東京など大都市圏に住む人は気軽に釣りをしたくてもできないと悩むことがあるかもしれない。
それもルアー釣りをしたい。
そんなときに好ターゲットは、シーバス、ナマズあたりだろうか。いや、ほかにオススメの魚がいる。
そう、ニゴイだ!
ニゴイを漢字で書くとどのように書くかご存知だろうか。
実は『似鯉』と書く。文字通り、鯉に似ている魚ということだろう
この名前からも、わき役扱いされていることが見て取れる。
オリジナルネームではなく『似鯉』
まるで主人公ではないように扱われがちだが、これからORETSURIがニゴイの魅力を紐解いていく。
ニゴイについて(分類・生態)
ニゴイはコイ科・カマツカ亜科に分類されている。
たしかに顔つきはカマツカのようにとがっている。
山中湖産カマツカニゴイ(ワカサギ釣りで釣れた)
小型の魚体はカマツカそっくりだ。(二カマツカといってもよいぐらい)
ニゴイは鯉と同じような環境に生息していて、主に、河川の中流域から下流域や湖沼などに生息している淡水魚。海水が混じっている汽水域は苦手なようでその手前ぐらいまでがテリトリー。
食性は雑食だが、成長するにつれて魚食性が強くなっていく。都市近郊の河川では、オイカワやウグイ・ハヤ類、鮎などを捕食しているため、特に大型個体はルアーへの反応がいい。
昼間でも夜でも釣れる。昼間は、バスやマルタ釣りなどのゲスト、夜はナマズ釣りのゲストとして釣れることが多いが、専門で狙っている人は少ない。
ニゴイの体型は鯉より扁平で、頭部が新幹線の先端のように水の抵抗を下げるような仕様になっている。
そのため鯉よりは流れに強いと思われる。ナマズもそうだが、一見遊泳力が低いようにみえて急流やその脇に身を潜めている魚は多い。
ニゴイのポイント
ニゴイを釣るなら都市河川がオススメ
湖沼でも釣れるが、都市河川を狙うのが手っ取り早い。
日本有数の都市河川(?)多摩川の瀬
都市河川で特にチェックしたいポイントは以下の通り
- 堰下(多くの魚がたまっている)
- 瀬(水深が浅く、流れが速い)
- トロ場(流れがゆっくりな深場)
- 瀬下(瀬とトロ場の境界線)
- 河川の支流(幅5メートル程度の場所でも釣れる)
ニゴイがいる場所
河川のニゴイは他の魚同様、流れの上流にむけて一定速度で泳ぎ定位している。
大型のニゴイほど魚食性が高いのは前述の通り。大型は、ベイトになる小魚がたくさん群れている場所、またはそれらのうち弱った個体・死んだ個体が流れてくるだろうエリアにいる。
特に、堰下や瀬下はエサが流下してきやすく、そのなかでも流れの影響によりもっとも餌がながれてくるところにいる。
これらのポイントは、他のフィッシュイーターにとってもベストポジションであり、鯉・ブラックバス・ナマズも多くみられる。
ニゴイの釣り方(ルアー・餌)
ニゴイ釣りのタックル
ごく一部の愛好家をのぞいてニゴイをメインターゲットとして釣っている人はいない。そのためニゴイ専門のタックルは存在しない。タックルはバスやトラウト用などのライトクラスを流用するとよい。あまり強いものはニゴイの引きを楽しめないし、弱すぎるものはラインブレイクなどを引き起こすためすすめない。
<参考タックル>
(6.6フィートのライトクラスぐらいが使いやすい)
(ナイロン2号が100メートル巻ける程度のもの)
(ポイントに近づける場合はナイロン。遠投が必要な場所ではPEラインで直撃したい)
ニゴイをルアーで釣る場合
ニゴイ釣りではスプーンやスピナー等が効果的
ニゴイは魚食性が強い。以下の点を考慮してルアーを選びたい
- 都市河川の流れから飛び出さないで泳ぐ(フローティングよりはシンキングorサスペンド)
- 輝きや振動が強い
- 蛍光色等で目立つ
- 魚もしくは水生昆虫に模したもの
トップウォータプラグ(ペンシルベイト・スイッシャー・ポッパー)
ニゴイの口は下側についているが、意外にも水面に浮くルアーにもよく反応する。
着水と同時にバイトすることも多い。基本的にあまり派手に動かさずゆっくり引くとよい。
シルエットがよくわかるルアーを選びたい。
ミノー・シンキングペンシル
ミノーやシンキングペンシルは、ニゴイが好んで食べる鮎やハヤ類に似ているため効果的。
流速にもよるが、フローティングタイプよりは沈むもののほうが活性が低いときもバイトを誘える。バランスが悪いものは流れから飛び出てしまって使い物にならないので、板オモリをボディ下に張り付けてバランスを調整したい。
ダイソーミノーでも釣れるが飛距離が弱いため、重さとフックのカスタマイズが必要。
バイブレーション
バイブレーションの重量は飛距離が必要なポイントに効果的。ラトル入りでもノンラトルでも釣れる。あまり重すぎるものは油断するとすぐに根がかるので注意。底上をゆっくり引いてこよう。
※赤金・黒金系カラーがかなり釣れる。
クランクベイト・シャッド系
クランクベイトは、シャロー系(リップが短いもの)を選びたい。
都市河川でニゴイが釣れるポイントは水深1メートル程度がほとんど。そこのゴツゴツを感じながらゆっくりただ巻きするとよい。
※チャート系カラーは濁りの有無にかかわらずニゴイキラー。ブリブリと巻いてこよう。
スプーン・スピナー
振動ときらめきが特徴のスプーンやスピナーもニゴイ釣りには効果的。比較的コストが安いところも使いやすい。5g程度のスプーンであればナイロン8lbでも遠投でき、都市河川の流速にまけず引いてこれる。
これも基本的に底付近を巻いてくる。どのルアーにも言えるが、シングルフック&バーブレスにすると針外しがしやすく魚体へのダメージも少ない。
※赤金・黒金や白系ルアーに反応がいよい気がする。目立つからだろう。
ニゴイをブッコミ釣りで釣る場合
ニゴイは雑食のためブッコミ釣りでも釣れる。
練り餌類でも釣れるが一番有効なのはミミズ。房掛けでもよいし、一本がけでもよい。
大型を狙いつつ、ウナギやナマズも並行して釣りたい場合は房掛けがよいだろう。
ニゴイ釣りのゲスト
ニゴイ釣りでは多彩なゲストが楽しめる。
鯉
ニゴイ釣りの最大のゲストは鯉だ。本命はニゴイなのに!などという人も少ないと思うがとにかく釣れる。
よく在来魚が減っているという話でブラックバスがやり玉にあがるが、それはその通りながらも、卵を含めて口に入るものすべてを吸い込む彼らの存在をもっと考えたほうがよい気がする。
大型の鯉がヒットした場合は、ドラグワークふくめて慎重に対応しないとラインブレイクするので注意だ。道糸がPE1号以上でロッドがやわな場合はロッドが破損する可能性が高い。
ナマズ
曇りや雨天、夕まずめでヒットしやすいのはナマズ。
ライトクラスのロッドだとかなり苦戦するだろう。
ナイロン8lb未満だとラインを切られる可能性も。
マルタウグイ
春のマルタウグイが遡上する時期にニゴイを狙うと高確率でヒットする。どちらが本命なのか。マルタウグイなどの産卵したあとに、鯉やニゴイが同エリアに入って卵を掃除機のように吸い込む。
ニゴイのオススメの食べ方
ニゴイは小骨が多く淡白な味がする。
川魚全般に言えることだが、臭みを消したい場合は、下処理時に体表のぬめりをしっかりとり、まな板にニオイがつかないように調理したい。
小型は塩焼き、大型は味噌煮、三枚におろしてフライなどがオススメ。カマボコにする人もいる。
都市河川のニゴイ・ナマズ・鯉は高確率で臭みがあるが個体差も大きいので、あれこれ試してみるとよい。
ニゴイはルアー釣り初心者にオススメ
ニゴイは、主にブラックバス・ウナギ・マルタウグイなどを都市河川で狙っているときにヒットしやすい。
「ああニゴイか」
と、おもってしまうかもしれないが、彼らも必死にいきているわけで護岸の上などに投げ捨てる無益な行為は慎みたい。よく見るとユーモラスな顔をしていて可愛らしくみえてくる。
釣り人に忌み嫌われるニゴイではあるが、ルアーで釣れるような大型個体はかなりよい引きをする。特に都市河川の流心近くで下流に走られるとライトタックルではかなり焦る。
またルアーへの反応もすこぶるいいため、ルアー釣り初心者にもオススメだ。
ランカーニゴイはかなり引く!