プロの釣り人の場合、ボウズや釣れないことをあまり公にしないと思います。
まー釣りがうまいから釣れないとかあまりないんですけどね。
一方、わたしの場合、堂々と釣れないこと書きまくって恥の多い釣り人生をおくっています。針のむしろです。
先日も釣り船にのったもののカワハギ2枚という圧倒的な釣果を創出した結果、涙をふきながら帰宅し、せめて料理だけは極上のものにしよう。そうおもって包丁を手に取ったのでした。

旬のカワハギをさばく
カワハギといえば肝ですよ。
そう、肝臓。肝業界の風雲児と呼んでも過言ではないと思います。

ぱんぱん!(浮袋もふくれてるんですけどね)
この通り、秋冬のカワハギは、肝臓&浮袋がふくれています。
それではさばきましょう。

調理ばさみがあると便利です。

頭と胸あたりにある角と口を調理ばさみで、ちょっきんと三回カットしますよ。

そんでもって、容赦なく皮をはぐ。
この、べりべりべり。っという音が好きです。
内臓は胃腸が傷つかないように慎重に取り除きましょう。
特に腸内の未消化物は、かなりの臭気をもっているので、これが肝や身につくとえらいことになりますよ。
また、どの魚の料理でも同じですが、すこしでもこの液体がまな板についた場合は、刺身などの工程に移る前に、まな板を変えるか、洗剤で洗い流してから利用しましょう。

おーし、皮がむけました。
目ん玉も調理ばさみの先っぽをつっこみえぐっておきましょう。

頭部と胴体をわける。

三枚におろす。大名おろしでざっくりやってもいいと思います。
身についた血合い肉はそいでおきましょう。

これが身。薄皮が表面にありますね。このまま食べても食べられますが、食感がわるくなるので取り除きましょう。

アジのように手でははがれないので、よく研いだ柳葉包丁などブレードが薄いものをつかって、尾側から頭側にひいてくると簡単にとれます。

このように身の真ん中を通る骨と腹骨は、抜き取らず、包丁ですきとるとよいです。
すきとった骨入りの身はダシ用にとっておきましょう。
肝醤油をアレンジする

カワハギは釣ったそばからエラに調理ばさみをいれて、血抜きしておくとこのように、肝臓も比較的きれいにとれます。
尾びれはヒレ酒用に乾燥させるとして、肝臓ともども日本酒につけておきましょう。
この工程によって臭みがさらにすくなくなります。
この肝をすりつぶして醤油をいれれば肝醤油なのですが、いろいろと好みでアレンジしてみてもよいと思います。

山形産の赤ネギ。やや香気が強く、加熱する前は辛みが強いのが特徴です。

この赤ネギと柚子の皮を肝にあわせる。

そんでもってスプーンで練り合わせる。
ここに芝麻醤(ごまペースト)をあわせてもよいですよ。

さらに、キモペーストに醤油とみりんを少々垂らして練り上げる。
味見をしてみると・・・
至福なり。
カワハギの肝がもつ旨み・甘みにネギと柚子の香気があわさり、なんとも玄妙な味わいです。

刺身は柳葉包丁で薄めに。
刺身の盛り付けって難しいんですよね。
ああ、うまい。
秋冬だと安酒の熱燗が進みます。
カワハギの潮汁
水をはった鍋に日本酒+みりん+塩一つまみ+昆布を2切れほどいれ、そこに生姜スライスとカワハギのアラを入れる。

臭みはすくないので、今回は霜降り工程(湯でアラを洗る)をいれていません。
しばらく弱火で炊きだす。
・・・
・・・
・・・

ここにも柚子を浮かべると、潮汁のシンプルさに季節の香気が加わり、よりぜいたくな一品になりますよ。

締めは、どんぶりに白飯を軽くもり、そこにさきほどの特製肝醤油に薬味を乗せ、潮を汁をかける。
ああ、至福。
いくらでもかきこんでしまいそうです。
釣り人だからこそできる贅沢ですね。
カワハギ温麺
翌朝は、ソーメンを茹でて、潮汁をかけてみる。

シンプルかつ、あっさりとしながらもたしかにある旨味。
胃がつかれた朝にもぴったりですね。
関連記事




