海釣りでつかった釣り竿とリールって意外とテキトーにメンテしがちですよね。
よく「買ってからすぐにリールが壊れた」と口にする人がいるのですが、詳しく聞いてみると釣行後にノーメンテだったり。
そういった人のリールや竿を見せてもらうと、餌や鱗などの汚れがついたまま何度も釣行を重ねていたりします。
「竿やリールがぐに壊れたり劣化してしまう」のは、もしかして自分のせいかもしれません。
今回は海釣りの後にやっておきたい釣り竿とリールのメンテナンス法を紹介します。
釣り竿のメンテナンス
グリス切れ&ドラグをゆるめた状態でリールに波をかぶる場合は、内部に海水が侵入しやすい
海でつかったらすぐに全体を真水で洗う
釣行後の釣り竿はそのまま放置しないで、流水で洗い流しましょう。
汚れや塩分をそのままにしておくと、やがて固着してしまいます。
船釣りの場合は、船宿の流しでさっと洗い流してから帰宅するのも一つ。コマセ釣りの場合は、汚れが固まりにくくなります。
魚の鱗・ぬめり・血がこびりついた場合も、早めに洗い流しておくのがベストです。
海水で使用した場合、リールシート部分のネジが固着することもあります。
スクリューをゆるめてネジ部分の海水やゴミも洗い流してきれいにしておくのも忘れないでおきましょう。
船釣りの場合、2Lのペットボトルに水道水を持参し、沖上がりアナウンスがあったタイミングで竿やリールをざっと洗い流しておくのもおすすめです。
ガイドを掃除する
きれいなガイド。ガイドの付け根に小さい穴があるタイプは汚れが詰まりやすい
ガイドまわりは特に汚れが蓄積しやすい傾向にあります。
毎度の釣りのあとにシャワーで竿全体を洗い流していても、ガイドの汚れはどうしてもたまっていきます。
コマセ・藻類・ゴミ・赤クラゲの触手・砂・塩分などが複合して固着していきます。
乾燥した汚れは固くなりヤスリのようになり、PEラインの摩耗や傷につながり、高切れの原因になってしまうかもしれません。
TOPガイド付近の汚れは、穂先にPEラインなどが絡む原因にもなります。
ガイドのリング部分は、軽い汚れならばアルコールを含むウェットティッシュや綿棒できれいにしましょう。
シャワーを流しながらタワシや歯ブラシをつかうのも効果的です。
固着してしまった汚れについては、ぬるま湯につけて柔らかくしてからきれいにしていきます。
中古釣具店で購入した釣り竿(清掃をしないで販売する事業者の場合)に見られる固着汚れもこうしたメンテナンスが有効です。
ガイドのリング割れをチェックする
TOPガイドがSiCでなくハード系ガイドの場合、ふとした衝撃で割れが生じやすいので注意が必要です。
割れているガイドをつかうと、高確率で高切れの原因になります。
ガイドの割れは修復できないので、ガイドごと交換しましょう。
ガイドの防錆
コーティングの隙間から海水がはいり、中長期的にはステンレスも錆びる
ガイドの汚れをきれいに落とした後は、ガイドフットの防錆をしましょう。
多くのガイドはステンレス製なので、すぐにサビることはないのですが、ステンレスは錆を完璧に防ぐわけでもありません。
特にコーティングが割れたり、隙間ができるとスレッド部分に海水が浸透しいつまでも残存するので錆びやすくなります。
一旦サビると、ガイドを取り外してピカールなどで磨いてからメンテナンスする必要があります。
サビる前にガイドの防錆をしておきましょう。
錆びてしまったガイド。このレベルは交換が妥当
ステップは以下の通り。
- ガイド部分を乾燥させる
- コーティング(ウレタン・エポキシ)の割れがないか確認する→もし割れがあったらコーティングし埋める
- ガイド無溶剤タイプのシリコンスプレーを拭いて乾いた布で拭きとる
以上、簡単ですね!
※ガイドフットのコーティングは強い負荷がかかったときに自然にひび割れたり隙間ができます。
<ガイドメンテのアイテム>
グリップの汚れを取る
釣り竿のグリップは以下の汚れが付着します。
- 餌(つけエサ・コマセ)
- 魚のヌメリ
- 手垢
特にコマセ類は油分を含み、一旦しみ込むとしつこく臭いもでます。毎度しっかり洗い流しましょう。
梅雨時や秋の長雨時はカビの原因にもなります。
ぬるま湯程度の水をつかい、油分に強い台所洗剤をつけてスポンジやたわしで丁寧に洗うのがおすすめです。
※消しゴムでも落ちますが、油分のある汚れはこの方法がベストです。
竿(ブランクス)の塗装やコーティングの剥がれを補修する
竿をぶつけると塗装がはがれ、強度劣化以外に見た目も悪くなってしまいます。
塗装も最初は小さな剥がれでも、だんだんと海水等の浸透で剥がれが広がります。
塗装の剥がれを見つけた場合は随時コーティングしておきましょう。
▼竿全体はシートタイプの艶出しワックスをつかうとくまなく拭けて便利。全体を吹き上げるタイミングで傷などを再度確認していくと、タックルの状態(例「穂先部に深めの傷があるからここから折れるかも・・・」)が分かりやすいです。
リールのメンテナンス
ドラグを締めて流水で水洗いする(各メーカー指定の方法)
冷水シャワーで洗う
海釣りでつかったリールは塩分が固着する前に冷水シャワーで洗い流しましょう。
「お風呂に入ったついでに洗っちゃおう」と、お湯でリールを洗うとグリスやオイルが流れやすくなるので水をつかうのが基本です。
<海でつかったリールの洗浄方法(両軸リール)>
- ドラグをしっかり締める
- ハンドルを回しながら全体を洗う
- 逆さにしてレベルワインドを洗う(両軸リール)
- クラッチを切ったり戻したりを繰り返しながら洗う
- 水をきってドラグをゆるめ筐体下部の水抜き穴を下にして陰干しする
▼リールが完全に海水に沈んだ場合ドブ漬けして洗浄する方法もあります。
リールのドブ漬け&ハンドル回転は自己責任で
水抜き穴を下にして完全に陰干しする
レベルワインド部分の詰まりや汚れを確認
レベルワインド=スプールに糸を平らに巻く仕組み。写真はグリス切れ状態
リールのレベルワインド部は外部に露出している駆動部のためグリスが切れやすいパーツです。
気づいたらグリスが切れていることがよくあります。
また、道糸に近いため海中から糸に絡んでいたゴミが挟まっていることもあります。
つまりや爪楊枝などで取り除き、注油しておきましょう。
※ハンドルを回転させウェットティッシュなどを巻き込むと取り除くのが大変なので注意しましょう。
純正オイル&グリスでメンテナンスする
海水で使用した場合、釣行3回に1回は注油しましょう。
リールに注油するときの注意点は以下の通り
- CRC556をギアやレベルワインド等に注油するとグリスが落ちるので使わない
- 純正オイル&グリスをつかい、指定か所に指定量注油(特にグリスは巻きが重くなるので少量)
- ボディ下部の水抜き穴から注油しない(量によってドラグすべりの原因になることも)
▼メーカーの純正オイル&グリスには適した注油箇所と量が記載されています。
▼オイルを塗りすぎた場合、オイルを拭うときはパルプ屑がでないキムワイプがおすすめ
▼金属粉等を含むオイルやグリスはパーツクリーナーをつかって清掃する
オーバーホールに出す
リールも1年以上使用していくと、部品の劣化から巻心地が極端に悪くなることもあります。
日常的にメンテナンスしていればいるほど長持ちしますが、それでも部品は劣化していくものです。
メインギアの摩耗や欠け、ワンウェイクラッチの劣化(ハンドル逆転の原因)など、手に負えない部分はメーカーへオーバーホール依頼しましょう。
近隣の釣具店がメーカーメンテナンスの窓口です。
>>>シマノ・オーバーホール関連ページ
>>>ダイワ・オーバーホール関連ページ
まとめ
安価なリールでもメンテナンス次第で5年は使える
今回は海釣りでつかった釣り竿とリールのメンテナンス方法を紹介しました。
日常メンテナンスを丁寧にすれば、釣り竿はやリールは意外と長持ちします。
安価な入門用リールでもきちんと使えば、5年以上使えることも。
筆者も約5年前に買った船用両軸リール「17ゲンプウ」をまだ問題なくつかえています。
みなさんが釣り竿とリールを長く使うための参考になれば幸いです。