むかしむかし、あるところに、釣り好きな男があったそうな。
釣りが好きで好きで、釣りの犀戸(印多網戸の瓦版みたいなもの)をやっているからという名目をたてに、来る日も来る日も、陸に船に、餌に疑似餌にと、釣りにいそしんでおったそうな。まー、どの世の中にも、こういう釣りバカというやつはいるんじゃろうな。
そんでな、とある春、たしか4月ぐらいにな、印多網戸の江洲得濡江洲に、横須賀の岸壁に季節外れの太刀魚が接岸しているという噂がたってな、来る日も来る日も男はとりつかれたかのよう通ったそうな。
夕まずめ前に釣り場にたどりついた男は、あかるいうちは遠投・深場で縞馬発光のな目太瑠地具(金属オモリ付き針のことらしい)をしゃくったりしたのだけど、まーったく太刀魚のあたりがなかった。
やがてあたりが暗くなってな・・・
物の怪がでそうな生臭い風が吹いてきた・・・
するとな、右隣の陰鬼哉系の青年が歪人(地具に和亜無がついたものらしい)で太刀魚を釣りあげてな。勝ち鬨をあげたそうな。
これを聞いて男は内心くやしがってなー。陰鬼哉には負けられんと、すかさず、目太瑠地具をやめて、テンヤの引き釣りをはじめたそうな。
じゃがな、男はな、このとき歪人の道具をもっていなくてな。となりの陰キャ青年が比較的表層で魚をかけたとおもい、テンヤで表層を攻めようとおもったそうな。
すると、どうだろう。数投目に巨大なタチウオがかかり・・・
横須賀海辺つり公園にタチウオ伝説の調査にいった
どうも平田(@tsuyoshi_hirata)です。
のっけから長めの日本釣り昔話からはじまりましたが、横須賀の海辺つり公園にタチウオを釣りにいってきましたよ。
伝説もなにも、近くで釣っている人をみているものの、わたしにはまだ釣れてないんですよね。
明るい時間帯はメタルジグで底から狙う
18時前の明るい時間帯は、ジグパラのゼブラグローのメタルジグ(スロー)で、ボトム付近を探ることに。
南無遠投大菩薩。
ばしゅーん。
リールを変えて、PE1号を200メートル巻いているので、100mぐらいは飛んでいることでしょう。
いつも思うんですが、お金払ってうちっぱなしゴルフに通うぐらいなら、ショアジギングやってたほうがいいんじゃないかなと。魚も釣れるし。タチウオだってもしかして釣れるかもだし。
・・・
えー。
底付近はいませんね。
いつも思うのですが、このタチウオは観音崎沖界隈とかにいる個体が、夜にむけて接岸してくるのか、それともつり公園付近にいるものが表層にでてくるのか、謎なんですよね。
中層攻め。
今回から、釣り具のポイント横須賀大津店で買ったUVビームライトが活躍。
こちらのアイテム、安くて便利なのです。1つ欲をいえば、ロッドを持ちながら片手で扱う場合、ねじって点灯という仕組みよりは、ボタンを押して点灯するほうが使いやすいかもですね。
ついにデカタチウオが・・・
そんなこんなで、メタルジグを底、中層、表層と引いてくるのですが、一向にあたりがないという状況。
とおもったら、となりにいた男性にヒット。
おお、指4本は超えてるなー。
たぶん、ワインドっぽいから、表層付近だろうな。
よし、テンヤに変えようと。
ついさっき購入したばかりのGキビナゴをセットして狙っていきます。
南無遠投大菩薩。
ばしゅーん。
YAMASHITAのLサイズのテンヤということもあり、40~50mぐらいは飛んでいる模様。
5秒ほどカウントして狙っていくことに。
シャクシャク。
スー。(フォール)
リール2~3回転。
シャクシャク。
スー。(フォール)
リール2~3回転。
グググ。
む!
グググググ。
ズーンズーン。
ズズズンズーン
おお、キタコレ。
この引きは間違いなく、タチウオがかかって本気でバックしている引きです。
ま、巻けないぞこれ。重い。でかいんじゃ・・・
・・・
と、
やっと巻けるように。
ラインのテンションをゆるめないように、巻いてきて、ついに岸壁へ。
おお、ここまでくれば・・・
さて抜き上げるか(ロッドもミディアムハードだし余裕だろう。PE1号+5号フロロリーダー)
と、ラインを巻き取りながら竿先をさげてぬきあげようとしたわけですよ、
わけですよ、
暗い海面からゆっくりあがってくるタチウオ。
しかもでかい。
これが矢鱈に重い。
わ、これは抜き上げられないサイズなのかもしれない・・・
が、もうとめられない。
覆水盆に返らず、というか、抜き上げ元に戻せずという。
や、やってやる。
お、おれだって。
伝説の仲間入りをさせてくれ!
うおー
と、思いっきり、ぬきあげようとしたわけですよ、
わけですよ、
そしたら、
竿がみじかすぎた+タチウオがぶっと長すぎて柵にぶちあたり、
目の前の暗闇で
シャー。
みたいな顔をして、
そのまま、夜の海に落下していきました。
えー以上です。はい。
なんだこの絶望感は。
逃した獲物の大きさといったらもうあれですよ、
FFのリヴァイアサン級ですよ。
去年は、ふつーに抜き上げられたので、サイズ感的にはかなり大きいもんなのでしょうね。
安全のために設置されたこの柵を呪いました。ごめんね柵。
生臭い風が吹いて、さらに、事件・・・
ただちにキビナゴをつけかえ、投げてはシャクリ、投げてはシャクリ。
こういうときは連発で釣れるかもしれませんしね。
小規模ながら群れが目の前に・・・
すると、あたりに
物の怪がでそうな生臭い風が吹いてきた・・・
あー、いつのまにか、キビナゴがとれてしまったか。
よし付け替えよう。
くるり。
と、
振り向いてキビナゴのパックをみたら・・・
うわー。
・・・
・・・
・・・
なんと!
買ったばかりの満タンGキビナゴが一つもない!
・・・
もしかして、風で吹き飛ばされたのかも、と思ったものの、パックは微動だにせずという状態。
オロオロしながらあたりをさがしても、1尾もキビナゴがいないという怪異。
こ、
これは、
水木しげる先生の妖怪図鑑にものっていない、
釣り妖怪キビナゴさらいのしわざ。
この妖怪、夜釣りでタチウオをねらっているといつのまにか現れ、アングラーが熱中している間にすべてのキビナゴをかっさらい試合続行不能にするという恐怖の存在。
てか、俺の450円ぐらいを返せよ。
と、おもいながらも、
やはり時合に試合続行できないのが一番つらいわけです。。。
ぐすん。
その後、メタルジグに切り替えて3メートルくらいのクソ重い藻を釣ったり(これは見事抜き上げられました)
・・・
・・・
・・・
どうしてもゆっくり表層を狙える道具がないので、帰ろうとすると・・・
妖怪キビナゴさらいの正体みたいないきものがいましたよ。
こやつが犯人とはいいきれないものの、ものすごく疑わしい目をむけたところ、そのまま肛門をこちらにむけて闇にきえていったので、わたしもそのまま帰宅しました。
え?
この記事で何を言いたいかって?
この時期でもい横須賀でタチウオは確かに釣れるよ。
引き釣り派のひとは、妖怪キビナゴさらいに気を付けて(蓋はしめよう!)
この2点ですよ。
みなさんのご健闘をお祈り申し上げます。
平田(@tsuyoshi_hirata)
<横須賀海辺つり公園プチノウハウ>
横須賀海辺つり公園は、手前20メートルぐらいの底に根があるので、ボトムを狙う際は気を付けないとメタルジグがどんどん殉職していきます。