船釣りでつきもののオマツリ。
釣り物によってはすぐ復旧できますが、複雑な仕掛けでは、1回のオマツリ対応で10~15分ぐらいかかってしまうことも。
また、PEラインがハリのカエシに刺さってほつれると、細糸の場合は詰めてリーダーの結び直しニーズもでてくるのでとてもつらい。
今回は「オマツリは自分が原因ではない」と思う中高年のみなさんに、今一度チェックしてもらいたいポイントをピックアップしました!
なぜ中高年になると船釣りで「オマツリは自分が原因ではない」と思っちゃうの?
まず何気なく使っている「中高年」という言葉の定義ですが、中年と高年からきているようですね。
中年と高年。ふつう、40歳代以上をいう。
出典:goo
この検索結果がしっくりきたので、中高年は40歳代以上とします。
となると、筆者も40歳になりましたので、立派な中高年の仲間入りですね!
さて、人間は40歳になると自分というものが固まり頑固になります。
結婚、未婚、子持ち、子無し。
こういった要素にかかわらず、だいたい頑固になる。
「俺は案外フラットで自由な考えを持っているぜ」とおもっていても、その実、より若い世代からみれば「頭かっちこちやで!」なわけです。
あなたもわたしも、自分で思っている以上にメンドクサイ存在になっている。
これは仕方ない。そういう定めだからです。
そんな中高年で船釣りをしている人は、平均的に経験年数がかなり長いという特徴があります。
ここ1、2年で船釣りをはじめたという人は少なく、なんなら10年、20年やってるなどはザラ。
そうなると、自然と一定の自信が蓄積されています。
一方、人間の器用さは人それぞれ。
年齢や経験年数によらず、すごく釣りが上手な人もいれば、すごく下手、それほど上手くないもいます。
ここで問題なのが「釣りが下手なんだけど謎の自信がある」という人です。
なぜか。
釣りが上手くないのに経験年数が長く、謎自信がある人は間違った道具や釣り方を行いがちで、その結果生じるトラブルを他人のせいにしがちだからです。
トラブルはいろいろあるのですが、船釣りで一番多いのがオマツリです。
そう、謎自信の中高年船釣り師(以下「謎自信の人」)は、オマツリを他人のせいにしがちなのです。
そもそもオマツリの過失割合は10:0ということはあまりありません。
相手側の非が大きくても、それを避けるためのスキルもあるため、どうやっても回避できない場面以外は自分側にも非が少しはあったりします。
これは車での衝突事故の保険の過失判断みたいなもんです。
船上ではお互いに「すみませんでした」というのが大人のルール。
が、謎自信の人はオマツリが起きると自分を棚に上げて、だいたい他人を責めます。
これは経験の長さに対してスキルが釣り合っていないため、オマツリの原因分析が正しくできないため起きている現象なのです。
①竿やリールが釣り物にあってない
タックルは釣り物に合わせる
船釣りでは釣り物ごとにタックルの常識的な基準があります。
たとえば、カワハギ釣り。
6:4調子のオモリ負荷~150号の竿を持ち込んでもアタリはほぼわからないで餌はとられるわ、オモリの着底がわからないわ、ということになってしまいます。
謎自信の人は予習をしないのか、調べても自分には関係ないと考えるのかよくわからないのですが、見当違いなタックルを持ち込んでいるのを目撃します。
だいたいの船長が「その竿じゃ」と指摘するわけですが、本人は押し通しがち。
結果釣果は伸びませんし、底立ちが上手く取れないのであればオマツリの原因にもなってしまいます。
勝手に自爆するのはよいんですけどね。船ではそうはいきませんしね。
②PEラインやオモリの号数が違う
海外製PEと国産PEでは号数の基準が異なるので注意。安い、お買い得!だけではなく、よく説明書きを読みましょう
謎自信の人はPEラインやオモリの号数もしばしば守りません。
釣り船であればこのあたりは常識。
ですが、PE2号までといっても、なぜか3号4号を巻いている人を見ます。
たとえばPE2号がルール化されている船で、やけにオマツリするなーという人がいて、まつったラインをみたらあきらかに2号じゃなかったり。
なんじゃこりゃ。
あまりにまつるので、本人に「これPE2号じゃないですよね」と確認すると、「いや、2号ですよ~」と。
あとあとオマツリのときにカットした相手のPEラインを持ち帰りよく考えたところ、ラインに1m単位のマーカーが付いておらず、海外製PEラインだったり。
海外製PEラインの号数表記(太さ)が国産と違っているのを気づかず、かなり太い糸を使用していたわけです。
他にも電動リールにいつ巻いたかわからないPEラインが巻いてあって、自分でも何号を巻いたかわからなくなっている人もいるんじゃないでしょうか。
また、オモリについても潮受けしやすい形状や極端に重いオモリ、軽いオモリをオマツリしているのに使い続ける人を見ます。
メバルの釣りで全員20号ないしは25号のオモリをつかっているのに、一人だけ根がかり対策なのか、8号ぐらいのナス型オモリをつけていたり。
そこで、オマツリしなければ自由にやればよいとは思うんですが、沖目のポイントでオモリがあきらかに潮下側に流れてくる。
ここで一般的な釣り人は自分がオマツリの震源地と気づき、すぐにオモリを変えるんですが、謎自信の人は変えません。
これはなぜか。
きっと、謎自信の人は自分がオマツリの原因だと考えないで、以下のようなことを考えているのではないでしょうか。
- 船長の流しが下手だな
- コロナ禍なのにたくさん釣り客を乗せすぎのせい
- 隣の釣り人が下手だ
- 胴の間だからオマツリするのは仕方ない
あとは、「オモリ8号しかもっていない」ということもあるかもしれません。
③余計な仕掛けや餌をつけがち
謎仕掛け・謎餌は他人に迷惑が掛からない範囲内で
どの釣り物でも基本の仕掛けというのは決まっていて、工夫の要素もだいたい範囲が決まっています。
が、謎自信の人はこのあたりの枠組みを容易に超えてきます。
明らかに釣果に関係ないような仕掛けや餌をつけたり。
それはそれで自由なんですが、だいたいの場合、潮受けしやすくなり、オマツリの震源地になってしまったり。
大昔にたまたま釣れた要素を10年後、時代や道具も変わっているのに繰り返しやっていたり、ということなんでしょうか。
④オマツリ回避の基本所作ができていない
謎自信の人はスキルがあまり高くないまま釣り経験の年数を重ねてしまっています。
周りの人もある程度オッサンになるとお互い敢えて指摘したりはしないのでしょう。(筆者はするけどね)
そのため、オマツリを回避するための所作ができていないことも散見されます。
- きちんとサミングして、糸ふけを出さないようにする
- 隣の釣り人が落としている筋と重ねないようにする
- 船が移動しているのに、底上に道具を置きっぱなしにしない
- 適切な方向、距離にキャストする
などなど。
キャスト以外は船釣りの基本のキですが、そういった基本スキルを身につけないまま船釣りを20年やっている、という人もたまにいます。
そのくせ、隣に釣りをはじめて2,3年の女性が座るとアレコレ講釈をし、結果蓋をあけてみたらその女性の方が謎自信の人より釣っていたり。
よくある話です。
中高年になると視力も弱ってくる人も多く、投げる場合、PEラインが見えておらず、知らず知らずのうちにクロスキャストしてしまっている人も見かけます。
混雑時、釣り糸が見えない場合は投げるのを控えた方が無難です。
まとめ
オマツリではまず「すみません」。次に考える必要があるのは自分に非はなかったか
今回は「中高年」にフォーカスしましたが、これはしばしば、中高年の「経験だけが長い」釣り人に見られる光景だからです。
一方、年齢にかかわらず、見当違いなことをやって他人のせいにしてしまう人はもちろんいます。
オマツリしたら、まずは「すみません」。
その後に、自分に非はなかったかをちゃんと考えることは誰にとっても必要なことです。
筆者も40歳になりましたので、立派な中高年として、このあたり、今一度心がけていきたいと思います。
ではでは。
平田 剛士(@tsuyoshi_hirata)