日本でも人気の釣り関連のユーチューバーといえば、魚釣りをしたり料理をしたりというのが一定の投稿スタイル。
先日(2017年12月のこと)Youtubeをチェックしていたところ、海外にはマグネットフィッシング(magnet fishing=磁石釣り)というコンテンツのジャンルがあることがわかりました。
「 magnet fishing 」というキーワードで検索してみると、全世界のユーチューバーがあちらこちらの水辺でマグネットフィッシングを繰り広げ、かなりの再生数を作っていることが分かりました。
現在、YouTubeで『magnet fishing」というキーワードを検索すると、なんと30万件以上の動画がヒットします。
それぞれの動画の再生数も桁はずれであるので、目新しいことを探し続けるアクセス数を拡大しつづける必要がある日本のユーチューバーのコンテンツとしても大いにはやるかもしれませんね。
マグネットフィッシング(magnet fishing)について
読んで字のごとく、磁石をつかった釣りです。直訳すると「磁石釣り」っていうのが一番正しいのかなと。
では、マグネットフィッシングは水中にいる魚を磁石で釣り上げるのだろうか?
と、おもったら、どうもそうではないらしいですね。
マグネットフィッシングは、このような強力な磁石(ネオジウム磁石)を耐久力の高い登山用ロープ等につなぎ、水中に沈んだ金属ゴミを引き揚げることを指します。
大きいものだと、このように池でバイクが釣れたり。
これは、引き揚げたというほうが正しいかもしれないですね。
こういった一般的な釣り道具で引き揚げられないサイズのゴミが濁った水中にあると、釣りのときにかなりの障害になりますね。
池や川でルアー釣りなどをしてルアーや仕掛けがこのような粗大ゴミに根がかってしまったことがある人も多いはず。
根がかったものが高価なルアーだったりしたときは相当悔しいし、ゴミを水中に増やしてしまったという罪悪感も少なからずあるはずだと思います。
それらの障害物はキャプションの通り、誰かに盗まれて捨てられたバイクなのかもしれません。
井戸やドブ川で誰でも釣れるマグネットフィッシング
マグネットフィッシングは釣りと名のつくものではあるんですが、生き物である魚介類がいる必要はありません。
なので、極端な話、古井戸でもドブ川でも可能です。
これは古井戸でマグネットフィッシングをしている動画。
ドキドキ。
もし、貞子が釣れたらどうしよう。
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釣れたのは、
なんと釣れたのは、朽ちた銃剣類とアドルフ・ヒトラーの金属板。
ヒトラーの金属板はヨーロッパでは忌み嫌われるかもしれないですが、マニアのコレクター向けに一定の骨董価値があるものなのかもしれません。
橋の上からでも釣れるマグネットフィッシング
お次はチェコのプラハの橋からマグネットフィッシングをやってみたという動画。
橋の上からマグネットフィッシング用の磁石を流す男性。
着底後の手での誘い具合は、船で狙うタコテンヤをつかった手釣りのマダコ狙いみたいなやりかたです。
さて、何が釣れるのでしょうかね。
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なんと釣れたのは、現金。
おお、これをやれば大金持ちに!
なれるかはわかりませんが、プラハのような世界的な観光地ではなんらかの願いをこめて川にコインを投げる人もいるわけで。
筆者の大好きな映画グーニーズで、主人公たちが海賊の宝をさがしてたどり着いた下水(町の井戸)に落とされたコインをみつけたときのことを思い出します。
※日本では道路交通法では第76条の複数項にまたがり以下の内容が禁止されているため、橋の上での一般の釣りやマグネットフィッシングは解釈によっては処罰対象になるので注意したいですね。
第七六条 何人も、信号機若しくは道路標識等又はこれらに類似する工作物若しくは物件をみだりに設置してはならない。2 何人も、信号機又は道路標識等の効用を妨げるような工作物又は物件を設置してはならない。3 何人も、交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路に置いてはならない。4 何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。一 道路において、酒に酔つて交通の妨害となるような程度にふらつくこと。二 道路において、交通の妨害となるような方法で寝そべり、すわり、しやがみ、又は立ちどまつていること。三 交通のひんぱんな道路において、球戯をし、ローラー・スケートをし、又はこれらに類する行為をすること。四 石、ガラスびん、金属片その他道路上の人若しくは車両等を損傷するおそれのある物件を投げ、又は発射すること。
ヤバいものでも釣れちゃうマグネットフィッシング
マグネットフィッシングは、かなりヤバいものも釣れてしまう模様。
お次の動画で登場するのは鬱蒼とした森に囲まれた沼。
かなり濁っていますね。
魚はいるのでしょうか。
今回のマグネットフィッシングで利用するタックルは、180キロを引っ張れる磁石の模様。
これなら力士やプロレスラーでも引き揚げられそう。
犬をつれたマッチョな男性が引き揚げたものは・・・
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なんと、第二次世界大戦で使われた機関銃MP40のマガジン。。。
これはヤバいな。
手ごたえを感じつつ、男性がさらに池の中央部に男性が磁石をなげて引いてくると・・・
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なんと同じくMP40の銃本体が。。。。。
これはヤバいな。当局に申し出る必要があるレベルなのでは。
このマグネットフィッシングというYouTubeの動画企画は、マグネットをキャストしたあとに引き揚げるまでを編集により省略することもできます。
なので、かんたんにネタ仕込みができるなということも感じます。
この方が仕込んでいるかはもちろん泥沼のなかでわかりませんが、もし日本のユーチューバーの方がマグネットフィッシング企画をやる場合は、動画の編集方法に気を付けたほうがよさそうな気がします。
逆に炎上目的で、ネタを仕込んでも、再生数が増えて広告収入が入ってしまうのが今のYouTubeやウェブの仕組みなのですけどね。
この記事を書いた時点でこの動画は4,342,417回再生されていて、Googleからの広告収入もかなりはいるはず。
釣り具もたくさん釣れるマグネットフィッシング
さて、次の動画ではマグネットフィッシングで釣り人にもうれしいものが釣れたという話。
強力磁石でルアーを鈴なりにしている男性。
なるほど、この男性が狙うマグネットフィッシングのターゲットはルアーなのでしょうね。
と、おもいきや、まず釣りあげられたのはアウトドアチェア2脚。
実は、桟橋や堤防あたりってアウトドアチェアが沈んでいることが多いのです。
なぜかというとアウトドアチェアはアルミの骨組みとナイロン生地等でつくられているのでかなり軽く、風がふくと容易に飛ばされてしまうからなのです。
釣り人が座っているときはよいのだけど、腰をあげた途端、強風にあおられて落水。海の藻屑ということもよくある模様。
そういえば以前、三崎港の堤防でタコ釣りをしていたら新品同様のアウトドアチェアを釣ったことがあったなと。
他に釣れたのは、ナイフ。
ナイフも釣りの準必需品ではあるものの、プライヤーやフィッシュグリップなどと同じく、ボート釣りなどをしているとうっかり水中におとしてしまうものの代名詞。
お気に入りのナイフを落としてしまうのかなりテンションが下がるなと。
続いて釣れたのは、網に絡んだ釣り竿とリール。
これもボートやフローターで釣りをしていた人が落としたのかも。
むかし兄と芦ノ湖で貸しボートにのってトラウト釣りをしていたら、夕まずめにUFMウエダのロッドとアブのスピニングリール(たしか)を落としてしまったことがあったなと(落としたのはたしか兄)
ボートから湖底をみると、リールの銀色っぽいものがみえてこれはいけるかも!と、ロッドなどでさぐってみたけど引き揚げられず。
それで、なんとなく無鉄砲で責任感を感じた弟のわたしが、手漕ぎボートからクソ寒い湖(身長181.5㎝&水深150cmぐらい)に降り、水面がアゴにつくあたりまで頑張りつつ、つま先立ちで湖底をさぐってみたんです。
が、ついに引き揚げられず、帰りのバスと電車で服が水でびしょびしょ(ビニール袋を座席に引いていた)だった想い出が湖底からいまさらながら想い出されましたよ。
あのウエダは誰かが釣り上げて、今もつかわれているのでしょかね。そうだったらいいな。
こちらの男性は、引き揚げた網にからまっていたルアーを外してみたら総額100ドルぐらいになった模様。
堤防でタコ釣りなどしているとカニ網や複雑にからんだラインが釣りあがってきて、タコエギやら天秤やらルアーやらがたくさんあがってくるけれども、同じようなシチュエーションは淡水でもありそう。
マグネットフィッシングのメリットとデメリット
今回紹介したマグネットフィッシングは以下のようなメリットとデメリットがありそうです。
<メリット>
- 水底のゴミを回収することができる
- ゴミがルアーやお宝などに化ける可能性がある
- 動画やブログにするとアクセスが比較的簡単に増えるかも
※回収した場所や内容によっては、土地所有者(農業用水池の場合は、複数名)等との争いになりそうなので課題もある
<デメリット>
- 回収したごみを陸上に放置すると、内容にもよるが景観や野生動物の保護上悪影響がある。
※回収したごみは、責任をもってもちかえる必要がありますね。
国内のユーチューバーの場合、マグネットフィッシングで広い集めたゴミを、河川事務所や警察に連絡して引き取ってもらうことをしている人もいます。
以上、
マグネットフィッシングは、管理釣り場や私有地等でないかぎり禁止された行為ではないですが、チャレンジするときは管理者に確認しつつ、場所は他者に配慮して行う必要がありそうですね。
ネットエンタメ界隈におけるマグネットフィッシングの可能性と予想
海外におけるマグネットフィッシング動画は、その多くがかなりの再生数を稼いでいます。
また、動画作成の原価も対してかからないことだし、日本の釣り関連ユーチューバー界隈でもコンテンツとして流行りそうな気がしないでもないです。
そうなると香ばしいYouTube界隈なので、当然、『プレステ3が釣れた!』という類のネタ仕込み系動画フィッシングが行われることがあるかもしれません。
が、すでに磁石で釣りをする動画があった・・・
と、おもったらすでにチャレンジしている人がいました。
どうやら釣りのユーチューバーとしてよく知られた方々というよりも、いろいろやってみた系の方々が多い模様。
その後、専門的にマグネットフィッシングをしながら河川を清掃する動画をUPするユーチューバーも登場しました。
低コストで誰でもチャレンジでき再生数を稼げるコンテンツなので、これからもマグネットフィッシングに挑戦する人は増えていくのではないかと思います。
トラウトの管理釣り場はイベントや集客につかえるかも
小規模な管理釣り場の清掃では、定期的に池の水を抜いて根がかったり、高切れしてロストしたゴミ(ルアーやライン)を回収しています。
大規模な釣り場の場合、このようなかいぼり系の施策は難しいわけです。
ここは、フィールドの清掃もかねてこうしたマグネットフィッシング体験をイベント化したり、回収したスプーンやプラグなどを販売したりプレゼントにすると面白いかもしれません。
マグネットフィッシングにはまだいろいろな可能性がありそう。
YouTubeをみていたらたまたま目にとまった海外のマグネットフィッシング動画。
そこから、国内までいろいろ施策をめぐらしてみました。
根本的なところでいうと、釣りという遊びは根がかりや高切れなどのゴミをゼロにすることはできないものですので、あらためて環境や景観の保護のために釣り業界ができることは多そうだなと思うにいたりました。
※記事内の画像はそれぞれ埋め込んでいるYouTubeチャンネルの通りです。
関連アイテム
▼ネオジウム磁石とロープ類はAmazon等でも比較的安価に購入できます。気になる人はチェックしてみるとよいでしょう。磁石とロープで合わせても数千円でトレジャーハンターの仲間入り。小規模な野池や河川でメタル系のルアーをなくした場合などは、もしかして回収できるかもしれませんね。