「穏やかではないですね」なタイトルですが、スミイカテンヤ釣りをなめていたら悲しい経験をしてきたのでお伝えしたいと思います。
わたしは船釣りの釣り物に飽きやすく、シーズン中に同じ釣り物はMAXで2回と決めている主義でな。と、シャアみたいに気取ってみましたが、まーだいたい2回でおさまっています。中には1回でけっこうな釣果を上げると、なんだかお腹いっぱいになり、もういいかなーと思ってしまうのです。
で、スミイカですよ。
テンヤ釣りですよ。この釣りはスミイカが産卵を意識しだすともう終わりのシーズンなのですが、よっしゃ最後に一発ガツンとかましたろか!ってな具合で、釣行してきたんです・・・
始発着で左舷トモ2番にスタンバイ。
この日は平日釣行。
平日であれば、なんとか四隅のどれかに入れるかなー。
と、思いきや・・・
うーむ。四隅はしっかり確保されていたようです。
いろいろ考え左舷のトモから2番目を確保して、出船まで今日はスミイカ5杯ぐらい釣りたいな。ま、釣れるだろうなと思っていたのです。
だんだん夜があけて。
7時ぐらいに出船。
久里浜沖から攻めるとのこと。
久里浜沖へ。
水深60m強といったところ。
今回はスミイカ玄人衆のみなさんの所作を見習って、シャコもはじめからスペア分まで準備万端です。
まー、釣れるでしょ。
でしょ。
最初はケミホタルをつけて様子をみることに。
シンプルな釣り座。いけてるだろ。おほほほ。
このスッテはスミイカをかけるというよりも寄せる意味合いと、なんちゃってマルイカを釣るためメインでつけています。
・・・
ところが、なにこれ釣れない。
しょっぱなで、左舷ミヨシの方が一杯釣って、そのあと、つづかず。
いくつか流しが変わって。
しゃくったときに、ガツン!
とみせかけて、それほど手ごたえがないな。と思ったら、
マルイカ氏でした。
実際嬉しいのですが、スミイカ釣りの人たちはマルイカが釣れても、「そんなん本命じゃないし」みたいなオーラがあって、わたしも、まーこれはマルイカだからね。まーキープするけど。みたいな態度で臨みます。
深場から浅場へ
竹岡沖で水深は30mぐらい。
このころには、ちらほらとスミイカが上がり始めている状態。
わたしもなんらかの宗教儀式かのように、こん棒みたいな竿をしゃくり続けます。
スミイカの竿って重いのと、しゃくらんと釣れないので、かなりハードワーク。
すると、
ガツン!
あ、きたこれ。
デカイ。
・・・
す。
と、とれたんだこれが。
レオナルド・ミギーレ。18世紀の絵師。
要は身切れですよ。
しかもよくみたら、相当な衝撃だったのか、スッテのかんなが2本ほど伸びてしまっています。これはまさかモンゴウイカじゃないのか。2キロぐらいの。
ぐぅ。
と、左舷トモの常連の方が2杯ほど釣って、その後、モンゴウイカがヒット。タモ入れアシストをしながら、自分も紋甲イカ釣りたいなと思ったんですね。
・・・
その後、
着底したテンヤをゼロテンションにして、ややスッテをおどらせてみると・・・
マルイカ。
ふぅ。
マルイカを釣るのであればスッテをつけて、やや揺するというのが効果的かもしれませんね。
大丈夫だよ。落ち着いて釣ろう。スミイカはそこにいるよ
チューブなしの放水に気づかず、長靴のなかに海水が入るという体たらく。
これで士気-30。
おいそろそろ逃亡兵がではじめるぐらいだぞ。
右舷はみんな釣れてるっぽいし、釣れてないのは、わたしと、右隣りの人だけじゃないか。
ま、大丈夫だよ。
大丈夫さ。
どんとウォーリー。
そのうち、来るよ。
あのガツンがね!
その時にむけて、たゆまずシャクリつづけた人が勝つんだ。
これは人生と一緒だよ。
スミイカ釣りは短距離走じゃないんだ。むしろ長距離そうさ。キャストして、しっかり着底をとって、シャクッてフォールさせる。待ち時間は状況をみて変えていく。
臨機応変だよ。これがベストなんてものはないんだ。
ね。
その時にむけて、たゆまずシャクリつづけた人が勝つんだ。
ま、大丈夫だよ。
大丈夫さ。
どんとウォーリー。
そのうち、来るよ。
あのガツンがね!
大丈夫。
そのうち、来るよ。
落ち着いて。まだまだ大丈夫。
そのうち、来るよ。
焦らずしゃくろう。
と、うしろから、船長が声をかけてくれたぞ。
・・・
渡辺直人船長「平田さん、浅場はあんまりガツンとしゃくんないで丁寧にやったほうがいいよ」
わたし「おす。わかりました」
よーし。
丁寧にやるぞ。
船長のシャクリもマネしながら。
丁寧に。
シャク。
やさしく。
シャク。
フォールもしっかりシャコを意識して。
きっとスミイカはこのシャコをみてるはず。
はず。
今、俺とシャコがタッグを組んで、スミイカをかけようと勝負をかけてる。
今まさに神とスミイカが俺のテンヤをみている。
だけど、焦りは禁物だ。
慌てる乞食は貰いが少ないって、うちのじいさんもいったしな。
浅場だとあんまりガツンとやったら、スミイカ逃げちゃうかもだし。
お、左隣の人また釣ったなー。
右隣りの人もまた釣ったぞ。
いるな。
いるぞ。
いけるぞ。
ふ、
スミイカめ。
いいんだよ。ワイのテンヤに抱き着いても。
遠慮するなよ。
恥ずかしがんなよ。
ちょ待てよ。
いいって、いいって、お気軽に抱き着いてよ。
ワイのテンヤはフリーハグやってるからさ。
誰でも抱き着いていいよ。
いつだっていいさ。
遠慮するような間柄じゃないだろ。な?
俺と貴殿の中だぜ。
・・・
船長「この流しで釣れてもつれなくてもあがりますんでー」
・・・
まさか、
まさかのまさか。
まさかの将門。
最後のミラクルでモンゴウイカヒットで有終の美ってやつか。
サッカーでもサドンデスで延長戦で決勝ゴールとか泣けるしな。
わかるよ。あれだろ。
海神様もまったくもってツンデレだよな。
いいさ、そのプランね。
おけまるくん。
・・・
・・・
・・・
船長「はーいお疲れ様でしたー」
涙。
悲しーいときには
涙なーんか
こぼれーない♪(エレファントカシマシ)
いいか、大人は泣いちゃいけないんだ。
結果、
マルイカ2杯。
スミイカゼロ。
なんてこった。全身に力が入らない。
徹夜明けとはいえ、なんだこの強烈な脱力感は。
前回は初めてだったのにスミイカ3杯釣れたのに。
こんなことがあってよいんだろうか。
いや、
平田君、おちついて聞いてほしい。
これも釣りだよ。
そのくやしさ、その悲しさをばねにして、次がんばろう。
次は釣れるよ。笑おうよ。笑えば楽しいよ。
船長「どうでしたー?」
わたし「だ、ダメでした」
船長「ダメだったかー」
祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらはす
おごれる人も久しからず
ただ春の夜の夢のごとし
たけき者も遂にはほろびぬ
ひとへに風の前の塵に同じ
・・・
そういやもうすぐ春だよな。
まったく気取れねー状況だな。貴殿。
渡辺船長から「これもっていきなよ」という言葉とともにスミイカを2杯いただきました。
(´Д⊂グスン
泣ける。
ああ、今日も暮れていくな。
ま、ラーメンでも喰って帰るか。そうしようよ。ああ、そうするよ。
ではでは。
<今回の釣行での改善点>
- 浅場は丁寧にシャクル
- 惰性で釣りをしない
- テンヤはピンク夜光とグリーンも用意する
- フロロリーダーは長めにとったほうがよいかも。PEが近いと見切られるかも
- ケミホタルは途中で外したけど、スミイカにはあんまり効果ないかも
- やっぱり四隅で思いっきりキャストしたい
- マイロッド買ったほうがよいかも
それにしても、両トモの玄人衆の方々が、「今日はがっつり抱かないで軽くちょっかい出すことが多かったねー」みたいなことを言っていたんですが、わたしにはスミイカのちょっかいなんてわからんかったわけですよ。たしかに左舷トモの方は、シャクルときに、やや待ち時間を長くして誘っていたような気配もありながらも。この辺りはやはりスミイカ専用竿だとわかるのかもです。うーむ。次はやってやる。