釣った魚をもっと美味しく食べるコツ!4つの工程で徹底解説

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釣った魚食べてますか?

釣りの種類にもよりますが、海釣りであれば多くの方が釣った魚を持ちかえって食べているのではないでしょうか。

今回は釣った魚を持ち帰って、美味しく食べるためのコツを解説します。

目次

①釣魚をおいしく食べるために用意するもの

まず、魚釣りに行く前に準備できることから紹介します。

クーラーボックスは安くても用意しておくのがベター

釣り道具  ダイワ(Daiwa) クーラーボックス 釣り スノーライン S1200 ホワイト/ライトグリーン

これは釣り場においての滞在時間や納竿後の帰宅時間によっても異なるのですが、釣れた魚を保持しておく時間が長ければ長いほど、クーラーボックスが重要になってきます。

船宿での釣行後、移動距離が1、2時間程度の場合は簡易的なクーラーバッグでも問題ないですが、さらに長時間かかったり、釣っている時間が長く、氷が不足しがちな堤防釣りなどでは、やはりクーラーボックスを持参したほうがよいでしょう。

釣りあげた魚は、その瞬間から鮮度が劣化していくもので、そのスピードを下げる方法として、氷締めや神経締めなどの手法があります。

一方、神経締めは道具も必要ですし、初心者には難易度が高いものですので、海水をためて氷締めをしやすいようにクーラーボックスを用意しましょう。

どのメーカーでも断熱材が発泡スチロール製がもっとも安いシリーズとして販売されていますが、連日釣行しない限りそういったもので十分です。

船宿の場合、クーラーボックスも借りられる

意外かもしれませんが、船宿であれば釣っている際中は、クーラーボックスのレンタルができます。

クーラーバッグ派の方も積極的にレンタルして、潮氷をつくって魚をすぐに冷やしましょう。

レンタルのクーラーボックスを利用する場合、しっかり冷やした後はジップロックなどに魚を入れて、ジップロックに氷をつめて挟むようにしてクーラーバッグで持ち帰ります。

背びれや棘がある魚はジップロックに穴が開いてしまい、水が漏れ始めるので、調理ばさみで棘部分をカットしたり、リードなどで魚全体をおおってしまって持ち帰るとよいでしょう。

多くの船宿でクーラーボックスは無料レンタルできますが、数に限りがあるものです。事前に問い合わせしておきましょう

はじめてのクーラーボックス。その選び方について

はじめてクーラーボックスを買うときは悩むかと思いますが、以下を基準に考えるとよいです。

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ダイワやシマノの場合は1万円程度から、その他メーカーの場合は5,000円程度からが相場です。多くの場合、リアル店舗よりEC購入のほうが大幅に割安です。比較して賢く購入しましょう。

節約!特製ペットボトル氷!

タチウオと氷ペットボトル

釣行前に準備できるものとして、ペットボトル氷の製造があります。

ペットボトル氷は溶けにくいため、後述する潮氷を作る際には適していないのですが、板氷やクラッシュアイスと合わせて使うことで氷代を削減することができます。

ペットボトル氷を作るときは、容器をきれいにあらって、水を7分目程度いれてしっかり芯まで凍らせておきます。

綺麗な真水を凍らせておくことにより、釣行時に手足を洗うときの水としても活用できます。また、夏場を中心に頭からかぶるとさっぱりするのでオススメです。

ペットボトル氷は冷凍庫のスペースをかなりとりますので、一緒に暮らしている方の承認をとっておく方が無難です。

▶釣っている最中にやるべきこと

②釣っている最中にやるべきこと

次に釣りの際中に工夫できることを紹介します。

氷をたっぷり用意して潮氷にしておく

クーラーボックスに貼られた俺釣ステッカー

おかっぱりの場合は釣り場に到着したタイミングで、船釣りの場合はポイントに到着したタイミングのすきをみて、クーラーボックス内に海水をいれて、対象魚がつかるぐらいの潮氷を用意しておきましょう。

よく氷だけがはいったクーラーボックスに魚をいれている人がいますが、魚と氷の接地面のみ冷えてそれ以外がなかなか冷えません。釣れた魚は、全体を一気に冷やすと覚えておきましょう。この際、真水で氷水を作ると腸炎ビブリオ対策にはなりますが、魚のヌメリ部分が白くなって見栄えが悪くなってしまいます。注意しましょう。

魚が冷えたら海水は捨てても大丈夫

潮氷と釣果が満載になったクーラーボックスの重さといったら尋常なものではありませんね。これを自宅まで持ち帰るのも車釣行の方でない限りかなり大変ですね。

でも、ご安心ください。

潮氷は、いち早く魚の温度を下げるためにあるものですので、一旦魚が冷えてしまえば捨ててしまっても大丈夫です。釣り用のクーラーボックスの場合、容器下に水抜き穴があるはずなので、そこから海水を抜いてしまいましょう。

海水を抜いた後は、氷をしきつめておくことで、低温状態を維持することができます。

イカや蛸などはジップロック等にいれてクーラーボックスへ入れる

釣ったマダコをジップロックに収納

釣れた魚を潮氷にいれるという話をしましたが、イカやタコ、ぬめりの強い魚、締めて傷がある魚については、潮氷に入れる前にジップロックにいれてから冷やすのがオススメです。

イカやタコなどの場合は氷がとけた水によって色が変色しにくくなります。また、墨で他の魚が汚れるのを防ぐこともできます。

メゴチなどの魚のぬめりが他の魚に移るのをさける効果もあります。また、脳天や延髄付近を刺すことによって締めた魚も、水が浸入しやすくなりますので、ジップロックなどで覆ったほうがよいでしょう。

キス釣りの場合、メゴチに、ヤリヌメリ(ノドクサリ)という種類が混じってきます。この魚は釣ったそばから玉ねぎが腐ったような刺激臭を発します。気が付かず、これをクーラーボックスに入れてしまうと、釣果全体が激臭に染まって食べられなくなってしまいます。注意しましょう。

ノドクサリ 釣った

ヤリヌメリ。頬のトゲが槍状でカギになっていない。生ごみのような臭い。

ボートでメゴチを釣った

メゴチ。頬の棘がカギ状。天ぷらや刺身でとても美味しい魚。

手間が気にならなければエラをきって放血したほうがいい

釣ったサバを締める

釣った魚が劣化しやすくなるポイントとして、血、血合い、エラぶた、ウロコ、体表粘液、内蔵部分があげられます。

これらの部位が残ることにより細菌の繁殖(もともとついているものや海水や手等から付着)が進みやすくなり、腐敗や臭み、食中毒の原因になりますので、時間があれば釣ったそばから処理していくことをオススメします。

とはいっても1匹ずつ、すべて下処理していくのは釣り場では非効率ですので、オススメなのは生きているうちに血抜きしていくことです。釣れたらエラ蓋やその付け根部分の膜をきって、水汲みバケツで泳がせておくと、放血されます。

遊漁船の場合は、サメが寄る等の理由で、血抜きが禁止されることもあります。その場合は船長の指示に従いましょう。

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またサバの場合は、肝臓等の内臓部分にアニサキスがいるため、釣ったそばから血を抜き、エラと内臓を取り除いてしまうのも効果的です。

水汲みバケツは、ダイワ製などメッシュの蓋がついたものがオススメです。魚を活かしておくときの跳ね防止にもなりますし、岸壁から垂らしてスカリのようにつかうこともできます。

延髄を切って即死させる方法が楽

釣ったサバを神経締め

さらに美味しく魚を食べる方法として、神経締めが知られています。

本格的な神経締めには締め具や魚が打撲傷を負わないためのマットなどの道具や作業工数がかかるため、魚がたくさん釣れる時合などで行うのは現実的ではありません。

この場合、魚を即死させる方法として、脳天部分にアイスピックを差し込む方法と、エラ蓋つけねの脊髄を断ち切る方法があります。

中型魚までは、血抜きと合わせて延髄をきる方法がお手軽なのでためしてみましょう。この際、魚が暴れるほど、筋肉が打撲したり肉離れのような症状が起きることがあります(身割れ)

クッションを引いて行うのがベストですが、そこまで用意できない人は、濡れたタオルなどで一気に押さえて、魚が暴れないようにし、延髄を断ち切りましょう。

遊漁船や手漕ぎボートなどの釣りでナイフを扱うと揺れてけがをすることもあるので、よく切れるハサミを利用するのがオススメです。

真夏は危険!釣魚をバケツに入れっぱなしはNG

釣った魚を放血されるさせないにしろ、死んだ魚をバケツに入れ続けるのはやめたい行為です。

季節にもよりますが、釣れた魚は海水のなかでどんどん鮮度劣化していき、サバなどの青物の場合、ヒスタミンが生成され、食べることで食中毒の原因になってしまいます。

放血が済んだらすぐに、潮氷が入ったクーラーボックスにしまっていきましょう。

▶釣魚を持ち帰るまで

③釣魚を持ち帰るまで

できるだけ、あれこれ寄り道しないで釣魚を持ち帰る

魚を釣ったあとは、打ち上げなどをしたくなることもあると思いますが、早目に下処理をする必要があります。

クーラーボックスの性能がよい場合以外は、なるべく早く帰り、下処理工程に移ることをオススメします。

帰り路で釣魚を食べるタイミングと料理法を決める

釣れた魚の料理方法を帰宅後に決めると下処理タイミングが遅れることにもつながります。

帰り路で、釣れた魚の全体像を考えながら、食べるタイミングと料理方法を決めておくとよいでしょう。これらを決定することにより下処理内容が決まります。

▶釣魚をもちかえった後の処理

④釣った魚を持ち帰ったあとの処理

よく切れる出刃包丁と柳刃包丁は用意しておこう

出刃包丁と砥石

魚が釣れることが分かっている場合は、あらかじめ包丁類を研いでしっかり洗っておくとよいでしょう。

刃の素材によっては、湿気等で金気がでるため、調理前に再度洗浄して使います。

魚をさばく場合は三徳包丁で行うよりは、出刃包丁と柳刃包丁が最適です。高級な包丁を用意する必要はありません。

三枚おろしを数度やってみるとわかりますが、刃に厚さのない三徳包丁の場合、刃を骨際にそわせて歩留まりよく三枚におろすことが困難です。一方、出刃包丁の場合は刃に厚さと段差があるため、コツを覚えれば簡単に魚が三枚におろせます。

基本的な魚の解体は出刃包丁で、刺身をとったり、皮をすいたりするのに柳刃包丁を使います。柳刃包丁はブレードが薄くできているので、中骨等や固い棘などを落とすときに利用するのはやめましょう。一度、刃割れすると修復が困難です。

包丁の選び方ですが、プロの料理人でもない限り、数千円ぐらいの出刃包丁と柳刃包丁で十分です。ステンレス製の場合はメンテナンスがしやすく切れ味が継続しやすく、鋼を用いた本格的なものは、切れ味がよいですが、錆びやすく研ぎやすいという特徴があります。

※持ち手と一体成型の場合は、衛生面でも◎デス

釣魚の下処理は早目に、手早くすまそう

ヒラメを下処理した全部位

釣りをすると、どっと疲れますよね。

帰宅したらすぐビールを飲んで仮眠と、いきたくなるもんですが、持ち帰った魚をできるだけ早く下処理することも忘れてはいけないポイントです。

前述の通り、魚の、血、血合い、エラぶた、ウロコ、体表粘液、内蔵部分は筋肉部分より細菌の繁殖が進みやすく、腐敗や臭み、食中毒の原因になります。

できるだけ早くこれらを処理するのがポイントです。

速鮮チルド マゴチを寝かせる

※神経締めしたマゴチは、丸ごと氷温貯蔵し旨みを増幅する方法が知られています。

刺身にするときは水気と包丁の切れ味に注意

クロソイの刺身

クロソイの刺身。カサゴ同様、スダチなどの柑橘と塩で食べることにより甘みが引き立つ

魚を刺身にするときはとくに水気に注意しましょう。

魚の身は、すぐに真水を吸い込んでしまい、食感が水っぽくなってしまいます。

料理をする際中は、清潔なタオルやキッチンペーパーなどを利用し、常に魚や包丁・まな板の水気をぬぐいつつ行うことで、美味しい刺身が出来上がります。

また、包丁の切れ味も重要です。よく研いだ柳刃包丁を使うことで美味しい刺身をとることができます。

切れない刃で調理する場合、身を切り取るというよりも、身をつぶすという表現が近しくなります。こうなると切り口が雑になります。

柳刃包丁はスライスしやすく設計されていて、かつ刀身が長いため、全長でかんたんに身を引き切ることができます。

魚ごとに食べるタイミングと料理法を変えよう

以前、リストランテORETSURIの釣りの部に参加された方からこんなメッセージをもらいました。

「旨みが薄かった」と、感じたのは、きっと以下の要素があるのかなと思いました。

  • シロギスへの期待が大きかった??(刺身は淡い甘さがあるものの脂乗り具合や季節による)
  • 初日の炙りはポン酢などで旨みを補うといい
  • たとえば昆布締めで旨みを足してみるのもいい
  • 初日は天ぷらやフライなど加熱調理メインで食べるのがよいかも

どんな魚も旬を外したり、下処理、保存方法、適した料理法を間違えたりしなければ釣魚はだいたいどんなものでも美味しいものです。

魚は、釣った初日は旨みが薄かったり固かったりすることがほとんどで、魚種により1日から数日寝かせることでたんぱく質が分解されアミノ酸になり旨みが出てきます。

また、筋肉もしまった状態から緩み次第にもっちりした食感になります。最適なタイミングは魚によっても異なりますが、大まかには以下のように覚えておきましょう。

  • 初日は加熱調理メインで、生食の場合旨みを補う工夫をする(ポン酢・昆布締め・旨みの強い醤油)
  • 初日は主に食感を味わうものと考えておく
  • 白身魚や大型の青物はしっかり締めて血抜きがしてあれば数日寝かせたほうが旨い(下処理が適切にできれば7日以上経過しても生食可能。ただし旨みのピークを超えると味気がなくなる傾向にある)

※魚を食べる際の体調への影響については人によって異なるので、自己責任でどうぞ。

最後に

今回は、4つの工程から釣魚を美味しく食べるコツを解説しました。

他にも、魚を美味しく食べるコツがあれば随時追加していきます。

○○は今一つかも。△△はマズイと言い切ってしまう前に、今一度、自分の保存・下処理・料理工程を見直してみるのもよいかもしれませんね。

▶釣魚の種類からORETSURIの釣魚料理記事をチェックしてみる

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