釣りの世界で、『鬼』と呼ばれるものはだいたい二つあるかなと。
一つは鬼カサゴ。
もう一つはイシダイなどのエサに使われるオニヤドカリ。
最近では珍味として味噌汁の具などに使われて販売されている例もあります。神奈川だと城ケ島でオニヤドカリの味噌汁を提供する飲食店があるんですが、あれはサザエの漁に混じってとれるようで・・・
以前、オニヤドカリの味噌汁の話を書きましたが、今回はその残滓というか『鬼塩』についての話です。
『鬼塩』とは?
世の中は世知辛いもんで、わからないことがあるとググレカス、ということになりますが、そこは愛情一本ORETSURIメディアでありますので、丁寧に教えて差し上げましょう。
一応ググってみます。
はてさて、鬼塩とは・・・
ほう。寿がきやからタイアップ商品として登場しているカップラーメンのことらしいですね。
ふむふむ。
いいでしょう。
本当の鬼塩について歴史に1ページを刻んで見せますとも。
覚えていますかね、あのオニヤドカリ料理(禁断の鬼汁)で味噌汁の残りは釣り餌として塩漬けにしたわけです。
おさらいすると、
このオニヤドカリが、
味噌汁になったあと・・・
塩漬けにされた。
これはアカエイなどのぶっこみ餌として効果があると証明されたわけです。
今回は残った塩をつかって本当の鬼塩ラーメンをつくってみたいと思います。
これが本当の鬼塩である
なんというか磯ちゅーか海老ちゅーかそんな風味の塩です
まず、冷蔵庫で数か月放置したオニヤドカリのエキスをたっぷり吸い込んだ塩をフライパンで煎ります。
なんだかヒマラヤピンクソルトみたいだな。
はじめはエキス分があるので水っぽい鬼塩も、だんだん水分がとんで・・・
この通り、香ばしく煎りあがりましたよ。
換気扇をしているものの、イセエビっぽい濃厚な甲殻類の香りが部屋に充満。
世の中には海老好きがいますが、海老好きからしたらパラダイスの香りでしょうな。
いわば特濃海老風味といいますか。
ふふふ。
ええかんじで煎りあがりましたな。
なめてみるとすんごい濃くですこと。
さらさらり。
これを一旦ジップロックにしまっておきます。
一見シナモンシュガーにも見えますが、れっきとした鬼塩ですよ。
これが本当の鬼塩ラーメンである
そんでもって日本人の心の味。
サッポロ一番塩ラーメンです。
昨今、マルちゃん正麺などのニュータイプに押されつつも、長く生き残るあの味。
今回はしゃっきりとした野菜炒めを鬼塩風味にしてトッピングすることに。
以下の工程は順番に調理しているように見えますが、実際は野菜を炒め始めて仕上がるタイミングを見計らってサッポロ一番を鍋に投入しています。すぐ麺がのびるのでね。
中華鍋で、サクサク炒めて、
味付けは鬼塩で。
麺は豪快に3玉。(正直2玉にしておけばよかった)
やや水分量を多くして、いつもの粉末スープと鬼塩をブレンド。
ふはははは。
いいぞいいぞ。
甲殻類っぽい湯気で眼鏡がくもりやがる。
最強のエビ湯麵ヤドカリ湯麵ができあがったな。
みなさんのご存知の通りサッポロ一番の麺は瞬速で伸びるので固めにゆであげよう。
野菜をもりつけて、仕上げにネギ油。
このネギ油をしっているかしらないかで、あなたの自宅ラーメン偏差値が大きくかわるので覚えておいてほしい。
香りとコクが増えるのであっさりしたラーメンにちょこっとかけてみるとよいですよ。
付属の切りごまをトッピングしてすする。
・・・
旨
草
四
郎
時
貞。
江戸時代初期、島原の乱におけるキリシタン一揆軍の指導者天草四郎も、討伐軍がサッポロ一番鬼塩ラーメンを炊き出ししていたら、うわ馬路うまそ、と、思わず諸手をあげて降伏してしまいそうな味。
旨いものの前に人間は無力。
世界の戦争は、旨いもので無くそう。
ラスプーチンと中華皇帝と北の工作員の親玉とトランプ大将もみんなおいしく鬼塩ラーメンをすすれば仲良くなれますよ。きっと。
・・・
おい、こいつは何をいっているんだ。
もともと、サッポロ一番の塩味は深い濃くと飽きない味ながら、そこにオニヤドカリから抽出された風味がアクセントとなりさらに奥行きが増しているという味。
寿がきやに対抗して、サンヨー食品さんに置きましては、本当の鬼塩ラーメンをリリースしていただきたい所存です。
ほんとは鬼塩を保存中にクミンの近くにおいていたという事案が発生しており、ちょっとクミン臭がしたことも包み隠さずお伝えしておきます。
塩を保存するときはジップロックではなくガラス容器がよいですね。
ではでは。
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※サッポロ一番塩ラーメンをスープ無しでつくり、スープの素を加減しながらレモンとバターで味付けすると、サッポロ一番塩レモン焼きそばになり旨いです。ミンナニナイショダヨ。