いち釣り人の立場から釣り具の新商品リリースをみて、ぱっと見で違いがあんまりわからんなーと思ったりしませんか?
たとえば釣り竿やリール。
同じシリーズでも多種多様なバージョンが登場しているんですが、メーカーサイトをみても「どちらを選ぶのが合理的判断なのか」が、よくわからないこともしばしば。
先月、「バルケッタFカスタム」という両軸リールが登場しているのを知りました。
一体先行して販売されているバルケッタプレミアムと何が違うのでしょうか?
今回は、「バルケッタプレミアム」と「バルケッタFカスタム」の違いと、どちらがオススメかについて解説します。
<本記事の結論>
マイクロモジュールギアによる巻きのさらなるスムーズさと、ボディのさらなる剛性を求めないのであれば、「バルケッタFカスタム」がお得。
「バルケッタFカスタム」は、バルケッタプレミアムの廉価版。バルケッタプレミアムとの違いは以下の通り。
- ボールベアリングの数が-3
- マイクロモジュールギア非搭載
- 実勢価格は-6、7,000円程度
- 重量-30g(CI4+の使用)
※後述しますが、バルケッタプレミアムは新型が登場する予定(2024年登場月未定)です。
「バルケッタプレミアム」と「バルケッタFカスタム」のスペックは、ほぼ一緒
こちらはバルケッタプレミアム
バルケッタプレミアムを2019年9月に買ってしばらくたちました。
マイクロモジュールギア搭載のハイエンドモデルだけあって、滑らかな巻き心地。
その後、いつの間にかバルケッタFカスタムという機種が登場していたわけです。
知ったきっかけは一之瀬丸のはるとくんと一緒にタイラバにいったときに、彼がつかっていたからです。
あれ、バルケッタプレミアムつかってんの?って、思ったら、「いやバルケッタカスタムっす」みたいな。
で、そんなのがあるんだなーと気づいた次第。
バルケッタFカスタムは上位機種バルケッタプレミアムからHAGANE ボディやXプロテクトなどコアなフィーチャーを受け継ぎながら、素材、パーツ等を見直すことで30g以上の軽量化を果たしたフォールレバー搭載の最軽量モデル。スローフォールが有効な釣り全般をカバーしますが、特にギア比8.1のDHXGモデルはメタルスッテに好適。DHモデルはギア比6.9のダブルハンドルで、鯛ラバなどテクニカル系の釣りに。ノーマルモデルはギア比6.9のシングルハンドルでヒラメやライトジギングなどパワー系の釣りにマッチします。
出典:シマノ
こちらが公式ページによる製品概要です。
バルケッタFカスタムは、基本的な特徴をバルケッタプレミアムから引き継ぎつつ、フォールレバー搭載機種では最軽量モデルということです。
パーツの違いにより、重さ・剛性・値段が変わる
では、バルケッタFカスタムとバルケッタプレミアムは、どこが違うのかをみていきましょう。
パーツが異なることにより3つの差異があります。
<異なるパーツ>
- 外部のカバー(想像です)
- マイクロモジュールギア非搭載
ギアが異なる以外に、外装部品が変わってることが想像できます。
バルケッタFカスタムでは、製品特徴に軽量カーボン素材「CI4+(シーアイフォー プラス)」が加わっているんですが、これは両軸リールではボディ部分全般に使われています。
一方、「“HAGANE”ボディ(アルミニウム・マグネシウム等の金属素材)」の表記もあるので、部分的に「CI4+」素材をつかうことで、軽量化が実現できているんでしょう。
パーツが異なることによって、以下の差がでています。
- 軽さ(-30g)
- 剛性の差
軽さについては数字があるのでわかりやすいですね。
ライトゲームであれば数十グラムでもタックルが軽くなることで、釣りも快適になりますし、釣趣も確実にあがります。
剛性については、データがないので言及しないですが、「“HAGANE”ボディ」自体は以下のような恩恵が得られるとのこと。
軽量で剛性の高いアルミニウムやマグネシウムなどの金属を使うことで、リールのたわみや歪み、ネジレをしっかりと抑制。繊細なギアの噛み合わせを守り、スムーズなリーリングを可能にする。
なるほど。
バルケッタプレミアムとノーマルのバルケッタ
バルケッタプレミアム自体も塗装されているので、金属感というのは見た目では感じられません。
バルケッタプレミアムとバルケッタFカスタムは、どちらがオススメなのか?
購入の際に気になるのはどっちを買うのがお得なのか?という点について。
これは好みの要素が大きいんですが、バルケッタシリーズにおいては、以下の通り考えてみるとわかりやすい気がします。
<フォールレバー&カウンタースピード表示機能がほしい>
- バルケッタプレミアム(より剛性が高くてスムーズに巻きたい)
- バルケッタFカスタム(軽量でコストが安いほうがいい)
<それぞれ不要>
- バルケッタ&バルケッタBB
つまり、バルケッタプレミアムとバルケッタFカスタムの比較については以下の通りです。
- 重さとかコスト差は重要に感じない
より高い剛性でシルキーな巻き心地を味わいたい
そんな人はバルケッタプレミアムを選んだ方がよいと思います。
個人的には、マイクロモジュールギアとCI4+部分がないとしても、その他のスペックがほぼ同じ&低コストということで、バルケッタFカスタムをオススメします。
それと、フォールレバー&カウンタースピード表示なんて不要だよ。
カウンターだけ表示されてればOKだよ、という人は、バルケッタ&バルケッタBBで十分です。
▼コスト重視でカウンター表示だけあればよいならバルケッタ&バルケッタBB
▼バルケッタ&バルケッタBBのインプレ記事
バルケッタFカスタムはマーケットにあわせてきてる?
筆者はバルケッタプレミアムを持っています。
仮の話なんですが、もし去年の段階で、バルケッタプレミアムとバルケッタFカスタムが2つ販売されていたとします。
その場合、今だったら、バルケッタFカスタムを買うと思います。
もともとノーマルバルケッタをつかっていて、バルケッタプレミアムが登場した時点で「お!」とリアクションバイトしたんですが、バルケッタプレミアムはやや重いんです。
それとコスト的に7,000円ぐらい違うのであれば、そこまでして最上位機種を買わなくてもよいかなーと。
似たような機種ですが、メーカーは、どうしてバルケッタFカスタムを販売したのか?
これを勝手に考えたときに、バルケッタプレミアム自体がコスト面もあり、あまりマーケットに受け入れられなかったんじゃないかなと。
最上位機種として考えたときに、カルカッタコンクエストほどには所有感を刺激しないですし。
その点、短期的な販売数をみながら、よりマーケットにフィットさせていったのがバルケッタFカスタムなんじゃないかなと。
原価を下げ、バルケッタプレミアムとは差別化をするという。
プロダクトアウトとマーケットインという概念がありますが、そういうことなんじゃないかなと。
実際はわかりませんが、そんな気がしてなりません。
▼コストとフォールレバー搭載ならバルケッタFカスタム
まとめ
今回は、バルケッタFカスタムの存在について、バルケッタプレミアムユーザーからいろいろと考えてきました。
最後の方は、もう勝手な想像なんですけどね。
じぶんだったら、バルケッタFカスタムを買うなーとか言っちゃいましたが、最上級を求める人は、バルケッタプレミアムすごいよいですからね。
使っている立場からして、バルケッタと比較してもがっしりしていて、スムーズに巻けるところは利点ですし。
以上、購入を検討している人の参考になればよいなーと思います。
※アイキャッチ画像出典:シマノ
追記:2024年、バルケッタプレミアムに新型登場予定
出典:シマノ
バルケッタプレミアムなのですが、2024年に新型が登場予定です。
旧型の19バルケッタプレミアムとの違いは以下の通り。
- 想定実売価格+5,000~7,000円程度
- 60mmロングハンドル(+5mmでよりパワフルな巻き上げが可能)
- マイナス30g(150DHで220g。バルケッタFカスタムのようにサイドプレートをCi4+にした等で軽量化)
- フォールレバーの改善(旧型はテンションをかけた時に巻き重り等が起きていたが、ワンウェイローラーベアリング搭載で改善)
- レベルワインド連動(ライン放出時)搭載
- 巻き上げ距離アラーム
追記する前は、バルケッタプレミアムの価格がマーケットにマッチしていないからバルケッタFカスタムが出たのでは?
という話をしていましたが、その後、シマノとダイワの二大釣具メーカーは高価格帯商品に注力している印象があります。
つまるところ高価格帯商品のほうが利益率が高いからと想定されます。
24バルケッタプレミアムについても、そういった狙いから19バルケッタプレミアムより高値で企画されたのではないでしょうか。
▼マーケットには19と24モデルが販売されており、購入時には間違えないようにしたい