人気の船エギタコ。先調子で丈夫な竿でも代用できますが、やはりエギタコ専用竿が釣りやすく人気です。
ダイワからは「エギタコX」、シマノからは「タコエギBB」があり、多くの釣り人がこの2つを比較購入しています。
今回は両者の違いがよく分からないという方向けに、「エギタコX」「タコエギBB」の比較やおすすめの選び方を紹介します。
エギタコXとタコエギBBの基本スペック
まず、エギタコXとタコエギBBのスペックを押さえていきましょう。
エギタコX
エギタコXはエントリーモデルとは思えないクールなデザインが特長
出典:ダイワ
エギタコXにはHとMの2つの固さがあり、長さは180㎝です。根がかりの少ない平場ではM-180が適しています。
深場や大型狙いの場合はH-180が適しています。
茨城沖などの深場で大型のタコを狙う場合やテンヤをつかった竿釣りは、エギタコXのH180が人気。かなり丈夫にできています。
Amazonでの実売価格は以下の通り。

タコエギBB
タコエギBBは手にもつと全体的にシャキッとしたつくり。ソリッドティップがやわらかめ
出典:シマノ
タコエギBBにはS175と175の2つの調子があります。平場でのエギタコにはS175が適しています。
根周りや深場や大型狙いの場合は、175が適しています。
特にこだわりがなければ、より触りがわかりやすいS175を選びましょう。
※タコエギBB S175の穂先は特に軟らかめに設計されています。オモリやエギを底上で安定させやすいですが、根周りで瞬間的にオモリを上げる動作には適していません。
Amazonでの実売価格は以下の通り。

エギタコXとタコエギBBの違い
左:エギタコX、右:タコエギBBの実機4種で検証
つづいて、本題です。
エギタコXとタコエギBBはどういった違いがあるのでしょうか。
長さの差
エギタコXは180㎝、タコエギBBは175㎝です。
5㎝と微妙な差ですね。
エギタコXは傾斜ガイドという点もありますが、長さの分、投げるときに飛距離を出しやすく、ランディング時のリフトもしやすい印象です。
タコエギBBの短さのメリットとしては、小突きやすさです。
とはいえ、実際のところ5㎝では顕著な差はでません。長さはあまり重要なポイントではないと考えても大丈夫です。
素材の差(感度等)
カーボン多め+ハイパワーXがテイップ手前まで続き、操作性はシャキッとしたタコエギBBのほうが良い
シマノのタコエギBBは、同社の設計思想からカーボン含有率が比較的高め。同社はBBクラスからカーボンを多めに使う傾向があります。
タコエギBBはソリッドティップ手前までのX状テープ補強(ハイパワーX)とあわせて、手に持つとシャキッとした感度と操作性の高い竿です。
ソリッドティップはダイワのエギタコXに比較して、よりエギやオモリを安定して小突けるようにソフトに設計されています。
ダイワの設計思想としては、Xシリーズはカーボン含有率を低めに設定、グラスの割合等でより丈夫さを出している印象です。
これがアナリスター以上になるとカーボン含有率がかなり上がってきます。
たとえば、アナリスターエギタコS-185はカーボン含有率83%で、エギタコXM180の63%に対して20%多くカーボンを使いブランクスを構成しています。
Xシリーズでは素材原価面を押さえつつ、入門者特有の雑な扱いによる破断リスクを軽減しているのかもしれません。
エギタコXは手にもつと、グラス特有のぼよんとした鈍めの感触がし、全体的に剛性がタコエギBBより高いことが見て取れます。
また、X状のカーボンテープ加工はバット側のガイドまでです。その点でタコエギBBとの操作性の差がでているのかもしれません。
たとえば常盤の渡り蛸のように、深場×大蛸釣りでは、竿の剛性が重要にあるため、エギタコXのH180を選ぶ釣り人が多いです。
調子の差
エギタコXとタコエギBBの調子を比べると、エギタコXのほうが固めに設計されています。
穂先が固めの場合、瞬時に根がかりそうなオモリを底から離しやすく、キャスト時のコントロールもしやすくなります。
タコエギBBは穂先がより柔らかめです。
柔らかいソリッドティップのメリットは、オモリを一点で小突く場合やさびく際に、底に安定させておきやすいという特長があります。
反面、手首等の小さい動きでエギやオモリをしっかり動かすという動作は、エギタコXに劣ります。
キャスト面では、穂先がやわらかすぎるとコントロールが付きづらいという点も覚えておきたいところです。
次に穂先の曲がりを見ていきましょう。
まずは、東京湾でよく使われる25号オモリをぶら下げた各社のエギタコ竿です。
上から固い順に・・・
- アルファタックル フネタツ船タコ攻め
- ダイワ エギタコX180H
- ダイワ エギタコX180M
- シマノ タコエギBB175
- シマノ タコエギBB175S
です。
次に、60号オモリ(約225g)をぶら下げた各社のエギタコ竿を見ていきましょう。
オモリ60号≒225gというと、シーズン初期に多い、デキダコサイズですね。
穂先の硬い順は当然変わらないわけですが、顕著に曲がりが変わっているのが、シマノ・タコエギBB175Sです。
グラスソリッドティップがかなり繊細に削られているため、わずかな触りでも、穂先がかなり曲がるということがよくわかります。
デメリットは、荒根で使用すると、初期根がかりに気づきづらく、いざすぐに竿を上げても、竿のまがりもあるので、本格的な根がかりに移行してしまうという点です。
根周りでは、以下の3つが比較的オモリをすぐにそこから切れると考えておきましょう。
- アルファタックル フネタツ船タコ攻め
- ダイワ エギタコX180H
- ダイワ エギタコX180M
ガイドの差
つづいて、エギタコXとタコエギBBのガイド差です。
大きく分けて二つあります。
一つ目はTOPガイドのサイズです。
エギタコXのTOPガイド径はやや大き目
右二つがエギタコX、左二つがタコエギBBです。
エギタコは、明石ではPE2号、東京湾ではPE3号が標準。
サルカンに直結する人もいますが、結び目から高切れしやすいため、8号~10号のフロロリーダーを結ぶ人が大半です。
リーダーとの結び目は、TOPガイド直径が大きい、エギタコXのほうが抜けやすいと覚えておきましょう。
荒根周りでは、根擦れ対策でリーダーを150cm以上獲る場合もあります。
そうしたシチューエーションでは結び目のぬけは大切です。
平場ではリーダー全長は50㎝程度で問題ありません。
キャストする場合も、TOPガイド外に結び目を出して投げられるので、TOPガイド直径はあまり重要ではありません。
ガイド比較でもう一つ注目したいのは、穂先のガイド形状と数です。
エギタコXのティップは富士工業の傾斜ガイド
こちらはダイワ・エギタコXのガイドです。
傾斜ガイドのため、穂先に道糸が絡みづらいというメリットがあります。
またガイド数の多さはブランクスとの接地面が多くなるため、振動の伝達面で感度がよくなり、よりスムーズに竿も曲がるようになります。
タコエギBBのティップは非傾斜ガイドでガイド数少な目
こちらはタコエギBBのガイド。
非傾斜ガイドでガイド数も少なめです。
一般的にガイドが少ないほど自重は軽くなるのですが、放出される道糸がガイドとガイドの間で暴れやすく、糸絡みによる抵抗も大きくなります。
デザイン面
デザインではエギタコXが上か・・・
最後に主観ですが、デザイン面の比較です。
エントリーモデルでのデザインはダイワのXシリーズが優れている印象です。
理由は以下の点にあります。
- ブランクスとソリッドティップまでのカラーが統一されている
- グリップ上のネーム部分がクール
- グリップのロックナット部分に違和感がない
メーカーを超えてダイワのフネXT150P-OPはタコエギBBにもよく合う
タコエギBBは、グリップ上のネーム部分が印象に残らず、ロックナット部分が派手めの赤という好みがわかれる色合い。
赤い色が好きな人はよいですが、そうでない人はやや気が引けるはずです。
このデザイン比較ですが、性能や価格差をしらない妻に以下の3つを見せて、「ぱっと見どれが一番カッコイイ?」と聞いてみました。
- アルファタックル フネタツ船タコ攻め
- ダイワ エギタコX
- シマノ タコエギBB
結果はかっこいい順に、以下の通りでした。
- ダイワ エギタコX
- シマノ タコエギBB
- アルファタックル フネタツ船タコ攻め
それぞれの印象は・・・
- エギタコXは「全体的にかっこいい」
- タコエギBBは「赤いのが派手で好みが出ると思う」
- フネタツ船タコ攻めは「白いところ多すぎ」
とのこと。
船タコ攻めをメインにつかっている立場としては、そりゃまー仕方ないなーと思いましたね。
いやね、デザインじゃないんだよ。この異常な硬さがよいのだよ。
エギタコXとタコエギBB実際どっちがおすすめ?
タコエギBBをはじめBBシリーズはデザイン面でもっとがんばれ
さて、そろそろ結論です。
これは釣り人ごとの好みや、実際に釣行する地形や海況によるのだと思います。
釣り人ごとのパターンにわけてみます。
<エギタコXとタコエギBB、おすすめの選び方>
- より繊細な触りや小型の微妙なノリまで察知したい場合→タコエギBB
- よりオモリやエギを安定させて釣りたい場合→タコエギBB
- 手に持った時によりシャキッとした操作性がほしい→タコエギBB
- とにかくタコ釣りは丈夫さが重要→エギタコX
- 深場×大蛸狙い→エギタコX(180-H)
- 荒根で根がかりを積極的に避けたい→エギタコX(ほんとはフネタツ船タコ攻めのほうが優れています)
- より安価な竿がほしい→現時点ではタコエギBBがわずかに安価(タコエギBB S175:¥12,331、エギタコX M-180:¥13,411)
実際にエギタコX180MとタコエギBB175Sを借りてつかったときの印象は以下の通り。
- エギタコX(180M)はかなり丈夫につくられていて、ちょっとやそっとでは折れそうもない印象
- タコエギBB(S175)は小突くと穂先の曲がりで動きをかなり吸収するので、エギが動いているのか心配になるほど
まとめ
今回は船エギタコ竿で人気を2分する、エギタコXとタコエギBBのスペック比較やおすすめの選び方を紹介しました。
ダイワとシマノという2大メーカーが企画販売しているだけあって、当たり前ですが、どちらをつかっても満足できる釣果を上げることができます。
一方、釣りは釣果だけでなく、自分のスタイルや釣趣の好みというものも重要。
より自分のスタイルにあった竿はどちらなのか。
みなさんのエギタコ竿選びの参考につながれば幸いです。
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