北風吹きすさぶ横須賀大津沖!手漕ぎボート釣りで「金アジ」が爆釣

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黄アジ
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ORETSURIをご覧のみなさん、こんにちは。

東京湾や外房に出没するサラリーマン・アングラーの釣人割烹です。

筆者は7月中旬、ORETSURI編集長の平田さんとマアジを狙い、横須賀・大津沖へ手漕ぎボートで乗り出しました。ポイントへのアプローチなどいろんなことが分かって有意義でしたが、釣果自体はみじめなものでした。

詳しい経緯はすでに平田さんが記事にしています。

致命的なミスは、海を漕ぎ回って昼ごろにやっと中~尺アジが釣れ始めたとき、コマセのイワシミンチが底をついたこと。そんなマンガ的な展開だったのです。

当然のように平田さんとマアジ再戦を誓い、2週間後の7月下旬に再び大津沖へ乗り出しました。今回はその顛末(てんまつ)です。

目次

北風なんてへっちゃらだ!

前回と同じく、大津港のまるまつ丸さんへ。

午前7時前に平田さんと船宿で待ち合わせ。筆者は自宅の千葉から首都高湾岸線を飛ばしながら「きょうこそたっぷり釣ってやる!」と戦闘モードです。

しかし、一つ懸念材料がありました。

北風です。予想では4~5m/秒。大津港に到着し、車を降り立つと曇りで風は強めでした。

大津港は北に開けています。三浦半島を背にしているため、陸から吹く南風には強いが、海から吹きつけてくる北風だと恐ろしい白波がたちやすい……と、いちおう理屈ではわかっています。

しかし、大津はまだ2度目で、実際の脅威を知りません。しかも、戦闘モードでアドレナリンが出まくり。「なぁに、かまうものか」とナメてかかっていました。

「お~っす」

電車釣行の平田さんが現れ、さっそくボートを借りる手続きをする。

「ちょっと北風がねぇ」と船宿主人の表情が冴えません。「一人乗りと違って、二人乗りは転覆しやすいから気をつけてくださいね~」。筆者は「これくらいないら大丈夫でしょう」と意に介さず。

前回は主に筆者がボートを漕いだので、事前の打ち合わせで、今回は平田さんに漕ぎ手をお願いしていました。小さなボートの後ろに重たい道具箱を積み、その横に陣取ります。

コマセのイワシミンチはバケツ1杯500円。もちろん今回は2杯買いました。前回は1杯で泣きをみたので。

いざ、出発。

さすがは平田水軍、グイグイ進んでいきます。ボート後部は楽チン。もうワクワク、楽しさしかないわけです。

なんだ、波は静かじゃないか……。

当たり前です。まだ漁港内です。港は東西から延びるテトラ帯と堤防で囲われ、小さな入り口にフタをするかのように短い沖堤防が配置されています。

大津漁港は堤防とテトラ帯、短い沖堤防に守られている(Googleマップより)

風波にほんろうされ……

沖堤を過ぎて沖へ出ると、海の様子ががらりと変わりました。

むむっ。風強・波高。

ボートはかなり揺れます。波はへさきの方から来ると大丈夫なのですが、横っ腹にぶつかるとひっくり返りそうで、かなり恐い。

これって、ふつうにヤバいのではないか?

平田水軍はパワーに物言わせ、きょうの攻め手をとうとうと語りつつ、力強く進みます。船宿主人の「アジは武山根(たけやまね)あたりかなぁ」というアドバイスに従って、ひたすら東を目指します。

ここで、わが秘密兵器、例の魚探が登場。

丸い発信器を海に浮かべ、手もとの受信機のディスプレイで深さや海底地形、魚の有無を知ることができるという優れもの。前回は発信器にハリス用のフロロカーボン5号をつないで引いていたら、釣りをする前に切れて発信器が漂流、回収するという失態を演じました。きょうは太いたこ糸なので大丈夫です(汗)。

それにしても、海が荒れているなぁ。大波に肝を冷やしながらどれくらい漕ぎ進んだか。ヤマだてに加え、魚探の水深変化で根を探り当てます。

アンカーを下ろすと、ボートは北風で南へ流されていきます。綱が延びきって落ち着く……と思いきや、高い波で遊園地の遊具のごとく上下する。予報では、じき風が弱まるはずでした(しかし予報は外れ、風は吹き荒れ続ける!)。

浸水事件

すのこの下にどんどんたまっていく海水!

さて、釣りの準備。船べりにロッドキーパーを据え付け、いざ仕掛けを投入しようかというときでした。

あれ?

・・・・・・。

なんだ、これは?

ボートの中にかなりの海水がたまっています。

状況を確認すると、わたしの体重プラス重たい道具箱のせいでボートの後部が深く沈み込み、波やうねりで揺れに合わせてドボドボ海水が流れ込んできているという……。恥を忍んで告白すれば、わたくし80kg超のメタボ体型です。

船底にたまる海水の重みでボートが沈み、流れ込む量か増える――という悪循環。このままでは、沈没するかも。

「ヤバい、ピンチだ!」

わたしは裏返りそうな声で叫びました。

「後ろが沈んでどんどん水が入ってくる!」

快活にしゃべっていた平田さんは「なに!?」と険しい表情に一変。

「割烹さんが前にくるしかない」

「すぐに場所を替わりましょう」

すべての作業を中止。まず、道具箱を平田さんに手渡し、前の方に置いてもらう。次に体を移動。うねりで揺れる不安定なボート上で、転覆しないよう慎重に場所を交代します。

これで後部が軽くなり海水流入はストップ。ボート中央のスノコを持ち上げると、かなりの量の海水が入っていました。

釣りどころではありません。スノコを垂直に立て、それを互いに片手で支えながら、もう片方の手でバケツなどを使い、必死に水を掻き出します。

オッサン2名、海上でいったい何をしているのか。外から見れば滑稽でしょうが、当事者は必死です。

「割烹さん、痩せなきゃだめですねぇ。これは海神様からのメッセージですよ」

あぁ、情けない(涙)。返す言葉が見つかりません。

アジ群来ず、お通夜状態に

30分近くも時間をロスし、ようやく仕掛けを投入します。ここは大津沖のポイントの一つである武山根の手前。沖にいくのは危ぶまれたので、手前で釣りをしている人のそばにつけたのです。

すると、すぐに平田さんの竿にアタリ。

上がってきたのは……前回と同じく小さなメバルです。

平田さんは写真を撮ってすぐにリリース。

アジよ、いざ来たれ、とばかりにアンドンビシにコマセを詰めて投じます。しかし、来るのは小サバや豆アジばかり。サバは手のひらサイズでどうにもならない。一尾だけ中アジを平田さんが釣ったものの、待てど暮らせどアジの群れは現れません。

こうなると、当然ながらテンションはダダ下がりです。

ふと見ると、釣りに関しては多弁と多動力を誇る平田さんがじっと押し黙っているではないか。釣りの動作も緩慢です。

「どうしたんですか?」

「いやぁ、酔ってきちゃいました」

「大丈夫ですか?」

「吐くほどではないんですが……。薬を飲まなかったんですよね。いやー乗る前に飲んでおくだったなー」

恥ずかしながら、筆者は生まれて一度も乗り物酔いの経験がありません。

寝不足だろうと、二日酔いだろうと、シケの海だろうとなんともない。

船酔いはどんな感じなのかと平田さんに聞くと、酒を飲みすぎて吐きたくなるときの気分だという。なるほど。それなら過去に1千回は経験しているな。

1時間ほどイワシミンチのコマセを撒きましたが、アジ群は来ない。押し黙るオッサン2名。

「平田さん、場所を変えましょう!」

顔が土気色のORETSURI編集長に、わたしはきっぱりと宣言しました。今やこのボートで漕ぎ手は自分しかいないのです。なにしろ後ろに乗ったら船が沈む(涙)。

うねりの強い海上で、手漕ぎ界隈では有名な大津の超重たいアンカーを上げます。武山根から少し港に戻る感じで次のポイントを目指します。いわゆる「排水口前」。

遠くかすむ馬堀海岸の護岸に点々と設けられた排水口が目印です。「前」と言っても岸から120mはあるでしょうか。


2回の大津沖調査でアジを狙ったポイント(まるまつ丸公式サイトより)

港側から二つ目の排水口前に二人乗りの中高年手漕ぎ兵がいて、どうやらサビキでアジが釣れているようです。

このボートからいったん50mほど北風に逆らって沖へ漕ぎ、アンカーをドボン。北風に押し戻され、釣れている先客のそば(20mほどの距離)にボートを位置取りしました。

アジの群れに当たり、スイッチ入る

仕切り直しです。

筆者の仕掛けは、天秤&アンドンビシ25号(自作)&10号ムツ3本針。ハリスはフロロカーボン1.5号。東京湾の乗合船で主流のライトタックル(LT)とほぼ同じです。

針の餌はアオイソメ。サビキ仕掛けも堤防やボートのアジ釣りでよく使われますが、針数が多くて扱いづらく、筆者の好みではありません。

水深は23m。コマセをたっぷり詰めて投入します。基本に忠実に底立ちから1mほど巻いて、小さくしゃくり、さらに仕掛けの長さ分を巻き上げる。5分も待たずに「グン、グン」という、特有の抑制的なアタリ。来たぞ、来たぞ! 間違いなくアジだな。

巻き上げたビシをつかんでハリスを引っ張り上げると、金色の魚体が水面から身を躍らせ、足もとに飛び込んできました。

20cm前後でしょうか。申し分のない大津の金アジです。「うわっはっは! おれは君を待っていたんだな!」と、思わず声も出ます。

隣で平田さんのテンションも急上昇。すっかり顔色よくなっているし(笑)。

先ほどまでのお通夜状態はどこへ消えたか。釣り人というのはこのように現金な人種ですが、とにかくよかった!

魚のほうは完全にスイッチが入った状態で、仕掛けを下ろすやいなやアタリ。

ボートの真下にアジの群れが定着し、コマセ煙幕の中で乱舞する。この群れの興奮と狂気が釣り人に伝染する。それこそがアジ釣りの魅力ではないか。

前回はようやく群れを見つけ、魚のスイッチが入ったときにコマセ切れで強制終了という失態を演じていました。今度こそ釣って、釣って、釣りまくるのだ!

筆者はアジ釣では、乗合船でライトタックルも、100号超のビシを使うノーマルタックルもかなり経験を積んでいます。しかし手漕ぎボートでアジを本格的に狙うのは大津が初めてでした。

ボートで群れに出会うのは苦労しますが、乗合船に比べ魚との距離が圧倒的に近く、迫力が段違いです。ダブルでかかると穂先が海に刺さって見えない。取り込みでは目の前でアジが海から跳ね上がり、こちらのテンションも跳ね上がる。

なんというか、アジ群の狂気が直接ビリビリと伝わってくる。これは、乗合船では味わえません。

泳がせに予想外の魚あらわる!

アジはいつまでたっても釣れ続けます。手返しは乗合船よりも速く、水面から抜き上げる距離も短いためバラしも少ない。バケツに魚がどんどんたまっていきます。

今回の釣行はリベンジ、すなわちボートでアジを狙う釣趣を味わい、経験値を上げるのが目的であり、まさにそれを達成しつつありました。

一方、ORETSURI編集長はアジを上げながら2本目の竿を置き竿にしてアジの泳がせ釣りをしています。

何度も大津を攻略しており、金アジを釣ること自体は経験ずみ。大津の可能性を広げようと多角的な調査に挑んでいます。筆者の一歩先をゆく「平田総研」ですな。

泳がせ釣りでは海の底に張りつくマゴチやヒラメ、回遊する青物が期待できますが、パラシュートアンカーなどで流すのが鉄則。筆者は内心、「気持ちは分かるが、ボートを固定して釣果は望めないだろうな」と思っていました。

ところが、どっこい。

「おおっ」。しばらく泳がせたのちに仕掛けを上げて平田さんから驚きの声が……。見ると、泳がせていたアジが頭だけで、胴体がザックリ食われている。

その鋭さから見て、タチウオの仕業のようです。回遊してきているのか。

さらに泳がせを続けるうちに、平田さんが「タチウオだ!」と声を上げました。巻き上げたアジに食らいつく細く長い銀色の魚体が、水面に浮かんでいる!しかし、タモを渡す間もなくギラッという輝きを残して海の中へ消えました。

うひゃ、これはすごい。泳がせでタチウオなんてあまり聞きません。

筆者もタチウオを釣りたいともよおし、飛び道具を準備。釣れ続けるアジに見切りをつけ、スピニング&ジグでタチウオ探索を開始しました。

「泳がせのアジにトレブルフック(3本いかり)の孫針をつけたら取れるかもしれない」と平田さん。タチウオ針のように軸が長くないのでハリスを噛み切られる不安はあるが、とれる確率は上がるでしょう。

平田さんもいつの間にか泳がせの置き竿と平行してタイラバを投げ始めました。ジグに来るか、タイラバに来るか……。二人で集めたアジの群に、神出鬼没のタチウオの群が寄ってきているはず……ですが、アタリは出ません。

・・・

「割烹さん、そろそろ午後2時半です。3時半までに戻らないと」

「なるほど。では2時40分までやりましょうか」

・・・

「そろそろ2時50分ですね」
「じゃあ3時まで」

・・・
・・・
・・・

結局、タチウオのアタリを出せないまま、心臓破りのアンカー上げたのは3時15分。

「この世で忙しい蕎麦屋の出前と釣りびとの納竿時間ほどあてにならぬものはない」(「釣りびとの習性」金田一魚編著 民明書房刊)

帰着時刻に遅れると釣果が無効となり、魚が没収される……というのが、厳しい「国際手漕ぎボートルール」。またもや猛烈な勢いでオールを漕ぎます。

今度もまた3時半きっかりに到着。没収は免れました。

大津の手漕ぎボート釣り、2回の調査でわかったこと

大津の金アジ

2回にわたる大津調査で得た成果は小さくありません。最大の成果は、大津沖のボート釣りで、上質の金アジがテッパンだということが分かったこと。

最後に、平田総研(@tsuyoshi_hirata)がツイッター上で公表した大津リポートを引用しておきます。

<大津でアジを狙う際は、まずコマセはイワシミンチ一択。アミエビと異なり、濁りを演出できるのは大きい。餌はイソメのみ。あと粘りすぎず移動が重要。コマセで寄せるとしても、寄らなければ1時間以内で移動。ポイントは、各排水溝沖150mぐらいか、武山出し、ガレ場のいずれかでだいたい釣れる>

<昨日、大津の海は体感的に澄潮。だからタチウオのバイトも多かったのかなと。ハリス細めの1.5号が大サバもなんとかあげられるし、良いんです。入れ食い時は2号にし、一気に数を伸ばしたい時はエサのアカタンを持参するとよいのでしょう。食うならそのままで>

<大津でタチウオを釣るときは泳がせより他の釣り方が良いと思うんですが、もしヒラメやワラサと合わせて釣る場合はトリプルフックの孫バリ必須かなと。今回湾内ワラサ狙いで鼻がけしていたところ、毎度がぶりでした。身がもげちゃうから食い込まないわけです>

<大津の根周りは一投目にメバルが釣れることが多い。全部リリースサイズだけど。カサゴがいるときはカサゴから。そのうち、コマセを撒いていると、周辺から黄アジがわさわさ湧いてきて入れ食う。そんで根といってもゴツゴツしているのは一部でだいたい砂泥が積もった瀬みたいなもんだなと>

<あとこの大津のメバルはアジビシ仕掛けだから警戒して小型がしか食ってこないのかもという疑いもあるんですよね。ハリス0.6~0.8号ぐらいの胴突き仕掛けでモエビでやってみたいなと。モエビは川で確保しておき。意外に尺メバルが釣れちゃったりしないかな>

<ビシの着底衝撃でメバルが散るわけですよ。が、ちっこいのは警戒心が薄く、それでも食ってくるという。イソメの短いやつで、ムツ針の金針という目立つやつに食ってくるんでね。ハリス2号の。このあたり工夫するとまた違う大津の攻め方もあるんじゃないかなと>

それではみなさん、大津沖でまたお会いしましょう!

寄稿者

釣人割烹(@tsuribitokappou

お世話になった船宿

大津港・まるまつ丸

関連アイテム

▼大津のボート釣りではイワシミンチを使い、30号オモリのアンドンビシの吹き流し仕掛けがオススメ。サビキよりも大型が釣れやすくなります。アミエビをつかう場合、プラカゴが有利。コマセ切れ・餌切れに備えて、パワーイソメやアミ姫を常備しておくのもよいでしょう

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