気軽に楽しめるハゼ釣り。
ハゼ釣りと言えば、「マハゼ」をターゲットにするのが一般的ですが、その他のよく似た種類のハゼも釣れ、よく混同されています。
今回はマハゼ釣りでよく釣れてくる、ハゼの種類・特徴・見分け方について紹介します。
マハゼ
晩秋、深場に落ちる手前のマハゼ。天ぷらで美味
夏場釣れるデキハゼと呼ばれる小型のマハゼ
まずは、マハゼから。
日本全国の内湾から汽水域に生息しています。
釣り場によって色味が異なるものの、やや飴色をしていて、頭部が大きくスマート。黒い斑点が不規則についています。
季節によってサイズは異なり、最大で20㎝強。
夏場は小指から人差し指程度の大きさの個体が多く、後述のチチブ類と混同されやすい傾向に。
食用としても一般的で、小型は唐揚げ、大型は天ぷらや佃煮(焼き干し後、甘辛くにつける)などにされます。
チチブ・ヌマチチブ(通称:ダボハゼ)
比較的高齢の釣り人が汽水域で「ダボハゼ」と呼ぶときに指す魚は「チチブ」か「ヌマチチブ」です。
両者はよく似ていて、生息域が重なるのですが、チチブのほうがやや淡水域まで展開する傾向にあります。
「チチブ」か「ヌマチチブ」はほぼ同一なのですが、チチブのほうが背びれの糸状パーツが長いのが特徴。
マハゼとも生息域が重なるので混同されやすい魚です。
マハゼより胴体が短く、ずんぐりむっくりしていて、最大でも大人の人差し指程度。
夏場に産卵シーズンを迎え、石の下などに卵を産みます。初夏から盛夏にかけて釣った小型のハゼが抱卵していたらチチブかヌマチチブです。
5~7月、テナガエビの穴釣りをするとよく釣れるのはチチブ類
梅雨時、テナガエビシーズンと産卵シーズンが重なり、婚姻色なのか黒ずんだ大型の個体がよく釣れます。
小型で淡白な味わいなので、内臓をだして、唐揚げにするのが一番美味しい食べ方です。
天ぷらするには、サイズ感が足りません。ガサガサなどで捕獲した幼魚はまとめて佃煮にするのがおすすめ。
ウロハゼ
ウロハゼもマハゼと生息域が重なるのですが、砂泥底よりも、岩などの障害物が多いところに生息しています。
マハゼと柄がよく似ていますが、サイズはウロハゼのほうが長く太くなり、大人の手のひらを超えるサイズもよく釣れます。
特に、夏場マハゼが「デキハゼ」と呼ばれる小型主体の時期でも、ウロハゼは最大25㎝ほどのサイズ感なので、マハゼの2年個体「ヒネハゼ」と混同されることも。
上がウロハゼ、下がマハゼ(夏場)
釣りあげて時間がたつと、マハゼのような色合いから一転、黒ずんでくるのも特徴です。
同じ時間に釣ったハゼでも、ウロハゼ(左)は黒くなる
食味はマハゼとほぼ変わらず、天ぷらにも適していますが、骨だけはやや硬い傾向。
チチブ同様、夏場に釣った個体は抱卵していることもしばしば。
ゴクラクハゼ
ゴクラクハゼは、河川の中流域によく生息しているのですが、汽水域でも釣れる魚です。
夏場に釣れる個体はデキハゼとサイズ感がよく似ているので混同されやすく、ガラもよく似ています。
マハゼとの違いは、体表に点在する瑠璃色の斑点です。
アカオビシマハゼ
アカオビシマハゼは河口域によく生息しているため、ハゼと混じって釣れてきます。
最大で小指ほどのサイズで、横縞があるので、比較的判別しやすい種類
ドロメ
マハゼを釣っていると、頭の部分が新幹線のぞみのような形状で、目がつぶらなハゼが釣れることがあります。
あれ、これは珍しいハゼじゃないか。
これはドロメです。ちなみに、高知ではシラスのことをドロメと呼びます。
ドロメは口がデカイ
口がかなり大きく、柄も異なるのでマハゼとはすぐに見分けがつくはず。
まとめ
ウロハゼの洗い
今回は人気のマハゼ釣りでよく釣れるハゼの仲間の見分け方や特徴について解説しました。
ハゼもいろいろいますね。内湾で釣れるハゼはさらに多岐にわたり筆者でも容易には見分けがつかない個体もいます。
マハゼ釣りで、よく見間違えやすいのは、ヒネハゼ(2年目のマハゼ)とウロハゼ、デキハゼ(ハゼの若魚)とチチブ類の違いかと思います。
とはいえ、間違っても恥ずかしいことではありません。
一つ一つ魚は種類を覚えていけばよいのだと思います。
それに、ウロハゼもチチブもちゃんと処理して鮮度がよいうちに料理すれば美味しい魚です。