夏の終わりから秋にかけて「アジゴ」と呼ばれるアジの当歳魚が釣れます。
全国的には「豆アジ」と呼ぶ人が多いかもしれません。
漫画&アニメ「放課後ていぼう日誌」で「アジゴの唐揚げ」が出てくるので、釣りをしない人にも有名になってきているみたいですね。先日、釣りを教えていた親子のお父さんもそれで知ったらしいです。
ほーん、漫画やアニメの影響ってすごいもんだなと。
さて、豆アジは釣れる数が少ないときはリリース推奨なのですが、まとまって釣れるならば、唐揚げや南蛮漬けが旨いなと。それと、あわせて中アジと大アジが釣れたときにやってほしい料理があります。
それは「アジのカマ揚げ」です。
読んで字のごとく、アジのカマ部分を揚げるわけですが、豆アジから大アジまで美味しく食べることができます。
ということで、今回は「アジのカマ揚げ」の作り方やコツを紹介します。一部、薬膳南蛮漬けの紹介が入って後半でカマ揚げの話題に入ります。
豆アジの南蛮漬け薬膳仕立て
こちらは11月初旬でのLTアジ船での釣果。
本牧あたりに豆アジの群れが固まっていて動かず、中アジ以上はまばらといった状態でした。
別日に釣った豆アジ
こちらが豆アジ。
豆アジは当日中に下処理をしてしまいます。包丁要らずの豆アジの下処理方法はこちら。
こちらが豆アジを下処理したものと、中アジ・大アジのカマ。
豆アジはこの状態に。
釣った翌日に下処理したほうが身が緩んでやりやすいのですが、やはりコマセを食べているので、初日に処理したほうが鮮度はよいです。初日に豆アジの下処理をする際は、軍手をするとかなり簡単。
こちらは当日に下処理をして、冷蔵庫で1日寝かしたものですが、水分も少し抜けよい具合に。
大き目のボールに片栗粉をいれ、フリフリ揺らすとまんべんなく粉がつきます。
素揚げにする場合は、油がはねるので、全体の水分をキッチンペーパーなどで拭いましょう。これ重要。
はい、このように片栗粉アーマーで覆ってしまいます。
今回の油はサラダ油系80%+ゴマ油20%程度。
かどやの業務用ごま油銀印を装備しておけば道が開けます。香りが違うんだ。コクが違うんだ。
低温でしっかり揚げて、泡が少なく成ったら高温でカリッと。
揚げたてに塩だけつけてつまみ食いをすると、なんという旨さか。
あとは、南蛮漬けのつけ汁にドボンです。
今回は、薬膳タイプにアレンジ。
いうなれば、豆アジの南蛮漬けフィーチャリングDJ YAKUZENみたいな。なんだそれ。
<つけ汁の材料>
- 米酢
- みりん&日本酒
- しょうゆ
- 砂糖(クコの実とみりんで十分甘いので好みで)
- にんにく
- 生姜
- コリアンダーの根
- クコの実
- ローリエ
- 八角
全体を鍋にいれたらひと煮立ちさせて、アルコール分を抜きます。酢も火を入れると酸味の角が取れるので好みで火入れしましょう。
味は・・・。
所謂なんでんかんでん川原社長の「旨いに決まってんだろ!」状態なんですが、コリアンダーの根と八角が薬膳っぽい香りを醸しだしていますね。実にハオチー。
クコの実も意外とアクセントとしてよいです。甘くて酸っぱくて。
アジのカマ揚げの作り方
さて、そろそろ本題に入ろうか。
はい、アジのカマ揚げの話です。
商談などでも、こうして本題に入るまえに散々腹(さんざんっぱら)余計なことをいって、忙しいからとやっともらえたアポイント時間の残り5分ぐらいで「あ、今日は○○の話でしたっけ」みたいなことをいってくるハゲがいますよね。
営業担当としては実にやっかいな相手です。
が、イケてる営業ほど、こうした鵺のような商談相手の無駄話にうまく付き合い、契約を決めるわけです。「部長にかかれば東京湾のカワハギなんてみんな釣れちゃうんじゃないですか?」みたいなヨイショを決めつつ。
それこそ、コンペ先との優先度などなかなか本音を出さない担当者の場合、エレベーター前の「そういえば、○○社さんの△△って○○でしたっけ?」みたいな不意打ちが聞いたりします。心の間隙を突くという。
花の慶次でも、風魔からの刺客「風斎」が七霧の里を襲うために、切断された人の頭部を慶次たちにいきなり投げ込み、その瞬間に気を当てるという技がでてきますね。
おい、そろそろカマ揚げの話をしやがれ。
あ、はい。すみません。
アジは下腹部に刃をいれることで棘がカットできて安全。袋も破けない
アジのカマについてはこちら。
青いところをカットして頭はすべて廃棄する人が多いと思うのですが、オレンジ部分に刃をいれ、内臓や血合いを取り除いたものだと思ってください。
アジのカマって、いつも廃棄している人が多いと思うんですが、ブリなどと同様脂も多い部位なんです。
息子氏「父ちゃん、これは釣り師がいつも捨てているアジのカマではないのかね?」
保育園帰りの息子が徹底的に邪魔をしてくるなか、この「アジカマ」に片栗粉をしっかりまぶします。
これは豆アジの唐揚げと一緒ですね。
はい、片栗コーティング。俺のターンエンド。
素揚げでもよいんですが、油はねが少なくなりますし、さらに香ばしくなります。
あとは、低温で骨まで火を通し、泡の出が少なくなったら、最後に高温で揚げましょう。
特に、豆アジとちがって、中アジから大アジのカマはしっかり火を通さないと口触りが悪くなります。
盛り付け。
これだけみると、なんだかわかりませんが、アジのカマ揚げです。
食べたことがある人もいれば、ない人も多い知る人ぞ知るアジ料理。
味はクリスピーで実に美味。
おい、中生まだ?
みたいな。
揚げたものには塩だけでもよいし、白コショウをすこしまぶしておくとさらによいです。
まとめ
今回は、知る人ぞ知るアジ料理「アジのカマ揚げ」を紹介しました。
豆アジのカマ揚げが食べやすいんですが、しっかり二度揚げすることで、中アジや大アジのカマもごちそうになります。
いつもゴミ箱にポアしていた人も、「もったいなやーっ」てな具合に、やってみましょう。夏侯惇。
ではでは。
平田(@tsuyoshi_hirata)