どうも竿兄弟の兄です。
お久しぶりです。兄の前回の寄稿『湘南の夏と釣りとバニーちゃん』はみてくれましたかね。ていっても、今から1年前の話ですが。
男とは、常に頂点を目指し挑戦し続ける生き物である。
皆さん最近、世界一目指してますか?熱く滾ってる?挑戦、忘れてませんか?
GWも終わり、日常のサラリーマン生活に埋没しつつあった竿兄弟の兄は、お気に入りのタイ料理店でトムヤムラーメンをすすっている時に「このままじゃいけない。そうだ、タイに行って世界一に挑戦してこよう!」と思い立ち、そのままフライトのチケットを取ったのであった。
タイのストリート。エネルギーに満ち溢れている。
カオマンガイ。だいたい旨い。日本にもチェーン店が進出して、おなじみになってきた。
メコンオオナマズを釣りたい
ターゲットは『メコンオオナマズ』。
メコン川流域の固有種で全長は通常200cm程度で稀に300cm、体重300kgにもなり世界最大級の淡水魚の1つとして数えられる。
植物性のエサだけを食べる魚類では最大とされる魚。また、IUCN絶滅危惧IA類に指定されておる希少な魚でもある。
こんな怪魚を釣らせてくれる釣り堀がタイにある。
その名は、ブンサムランフィッシングパーク。
日本からも釣り遠征で訪れる人が多くなってきているので、ご存知の方もいるかもしれない。
バンコクからタクシーで1時間ほどで着くこのパークには、世界中からビッグワンを求めて怪魚ハンター達が集うのだ。
ブンサムランフィッシングパークに到着
受付でライセンスとレンタルセット、餌、ガイドをお願いして、釣り場に向かう。
東京ドームより広い池の周りには一面に屋根が配置され、とても快適に釣りを楽しむことができる。また、コンビニや料理のデリバリーもあり、キンキンに冷えたビールとカオマンガイを食べながらウキが沈むのを待っていられるのだ。最高じゃないか。
仕掛けは全部ガイドのメイが作ってくれる。仕掛けは鯉の吸い込み仕掛けに似ていて、一本鈎に折り畳んだパンを付け餌として付け、螺旋にパン粉と配合餌でグレープフルーツほどの団子を作り、太っといロッドで豪快に50mほどキャスティング。
そしてアタリがあった場合フッキングまでして交代してくれるのだ。もちろん要領を得た後に自分でやることも可能だ。
ごきげんに3本目のビールが空いた頃、メイが竿に駆け寄った。
みると、ウキが沈んでいる。
メイが豪快な合わせを2度入れ、しっかりとフッキングした事を確認した後に竿を手渡される。
太いロッドが豪快に曲がり、でかいリールがギシギシ音を立てている。竿を股に挟み、ズッシリとした手応えを味わいながら、全体重を後ろに掛け竿を立てる。
トルクフルな引きをいなし、ポンピングしながら5分ほどかけ手前に寄せる。
ウキがすぐ足元まで来たところから最後の抵抗が始まる。ドラグを唸らせながら真下に何度も突っ込まれるのを耐え、糸を手繰り寄せると、奴は観念したように浮かんできた。
およそ20kg弱のメコンオオナマズ。これでも全然小さい方だとメイは言う。思ったよりぬめりの少ないその体表を撫でながら記念写真を撮り、速やかに水中にお帰り戴く。
さらに怪物が釣れる・・・
同行者が70cm程のヘラブナのお化けのようなパーカーホを釣ったり、何度か同サイズのナマズと遊んだ後、その時は来た。
仕掛けを投げ込んで1分ほどで豪快にウキが沈む・・・
強めの合わせを食らわせると、先ほどまでとは比べものにならない引きが竿に伝わって来た。
ドラグが悲鳴をあげながら糸がどんどん出されていく。
ド、ドラグを締め上げても止まらない!
竿を立てて応戦しようとするも、全くリールが巻けない!
え、なにこれ壊れてるんじゃないの?
違う、魚の引きが強すぎるんだ!
バットどころかグリップから竿が曲がってるぞ!
ロッドを掴んでいる左手だけでは支えきれない。
両手で竿を起こし、必死で魚の向きをコントロールする。そして一瞬の隙をついてリールを巻くも、またすぐにその倍くらい走られる。
ぐおー!!!こいつはでかいぞ!!!
ただ、うまく向きはコントロールできており、自分の正面でやり取り出来ていたので、落ち着いて勝負することができた。
一体何度ポンピングしたのだろうか。
永遠とも思えるその時間は、身体のしんどさとは裏腹に最高の興奮を与えてくれた。
後で自分のファイト中の写真を見返したら、歯を食いしばりながら笑ってるんだ。
こんなに楽しい時間、味わったことない!
8分ほどの格闘の末に、その巨体をメイの構えるネットに誘導出来た時には無意識に「よっしゃー!!」と雄叫びを上げていた。
バケツの水をデッキに掛け、その巨体を池からずり上げる。
でかい!
メイの腹回りよりも太い立派な体躯のメコンオオナマズは推定40-50kg。
デッキの上で暴れまわるパワーも桁違いだ。
ユーモラスな顔立ちとでっぷりとした腹は中年のおっさんを連想させるが、あの荒々しいファイトの後では全くそんな事は頭に浮かばず、只々喜びと感謝の思いに溢れていた。
帰り際、メイと固い握手を交わし再訪を誓う。
この池には150kgを超える化け物も泳いでいるらしい。
待ってろよ、必ずまた来るからな!
未だ見ぬ世界最大サイズのメコンオオナマズ、必ず釣ってやるぜ!
竿兄弟Twitterアカウント:https://twitter.com/rod_brothers
【ブンサムラン参考情報】
バンコク中心地からパークまでタクシーで500バーツ程度。帰りは田舎過ぎてタクシー捕まりづらいのでパークの車で送ってもらうと1000バーツ。
フィッシングライセンスと釣り具一式、餌、ガイドで6000バーツ。(2018.06現在)
ガイドは初めてなら絶対つけた方がいい。家族連れならコテージを借りた方が快適かも。英語出来なくてもここに行きたくなっちゃうような釣りバカならガイドが何言ってるのかは以心伝心で伝わるからマイペンライ(問題ない)。
HP:http://www.newbungsamran.com
竿兄弟・兄
竿兄弟Twitterアカウント:@rod_brothers
ORETSURIフィールドレポーターについて
ORETSURI フィールドレポーターの寄稿記事一覧はこちら!