アマダイの釣りが好きだ。
深場の釣りで、アカボラやトラギス・黄鯛・ムシガレイなどのなじみの『貴殿たち』のアタリをかわしながら、手探りで本命のアマダイを狙う釣り。
ということで平塚新港の庄治郎丸へ今シーズン初のアマダイ釣りにいってきました。
朝は庄治郎丸の社長と話ながら情報を収集!
逗子から始発で平塚にむかうと5時27分着。
庄治郎丸さんは毎朝社長さんがニコニコしながら駅ロータリーまで迎えにきてくれるナイスな船宿です。
とはいえ、アマダイ乗り合いの場合、出船時間が6時45分なので、東京方面からは始発でもキツイかもしれないですね。ということもあり、マイカーやレンタカーで庄治郎丸へ直接向かう人が多いので、大体朝の送迎タイムは1名or2名ぐらいです。
この時間に運転手の社長さんと何気ない会話をしながら、テンションをたかめていくのがルーティーンになっています。
わたし:「いやー、きょうは寒いですね」
社長:「冷えるよねー陽射しがでればいいんだけどなー」
わたし:「今シーズン初アマダイなんですよ。釣れるかなー」
社長:「うーん、まーまだはじめだからねー、11月12月とおっきいのがもっと釣れるようになるけど、最近は、30㎝ぐらいの中型が多いかなー」
という、
何気ない会話。
よく馴染みの船宿にいく人はわかると思いますが、こういうコミュニケーションはいいなーと。
中型主体なんだなーなどという情報がそれとなくわかったり。
そんなこんな5分ほどで庄治郎丸に到着です。
アマダイ乗り合い出船まで。タックルや仕掛けを説明する
到着すると、まず受付するわけですが、庄治郎丸の場合は、だいたい「平田さんはこのあたりでいいかな?」というような采配が行われます。
基本ミヨシやトモなどの端席以外はそんなにこだわりがなく、今回は左舷ミヨシ((船首側)から3番目に。
中日スポーツさんの釣行取材を含めて、13名ぐらいで出船。
5号船。ゆうじろう船長が担当(ブログもやっているので釣況がわかりやすいですよ)
今回はライトゲームSS+バルケッタ300HGにPE1.5号です。
庄治郎丸さんの場合はライトアマダイ主体のようで、PEラインは3号以下、オモリは50号が指定。オモリはシンプルなものでないとオマツリが多くなるということで変更指示があるとのこと。
釣り座。
アマダイの場合はコマセを使わないので、汚れもすくなく女性やはじめての釣り人にもオススメです。が、誘いやアタリがわかりにくいので、予約時に「庄治郎丸は初めて&この釣り物ははじめて」をチェックしておきましょう。
わからないときは積極的に聞いていくとよいですし、常連の方々もだいたいいい人なので、挨拶がてらおしえてもらうのもよいですね。
こちら、マルキュー船丸。一パックが乗船料に含まれています。
この船丸は、不凍オキアミのなかでもしっかりした個体が多い印象で好きな餌です。
船宿によっては、冷凍品を解凍したものは頭などがとれやすいので、アマダイには適していないなーと。
比較すると、崩れたり針へのつけ方が悪いと、アマダイ以外のアタリはあるものの、本命が釣れないのは明白です。
が、
船丸でも全体の30%は頭がつぶれたりとれやすいものなので、そのあたりはしっかり選別してつかうとよいでしょう。
庄治郎丸の釣りの場合、7時前に出船して13時30分程度に沖上がり。
この間の7時間程度で船丸1パックでも量的には足りるのですが、よいオキアミ兵を選抜して投下していくとなると、追加で1パック買うか、あらかじめ購入していってもよいかもしれないですね。
オキアミ以外の餌としては、アオイソメ房掛けorホタルイカ(つぼぬき=内臓をぬく)、その他エビ類(サイズが大きいと喰いが悪くなる模様)があります。
万が一の餌切れ時のために、ガルプやパワーイソメなどのワーム類を持参してもよいかもしれません。
と、前振りしておきますが、今回餌切れして、それらをつかいました。
個人的に水深が深い所で最も目立つという青色に仕上げられている青い不凍オキアミが気になってはいます。今度自作してみようかな。
去年大量に買って余ったササメの実船アマダイ仕掛けを使用。市販ではケン付きながら安価な部類
仕掛けは、相模湾では全長2m・ハリス3号の2本針のアマダイ仕掛けが基本です。
重要なポイントは、ケン付の針を選ぶことで、これがあると落下時や誘い時にオキアミがずれたり脱落するのを防ぐことができます。
トラックの荷台に乗って、漁港内を乗船場所まで移動するのですが、乗り合いの釣り人同士で、
「針はチヌ針よりは丸海津がいい」
「キス針の大き目が吸い込みがいいよ」
というような会話が繰り広げられていましたが、大体市販品はケン付きのチヌ針か丸海津かなと。
丸海津針は針の軸が長いので、フグによるハリス瞬断や、黄鯛やアマダイに針を飲まれた際のハリスの傷が少なくなる印象です。
ささめ針のケン付丸海津ケイムラはアマダイの自作仕掛けにもよく使われているのですが、細軸なので40㎝UPの所謂『デカアマ』だと伸ばされるという玄人陣の説もあり、そういった方はチヌ針を使っている模様で。
あとは、ハリスは黄鯛などにかじられるとすぐに劣化するので3号はほしいなと。『デカアマ』ハンターの中には4号を使う人もいるんだとか。
その他、潮によって柔らかめのナイロンラインをつかって潮に自然に流したり、潮が速いときに仕掛けが吹きあがって黄鯛地獄にあわないように、フロートやビーズ類をすべて外して噛みつぶしオモリをつけるという技もよく知られています。
ということでアマダイ船の出船時間ですよ
この日のポイントは大磯方面のようで、進路は相模湾を西側に。
平塚や茅ヶ崎のアマダイ釣りの場合、東京湾の釣り船と違ってポイントまで10分程度で到着するがいいですね。
こちらは夏場につづいてキーンのサンダルできたら寒かったよという図です。
それそろ長靴の出番ですねー。
移動中に使う分だけオキアミの尾をはさみでカットしておきます。
指でカットもできるんですが、やや尾の断面がくずれるときもあり、PEカッターなどよく切れるハサミがあるとよいですよ。
アマダイは餌付けも大事で、できるだけまっすぐつける必要があります。
たまにやっつけで刺している人を見ますが、エサが回転して落下するのでハリスがよれたりアマダイに警戒されているはず(たぶん)
黒目が2個そろって頭がしっかり尾側とつながっていて触覚もくずれていないオキアミをAMD48では選抜しておきましょう。あとはまっすぐ針を刺すんですが、写真のように胴から頭が曲がっている個体はやさしくのばしておくとよいです。
人によってはマルキューのエビシャキ加工orはちみつ&味の素&食紅付けなどをやっているのを見ます。
そうこうしてポイントへ到着。
すぐに到着するので、出港した時点で餌まで装着しておくと、テンパラず釣りができるので覚えておきましょう。
今回は大磯港からやや西側に移動したあたり、大磯プリンスホテルの沖あたりからスタート。
富士山には雲がかかってますが、年明けの1月2月あたりに釣行するとだいたいすっきり富士がみえるのでオススメです。すんごい寒いけど。
落とし込む。
ベテランになるとダイワのドラゴンシンカーTG50号を装備して、竿を垂直にして少しでも早く落とす光景も見られます。
カウンターでは70.5mで着底。
船長のアナウンスでは80mとのことなので、大体10mの誤差があるんだなーと覚えておきます。
・・・
ちらほら周りでアマダイが釣れる中、
わたしにも1尾。30cmぐらいかなと。
うしろを振り向いたら、船長と目が合い、「アマダイ?」ときかれ、お互いしずかにうなづきあうという。
よーしこれから釣っていくぜ。
ぜ
ぜ
ぜ。
ぜ?
ダブル貴殿でしたか(黄鯛・イトヨリ)
釣り上げたばっかりのイトヨリときたら宝石のようで、単独で撮影です。
黄鯛ももう少し大きいと干物などでいいサイズではありますね。
いろいろと探ってみるとも釣れるのは小型。
船長曰く、潮はほとんど動いていないということで、ガン玉をつけず、錘位置を底から1m~2mにして探ってみますが、アタリが出るのは1mぐらいだったなと。
実験的にオキアミ+グラスミノー(グローピンク)SSを抱き合わせてみたり。
丁寧にタナを取り直す。
アマダイの釣りはいろんな釣りのなかでもとくに想像力が試されるなと。
着底したオモリを基本1mあげながらも、潮流などの要素をよみながら、底すれすれにオキアミがある状態、もしくはそこにゆっくり落としていく状態をつくるのを常に想像します。
・・・
あれ、
あたりではないが、やや穂先に抵抗感が。
こういうときに放置するとろくなことはないので一旦確認のために上げてみましょう。
手巻きだとややつらいですがハイギヤだと楽ではあります。
電動だともっと楽なんですけどね。
・・・
・・・
・・・
むうー。
貝ガラめ。
魚の引きではない抵抗感は大体、貝殻や海藻類や石などのが針にかかっている状態なので、すぐさまとって、針先をチェックです。
運よく仕掛けが回収できても、針先が甘くなっているので、針もしくは枝針ごと交換しましょう。
玄人は2種類の長さのハリスを10セットほど持参していて、サルカン部分で結び直しています。そのほうが仕掛けの交換コストがさがるとのこと。
と、
あたりが。
こちらも30cm弱のアマダイ。
アマダイは、底とりをして誘い下げているときに食うと針を飲み込んでいて、誘い上げ時に食うと口の脇に針がかりやすいといわれているんですが、この日は気のせいか誘い下げより誘い上げ時にあたってくる個体が多かったなと。
底付近で放置気味にすると、
貴殿でしたか(ワニゴチ氏)
ワニゴチって、深場にもいるんですね。
ちょっとサイズがちいさいのでリリース。さようなら。
ワニゴチの場合、深場から釣り上げても生還していたように見えました。
貴殿でしたか(カナガシラ氏)
やけに頭が固いために金頭・鉄頭と名付けられた同氏ですが、こやつは逃がしても死んでしまうなーと持ち帰り。
ひものにするとうまいですし、骨からもいい出汁がでます。
沖釣りで小型の魚がつれたときに持ち帰ってもよいと思いますし、カモメのエサにするのもやがて糞がプランクトンのエサになるので、めぐりめぐってよいのだと思います。
法律で決まっているわけでもないので、環境に負荷をかけすぎない程度であれば自分の好きなようにすればよいなと。
とかおもっていたら、
再び貴殿でしたか。。。(ワニゴチ氏)
さっきのはまぐれ個体ではなく、結構深場にもいるんですね。
もっと大型だったら持ち帰るものの。
釣り上げたばかりの斑点は青というか紫がかってとても美しいんです
他にムシガレイ殿。
うまい『貴殿』の代表格ですが、けっこうマズイあつかいされている気がします。
本当は旨い魚なのでこちらの記事をチェックですよ。
ムシガレイは本当に残念な魚なのか?ムニエルと唐揚げで検証してみた
そろそろ本当のアマダイを見せてやりますよ
んーなんというか、アタリが少ない。
底潮が動いていないからかもしれないけども、そもそも巣穴の外で積極的に食餌パトロールしているアマダイが少ない気も。
と、海底を錘でゴツゴツたたいて、アマダイの巣穴への深刻な嫌がらせなどを行って挑発などしてみても、一向にアタリなし。
そうですか。
わかりました。
そっちがその気なら、こっちはこの気ですよ。
「部長、そろそろ本当のアマダイを見せてやりますよ」
というのはアニメ界のコミュ障代表山岡士郎っぽいセリフなんですが、秘密兵器の披露です。
こちら。
ダイワがむかし販売していたワームなんですが、両腕がシャッドテールになってアピール力が高いエビ・蟹型ワームの登場です。
アマダイを釣って胃袋チェックをしてみると、蟹やらエビ類(シャコっぽいもの)や貝類が出てくることが多いんですが、そのあたりを考えると最適なエサに近いのがこのエサにエビ・蟹型ワーム。
この勝負。
すでに勝負あったな。
・・・
・・・
・・・
・・・
あれ。
あたり零なんですけどね。
ぐすん。
時刻は12時前。
さー残り2時間弱だから、山岡の野郎の話はスルーして、もうそろそろオキアミに戻すとしますかね。
ね?
と、突如吹いた北風により、船丸の発泡スチロールがひるがえり、足元に落下。
わちゃ!
なんの躊躇もなく、排水溝にながれていくオキアミ兵たち。
偏差値60以上の優秀なオキアミから利用して、残りは偏差値50ぐらい。と、わたしが思っていたことに拗ねたのでしょうか。
学歴社会への反発か。
あわてて排水溝の入口にひっかかったオキアミを拾い上げてみるも、見るも無残な負傷オキアミしか救えなかったという体たらく。
なんということだ。
責任問題だぞ!
と、
おもってみても、
船丸の容器を開けたままにしていたのはわたし。
つまり責任者はわたしですね。ぐは。
なんとか回収できたのは、海水にさらされてさらに弱ったアマダイ釣り基準に耐えられないオキアミ兵のみ。
徴兵等級的には『丙(へい)』というやつです。
むー。
やばいぞこれは試合終了というわけかな。
「平田さん、ちょっと落ち着いてください。
近衛兵たるわたしたちがいるじゃないですか」
・・・
???
だれだお前たち。
・・・
・・・
おまえたち。
貴殿たちは、これまであんまり信用できてない『マルキューのパワーイソメ』と、さっき一切反応がなかったダイワのワーム氏じゃないか。
お前らやさしいな。
いいぞやってやるぜ。
お前らがいれば100人力だよ。
俺のアマダイ力を屈指すれば、デカアマの1匹や2匹・・・どんとこい。
あれだろ、デカアマっていったら、50UPを釣ればいいんだろ。
いいでしょう。
望むところですよ。
では、
かかってきなさい。
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
1時間経過。
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
「はい、じゃあしまっていきましょう。おつかれさまでしたー」
( ;∀;)
というわけで2時間全くアタリがでない状況を泣きながら耐え忍んで納竿しました。
人柱とはこのことでしょうか。
みんなワームは信じてはいけないぞ。
アマダイ釣りにおいては、もうオキアミしか信じないからな。
今度は追加オキアミも買って勝負してやるからな。
涙のアマダイ4尾+子カナガシラ&イトヨリ。。。
型も中型未満というありさま。
当日は右隣りの真摯な常連さんが40cmのアマダイ。
その右隣りの方が中小型のアマダイを11尾という結果でした。
庄治郎丸の場合、納竿後、船宿に変えると若女将が、
「どうですー?平田さんはどうだっかな?」と釣果確認をしてくれるんですが、
こちらの苦い顔をみて、
この日は「あれ平田さんはあれかなかわいいサイズばっかりだったかな?」と思いやりトークが加わっていたことをご報告したいと思います。
次回こそは、「がははははは。デカアマ2本ならびにトータルでアマダイは15本ですよ。ふはは。ふはははは。」みたいなドヤ顔で凱旋したいと心から思った次第です。
悔しかったので、平塚名物、ラオシャン本店のタンメンと餃子をすすって帰りましたよ。
店に向かう途中、軽トラに乗ったDQN方面の方にからまれそうでしたが、わたしは元気です。
餃子もうまい。
帰りの庄治郎丸社長さんとのトークでは、
「底潮動かないとアマダイは食いが悪くなるよーねー」
「オキアミも最近じゃあんまりよいのが手に入りにくいってメーカーの人も言ってた」
とのことでした。
なるほー。
ではでは。
平田(@tsuyoshi_hirata)
お世話になった船宿
庄治郎丸さんはスタッフが親切で常連の方々も人柄がよい人が多い船宿です。出船時間がやや早いので、東京方面からは車での到着が安心かもですね。ウェブ予約でお値引があるので事前に行っておきましょう。ライト五目やアマダイ船などはとくに週末満員になりがちですのでお早めに。ちなみにゆうじろう船長はアマダイは数ではなく型派の模様(要ブログをチェック)
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アマダイ玄人曰く、手返しをあげるためにはタングステンシンカーで素早く落として、のまれた釣り針はクイック外しを使うとよいとのこと。なるほどね。