どうも平田(@tsuyoshi_hirata)です。
スミイカをテンヤで狙う地域というのは、どうやら東京湾だけらしいと気づいた2019年。って、もう今年も終わりムードです。だんだんと落としどころが見えてきたわけなんですが、シーズンインしたスミイカを釣りにいってきたので、いつも通り、気づきなどを書きます。
いつもそうなのですが、比較的はじめて特定のスミイカにチャレンジする方にとっては参考になるはず。
前日は「スミイカの乗り活発!!」ときた
前の日は今季最高の乗りだったという噂
金沢八景の一之瀬丸さんでは、マゴチを担当している渡辺直人船長がスミイカも担当。10月初旬から中旬にマゴチの乗り合いを終えたら、スミイカがスタートするという仕様。
だいたい、4月~10月ぐらいまでがマゴチ。それ以外がスミイカのシーズンだと思っておけばよいのだと思います。
マゴチもハゼ餌の補充問題&生け簀でのサイマキ生存問題を除けば、実は狙えば年中釣れるはず。とはいえ、やはりそこはよしなに見切りをつけて、旬ごとに釣りをしていくというのも船釣りの面白さなのでしょうね。
ということで、10月半ばにスミイカがスタートしたわけですが、あれこれしているうちにいつの間にか11月第2週目に入ってしまっていました。
そろそろ行かないと、今年終わるな。秋のスミイカもちゃんとやっておきたいな。もう初冬だけど。ってな具合に早起きして一之瀬丸に到着。
5時30分頃到着。ご覧の通り。スミイカの札は結構のこってますね。
実釣時間は9割方上げ潮。それに北風とあって、船首が有利なのか、それとも北風が強めなので、潮が弱い場合、船は船尾側に流れていくのか、などなどいつもの通り悩んで、残っていた左舷ミヨシ側の2番をとってスタンバイ。
あとでわかったのは、1番の席札がないだけで、わたしが一番だったようです。ここまではキャストの範囲が広がるのでよかった。ここまでは・・・。
やっぱりシャコ餌をつかったテンヤスミイカはハードルがやや高めなのかもしれませんね。江戸前伝統の釣り物で、最高にエキサイティングなわけですが、釣趣を考えると専用竿必須のイメージ(レンタル可能)やテンヤ自体が単体で高い。じゃあ、そのテンヤをはじめての人が買うとなると、ちょっとそこまでハマるかわからないから気が引ける。テンヤのレンタルなどがあると、やる人も増えるのかもなーと思ったり。
他に、テンヤをつかった釣りとしては、マダコ釣りがありますね。
今年の東京湾はマダコ大繁殖だったわけで、このタイミングで船マダコデビューをした人も多いと思うんですが、初心者でもたくさん釣れて、釣り方がわかりやすくなってくるともうすこし人気になるのでしょう。
中オモリをつかったエギングやダウンショットリグでのスッテとかも開放されてくると、より気軽なルアー勢も増えるのかもしれません。船宿によっては、ルアーのみのところもありますね。原価や手間を考えると、活餌のシャコを仕入れないほうが安上がりではあったり。
冬の船釣りはこういった未明に活動しているところがドキドキする
久しぶりにスミイカテンヤに「シャコ」をつけて考えたこと
今日の朝ラーは、AFURIの柚子塩ラーメン。三兄がAFURIに勤めてるので、いつも新商品はチェックしてます。食べたことがある人はだいたい同じ感想だと思うんですが、これ、出汁感がすごいんですよね。麺もうまい。
出船後、あらかじめシャコをセットしておくという流れ。
シャコはこの尻上げ姿勢をよくとる。
この尻尾の棘あたりをV字にハサミでカット。
こんな風に。
あとは情け容赦なく、竹串をまっすぐ差しいれていくという。ゆるせよ。
釣り座はシンプル。誘い続けないと釣れないので、100%手持ちスタイル。
テンヤの35cmぐらい上に親子サルカンで5~10cmほどの枝スをだして、スッテをつけるのが人気のスタイル。スッテをつけたときのメリットとデメリットは以下の通り。
<スッテのメリット>
- スミイカへのアピール力が増す(スッテにスミイカがフッキングしなくても集魚効果があるとされる)
- 厳冬期の深場狙いではマルイカがスッテにヒットしやすい
<スッテのデメリット>
- リーダー分が長くなるので下手投げではキャストしづらくなる。飛距離が伸びない
- 水の抵抗が増えるので水深と潮流によっては着底がとりづらくなる
- スッテが手前マツリするという要素が増える(たまに)
- スッテを警戒するスミイカがいる(かも)
この通りシャコをテンヤにセッティング。
つけている途中からきづいたのは、ちょっとテンヤに対してシャコが小さめだったなと。針下の竹串がすこし露出してしまってるので、繊細なスミイカには気づかれるかもとか思ったり。
実際のところ、どうなのかはわからんのですが、スミイカの眼はアオリイカと同様にかなりでかくて視力はいいはずなんです。なので、見切られたらいやだなーと。それにこういった負になりえる要素はあとあと釣れないときに疑心暗鬼を生じやすいんです。
シャコは自分のテンヤのサイズを見計らいながら、ちょうどいいサイズを選んだほうがよいと思います。ときにはテンヤに対して大きすぎる個体もいるので、そういったときはシャコの尻尾をカットして長さを調整したり。
今回つけたあとに気づいたのは、竹串の差しどころのせいもあってシャコの目玉が立たなかったという点。これはあとでしっかり目が立っている個体の写真がでてくるので比較してほしいのですが、アピール度としては下がるかなと。
竹串を目と目の間にすっと差し込み貫通しないようにすると、シャコの目玉がぴょこんと、「ど根性ガエル」みたいに立ち上がるんですよ。これ、小さいような気もするんですが、実はスミイカのテンヤ釣りでも重要なポイントのような気がしてます。
これからチャレンジする人は、自己流でやらず、かならず船長に聞いて、ちゃんと言った通りにやるのが大切。
初冬の船スミイカは「中ノ瀬」から第二海堡の浅場が主戦場
船のスミイカ釣りは、10月ぐらいからはじまるという話をしたんですが、この頃は東京湾の中ノ瀬から第二海堡あたりの水深15m~20mぐらいがポイント。
出典:国土交通省
この日は、船はやや走って、中ノ瀬でも北側の横浜側からスタート。
最初のポイントでは、やや下げ潮が効いていて、胴の間から船尾側で数杯スミイカがあがっているという状況。
え?わたし?
あー、アタリゼロっす。
この時点で、ヤバイ雰囲気が漂ってきて、刻一刻と濃くなるプレッシャーとミノフスキー粒子。
さきほどまでの万全感はどこにいったのか、右舷左舷ともに他の釣り人をじっとりみて、シャクリの幅やつかっているテンヤの色、スッテの有無&色などを確認したり。
釣れず。
あれ、これボウズかも。と開始2時間にて、最悪の事態を想像してしまったり。
アタリゼロからの、シャコ餌の付け直し
どうも、「竿」の角度にも元気がないですね。
そのまま一切のあたりを出せないまま、10時20分。
なんと、時のすぎるのが速いことか。船は、中ノ瀬を南側に移動していきながら、そこかしこで、たまに釣れるスミイカ。が、アタリが出ない。
そうだ、ここはシャコを買うと同時に渡辺船長の話を聞いてみようと。
平田「シャコ3匹ください。まったくアタリがでないんですよねー。うーむ」
渡辺船長「うーん。早々に平田さん以外は顔見たんだけどね。そこの人が5杯、6杯で」
平田「なにが悪いんですかねー?」
渡辺船長「うーん」
平田「やっぱりスッテはつけたほうがいいんですかね?」
渡辺船長「うーん。釣ってる人はつけないでやってるけど、俺的には絶対つけたほうがいいと思ってるけどねー」
とのこと。
何がわるいのかわからないながらも、外していたスッテを再度つけてみることに。
あとはテンヤにあった比較的大き目のシャコを選抜。
アマテラス、悲しみは誰をも救わない
中島みゆきの「泣かないでアマテラス」が脳内に流れる。
雲間から、光がふりそそぐ。
それでは、このシャコをご覧ください。
目がシャキッとしているでしょ。
触覚もしっかり立っている。これは釣れそうだ。あと、北東風が強めで船が後ろに流れているような気もしていて、そうなると、一番最後に仕掛けを投入していることになるわけで、船首側ではなく、左45°付近にキャスト。
なんとなく、アタリがでそうな、予感。
・・・
着底。
シャクリ。
ゆっくりフォール。
再度着底。
ささやき - いのり - えいしょう - ねんじろ!(8秒の間)
シャク、
・・・!
ガツン!
物干竿のようなスミイカ竿に響く重み。
これだ。これこそ、スミイカのアタリ。
しかも結構でかい。
無事ランディングできたスミイカは600g級。
このシーズンでは最大サイズの模様。春にうまれて、初冬にはこんなにデカくなっているんだからすごいよなー。
左隣りの常連さんから「よかったーこれで安心だー」とお言葉がかけてもらいました。船釣りって、みんな釣れてると釣れてない人が心配になりますよね。でも、へたに声をかけると余計なおせっかいになっちゃうかもしれまいから、遠巻きに見守るというアレ。よくわかります。とにかく釣れてうれしい。
丈夫なシャコもサバフグに目をつけられるとこの通り。
その後は頻繁にシロサバフグが襲来して、海面近くまで追いかけてくる始末。
もう一度エサをつけかえて、チャレンジ。
このテンヤは飛距離を伸ばすために25号に変更。
なんとなく、神々しいぞ、東京湾。
釣れないぞ、横須賀沖へ、移動だよ。
沈黙の横須賀沖。スミイカはいるのかね?
13時00分ごろ、横須賀沖へ。
いつもマゴチの釣りで流してもらう、うみかぜ公園沖あたり。
スミイカもマゴチも、砂泥底上でじっとしたり、状況によっては砂泥をかぶっていたりする生き物。だからポイント的にはかぶるんでしょう。
ところが、全体的にシロサバフグ以外、まったくアタリがでない状況が続いて、はや1時間。
だんだんとシャクリゾンビと化していく自分を、自分の右肩の上45°ぐらいからぼんやり眺めている状態。心ここにあらず。もっと寝ておけばよかった。針先をシャープナーで研いでいたら目が冴えちゃって。てへぺろ。という後悔をこれまで何度してきて、これからも繰り返していくのだろうか。
たまに、シャクリながら寝落ちしそうになる自分が、懸命にシャクっている。いくつか流し変えのアナウンスがでて、とあるポイント。
着底。
ステイ。
シャクリ!
!!!?
ガツン!
うお、デカイ。
これは600g級。
ん?泳いでるなー。
左隣りの常連さんから「泳いでる?」みたいな声がかかり、上がってきたのは・・・
・・・
・・・
・・・
貴殿でしたか(特大アカメフグ)
湾フグ釣りだと嬉しいけど、スミイカの釣りでは素直に喜べないところもあり。
1キロ以上あったんじゃないかなと。
引き続き、投げては、着底後に間をおいてシャクリつづけるという繰り返し。
ひたすら繰り返す。
なぜって、テンヤの釣りではこの動作をやらないと釣れないからなわけで。おかっぱりからスミイカを釣ったときはタコエギを遠投してズル引きしてれば釣れたりするものの、テンヤの場合、仕組み上そうは問屋が卸さないという。しゃくらないと釣れない。
シャコを餌につけているから、シャコの動きを模さないと賢いスミイカは騙せないわけで。
と、投げては繰り返していると・・・
ガツン!
さっきより大きくないけども、泳がないからイカとわかるこの重さ。
350g程度のスミイカを追加。
うれしい。とてもうれしい。
でも、釣り人の欲は際限がないのと、周りの人は5杯、6杯、いい人はそれ以上釣れているようなので、あと1杯、いや、2杯釣らせてくれ。
と、と或る航路をシャクっていたら、今日一のアタリ。
ガツン!
からの、重さ。
これはもしかして、砂泥が詰まった麻袋みたいなものなんじゃ。
じゃ。
・・・
・・・
・・・
あがってきたのは、
マダコ、1.5キロ級。
夏にわんさか釣って有難みが薄れていたタコも、こうして釣れない日にゲストとして釣れてくれると実にうれしいかぎり。リーダー4号でもアワセ切れしないんだなーと感心。
ということで、船長もねばってくれたようなのですが、わたしは、スミイカ2、マダコ1、アカメフグ1でフィニッシュ。振り返ると、アタリっぽいのを逃したのが1回しかなかったので、そもそもアタリを出すところに課題があったのかなと。
イカのなかでもスミイカが一番好きだ。
来年春まで、あと何度釣行するかわからないけども、もっと確信的に釣果を上げられるように工夫してみたいところ。
今回の気づき
- 浅場でも25号テンヤでOKだと思う。無理して軽くして船の上下運動などでテンヤが浮き上がるよりはしっかり沈めて待てたほうがよい印象。ただし、フォール速度は竿先を高めに維持して調整したほうがよさそう
- スッテにはヒットしなかったけども、アピールにはなっているのかも。枝スの位置など再考の余地がありそう
- 一番釣っていたと思われる右舷トモ側のお二人とわたしの左の方はスッテなし。これは、キャストの飛距離が伸びるのとフォールも潮受けしづらく、長い距離探れるのかも
- スッテはスナップはずれと、枝スの破断(フロロ4号)で2個紛失。3個もっていったものの、予備は必要そう。
- PEに先糸をつけておくことでキャストミスによるPE高切れは防げる
- 人とかぶらないエリアにキャストして広く探るというのが釣果の鍵
- シャコは惰性でつけず、眼と触覚が立つように差す。サイズと活きをふまえた選別も重要
ヨーヅリのウルトラスッテDXのなまめかしいカラーリングが好き。この日は、無念にも2種類ロスト。今頃どこかの岸に流れ着いていることでしょう。誰かにつかってもらってください。短い間でしたがお世話になりました。
使用したテンヤは20号と25号。
キャスト飛距離はスッテなしの25号が一番伸びるので、そのあたりの使い分けもできそう。眼玉があるからアタリが増えるわけではなさそう。
ただ、このようにテンヤに目玉シールをはり、黒マジックで口を書くと、なんとなく楽しい。
釣りは楽しくやらないとね。
翌日、まんまと、竿のグリップ側と持つ左手とシャクリをいれるとき手を添える右手のつけねが筋肉痛という安定の仕上がり状況。
息子の凪と動物園にいったのですが、キリンをよく見せようと抱っこしていたらかなりつらかった次第です。一身上の都合により、肩車の計は自粛しました。
以上、今後ともよろしくお願いします。
平田(@tsuyoshi_hirata)
お世話になった船宿
関連アイテム
▼ウルトラスッテDXは、オレンジ、ピンク、レッドヘッド、緑あたりが人気で使用率が高い。東京湾ではピンクが万能とされています。
▼テンヤは浅場は20号でも底がとれるが、あんまり個数を増やしたくない人は25号をふたつもっていけばよいと思います。浅場は色が白か夜光緑あたりが人気。深場は夜光ピンクの人も。どのメーカーのフックも研ぎなおさないと鋭さに難点があるので注意。
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