」となる要素は違っています。
「棚」だったり、「誘い」だったり、「エサの付け方」、「竿の感度」、「リールの巻き方」、「アワセのタイミング」だったり。
それがまた釣りの楽しみでもあるんですが、バチコンアジングでは「リーダーのしなやかさ」は「肝」だと思いました。
メインラインのリーダーと捨て糸に3号、ハリスに2.5号のフロロカーボン製リーダーを使ったのは前述の通りなのですが、3号は非常に安い製品、2.5号は標準的な価格帯の製品を使いました。
すると安い製品の巻き癖がいつまでたっても取れなかったんです。一方、2.5号の方はそれほどでもありませんでした。
リーダーの評価は「強度」だったりすると思いますが、それだけでなく、巻き癖のなさ、しなやかさもこの釣りでは重要な要素と思うので、できれば通常価格帯の製品を利用するとよいなと思いました。
リーダーの巻癖をオモリで伸ばしている様子
3号のリーダーは巻き癖がすごいことが分かっていたので、釣行24時間前から、オモリで伸ばしましたが、効果は限定的でした。
そういえば、インストラクターの方はVARIVAS(高級釣り糸メーカー)のウエアだったな。
バチコンの釣り方
魚探を見ているインストラクターの方が棚を教えてくれるので、その棚に「アジは上を見てるぞ」ということを意識しながらジグヘッドをフワリと落とす。というのが基本の釣り方です。
アジが底近くにいる場合も多いので、実際の動作としては、以下の通り。
- 仕掛けを投入
- サミングしながら、オモリを着底させる
- 素早く糸ふけを取る(その間にもジグヘッドが落下していることを意識する)
- ジグヘッドが落下しきるまでに神経を集中
- アジが掛からなければ竿を1m程度煽って、再びジグヘッドを持ち上げ、またゆっくり沈下させる
また、インストラクターからは「ジグヘッドが落ち切ってから、上げるところ」でも「リールで等速巻きをしてるとき」にもヒットすることがあるというアドバイスをいただきました。
なので、ジグヘッドが落ち切ってから上げるところ1~2mも実は神経を使う勝負どころだと思います。
確かに、私の1匹目はジグヘッドからワームがずれてないかな?を確認するために、リールを巻きはじめた直後に掛かりました。引き出しの一つとして持っていたい知識だなーと思いました。
また、ジグヘッドとジグのズレについては、インストラクターの方から何度も「時々はジグヘッドからワームがずれてないか、確認してくださいね」というアドバイスを貰いました。つまりずれていては釣れないのだと思います。
ゼッタイに釣れないとまではいわないにしても、ヒット率が大きく減るのでしょう。
「アタリがあったのに、掛けられなかった場合はずれてることが多いですよ」というアドバイスもありました。確かにそうだな。ワームに食いついて、針に食いつかなかった場合はワームずれるよね。
また、この日は「積極的に誘った方がいいみたいです」というアドバイスがあり、ジグヘッドを落下させるアクションを頻繁に行った方が釣れる日だったようです。
「日によっては海中でジグヘッドを止めていた方が掛かるときもあります」とのこと。
バチコンで狙うアジは奥が深いですね。
釣果のアジは、干物とフライにしました。
では、皆さん、次回また記事でお会いしましょう。ハッピーフィッシング!
寄稿者
木田 和廣(@kazkida)
オフでは水泳と釣り。オンではGoogle アナリティクスによるWeb解析コンサルタント、Tableauによるビジュアルデータ分析コンサルタントをしています。Web解析に関する本も書いてますよ。
使用タックル
ロッド:DAIWA ライトゲーム X 73 M-190
リール:DAIWA タトゥーラ SV TW 7.3R
PEライン:0.8号
ハリス:フロロカーボン 2.5号