どうも平田(@tsuyoshi_hirata)です。
Amazonプライムで「放課後ていぼう日誌」をみていたら、「アジゴの唐揚げ」がでてきたんですね。
「アジゴ」っていうのは地域的な名称なんですが、アジの子供を指します。「鯵子」ってことなんでしょう。
アジの稚魚や幼魚について、全国的には「豆アジ」と呼ぶ人のほうが多いかなと。ほかに「ゼンゴ」や「ジンタ」という名称もあったり。「ジンタ」については、銀色で小粒だから「仁丹(ジンタン)」に由来して、それが省略された言葉なんじゃないかなと。
▼Twitterで聞いてみたら、みなさんはアジの稚魚・幼魚を以下の通り呼んでいるよう。やっぱり「豆アジ」が一般的なんですね。
アジの稚魚のことをなんてよんでますか?
— 平田 剛士|ORETSURI(俺釣) (@tsuyoshi_hirata) August 31, 2020
今回は、そんな豆アジの唐揚げをもっと美味しくつくる方法を紹介します。
釣りにおける「豆アジ」の位置づけ
豆アジ
豆アジは、マアジの幼魚であれば、その年の初夏前後にうまれたものが夏場にかけてグングン成長したものを差します。
マアジの産卵シーズンは、南にいくほど早いのですが、関東であれば、5月~7月頃。
生まれたてのアジは成長スピードが速く、2、3か月で豆アジになります。
堤防からのサビキ釣りで狙われたり、網で漁獲されるものは5、6㎝程度から。
大きさにして10㎝程度までを呼ぶことが多い気がします。それ以上大きくなると「小鯵」と呼ぶ人もいます。
<名称>
- 豆アジ:アジの幼魚(稚魚)として最も普及している呼び名
- ジンタ:地域的名称
- アジゴ:地域的名称
- ゼンゴ:地域的名称
- 小鯵:やや大きくなったアジの幼魚
船釣りでアジを釣る場合、昼間でも比較的量と型が確保できるので、豆アジを専門に狙う人はほぼいません。
むしろ、ビシをつかった吹き流し仕掛けのアジ釣りでは、アタリがわかりづらく、仕掛けをあげてみたら豆アジがついていたということも多く、厄介者扱いされることもしばしば。
そのため、多くの人が資源保護目的もありリリースしています。それはそれでなにより。
一方、堤防釣りでは、昼間に中アジ以上を釣るのが難しいという事情があります。
アジは、光が強い日中はやや深場の底付近に下がっている傾向にあるからです。
ウキ下を深めにとった遠投カゴ釣りや、サビキのぶっこみ釣りであれば、昼間でも中アジ以上が狙えるのですが、それ以外で日中に堤防から数メートルのエリアで立派なサイズのマアジはほぼ釣れません。
そこで重宝するのが、豆アジの存在です。
小鯖
豆アジやイワシ(カタクチ・ウルメ)・小鯖(サバの幼魚)などは、日中でも堤防付近を回遊し、警戒心も極めて低いため、サビキなどでかなり釣れます。
サビキ釣りであれば、群れが集まっているところであれば、一投ですべての針に豆アジがヒットすることも。
一投で5、6尾釣れるとなると、20回投入すれば、100尾近くになり、家族で食べるには十分な量です。小一時間釣るだけで、夕ご飯のおかずが釣れるっていいですね。
そんなこともあり、豆アジは、ファミリーフィッシングを中心に堤防釣りの人気ターゲットなわけです。
豆アジの持ち帰り方と下処理方法
はい、こちらは、船釣りで持ち帰ってきた豆アジです。
サイズは、比較的大き目。
唐揚げにする場合、これ以上大きくなると、ゼイゴ・肛門ちかくの棘・中骨が固くなるので、食べづらくなります。大きくても10㎝以内の個体を選びましょう。関東であれば、8月中ぐらいまでがよいと思います。
持ち帰る際は、クーラーボックスにそのまま入れると、あとあとめんどくさいので、あらかじめジップロックなどにまとめていれて、生きたまま潮氷で氷締めするのが鮮度を保つコツです。
一番ダメなのが真夏に釣った豆アジをお湯海水のバケツにいれておくことで、あれはほんとダメ。
釣れたらバケツに入れなくてよいのでどんどん、クーラーボックスにいれていきましょう。食中毒の防止にもなりますし、なにしろ食味がぜんぜん違うんでね。
持ち帰ったその日に調理してもよいですが、翌日に調理すると、腹部を中心に組織が柔らかくなり手さばきをやりやすくなります。
ってことで、翌日。
こちらは、バットにならべて、ラップをしておいたもの。
見てわかるとおりに鮮度は抜群ですね。
とはいえ、コマセを食べているので、腹部が膨らんでいます。なので、腹からエラあたりは身が緩みさばきやすくなっているんです。
この豆アジは包丁やナイフでさばくと時間がかかるので指でさばくのが一般的です。
豆アジの両エラブタを利き腕じゃないほうの親指と人差し指で開き、利き腕の親指と人差し指でエラをもち、腹側に引っ張りましょう。
すると、エラと内臓がきれいにとれます。
冷蔵庫で1日おくと、酵素の影響もあり、スルっととれるはず。
この通り。
頭部うしろが△状にえぐれていますが、胸鰭などのカマ部分はこのとき一緒に取り除いてしまいましょう。のこった血合いは親指の爪部分などで流水で洗い流してしまいます。
下処理を完了した豆アジ
今回18尾いたんですが、5分以内で下処理が終了すると思います。
10㎝以上になってくると肛門部の棘が気になることもあるのですが、丁寧に処理したい場合、この部位も指でつまむと簡単にとれます。
肛門部の棘
このとおり。
豆アジを最強唐揚げにしよう!
あとは、衣をつけないで素揚げにするだけ。素揚げにする場合は、1尾ずつキッチンペーパーで水分を拭っておくとよいでしょう。油が跳ねにくくなります。
今回は、ウェブ海のなかで、ちゃんとみんながこの記事をクリックしてくれるように「豆アジの最強唐揚げ」とか大袈裟にいっているので、味付けを工夫してみます。
後悔はさせないからよくメモをとって試してほしい。
味付けは、こちら。
- 良質なナンプラー
- にんにくすりおろし
- 白コショウ
これらを豆アジにまぶして冷蔵庫で10分程度。
ナンプラーは、安いのもあるんですが、ちゃんと発酵させた伝統製法のものがオススメです。ニョクマムやキムチや味噌もそうなんですが、発酵系の安いものは、強引にアミノ酸などをまぜて短期間で仕上げる仕様なんです。これほんと。
写真の上澄みタイプは、色合いがきれいで厭なクセもなくオススメ。アライド バランス フィッシュソース ゴールド 200mlというやつです。
にんにくも、生からすりおろしたほうがよい味に仕上がります。
冷蔵庫で10分ほどなじませたら、片栗粉をまぶす。
このとき開いた腹部分にも粉がしっかりつくようにしましょう。油はねが少なくなります。
今回は、サラダ油のみで2度揚げに。
低温で数分揚げた後に、高温の油を通し、表面をカラッとさせましょう。
高温の油にいれると、あっという間に茶色く焦げるので、所謂きつね色になったら網などで一気に揚げる。これ、重要です。
箸などでちまちまやっていると焦げます。
おいビールもってこい。レモンサワーでもいいよ
ということで、できあがり。
UPで見せたろか?
はい、こちらです。
左下の柑橘は、平兵衛酢(へべす)。
果汁が多く、夏の終わりに出回ります。酢橘やカボス、さらにエキゾチックに仕上げるならばライムでもよいですねー。
ナンプラーで下味がついているものの、味付けが控えめだった場合、ここで塩コショウをかけて食べるのも一つ。
写真には写ってないんですが、タイのシラチャーソースをかけたりつけたりして食べるとさらに唐揚げの武力が20ぐらいあがります。
コーエー三国志の呂布と一緒ですが、もとから武力が100なので、方天画戟と赤兎馬によって120ぐらいになっちゃうというわけです。おい。
あとね、「今日も元気だビールがうまい!」とかいうタイトルだけあって、もうビールです。おいビールもってこい。ビールによく合う。めちゃくちゃ合う。
まあわたしは、 知人にいただいたレモンサワー(檸檬堂 定番レモン)をかましたんですけどね。レモンサワーもソウルメイト並みに合うんだなーこれが。
まとめ
ということで、下味にひと手間かける「豆アジの最強唐揚げ」のご紹介でした。
豆アジ自体が、夏場しかいないので、シーズン限定。
船釣り勢の方は、たまには20尾ぐらい持ち帰ってみるのも一つ。処理も意外と簡単です。
堤防釣り勢の方は、下味を工夫してみると、さらに美味しい晩酌がやってきます。
釣りをしない人も、夏場であれば混獲してしまった豆アジがスーパーに並ぶのでぜひチャレンジしてみましょう!
アジの資源量はエリア的にも違うと思いますが、東京湾ではそれほど減少を感じていません。が、数百尾持ち帰っても食べきれないので、ほどほどがよいでしょう。サビキだと100尾などはすぐに釣れるので要注意です。足るを知る。これ大事。
ではでは。
平田(@tsuyoshi_hirata)
関連アイテム
▼ナンプラーはこれを買っておけば大丈夫。
▼シラチャーソースは唐揚げだけでなく、フォーなどに便利。シーフードヌードルにいれても旨。
▼小型の揚げ物は、取り出すときに一気に引き上げられる網が便利。
▼揚げ物は中華鍋が便利。中華鍋があれば人生が豊かに。とりあえず買おう
▼柑橘類が手に入らないとき、シークワーサー果汁があると便利。ダバダバ使える。シーフードヌードルにいれても旨。
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