ルアー釣りをしている人がエサ釣りをはじめると気づくのが、オモリを『号数』で呼びならわすルールですね。
はじめて海釣りをはじめる人も、多くが釣具店でオモリの号数表記に迷うはずです。
国内に疑似餌の文化がありつつも、ルアーフィッシングは、基本的には海外から入ってきたものです。
そのため、扱われる重量はg(グラム)換算で表記されることが一般的です。
ロッドを選ぶ際も、ルアーを選ぶ際も日常生活で利用するグラム表記が用いられるのでイメージしやすいといえます。
一方、エサ釣り、それも海釣りではオモリの重さを号数で呼びならわすルールが一般的です。
はじめは迷いやすいものですが、次第になれていくものですが、これを表記に学んでおきましょう。
今回は、
- オモリの号数と対応するグラム数
- 号数と釣り物
についての表を作成しましたので、オモリにまつわる釣りの周辺情報も一緒に参考にしていただければと思います。
釣り用のオモリ号数の由来
エビメバルのオモリは目立たないものが好まれる
もともと日本では質量の単位を、貫、斤、両、匁で計る文化がありました。
たとえば『100貫デブ』というからかい表現が昔はあったのですが、この単位の1貫(=1000匁)は3.75kgのため、375kgを指します。
そして、1匁(もんめ) = 3.75gなのですが、この呼び方はやがて計量法の制定により禁止されるようになったのです。
以降、もともと呼びならわされていた表現が残り、釣りのオモリはgではなく、1号=約3.75gとして引き継がれていくことになりました。
海釣りのオモリ号数のグラム変換方法は?
前述の通り、1号は約3.75gとして計算されることがほとんどです。
この数字を覚えておけば、記載されている号数に3.75を掛けることにより、号表記されている海釣りの単位も簡単にグラム変換することができます。
海釣りの錘(オモリ)の号数とグラム数の対比表
フグカットウのオモリはできるかぎり軽いものが好まれる
エサ釣りのなかでも、特に海釣りで用いられるオモリの号数についてグラム変換表を作成しました。
昨今各地で人気の真鯛の一つテンヤについては着底がとれるよう出ればなるべく軽量のものが利用される傾向にあります。
各地の潮流・メインの水深等によって利用される号数は異なりますが、3号~20号ぐらいまでのテンヤが用いられます。
船釣りの浅場の基準は人によって異なりますが、今回は水深50m程度までを浅場とします。
浅場の中心となるオモリ号数は40号。これは東京湾や相模湾でのアジや五目釣り等コマセ釣りでよく用いられているものです。
浅場の船釣りでも、潮が速い場所やタイミングやアジなどの泳がせ釣りではオマツリをさけるために80号前後の錘が推奨されることもあります。
水深100mを超えるような釣り物、たとえばライトに狙うオニカサゴ釣りなどでは100号から200号程度のオモリがよく使われます。
釣り物ごとのオモリ号数目安
タチウオ釣りはポイントによってオモリ号数が変わる。指定のオモリを複数用意したい
東京湾や相模湾などの釣り船で代表的な釣り物とよく用いられるオモリ号数は以下の通り。
- 一つテンヤ真鯛:3~20号(エギングやシーバスタックルの場合15号以降が底とりしやすい)
- 真鯛(コマセ):40~80号(水深によって異なる)
- LTアジ:30~40号
- カサゴ五目(浅場):25号前後
- エビメバル:25号前後
- シロギス:10号、15号
- ライト五目:40号程度、水深によって60号まで
- 遠征五目(~水深100m):80号前後
- イサキ五目:40~60号
- マゴチ:15号、20号
- カワハギ:25号、30号
- アマダイ(LT):40~60号
- イシモチ:25号前後
- タチウオ(LT):40~80号(夏季と冬季の水深で異なる。夏は浅めのため軽量なオモリが指定される)
- スルメイカ、ヤリイカ:100~150号
- 夜アナゴ:20号、25号
- マダコ(テンヤ):50号
※船宿や潮の速さ、乗り合いの混み具合によってオモリの号数やPEラインの指定は異なります。各船宿に確認するのが確実ですが、最初に相場をしっておくとロッドなどを買うときの参考にどうぞ。
乗り合いの船釣りではオモリやPEラインの号数を合わせることが重要
乗り合いでは錘とPEラインの号数を守って楽しく釣りをしたい
これから船釣りをはじめる方が覚えておく必要があるのはオモリの号数だけでなく、PEラインの太さもあわせたセッティングが重要という点です。
乗り合い船では、多いときで片舷10数人が並んで釣りをします。
このとき必ずといってよいほど起きるのが『オマツリ=釣り糸が絡む』です。
不特定多数ができるだけ気持ちよくトラブルなく釣りをするために船宿はオモリの号数やPEラインを指定しています。
これは、水深や潮流の速さによってもことなりますが、同じ重さやPEラインの太さにすることにより潮受けや沈下速度を調整して、オマツリしないようにする意味合いがあります。
どんな釣り船を予約する際にも、PEラインとオモリの号数はしっかり確認しておきましょう。
釣り物によっては、「40号、60号、80号のオモリを用意しておいてください」等の指示がありますが、これは同じ釣りでも出船したときの釣況によって浅場から深場までポイントを移動するというような意味合いがあります。
号数になれてくると、グラム換算は不要になるが・・・
シーバスロッドなどg換算の道具をエサの船釣りに持ち込むときは号数を考える必要がある。
釣りにおけるオモリの号数とグラム換算について、船釣りにおけるオモリの号数についてを解説してきました。
一方、号数表記にになれてくると、すべてのものが号数で語られるようになるので、グラム換算は不要になります。
船釣りやエサ釣り用のロッドはオモリ負荷〇号~〇号と表記されていますし、船宿等の表記も号数で語られます。
こうなってくると、グラム換算が必要になるのは、以下の場合です。
- ルアー用のロッドを船のエサ釣りで利用する場合
- エサ釣りロッドをルアー用に使う場合
この場合はそれぞれ、号数とグラム数を変換して対応できるか考えることになります。