もう一つの「ねぎま鍋」を作ったので「葱真鍋」と命名

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マゴチの頭
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ORETSURIはストーリー系釣魚料理サイトでもある

Googleで検索すると、クックパッドなどの似たような料理レシピがわんさか海面にあがってくる今日この頃。

釣り人のみなさんにおきましては「クックパッドもうとっくに飽きた犬」みたいな感じでしょうか。

レシピサイトが上位表示されても、意図的にクリックしないというこだわり派、ストーリー重視派のひともいることでしょう。

が、

あれはあれで価値があるんです。

魚を釣って、料理したいときに、簡単にレシピをみて作る。分量もしっかり書いてある。

便利ですね。

金太郎飴的には最適です。

が、

読み物としての魚料理を味わいたい人もいるはずです。

しかも、筆者がやっつけなので、調味料などの分量がだいたいなので、仕上がりの味は見た人によって変わるという仕様。

だからこそ、誰がつくっても俺流のオリジナリティがでるという素敵さ。

そうですか、あなたもORETSURIをみて釣魚料理をつくってきたんですね。なるほど。

そんなあなたのような同志がORETSURIの更新を楽しみにしている限り、これからもORETSURIとしては、分量もアバウトなやっつけレシピでだれでも作れるオリジナリティあふれる釣魚料理を多く開発していきますとも。

おまかせください。

いやはや。

でもね、

それ、あえてそうしなくてもいいのに、っていうような魚料理もしばしば登場してくるのは事実です。

が、

がですよ、

やってみてわかることもあるわけです。

タチウオを強引にベーコンエッグみたいにするとか、つくる前からアレだなんてわたしもしっているんだ。

料理をよく作る人にとってはわかるかもしれませんが、料理は魔法みたいなもんです。

料理法と調味料と素材の持ち味と状態による変化を理解すると、なれてくると、唱える前に料理の味がわかってしまうんです。

ということで、今回の料理も作る前からなんとなくイメージはついていたものの、意外にありだなとおもったので披露することにします。

目次

江戸における『ねぎま鍋』の発祥について

ねぎま鍋ってのはですね、あれです。

かんたんにいうと、マグロのトロの部分を甘じょっぱい割り下で葱と炊いたものを食べる江戸っ子料理です。

マグロって、むかしの人にとっては、トロ部分は脂が多すぎて、しょうゆで『漬け】にしても醤油をはじいてしまったりして保存性も悪ったのです。

それに、昔の人は欧米化された現代日本とことなり、あんまり脂っぽいものを好まなかったようなんです。ラーメン二郎とか、家系とかもってのほかだったんですね。脂マシマシとかすると殴られるレベルです。てやんでい、こちとら江戸っ子でい。

ということで、トロはうっちゃれ、すてちゃえ、というのが一般的だったようなんです。

カツオだって鎌倉あたりにあがって江戸に持ち込まれる相模湾の初ガツオに値千金の価値があったのは、秋の戻りガツオと比べて脂がすくなかったからなんでしょうな。

脂がすくないから悪くなりにくいし、味覚的にもこざっぱりが好きな江戸っ子気質の性に合ったんでしょう。

マグロの話に戻ります。

あるときに、捨てられる脂でギットハブ状態のトロをみたどこかの物好きが、

「ちょ待てよ、それ、甘じょっぱく炊けばさ脂も切れるし、いいんじゃないの?」

みたいなことを考えたのでしょう。

で、実際つくってみたら案外うまくて、blogに、

『ちょw捨てられてる鮪の脂身で『ねぎま鍋』つくったらうますぎワロタwwwww』

と、

書いたらそれが大江戸八百八町に瞬く間にシェアされて流行ったという。

これが『葱鮪鍋』の発祥です。

では、説明しよう『葱真鍋』とは?

そんなこんなで大江戸で大いに流行った庶民の味『ねぎま鍋』ですが、時代もへてマグロの『トロ』の取り扱いが変わって高級料理になってしまいました。

マグロって釣るのも大変だから、やっぱり市場で買うとなるといいお値段ですしね。

あえて中トロとか買うんだったら、刺身で食べたほうが旨いしな。

という具合に他に代替できるものはないかな、ねぎまっていう語呂にあう素材はあったかなーとおもって今回作ったのが、『葱真鍋』です。

材料は真鯒(マゴチ)を使います。

マゴチの眼は、ハート印。

こじつけ縁結びのキャラクターにだれか使えばいいのに。

それにしても、このマゴチも高級魚ながら東京湾で今でも釣ろうと思えば釣れますからね。

先日もボート釣りでめっちゃ釣れてたし。

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念のため、『葱真鍋』ってググってみたんですが、前例がないようでGoogle先生もはじめて知る料理。

ははーん、貴殿、『葱真鍋』も知らないんですね。

ふむふむ、いいでしょう。

存分に教えてあげましょう。

とくとサーバーに記録するのですよ。

ちなみに『葱マゴチ鍋』というキーワードだと、ORETSURIの『マゴチしゃぶしゃぶ』記事が上位(PCだと2位)に表示されます。

Google先生もORETSURIの発する、ときに無駄気味な熱量を感じ取っているんでしょうな。

葱真鍋こと葱マゴチ鍋をつくる

こちらはマゴチをミイラ熟成させて4日程寝かしたもの。

釣ったマゴチをミイラ化

ミイラ熟成というのは、釣り上げたマゴチの血抜きや神経締めをしたあとにそのままぐるぐる巻きにして熟成させる方法です。

内臓やエラ部分がぐずぐずするものの、身自体は酸化しにくいという特徴があるんですが、調理中に腸内ガスや排泄物の残りなどのオイニーがけっこうするので、めんどくさがりじゃない人は釣った日にサクにして、サクで寝かしたほうがよいと思いますよ。

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棒身にして、

やや分厚めに身を引きます。

マゴチは刺身にするときは薄造り、しゃぶしゃぶには分厚めに身をつくり、炊き込む鍋ながら骨ごとぶつ切りにしてやるとよいです。

そんでもって、割りしたに長ネギ+生姜スライス、柚子皮。

<葱マゴチ鍋の割り下>

  • 濃い口しょうゆ
  • 砂糖
  • みりん
  • 日本酒
  • 東肥赤酒

いつもの通り分量は細かくいいませんが、これらを適当に合わせておきます。

とりあえず甘じょっぱくなっていればOK。

あとは好みです。

個人的には砂糖強めがすきなので、砂糖はドバドバ。

水をいれてもよいですが、安日本酒を1升買ってきてそれをドバドバ入れたほうが旨みが違うのでオススメです。

そこにネギをならべて上にマグロのトロの代わりにマゴチを並べる。

トロをつかうと、脂がおちてネギが吸い込んでうまいんですが、マゴチはどうなのでしょう。

んで、炊く。

食べる。

・・・

・・・

・・・

アリだな。

甘辛旨い。そして、そこはかとなく、柚子皮の香りが鼻に抜ける。

身にパサつきはなく、鳥の胸肉のようなジューシーさ。熟成させたのでマゴチ自体の旨みもしっかり。

身に脂はすくないながらも、炊いていると、あきらかに汁にマゴチ由来の脂がういてきます。

脂が苦手なひとにはいいんじゃないかな。

なんというか、ネギマの焼き鳥を食べているような風味。

甘辛いですしね。

仕上げに、

茹でうどんをレンジアップしたあとに投入。

冷凍うどんよりも安いのがゆでうどんです。3玉で100円ぐらいで売ってるのとかマジですごい。

これをですな、すき焼きみたいに、生卵で食べるわけです。

・・・

・・・

・・・

う、うんめー。

江戸っ子っぽくいうとそういった感想です。

鳥すき焼きうどんみたいな風味だ。

なんとなく、魚を食べている感じがしない。

さらに、次のターンで、オタフクの天華天かすを発動!

それは関西なんじゃないかとかいっている輩がいるようですが、戦いとは手段を選ぶものではないのだよ。

常に冷静に考え、勝てる手段があったら容赦なく活用する。

チャンスは最大限に生かす・・・

ふふ、勝ったな。

ずるずる。ずるずる君。

これはうまいよ。

生卵に甘辛いうどんが絡んで、そこにごろんとマゴチが登場する。

今、マゴチのあたらしい世界が開けた。

マゴチでつくるネギマ鍋はありだ。

脂が好きな人は、マゴチとネギを炊くときに、油抜きしていない松山揚げを一緒に入れるとさらによいでしょう。

ということで、マゴチを釣って、刺身などにちょっと飽きたかもというときは、葱真鍋をぜひためしてみてほしい。

ではでは。

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