過ごしやすい秋シーズン。
すっかりロングシーズン化している東京湾のマゴチ釣りにいってきました。
全体的にアタリが多く、真夏にいったときとは、うって変わった釣果でした。
さて、振り返ってみます。
マゴチは春と秋のほうが釣れる気配がする
夏場の東京湾の潮色
マゴチ釣りには「照りゴチ」という用語が広くつかわれていて、日がカンカンに照っているような真夏の東京湾が釣りの旬といわれます。
植物プランクトン由来で赤濁りしたぐらいの海でよく釣れるイメージがありませんかね?
梅雨付近から8月ぐらいまでで産卵シーズンがひと段落して、それから8月、水平線をみると入道雲がぐんぐん発達しているあたりに、捕食行動を思い出したように食いが立っていくという。それはそれで、もちろん産卵シーズンの7月付近よりは釣れるんです。
が、平均的なアタリの数や釣果で言うと、春3~5月ぐらいと、秋9月~11月ぐらいのほうがよい気がします。
マゴチ釣りでよく知られた複数の船宿の釣果を振り返ってみても、春と秋が釣れているんです。
多くの船宿で釣果の数は最小と最大で公開しているわけですが、最大匹数は春・秋が多いなと。MAX10本を超える日も目立ちます。
11月から3月ぐらいもマゴチは釣れるんですが、乗合も別の釣り物に移るので、そのあたりの数値は確認しにくいんですがね。
春から秋のマゴチ釣果について、これ数字として出してみようと思ったんですが、かなり大変そうなのでやめました。
興味がある人は、行きつけの船宿の過去釣果でも振り返ってみてください。
それにしてもなぜ盛夏にあんまり釣れないかというと、以下のような要素が考えられます。
- そもそも高水温すぎて夏バテ状態なのでは?(単純にマゴチの適水温ではない)
- 酸素濃度が低い時期で低活性なのでは?(赤潮・青潮)
- 濁りが強すぎて離れた餌の視認がしにくく、タナがよりシビア(もともと視覚<側線による感知だと思います)
- 産卵時期のズレにより、よいエリアに当たらないとアタリを出すのが難しい(春秋は産卵個体がいない)
- サイマキ餌の場合、餌が弱りやすい
どうでしょう。
Twitterで聞いてみたら、半々ぐらいの回答でした。
東京湾の船マゴチ。ロングシーズン化した近年、春と秋の方が夏より数釣れると思っているんですが、みなさんはどう思いますかね?
— 平田剛士|ORETSURI(俺釣) (@tsuyoshi_hirata) October 10, 2020
いざ、マゴチ納めへ。野島沖堤周りから
さて、この日はマゴチ納めという名目で、漫画家の佐藤秀峰さんとの釣行。
うすうす、マゴチ納めといっているけど、また来ちゃう感はあったんですが、一応名目上は「マゴチ納め」ということにしておきました。イベント感が出ますし。
どうやら佐藤さんも「8月に一緒にマゴチ釣行して以来行ってないんですよねー」とのこと。
さて、釣り座は・・・。
左舷ミヨシ側が角席でよさげだったんですが、午前中潮下にあたる右舷トモ3番・4番をチョイス。
佐藤さんはトモ側、わたしはその左隣に布陣したんですが、この日は平日ということで釣り客も少なめで、かなり広めに釣り座をつかえることに。
結局右舷は、5名でした。左舷もそれぐらいで。平日っていいなー。
勢いあまって船宿に早く着きすぎるというのは、船釣りあるあるですね。
夜明けがきれいだ。
がま船マゴチスペシャル×オシアコンクエスト200HGを置き竿に、手持ち竿はマゴチX×ゲンプウ200PG
7時過ぎに出船して、最初は野島沖堤防の横須賀側から。世間話をして、いると八景沖はすぐに到着するんですよね。
平田「いやー最初に一本釣ると楽なんですけどねー」
佐藤さん「そうなんですよね。まずは一本取りたいですよね!」
みたいなことを最初はいっていて、佐藤さんが、前回同様、安定実績の誘い上げからのタナ調整をしているとヒット。
この誘いは、底をとってから、スーッと竿先を目線上45°ぐらいまで上げて、そこから水平程度まで竿先を落とすというアクションです。
平田「わ、凄い!またいつもの誘い方ですか?」
佐藤さん「です。といってもこれしかわからないんですよねー」
これはまたどんどんやられちゃうかな、倉科カナ、と思ったところ、わたしにもヒット。
50㎝ない小型ですが、マゴチはマゴチですね。
時刻は7時50分。
これはいけるな。
自分の釣りをしながら、佐藤さんのロッドアクションをじっとり見ながら参考にしてました。
と、置き竿のマゴチスペシャルの穂先をみていたら、竿先がガクガクとふるえる!
で、一気に海面に突き刺さるではないですか!
ズーン!
なにこれ、マゴチっぽくないアタリ。
すかさず、キーパーから外して手に取って巻き上げる。
む。
これはデカイ。
マゴチなら釣ったことないけど60オーバー。いや、70近いんじゃないか。
アカエイ?いや、こんな引き方はしないよな。もっとー引き続けるからな彼らは。
ドチザメ?いや、もっと一気に引くよな。
ではどんな引きなのか。
ズン!ズン!ズーン!
はい、マダイの三段引きってやつですよ。
ちょうど、胴の間だったので、思わず船長の渡辺さんに「ちょっとデカイかもしれないっす!」みたいなことをいうと、「それたぶん、マダイだと思うよ。」とのこと。
ふはははは。
マゴチ上等!マダイはもっと上等!いいぞいいぞ、どんとこい!
なんてったって、こっちは細ハリスじゃないんだ。
フロロカーボン5号だよ。フロロマイスターの安ラインだけどね。はははは、いけるいける。
え?あードラグなんて必要ないですよ。
と、ここで隣の手持ち竿のPEラインに走っていく魚。やばいまつってしまうではないか。
っ、させるか!
ここで、竿をミヨシ側にかたむけ、ゴリ巻。
華麗なるハンドリング。
なんてったって、ハリス5号。余裕です。綽々ですよ。
それにしても、引きの強さと手につたわる重さから、軽く見積もっても3キロ以上はありそうな重量感。
これは真鯛ならば6,70はありそうだな。
いわゆる大鯛ってやつだ。
実際、八景沖の浅場で釣れる真鯛は、浮袋が膨らんでないからめっちゃ引くみたいなんです。
おろしたてのオシアコンクエスト200HGの剛性が高いから、ハイギアでもススイノスイ!ってな感じで巻いてこれるけど、これバルケッタだときつかったかもな。買ってよかったオシアコンクエスト。
わ、走る。
船下に入っていくぞ。
っ、させるか!
・・・
・・・
・・・
え?
なにがおきたのかって?
あー、ふつーにハリス切れっす。
なんてこった!
マゴチ釣りにきて言うセリフではないんだけど、間違いなく、今日イチだったはず。
あのとき、ドラグをゆるめておけば。
船もすいていたし。
いいですかみなさん、ハリス5号だからって過信してはだめなんです。
みなさんが同じ目にあったら、この悔しそうな顔を思い出してください。
ゴリ巻すると、こうなるよ。
ここで、渡辺船長が「こないだ、3.○キロ釣った人いたけど、ドラグフルロックでとれたよ」と。
うっ。傷口に塩が塗られていく(笑)。
たぶん、マゴチ針がマダイに完全に飲まれた状態でなければ、問題なく上がってくるんでしょう。傷がなければハリス5号ってそれぐらい強いです。
が、今回ヒットしたのは置き竿。
ガツガツ!っというサイマキを噛み砕くようなアタリがでたときに、手持ちだったらなんらか反応できたのかもしれません。
そのあたりが勝負をわけたのでしょう。
過日釣ったマダイ
真鯛の歯はこれですから。
タチウオみたいな剃刀感はないけど。奥側の臼歯っぽいところにハリスがはまって、引っ張りっこをしたら試合終了なわけです。
うーむ残念。これは経験不足だったなー。
平田:「くぅー、むしろマダイ釣りたいっす!」
佐藤さん:「そうですよね。僕もあんなの見ちゃうと真鯛釣りたくなってきました!」
いやー、こういうときに同行の釣友がいるとよいっすね。
このあとも、1日中、マダイを逃した件について「いやーもったいなかったなー」とか聞かされる佐藤さんもけっこうしんどかったと思うんですが、やっぱり聞いてくれる人がいると、浮かばれます。
しばらく、野島沖堤防付近でマダイを意識しながら、マゴチを狙っていましたが、アタリこず。
さて、マゴチの話をしましょうか。
猿島沖。このあたりはタチウオやデカアジが釣れるエリア。
大きく移動、千葉大貫側にワープです。
千葉のマゴチ主戦場「大貫沖」
舞台は大貫沖。
千葉側におけるマゴチ釣りの主戦場なわけですが、位置的には富津岬→第一海堡の南側のエリアです。
ここでの一尾目は・・・
キビレ。
沖釣りでは初めて釣ったような。
河口域で群れているイメージなんですが、沖目にもいるんですね。
そのあとは、15分に1回ほどアタリがでて、釣れていくマゴチ。どれもオスなのか、サイズが小さめ。
2つ!
3つ!
4つ!
ショウサイフグとサバフグの襲来があるものの、アタリは良好。
途中まで1.5mの仕掛け(置き竿)と、1.3mの仕掛けでやってましたが、アタリが活発な時はそれほど変わらないようで、どちらもあたりがあるので、次第に1.5mオンリーにすることに。
針の軸にオモリは巻かないでやってましたね。
両方の竿に同時アタリがくることも。
または、1方をすかしたあと、20秒ぐらいたって、もう1方にアタリがきたり。
かなり魚影は濃いようで。
5つ!
サイズは小型なんですけどね。
もぞもぞっとアタリが出た後に、グーっとひっぱられるのは・・・
・・・
500gぐらいのモンゴウイカ。
この日右舷だけでも5杯ぐらい出てました。千葉側はモンゴウが濃いんですよね。今年の3月ぐらいも、このあたりで1.5キロぐらいのモンゴウが連発してましたし。
これは、モンゴウイカ狙いも期待できそうです。
神奈川側の後半では、コロッケサイズのコウイカもでてました。100~150gぐらいかなー。
イカも釣りたい人は、アタリに対して、合わせないで、一旦聞き上げをするとよいです。やや重いままずっとついてくるのはだいたいイカです。
フッキングしていないので、たも網ですくうわけですが、コウイカは海面で餌を離しやすく、モンゴウイカは離さないでがっちりつかんでいることが多い印象。
6つ!
これは、ツ抜けするのでは!
いいぞいいぞ。
それにしても序盤の潮色は澄み気味。
あんまり濁っていないほうが、マゴチも餌を捕捉しやすいのかもなーと。
視力がよいとは思えないながらも、餌の振動以外にも多少は視力をつかっているんでしょう。
7つ!
50㎝未満のマゴチが固まっているエリアなのか、活性は高め。
たまにフグのあたりがあって、どでかいショウサイフグが海面までサイマキをかじりながら追いかけてきたり。
と、昼過ぎあたりで潮流れず。
一気にアタリがでなくなり失速。ここで移動。
「潮流れず」で第一海堡付近浅場へ
やってきたのは、第一海堡南西側の浅場。
潮がかろうじて流れているかもしれないということで、船長も選んだのでしょう。
水深4mあたり。
これぐらい浅いと、掛かってからタモ入れが間に合わない秒数で魚が上がってきます。
あんまり得意じゃないエリアなんだよなー、と、思っていたら、すぐにヒット。
8つ!
こりゃいけるぞ。
ここもそれほど潮流れず、でラストの八景沖に戻って釣ることに。
八景沖「おきのね」赤ブイ付近へ
最後は八景沖の港前で。
赤いブイ「おきのね」まわりといったらいいんでしょうか。
このあたりは結構得意なポイントで、大型のマゴチがいる気がするんですよね。まわりでは野毛屋さんの湾フグ船。あれは、アカメフグを狙ってるんだろうなー。
釣れてるんだろうか。
と、おもっていたらアタリが。
あ、フグだなー。と巻いてきたら、海面までデカアカメフグが。うまそうだなー。
そのあともフグ系のバイトによりサイマキが連続崩壊すること数度。魚影は濃そうです。
あと数回の流しということで、サイマキを補充。
鉄壁の布陣。
この陣形に入ってきたマゴチは逃れられるだろうか。
いや、逃れられない(反語)。
9本!
これはいけるか・・・
・・・
・・・
と、おもったら納竿。
惜しい。
船長も粘ってくれたのに、最後の1本が上げられず。
とはいえ、合計9本で大漁でした。
振り返ると、初期あたりから本アタリ前に離されてしまった50㎝未満と思われる個体が数本いたので、それをとれたらツ抜けもしていたんでしょう。
この日は小型ばかりだったので、ハリス切れということはマゴチにおいてはなかったです。
まとめ
さて、久しぶりの秋マゴチ釣行。
もうね、真夏と比べてアタリの数が段違いなんですよね。
ちょうど、小型のオスがたまっていたエリアにハマったというのもあると思うんですが、それほどシビアなタナとりをしなくてもアタリは頻発していましたね。
潮が遅めということもあり、底上はしっかりキープできているんでしょう。
仮説として、澄潮気味になると、底上に張り付いているマゴチの射程がすこし長くなるんじゃないでしょうか。高水温でダレてもいないので、底上から多少離れていても食いつくわけです。
使用したサイマキは船代に入っている5匹+35匹ほど。
えーっと3,500円追加ですね。なかなか高級な釣りになってしまいました。
こういうお値段が気になる人は、ハゼを釣ってから持ち込みチャレンジすれば、釣行コストも下がるわけです。
ちょうど15㎝~20㎝未満のハゼが多いシーズンなので、餌に最適です。
ということで、マゴチにチャレンジするのなら、春か秋がオススメです。
沖上がりの桟橋で、渡辺船長に「次はテンヤスミイカでお会いしましょう」と話していたら、「今年はまだマゴチの気持ちでいてください」とのことでした。
これから季節が進むと60UPが連発するタイミングが云々で、様子をみながら、長くやるそうです。なにそれ興味深い。
佐藤さんには、「これでマゴチ納めが無事完了したので、また来年ですね!」とか言ってたんですが、数日たって、また行きたくなってしまった自分がいます。
マゴチ沼だなー。
平田(@tsuyoshi_hirata)
お世話になった船宿
使用タックル
<置き竿>
- ロッド:がま船 マゴチスペシャル255(マゴチ・エビメバル)
- リール:シマノ オシアコンクエスト200HG
- ライン:シマノ タナトル8(2号)
- 仕掛け:バランスシンカー15号×フロロ5号×1.5m×がまかつマゴチ針(ノーマル18号)
<手持ち竿>
- ロッド:ダイワ マゴチX
- リール:シマノ 20GENPU
- ライン:シマノ タナトル4(2号)
- 仕掛け:バランスシンカー15号×フロロ5号×1.5mor1.3m×がまかつマゴチ針(ノーマル18号)