東京と神奈川を流れる多摩川では春になるとマルタウグイ(通称:マルタ)という魚が釣れます。
産卵のために海から大挙して多摩川を遡上してくるマルタウグイは、丸子堰の魚道を超えて中流域の瀬で産卵をします。
毎年この時期は、Twitterやブログ等で「初マルタ!」というような投稿がでてきますので、いてもたってもいられず、先日のこと、仕事の合間に約1時間30分の短時間ですが、マルタウグイを狙って多摩川中流域にいってみました。
タックル
今回のタックルはこちら。ブラックバス用のライトロッドにナイロン8lbクラスのラインを巻いたスピニングラインをあわせています。多摩川のマルタはフライやルアーで狙う人が多いです。
マルタは最大で5、60センチと淡水魚としては大型なのですが、ブラックバス等と比べると口が小さめのため、マルタ狙いのルアーは3グラム~5グラム程度のそれほど大きくないものを選びます。
尚、川幅が広いところや遠くからキャストしたい場合はこのタックルだと飛距離がでないので、4~6ポンドクラスのラインやPEライン+フロロカーボンのリーダー等を利用するとよいかと思います。
釣り開始
中流域のこれまでマルタ釣りをしたことがない場所に入ってみました。本流が曲がって瀬になっているエリアなのですが、マルタの気配はゼロ。しばらく釣りをしてみましたが、アタリもありません。
マルタ釣りをしたことがある方であればよくわかるかと思うのですが、産卵のときのマルタは瀬(川の浅場や流れが速くなったところ)をバシャバシャ水沫をあげて、押し合うように上がってきます。
ということで、釣り場に到着して瀬をみれば、マルタがいるいないはすぐに分かります。
一方、産卵前のマルタは瀬の下流にあるトロ場(川の流れがゆるんだところで水深がある)で待機していることもあるので、瀬にいなくてもトロ場を狙うという攻め方もあります。
・・・とか、
通ぶって解説してみたものの、この日、この場所にはマルタは不在だったようです。。。
あっという間に1時間がたちあたりは薄暗くなってきました。
仕方ない、トロ場でニゴイか鯉でも狙おうか、
それにしても、この時期の多摩川は魚っ気がほとんどありません。。。
ガサガサ。
その時、背後の枯れアシから物音が!
狸かな?
と、おもったらシェパードの白い個体でした。
ホワイト・スイス・シェパードというようですね。
で、このワン太郎が、釣りをしているわたしの背後まできて、興味深そうにしているんです。振り返るとウォンウォン吠えてきます。
まーまー落ち着け、俺はただの釣り人だぜ、と声掛けしていると、
あとから外国人の飼い主がきて、
「〇〇、ノー!」
というような制止命令をして、どこかに消えていきました。
河原で犬の散歩っていいですね。
最後の一投
その後、日も暮れたので最後の一投とおもい渾身のキャストをしたところ、
トロ場の流れが変化しているいいところ着水。
ルアーフィッシングをしているときにこのようにいいキャストだなと思ったときは大体反応がある気がします。
マルタ釣りの場合、マルタは底にいますので、川底をなめるようにルアーを動かしていきます。
ルアーはコータックの岩魚スプーン。赤金。このカラーはマルタを興奮させるのか、昨年バイトが集中したカラーです。
で、慎重に水底の岩をイメージしながら巻いてくると、
ぬる。
ん?
あれ、リールがまけなくなった。
次の瞬間。
リールのドラグが鳴り、何者かが下流へ走ります!
わ。
何かをかけてしまった。。。。
この引き。もしかして、鯉かな。鯰も底狙いであればこの季節でも釣れるっていうしな、
うわ、これとれるかなーと思っていたものの、
テンションがなくなり、ラインブレイクかとリールをまいてくると、
スプーンの動きが竿先に感じられます。
スレですね。それほど巨大でもないかと思うのですが鯉でしょうか。
この通り、マルタを狙うときにトレブルフックを使うと、スレて魚が釣れてしまうことがあるので注意です。
今回、急いで釣り場にむかったので、シングルフックにつけかえられていなかったのですが、スプーンやミノー等を使う際は、トレブルフックだと根がかりも多発するので注意です。
というわけで、
今回は釣れなかったという話ですが、ネット上ではもうマルタはそれほどの大群ではないようですが、丸子の堰を登っている情報がはいっていますし、実際に釣れている投稿もポツポツ見られます。
東京や神奈川で釣りをする方からするとかなり身近なファイターなので休みの日にでも狙ってみるのもよいでしょう。一日粘ってやる釣りでもないので、昼過ぎにでかけてちょいっと瀬を流して終了というような感じで春の多摩川とふれあう。河原も春めいてきていますので、なにかと楽しいですよ。
最盛期は桜の咲くころなのであと半月ぐらいかなと。
ではでは。
平田