東京湾や相模湾の水深100m前後の砂泥底に穴を掘って生息している高級魚アマダイ。もともと冬の釣り物されていた「アマダイ」も釣期が長引き、今では、秋から春まで釣り船が出船している。
今回はそんなアマダイでも大型のアマダイを狙いに葉山鐙摺港たいぞう丸にいってきた話。
「大アマ」こと巨大アマダイの存在
東京湾や相模湾で釣れるアマダイはアカアマダイが中心。平均サイズは30cm程度。
いざ釣りあげて「これは大きい!やった!」と釣り人が認識するのが40cm以上で、50cm以上になるとピンクの鯉のぼりのようなその姿形にびっくりする。わたしは30cm以上でもうれしいんだけど。
人によっても呼称は異なるが、釣り人はこの巨大アマダイを「大アマ」「デカアマ」と呼ぶ。
なんだか穏やかではない呼び方だな。
なんでか。これはテレビドラマや映画などで、悪役が女性を罵倒する言葉として、「このクソアマ!」「このアマ、ふざけやがって!」みたいなことを吐くからだ。「アマダイ」を「アマ」と略して、その前に言葉をつけるとネガティブな印象になりがちではある。わたしはつかわないよ。念のため。
「あまちゃん」がTV放送され、それから可愛らしいアマダイの風貌をみて「アマちゃん」「アマダイちゃん」とか読んでいる人もいるかもしれない。とかいっている、釣り人もアマダイをだまくらかして海底から拉致して、写真を撮って、血抜きをしておいしく食べるんだから、業が深い。
ここで筆者が「釣り」という趣味を否定にかかると、筆者の存在自体の全否定になりかねないし、この釣行記事もダークネスな雰囲気で滅入ってしまうと思うので、ここで弁護にうつらさせてもらう。わたしを甘く見てはいけない。
釣りや狩りは楽しい。
なんでか。
これはすべての生命が他者の命をとるために追いまわし、自分の命にすることに喜びを見出すようにプログラミングされているからだろう。
キャットは自然とネズミを追い回すし、野生を失った飼い犬だって、ボールを追い回す。これもすべて狩りをしたいという本能のなごりなのだ。
そこにきて、人間は自分で手を汚さなくても生命の糧を手に入れることができる。
松屋にいけば味噌汁付きのある程度うまいメシが食べられる。ワンコインで。しかも、券売機があれば口を開かなくてもオッケーだったりする。ラーメン屋にいけば、豚や鳥を殺さなくても、二郎をかきこめるという時代。
だれも好き好んで自分の手を生き物の血で汚さなくなってきた。
だけども、人には、やっぱり狩りをしたいという本能がある。
その本能をどう消化するか。
これは人によって異なる。サバゲーで戦闘ごっこに興じるも一つだし、ギロッポンのクラブで女性をゲットするのも一つだし、馬鹿の一つ覚えみたいに合コンを企画して、男を漁るのもいい。ソフトに、ポケモンGOを片手に街でポケモンをゲットするのもいいと思う。
勝手にやればいい。人に迷惑をかけなければなんでもやればいい。産めよ増やせよ。
俺たちは狩りをしたいんだ。その欲求をおさえつけると、ろくなことにならない。
どうしよう。方向性を誤ったこの文章を、そろそろ釣行の話にもっていかない。
そう「釣り」だ。
釣りっていうのはりっぱな狩りの一つである。狩猟は免許が必要だが、釣りはいらない。なんてお手軽なんだ。必要なのは道具と魚がいる水辺にいくためのモチベーション。
ただし、魚によっては、比較的リーチしやすい岸際にはいなくて、沖目の深場にしかいないものがいる。
アマダイもそうだ。
よし、アマダイの話にもどってきたぞ。
アマダイ仕掛けは自作も簡単。大アマ狙いはハリス4号以上が吉。
夏秋の葉山鐙摺港はマグロ・カツオ激戦区。駐車場の混み具合が凄い
この日はリストランテORETSURIで知り合ったアサオさんと釣行。
アサオさんは、もともと岸からのかご釣りメインだったのが、ORETSURIをみて船釣りをはじめようとメルカリで岸釣り道具を一掃し、記事にのっていた通りに船釣りのタックルをかったらしい。人の行動につながっているな。うれしい。
葉山鐙摺港は逗子の自宅からも近いものの出船がメチャクチャ早い。いや、出船っていうよりも、駐車場問題で集合が早かったりする。
今回お世話になるたいぞう丸さんのアマダイ五目船は、出船7時で車で集合する場合は5時には駐車場にいく必要があるとのこと。というのも、夏から秋はカツオやマグロを狙うガチ勢で混みあうからだそうで。
ってことで、5時頃に葉山鐙摺港に到着するとこの通り。
車が港の外まで並んでいる件。
さらにすすむと、並んでいるけども、並びから離脱する車がちらほらいたり。便所でもいきたいのか?そうおもったが、あとでこの答えがわかる。
駐車場の奥に誘導されながら車を置き、船宿の仕様を確認しようとする。が、釣り人が来るのが早いだけで、まだ船宿は開いていない模様。
船着き場の前に、漁協の氷売り場があり、クラッシュアイスがバケツ1杯で300円。マグロを買うひとだったら3杯は買うと思うから900円ぐらいになると思われ、よい収益になりそう。
お金がこうして地域に落ちるのは大切な仕組みであると思う。一方、夏場だとクラッシュアイスはすぐにとけるので、板氷をコンビニ等で買って持参というのも一つかもしれない。
船宿によっては船が接岸していて、岸壁からクーラーボックス等を乗せるひとも。
船宿は長屋のような形でならんでいる。あくまでも受付に特化した3畳程度のスペースなので、長居をするとかではなさそう。
たいぞう丸の受付はこちら。釣り座は扉に貼られた紙に自分でかきこむ仕様。今回はトモ側を選択
あとは暇なので、車で待機したり、港内の船着き場でメバルを探したり。メバルはみえなかったが、小型のタコとシーバスがいた。
時間は長いので、車の中で仕掛けを組むというのも一つかもしれない。
そうこうすると、夜明けを迎える。
お分かりになるだろうか。
すし詰め状態である。
一番奥に車を止めると、沖上がり後に外にでるのに時間がかかるというわかりやすい仕組み。そうか、だから入り口で待機していたグループがいたんだなと合点。
繊細で人にせかさせれるのがいやな人は、早めにいって奥側(自分の背中に車がいない状態)がよいのかもしれない。釣りが終わったら、帰り支度も早々に帰りたいという人は、人を待たなくていい入り口がよいんだろう。勉強になる。
ちなみにトイレは船宿施設にはなく、港のマリーナ―側のはずれにある公衆便所を使用する。ある程度きれいなので、女性でも安心だとは思う。
デカアマ狙いで出船
出船間際の各船には高ぶった釣り人たちが今か今かと待機している。まるで、戦場に派遣される傭兵のようにみえるが、そんなことを思っている自分も釣兵の一人である。
こちらは釣り座におかれた冷凍オキアミブロック。
しまった、つけエサがブロックだったのなら、不凍品を買ってくればよかった。これは事前に聞いておけばよかったポイント。周りをみると、常連の方は、餌屋で不凍品の選別されたオキアミにアミノ酸をしみこませたり、身を締めたり、食紅でカラーリングしたりしている。
出遅れた感がある。
だが、あたえられた条件でベストを尽くす。結果を出すというのがわたしのモットー。
とりあえず、オキアミを解凍。
船長が後ろから話かけてくれて、「その天秤、折れちゃうかもです」みたいなことを教えてくれる。某・形状記憶合金天秤が目のまえで形状記憶合金のつけね付近で何本も折れているのをみているとのこと。ここは有難くアドバイスにしたがって、ステンレス天秤に変更。
素直さの塊だなと、素直なやつほど伸びるよ、と、昔、若手に言ったことを思い出す。
7時出船。
最初は城ヶ島沖らしく、50分程度かかる模様。
船は快速で、森戸海岸脇をぬけて南へ。
今回の仕掛けはこちら。
最初は小手調べとしてハリス3号の自作仕掛けをチョイス。ハリス3号、親子サルカンで枝針を連結して、それぞれサルカン上が120cm、サルカン下が80cm、枝針が40cm。夜光ゴム類はつけないものとつけたものをつくっておき、つけないものから使用。
ハリは、アマダイ用としては一番優れていると思われるオーナーのアイテムを使用。朝方なので、針が夜光塗料でコーティングされたインブライト甘鯛をつけておく。この針は人気らしく、釣具店によっては売り切れていたりするので、ネットで事前に大量購入しておいたほうがよさそう。大型のアマダイ狙いは13号がオススメ。

解凍したオキアミはどうしてもくずれているものが目立つので以下の条件のものを事前にピックアップしておく。
- 両目がついているもの
- できれば触覚がしっかりついてるもの
- 頭がつぶれていないもの
- 頭と胴体が離れていない(離れそうになっていない)もの
アマダイ釣りのゲストたちは貪欲なので、崩れたオキアミでもアタリがでる。が、アマダイ自体はやや知能が高いのか、視力がいいのか、きちんとしたオキアミでないとアタリが出にくい。
そうこうしてポイント到着。
城ヶ島の南西あたりのポイントと思われる。
久しぶりのアマダイ釣りだけども、釣り方はちゃんと覚えているだろうか。
トリガーグリップを採用したライトゲームCI4+とバルケッタプレミアムのハイギア
水深は100m程度。
まず着底したら、竿を海面ちかくまで近づけ、オモリで海底を小突く。こうすると縄張りをもった大型のアマダイが巣穴からでてくるという。実際のところはわからない。やる気がないときは、小突かれると逆に逃げる個体もいるんじゃないか。そうおもったり。
5,6回ノックして・・・
ピンポンダッシュよろしく、オモリを1m程度海底から上げる。
こんなイメージだ。
わたし(オモリ)「ピンポーン!よし、1mにオモリ上昇、ターンエンド!」
アマダイ「ん?誰かな?あれ誰もいない。また嫌がらせかな?おや、あんなところに美味しそうなオキアミが落ちてくるじゃないか。ふはははは。果報は寝て待てってか。よし、パックンチョ。!?!A?BADA??!!!」
わたし「ふはははは。狙い通り!デカアマだなこれ!」
という具合。
錘をあげるときに、リールを巻いて正確にはかると丁寧だけども、竿先を水平にすれば大体1mと考えると簡単。
と、すぐにアタリが出る。
クンクン。
そんなに引かない。ただ、巻き上げる時はライトタックルにオモリが60号なのと、潮流の問題もあり重い。
「これは、貴殿っすね。あれだな、キダイかな」
水深が100mで、2分弱で巻きあがってきたのは・・・
・・・
・・・
・・・
アマダイほどかわいらしい深場の魚もそうそういない
なんとアマダイである。
一投目から幸先がいい。興奮したよね。
当然、鼻息荒く、ハリスと針先をチェックし、オキアミをさっそうとつけて落下。
着底。
小突きからの、タナ取り。そこから斜め45度ぐらいまで竿をゆっくりあげて、おろして誘い。さらにゆっくり竿をあげる・・・
と、かすかなアタリのあとに、重厚感のある引きが。
「アサオさん、これデカアマダイっすよ。50あるかも!スゲー引きます。ドラグがどんどん出てく・・・」
が、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』同様、フロロハリス3号でささえられる重量には限界がある。
す、と突然重さが抜けた状態。
なんともかんとも。お釈迦様が無精をせず、ドラグをもっとゆるめておけば、ハリス4号をたらしておけばよかったのに。カンダタだけが悪いわけではない。
とはいえ、まだ小物がついてそうだなと思ったら・・・
貴殿でしたか(黄鯛)
アマダイ釣りで釣り人最も悩ます魚がキダイ。駅弁などにはいっている鯛の尾頭付き塩焼きはレンコダイとも呼ばれるこちらなんだよな。
みると、下針の上でハリスがプッツンといっている状態。世界でもっとも大きなのは、釣り逃した魚っていうわけで、これ以降、さっきのは50cmあったなーを連呼することに。
そのほか、モビルアーマーカナガシラだったり、アカトラギスだったり、ヒメが釣れたり。
アマダイ釣りの名ゲストして天ぷらがメチャクチャうまいアカボラは釣れないけども、デカヒメはよく釣れる状態。これは、アマダイ以外の細いのはぜんぶブイヤベースだな、このあたりで料理の方向性をそう決める。
根がかりをしたところ、なんだか重いけど巻けるなー、なにこれエイかな?
とおもっったら・・・
ヤリイカ仕掛けが一式釣れたり。。。
海水土砂降りからの上潮ビュンビュン。そして、デカ甘が登場!?
船は城ヶ島沖から東京湾側へ。
移動中、海水が土砂降りで、装備をミスったことに気づく。もう、冬の装備で釣りをしたほうがいいし、東京湾内以外の釣りの場合は、カッパも必須だなと。
海水土砂降りアトラクション。
船の揺れで軽かったクーラーボックスが転倒して、魚と氷がすべて投げ出されてしまうというハプニングも。
エリアとしては右手に猿島がみえるところなので、竹岡とか剣崎の間ぐらいなのかもなと。GPSで位置情報を調べる余裕もなく。
ジーパンをふくめてびちょぬれ太郎の状態で、ポイント到着。
次第に晴れ間がでてきて、太陽のありがたさを味わう。
着底したら、小突いて、
水平線ぐらいまで聞き上げる。あとはタナを微調整。
たまにあたるときは貴殿たちの気配
あたりは、朝一のほうがあったよなー。
ヒメがでかめ。ぶつ切りで出汁をとるので、すべてキープ。
それにしても、そろそろ山場というか、アマダイのアタリがでてもいいよね。と話していると、強めの引きが。
ドラグも出てる。
ははーん、デカアマだなこれ。
「アサオさん、デカアマっす。たぶん。たぶんだけど」
・・・
・・・
・・・
貴殿でしたか(ゴマサバ+アカトラギス)
これ以降、サバが連発。
周囲の人がかけたデカサバにより仕掛けが死亡したりして、何度も仕掛けを作り直すことに。
なので、大きな引きがあってもサバだろうなーとしか思えなくなるときに、アサオさんが、「編集長、なんだか、本命っぽいっす。デカいっす」みたいなことを言う。
すると当然ながら、こちらとしてはサバだろうな。
サバに違いないよ。
サバであれ。
みたいなことを思う。性格が悪すぎるじゃないか。
アサオさん「アマダイって、50mぐらいでも引き込むっていうじゃないですか?これスゲー引き込むんですよ」
ほーん。
(サバであれ)
・・・
・・・
・・・
えーっと、40UPの良型アマダイでした。
うらやましい。
そのころ、わたしといえば・・・
子アマダイ。。。
なにが悪いのか。
やはり餌か、いや夜光玉とつけてないところか、いや陽もあがってきたのにインブライト甘鯛の夜光針をつけてるんがあかんのか。
ハリを交換してみたり。
オキアミを抱き合わせ販売にしてみたり。
これは、着底してほどなくして一つのオキアミがとれて、撒き餌になるかもみたいに思ったり。
これで大アマゲットだ。
だ。
だだだ。
だだだだだだだだだだ。
・・・
・・・
・・・
貴殿でしたか(ヒメダブル)
まさかの50オーバーのアマダイが降臨!!??
水深は110m程度。
これはオキアミの天日干し事業ではなく、オキアミのエリートをピックアップしている様子。
実戦に耐えうるのは50名に1名という競争率。
必死。
とにかくあきらめないで釣る。
景色がきれいだなー。
アサオさんも良型アマダイが釣れてほんとによかったなー。
さて、あとは俺がデカアマ釣ってフィニッシュだな。
ここで船は移動して東京湾口あたりへ。
上潮が速すぎて着底がわからない状況。
これはもうダメかもなー。沖上がり何時だろ。
なんども途中でとめて、道糸をまっすぐにするも、流れる上潮。
と、反対舷側でオマツリ。
どうやらアサオさんもオマツリしている模様。
アサオさん「誰かオマツリしてませんか?」
船長「いやもうこっちは全部上がってますねー」
・・・
???
ということは魚か!
いやでもたぶんシイラだと思いますよ。さっきデカイシイラ釣れたし。とかいってみたり。
シイラ、
シイラ、
シイラだと思う。
シイラに違いない。
シイラであれ!
ジーク・シイラ!
ぷかりと浮いて来たのは、
・・・
・・・
・・・
!!!
なんと船内今日一の大アマサイズ。53cm。
すげー。タモ入れを手伝ったときに、ずっしりきたなー。
ということで、記念撮影。
巨大。
まさに「デカアマ」「大アマ」。肥ってるなー。
この53cmのほかに、ちょうど同じときに反対舷のトモで51cmも釣れていたり。
ちょうど大型がいるところだったんだろうな。
え?
なんですか?
わたしの釣果ですか?
あー、小アマダイ3尾っす。
ぐすん。
15時ごろ帰港。
船長とすこし話して、リベンジを約束。
車がだせるまでしばしかかった・・・
「デカアマ」「大アマ」こと巨大アマダイを釣るために必要なこと
「デカアマ」「大アマ」を狙うには以下の要素を押させておくとよいので覚えておきたい。
- タックルは手巻きでもOK。小型電動が有利。たいぞう丸では一番釣る人は手巻きとの船長談。そこはポリシーやお小遣いとご相談を
- ハリスは4号以上をメインに使おう
- ドラグ調整は入念に
- 誘い下げなど糸がたるんでいるときは針が飲まれやすくハリス切れの原因になる
- オマツリ原因は、早潮や2枚潮、サバの暗躍がある。替えの仕掛けはたっぷりもっていく(最低6セット)
- PEライン高切れにより戦線離脱になる可能性があるので、リールやPEラインの予備は必須
- 乗船料に含まれたオキアミは冷凍ブロックなので、選別された不凍品を持参するほうがいい
- ホタルイカあたりを持参して差をつけるのもあり
お世話になった船宿
アマダイは数ではなくて大型サイズを狙う船宿。受付対応や船長のアナウンスなど、ソフト面が丁寧。予約は電話のみ。予約なしでも空きがあれば乗船可能。
タックル
▼たいぞう丸では、PE2号以下が錘60号、3号以上は80号指定。
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