楽しい船釣り。貸竿からマイタックルを考える頃に浮上するのが「両軸リールのハンドル向き問題」です。
たとえば右利きで考えたとき「右巻きと左巻き」については、どちらがよいのか悩みますね。
今回はそんな船釣りにおける両軸リールのハンドル向きについて解説します。
両軸リールの「右巻き左巻きどっちがおすすめ問題」について
或る人は「右巻きがおすすめ」といい、或る日とは「左巻きがおすすめ」といい
船釣りは船下を狙うバーチカルな釣りが大半です。
また、水深があるため岸釣りと異なり比較的オモリの号数が重いのも特徴です。
乗合船ではオマツリ対策の意味合いもあり、コマセカゴ等のオモリ号数も重めに指定されます。
これらの理由から、船釣りでは上下にタナをとりやすく、巻き上げ力が強い両軸リールが主要です。
スピニングリールは、トラブルなくキャストするのに適しています。
一方、ハンドルとスプール向きが垂直になるため、ギアによる力の伝達では両軸リールに劣るのです。
スピニングリールはハンドルの向きを自由に変えられる
両軸リールはスピニングリールと違ってハンドルの巻き手を変えることができません。
そのため、巻き手を決めてから購入することになるのですが、不慣れな場合、何となく選んでしまいがちです。
多いのが以下の理由です。
「たまたま左巻きリールの在庫があり安かったから」
「自分の先輩が左巻きがいいといっていたから」
「みんな右巻きをつかっているようだから」
理由は様々です。
右ハンドル(利き腕巻き)がおすすめな理由とは
右利きの場合、こだわりがなければ右巻きが快適
筆者は聞かれた場合、船釣りの両軸リールでは右ハンドル(利き腕巻き)をおすすめしています。
具体的には、以下3つの理由があります。
- 利き手の方が巻き上げ力が強いから(疲労しづらい)
- 利き手の方がスムーズにハンドルを回転させることができるから(多くの人がギクシャクしないで巻きやすい)
- 細かいロッド操作は左手にもったロッドを「右手で補助操作する」で十分と考えているから
船釣りの場合、ロッドを細かく操作する釣りものでは、利き腕でロッドをもって操作するのが有利とされます。
カワハギ釣りは左巻き率がやや多くなる釣り物。とはいえ全体的には右巻き率の方が多い
カワハギ、エギタコ、タチウオなどなど。
こうした釣り物では、普段右利き右巻きの釣り人でも左巻きを選ぶことがあります。
わたしの場合、ロッド操作は上記3の理由で右手でバットを支える等で補助できているのであまり左巻きを選ぶ重要性を感じていません。
右ハンドルと左ハンドルを併用する釣りもある
2本竿では右ハンドル・左ハンドルを併用することで釣りやすくなる
他に2本竿で狙うことで釣果が伸びやすい釣り物もあります。
マゴチ、夜アナゴなどなど。
こうした釣り物では釣り座を中心として、左手に右ハンドル、右手に左ハンドルのリールをつかうことで、より快適に釣りができるというメリットもあります。
マゴチ釣りでは基本的に1本手持ちで、もう1本を置き竿にします。(2本手持ちの人もいます)
アタリへの反応速度という点で、人によっては右ハンドルと左ハンドルを併用するわけです。
夜アナゴでは小突き釣りや投げ小突きが主流です。
両手に竿をもって小突くとき、パーミングした手の指を伸ばしてハンドルを動かし、ラインのたるみをとることがアタリを多く出すことにつながります。
右利き左ハンドルの方が巻きやすい人も確かにいる
右利きでも左巻きのほうがスムーズに巻ける人もいる
さて、船釣りの両軸リールなら、右利き右巻きをおすすめしているのですが、右利きでも左巻きが適している人を見かける場合があります。
こうした人は器用なので、両利き気味の傾向があることもしばしば。
釣り慣れていない人が、右利きで左巻きリールを巻くと以下のようなことが起きます。
- 巻きが円状にスムーズにできず「ギクシャク巻き」「カクカク巻き」になってしてしまう
- 大物が掛かったときに巻き上げに力が入らなくなる(巻き負け)
一方、右利き左巻きに最適化されている人の場合、巻きもスムーズですし、大物に対してもそうそう巻き負けすることもなく釣りが成立しています。
多少巻き負けしそうでも、ポンピング(竿の力で魚をうかせて、リールで巻き取る)によってカバーしている場面もあります。
これらの人をみていると、比較的腕力が安定している大人男性がほとんどです。
こうした釣り人に、「右巻きの方がおすすめ」という意味はありませんし、本人がやりやすいように巻くのが一番だと考えています。
まとめ
今回は「両軸リールのハンドル向き問題」について解説しました。
日本人は右利きが9割程度です。
理屈では釣り人も約9割が右利き。そして負荷のかかる巻き上げは利き腕で行ったほうが快適です。
一方、人によっては右利きでも左巻きの方が快適と言う人もいます。
そう、両軸リールの巻き手も人それぞれなのです。
重要なのは、何も考えずに右巻き左巻きを選ぶのではなく、自分にあった巻手を自分の頭で考えて選ぶことなのだと思います。
先輩が「左巻きがいい」「右巻きがいい」と言っているのはいったん鵜呑みにしないで、自分の手で高負荷でも快適に巻きやすい側のハンドルを選ぶとよいでしょう。