神奈川県葉山町の森戸海岸は海水浴で有名ですが、釣り人にも人気のスポットです。
今回は森戸海岸周辺の釣り場とルールを解説します。
森戸海岸のロケーションと特徴
森戸海岸は南に森戸川が流れ込み、河口にある導流堤の対岸に森戸大明神と裏磯が伸びています。
また、北に葉山港(葉山マリーナ)に近づくと諏訪海岸という磯場混じりの砂地が広がっています。
岸よりは満潮時でも2m未満と遠浅なものの、地磯・河口・堤防・サーフと様々な要素が融合しているため多くのターゲットを狙えます。
電車でのアクセス
JR逗子駅、京急逗子・葉山駅からバスで10~15分程度。海水浴シーズン中は混雑するため2倍程度かかることも。
装備が軽ければ、駅から歩いてしまうのも一つ。逗子・葉山駅から歩いて35分程度です。
※京急逗子・葉山駅南口側のセブンイレブンでは釣り餌・釣具は手に入りません。
車でのアクセス(東京方面からの場合)
品川駅から森戸海岸まで1時間10分~30分程度(道路がすいている場合)
首都高→横浜横須賀道路→逗子IC。
森戸海岸の施設概要(営業時間・駐車場)
森戸海岸では24時間釣りができます。
ただし、海水浴シーズン中は海岸中央部遊泳区域での9時00分から17時00分まで釣りは控えましょう。
駐車場は逗子側(北側)から以下の通り。
- 葉山マリーナ 駐車場
- オーク駐車場葉山第1
- 三井のリパーク 森戸海岸第3駐車場
- NTTル・パルク葉山第1駐車場
- 三井のリパーク 葉山元町駐車場
- タイムズクリエイトエス・ディー葉山堀内店
- 三井のリパーク 森戸海岸第2駐車場
ちなみに、パーキング数は多いものの、夏から秋はどこもすぐに満車になるので注意が必要です。
森戸海岸周辺のポイント解説(釣り場の特徴)
森戸海岸周辺を4つにわけて紹介します。
それぞれ隣接して1日で十分回れますが、特徴が異なるのでタックルや仕掛けなどに工夫が必要です。
A:諏訪海岸(一部砂地、磯場中心)
干潮時の諏訪海岸。磯場メインでスポット的に砂地がある
諏訪海岸は森戸海岸北部から葉山マリーナにかけての地域です。
森戸海岸側は30~40m程度の距離まで砂地が広がるエリアがあり、7月~9月までの水温が高いシーズンはちょい投げでシロギスが狙えます。
葉山マリーナ側(諏訪防波堤側)は干潮になるとほぼ干上がり、大潮干潮では釣りになりません。
その分、干潮時にウェーダーを履いて、沖側のブロック護岸にわたって釣りをすることもできます。装備や潮汐を十分意識する必要があります。
森戸海岸側にある防波堤は元町堤防と呼ばれているのですが、周辺を黒鯛が回遊し、先端はアオリイカが出入りする潮の道になっています。
冬場のメバルはナミノハナがメインベイト。春になるとカタクチイワシが増える
周辺は磯遊びも人気。漁業権侵害に当たる種類は獲れないので注意
黒鯛の蟹餌は諏訪海岸側で調達しやすい。石の下を狙おう
B:森戸海岸(全体が砂地。キス狙いが基本)
森戸海岸南端付近から見た葉山港方面
森戸海岸は全面砂地です。
かなりの遠浅で、比較的上げ潮から差してくる魚や満潮前後にとどまる個体を狙うと釣果を得やすいポイントです。
7月~8月中は例年海水浴場が開設され、中央部では9~17時まで釣りができません。
高水温期はシロギスを中心としたちょい投げが人気です。
春から秋までイワシが接岸しているときは、シーバス、イナダ、ソーダガツオなどもよく釣れます。
地形に変化も少なく、ベイトがいないときは、全く期待できません。
森戸海岸からみた諏訪海岸方面
七桶堤防と呼ばれる沖堤防。夏場は泳いで渡る人も。夏場なら周辺でキスがよく釣れる
七桶堤防付近は手漕ぎボート出船場所のため6時~と14時以降は場所をあけたい
C:森戸川河口(森戸海岸付近で一番魚影が濃いが、混み合う)
森戸川河口はプランクトンが豊富でイワシ・サッパなどの小魚があつまりやすく、つられてフィッシュイーターもよく釣れるスポットです。
森戸大明神裏つづく磯場の影響もあり、魚影が特に濃いのが特徴です。
導流堤の上にのって釣りをすることになりますが、比較的フラットで足場は安定しています。
一方子連れの場合は、落水リスクもあるのでライフジャケットを装備したほうが安心です。
導流堤沿いは黒鯛が特に多く、朝夕は特にブロックまわりでイソスジエビやカニ類などの餌を探す個体を多くみます。
一見カサゴ・ムラソイ・ギンポなどの魚影が濃いように見えますが、特に叩かれやすいポイントのため根魚はほぼ期待できません。
先端部はキス・回遊魚・シーバス・マゴチ・ヒラメが狙え、森戸海岸側のサーフエリアはキスがよく釣れます。
海岸側は沈み根が多く、場所を確認しながら仕掛けをさびくとよいでしょう。
夏の終わりごろ、根周りをちょい投げで狙っているとカワハギが釣れることも。
フィッシュイーターをルアーで狙う場合は満潮からの下げに合わせて釣行するのがおすすめです。
流下するベイトを底上で待ち構えている個体を狙いましょう。
9月以降はメッキも多くなり、小型のシンキングミノーの早引きなどで狙うことができます。
導流堤は比較的フラット
途中一カ所、下がるところがあり、潮位によっては濡れることも
夏場海水浴場が閉まる17時以降はサーフ側のちょい投げでキスがよく釣れる
導流堤先端、葉山港側には沈み根があるため沈むルアーなどは注意
朝夕はブロックまわりに黒鯛やメジナが特に多い。カサゴやムラソイは小型中心
導流堤先端沖目はルアーの好ポイント。ヒラメやマゴチも釣れる
森戸大明神側への遠投は根がかり必至
森戸川河川内はシーバス・黒鯛・メッキ・マハゼ以外は狙いづらい
D:森戸大明神裏
森戸大明神裏は磯場が沖目に長く続き、所により砂地・砂利底です。
シロギスなど底者も狙えますが、根がかりが多くなるため、ウキ釣りで黒鯛・メジナ・ウミタナゴをメインにねらうのがおすすめです。
潮位によっては沖目を狙える釣り座に渡れ、釣果が伸びます。森戸川方面は下げ潮を狙うのがおすすめ
森戸海岸周辺でよく釣れる魚
キス釣りが手軽で人気
サビキや餌釣りで釣れる魚
森戸海岸周辺の餌釣りで狙って釣れる魚は以下の通り。
- クロダイ(~45㎝)
- メジナ(小型~25㎝程度。夜間は大型が狙える)
- シロギス(森戸海岸周辺で一番人気)
- メゴチ
- イシモチ(雨後の森戸川河口)
- ヒイラギ
- イワシ(カタクチイワシ中心)
- 小鯖(マサバやゴマサバの幼魚)
- カマス(アカカマス、ヤマトカマス)
- カサゴ
- ムラソイ
- メバル
- アカエイ
- メッキ類(晩夏から晩秋)
- カワハギ
ルアーで狙って釣れる魚
森戸海岸周辺のルアー釣りで狙って釣れる魚は以下の通り。
- メバル
- カサゴ、ムラソイ
- メバル
- カマス
- 小鯖(マサバやゴマサバの幼魚)
- ワカシ、イナダ
- シーバス
- マゴチ
- ヒラメ(~40㎝程度中心)
ワカシ・カマスなどは回遊がないと釣れません。
カマスは主にイワシやシラス(イワシ類の幼魚)を追って接岸します。
毒魚もよく釣れるので気をつけたい
海藻を食べるウニ類とアイゴは葉山の海で磯枯れの原因になっている
森戸海岸周辺で一番釣れる可能性が高い毒魚はゴンズイです。夜釣りではかなりの高確率で釣れます。
胸鰭部分、背びれに毒棘があるので素手やサンダル履きの足指で押さえるのはやめましょう。
フィッシュグリップ類をつかって針をとり、食べないのであれば岸壁に放置せず逃がしてあげましょう。
他にメジナ・黒鯛狙いの浮き釣りではアイゴがよく釣れます。
鋭い棘に注意しましょう。
森戸海岸でのイワシ・小鯖釣り
毎年5月ごろから小鯖やイワシがよく釣れだします。
元町堤防、森戸川河口付近でサビキ釣りか投げサビキで狙うのが効果的です。
夏から秋は沖目にイナダやソーダガツオのボイルがおきることがしばしばあり、ジグサビキを使うと、サビキ部でイワシも釣れます。
森戸海岸でのキス釣り
6月~9月ごろにかけてキスがよく釣れます。
全体的に浅いため、10月以降水温が下がってくると深場に移動してしまうため釣りづらくなります。
夏場は朝夕のまずめ時なら岸近くのちょい投げで釣れ、水温が下がってくると、遠投が有利です。
クサフグもかなり多く、針がきられるので、替え針を持参すると経済的。
森戸海岸でのアジングとメバリングについて
森戸海岸ではアジの回遊は少ないためアジングは成立しません。
一方、夜間の磯場周りで潮位が高い時間帯であればメバリングは成立します。
沖磯からの回遊やテトラ内にいる個体が夜間浅場で餌をとるので狙ってみましょう。
森戸海岸でのルアー釣り
ブリの幼魚ワカシ。ルアーへの反応がいい
イワシや小鯖などがよく回っているシーズンではイナダ・ヒラメ・マゴチも狙えます。
ヒラメやマゴチの個体数は多くはないですが、毎日のように通っている釣り人はコンスタントに釣っています。
シーバスもそれほど数は多くないですが、秋にかけてサッパなどを狙って大型の個体が釣れることもあります。
▼30g程度のメタルジグやジグサビキが効果的。マゴチやヒラメ狙いではスロー系ジグがおすすめ
森戸海岸周辺でのルールとマナー(釣り禁止・立ち入り禁止・注意事項)
人気の森戸海岸周辺ですが、釣りをするにはルールやマナーを守る必要があります。
海水浴シーズン中の森戸海岸に注意
7月から8月の海水浴シーズン中は多くの観光客が集まります。
日中の釣りは控え、早朝や夕方17時以降に竿を出すとよいでしょう。
日中でも森戸川河口の導流堤は釣りができますが、遊泳者が多いため、森戸海岸側へのキャストは厳禁です。
森戸大明神付近での注意
森戸大明神裏の磯へは境内を通らず、駐車場経由で行き来しましょう。
参拝をする方の邪魔にならないで済みます。
タコは全域で採捕不可
諏訪海岸・森戸海岸・森戸川河口・森戸大明神裏のすべてでタコの採捕は禁止されています。
共同漁業権の侵害になるため、検挙される可能性があります。
特に諏訪海岸や森戸大明神裏の岩場周りで磯遊びをする場合は注意しましょう。
サザエの採捕も厳禁です。
ゴミ問題
森戸川河口の導流堤周りは、人も多いため、心ない人がゴミを不法投棄するケースがあります。
持ち込んだゴミはすべて持ち帰りましょう。
風が強い日はゴミが飛ばされないような工夫も大切です。
特にハリが付いた仕掛け類は絶対に放置しないようにしましょう。
トイレはトイレで
森戸海岸周辺には3カ所公衆トイレがあります。それ以外の場所で用を足すのはやめましょう。
特に諏訪海岸側は漁具などもあり、その付近で用を足すのはトラブルのもとです。
毒魚やフグを岸壁や砂浜等の上に捨てない
森戸海岸付近ではクサフグ・ゴンズイ・アイゴがよく釣れます。
歓迎しない魚だからといって、地上に捨てるのはやめましょう。
犬を散歩する人や子供も多いので、事故につながります。
子供連れの釣りについて
森戸海岸の釣り場は浅い海ですが、落水しておぼれるリスクはもちろんあります。
特に導流堤や元町堤防などで釣りをする場合、子供にはライフジャケットを着用させてあげましょう。
森戸海岸周辺の施設
葉山釣具センター
葉山釣具センターは元町バス停付近にある釣具・釣餌・ボート店です。
手漕ぎボートのレンタルが可能なほか、釣具屋・釣餌も豊富です。
- 6時00分~18時00分、不定休
- https://super-fishing.com/index.html
セブン-イレブン 葉山マリーナ店
夜間で生き餌(イソメ・ジャリメ)・オキアミ・アミエビや簡単な仕掛けが手にはいるスポットです。
ファミリーマート 逗子渚橋店
森戸海岸からは離れますが、夜間で生き餌(イソメ・ジャリメ各600円)・オキアミ・アミエビや簡単な仕掛けが手にはいるスポットです。
愛古堂
早朝から営業している逗子にある釣具店です。
森戸海岸で使用できるようなちょい投げ、サビキ系の仕掛けやエサもあります。
- 5時00分~18時00分、水曜定休
- https://aikodo.jp/
しなそば小浜
無化調の日本そばライクな「しなそば」が人気。
麺を大盛にして餃子と合わせて頼むとかなりのボリュームです。
ラーメンあじ平 長柄店
腎臓をやられそうな濃味の味噌が、釣行後にやけにしみるラーメン店。
餃子もニンニク強めの仕上がり。
餃子&ライスとあわせて満腹間違いなし。
夏場汗をかいたあとや、冬場体が冷えた時におすすめ。
食後に水が飲みたくなる。。。
まとめ
森戸川河口手前でには芝生エリアがあり、テントも設営できる。夏の休日は競争率高め
今回は森戸海岸周辺の釣り場情報を紹介しました。
サーフの森戸海岸を中心に、河口、磯場、堤防など、多くの楽しみ方があります。
足場がよいところは混み合いますが、サーフのちょい投げでればどこかしらで釣れるはず。
地域のみなさんは環境意識がとても高いので、ゴミのポイ捨てなどは厳禁です。路駐なども絶対にやめましょう。
葉山・森戸海岸周辺の釣りに便利なアイテム
水汲みバケツ
堤防でのコマセ釣りは水汲みバケツを必ず持参し、コマセを洗い流してから帰るのがマナーです。サーフの釣りでも手指をあらったりするのに便利です。
フィッシュグリップ
森戸海岸でよく釣れるゴンズイはフィッシュグリップでしっかりつかんでハリを外しましょう。
アイゴについてはビーチサンダルなどで踏んで針を外すと痛い目にあります。
サーフスタンド
サーフエリアでも基本ちょい投げスタイルで十分ですが、竿をおいて休憩するときなどに便利。
ミニジェット天秤
エギングロッド・シーバスロッドでは3~8号ぐらいまでのジェット天秤が便利。号数が小さいほど着水音も減り、シロギスを散らさないですみます。
手洗い用タンク
サーフでの釣りは何かと身体や道具が砂にまみれがち。車釣行の場合は手洗い用のタンクを積んでおくと便利です!
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